口内炎は薬で治らない? 特徴や原因を知って正確に対応しよう
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
口の中のトラブルはいろいろとありますが、中でも多くの方が悩む症状が口内炎。出来てしまうとなかなか治らず、飲食がしみて食事を楽しめないなどつらいことも多いですよね。
そんな口内炎、なぜ治りにくいのかをご存じでしょうか?
ここでは口内炎が薬では治りにくい理由や口内炎の種類・特徴・原因と対策方法について紹介していきます。
つらい口内炎! とにかく口内を清潔に保つことが大切
口内炎を早く治すには、薬を使うよりも口内を清潔に保ちつつ免疫力を上げることが大切。そのためには正しい歯磨きやうがいを適時行い、生活態度を見直必要があります。なぜなら心身が健康になって免疫力が上がると、すべての病気や症状に対して抵抗力がつくからです。
代表的な口内炎の種類は3つに分けられます。1つは心身の不調、1つはいわゆる怪我、そして最後の1つは病気です。口内炎の中で大きな割合を占めるタイプは心身の不調によるもの。これは、体が出す「休め」のサインです。
口内はいろんな菌が数多く存在しています。口内環境を整え虫歯や歯周病、口内炎などのトラブルをなくすことで、全身の健康に大きな影響を及ぼします。まずは口内環境を清潔に整えて栄養を取り、しっかり休んでください。サポートとして市販薬やサプリメントなどを取り入れるとさらに治りが早くなるでしょう。
口内炎はなぜできる? 口内炎の種類・特徴・原因
先ほど述べたように、代表的な口内炎の種類は3つ。ここではそれぞれの口内炎の特徴と原因を詳しくみていきましょう。
- ・アフタ性口内炎
- ・カタル性口内炎
- ・ウィルス性口内炎
- ・その他の口内炎
アフタ性口内炎の特徴と原因
一般的に口内炎といえばこれ、アフタ性口内炎です。唇の内側や歯茎の根本などに出来る白っぽい楕円形のもので、心身の不調が原因です。
具体的には、以下の3つが大きな要因。
- ・ストレス
- ・免疫力の低下
- ・栄養不足
ストレスが重なったことで暴食暴飲をして栄養バランスを崩したり、睡眠不足で疲れが溜まったりしたときに発生しやすい口内炎です。
アフタ性口内炎のハッキリとした原因は解明していませんが、言ってみれば体からの悲鳴。アフタ性口内炎ができたら、まずは食生活を見直したうえでしっかり寝る必要があります。このタイプは長くても2週間ほどで自然治癒しますが、繰り返し出来る人は歯科へ相談しましょう。
アフタ性口内炎の大きな特徴は痛みがあること。食事中の熱いもの・冷たいもの・調味料類が非常にしみるため、泣きながら食事をする方もいるほどです。ただしウィルスなどではないので、コップやタオルを共有しても他の人にはうつりません。
カタル性口内炎の特徴と原因
カタル性口内炎は口の中を怪我した結果、細菌が入り込んで炎症したもの。たとえば以下のような機械的刺激で発生します。
- ・口内の粘膜を噛んだ
- ・器具による怪我
- ・飲食物での火傷
食事中に話をしようとして頬の内側を噛んで出来た傷口、矯正器具やとがった歯の先などが口の中でこすれて出来た傷口などですね。また、飲食物の火傷などが原因になるケースもあります。
カタル性口内炎の特徴は、白くザラザラしていること。アフタ性と同じく自然治癒します。要するに怪我なので、放置していても1週間程度で自然に治るでしょう。
ウィルス性口内炎の特徴と原因
ウィルス性口内炎は、その名の通りウィルスが原因でできる口内炎です。これは病気なので治療が必要。医者の診察を受けたり薬を飲むなどの処置を受けましょう。
原因となるウィルスはさまざまなものがありますが、たとえば以下のような菌です。
- ・ヘルペスウィルス
- ・溶連菌
ウィルス性口内炎の特徴は、痛みがあるうえに激しいかゆみや水疱(すいほう)を伴う場合があること。コップやタオルの共有、スキンシップなどで他人にうつる可能性があります。
ウィルス性口内炎は免疫力が勝って治ることはありますが、時間がかかります。悪化するとやっかいなので早めに病院へいって診察を受け、適切な処置を受けましょう。
その他の口内炎
口内炎は口の中で起きる炎症を指すため、種類や原因はさまざまなものがあります。たとえば以下の通り。
- ・菌による口内炎・・・カンジダ性口内炎など
- ・アレルギー性口内炎・・・被せ物などで使う金属に反応して発生する口内炎
- ・ニコチン性口内炎・・・喫煙者に特有
- ・薬物性口内炎・・・医薬品による副作用など
口内炎ができたなと思っていたら、いつの間にか口の中に大量発生することがあります。目や鼻など他の皮膚に水疱(すいほう)が広がったり、高熱が出るケースも。ガンなど大きな病気が隠れている可能性もあるので、異常を感じたらすぐに内科や皮膚科を受診してください。
口内炎がなかなか治らない理由
市販されている薬を飲んでもなかなか口内炎が治らないと悩む方もいますね。その理由はなんでしょうか? 以下2つが考えられます。
- ・生活習慣の乱れが原因だから
- ・過労や病気になっているから
最も多い口内炎は、最初に紹介したアフタ性口内炎。ストレスや栄養不足など心身の疲れ・不調が原因と考えられているため、心身を整えなければ状態改善はされません。
口内炎の市販薬は多くの種類があります。粘膜を健やかに保つ効果があるビタミン類などを補給し、傷口から新たに菌が入らないように保護するものが一般的。しかし栄養分を補っても体力がゼロに近ければ、あまり意味はないですよね。まずは生活習慣の乱れを治し、内臓が元気に働ける状態にする必要があります。
ウィルスや菌が原因の口内炎は、ビタミン類を少々補ったところで効果はありません。原因のウィルスや菌に対応した処置が必要です。
できることをしよう! 口内炎を治す対策4選
では一刻も早く口内炎を治すためにできることは何でしょうか? 以下4つを順番に説明します。
- ・うがい&歯ブラシ&マウスウォッシュ
- ・サプリ摂取
- ・良質な睡眠
- ・市販薬
うがい&歯ブラシ&マウスウォッシュ
口の中は常にいろいろな菌で溢れています。傷口へ侵入を防ぎ悪化をさせないためには、口内を奇麗にしておくことが大切。うがいを頻繁にして歯磨きを毎食後にしっかり行い、菌が繁殖する理由を作らないようにしましょう。
眠る前にはマウスウォッシュが効果的。歯ブラシやフロスで歯を奇麗にしたら、マウスウォッシュで口内を減菌します。睡眠中は唾液が少なくなるため、口の中は菌が増えやすい状態に。マウスウォッシュを口内に広げておけば、菌の活動を防止できます。
ただし口内炎という傷口があるため、刺激の強い製品は使わないようにしてください。低刺激とかいてある製品や子供用マウスウォッシュがおすすめです。
サプリ摂取
ウィルス性や病気が原因の口内炎以外では、体が栄養不足であることが発症原因の1つ。普段の食事では摂りにくいビタミン類やミネラルをサプリで補いましょう。特におすすめなのは、粘膜を健やかに保つ効果があるビタミンB2です。
良質な睡眠
体が疲れ切っていれば心も当然元気にはなれませんし、内臓もしっかり活動できません。人間が元気を回復するには食事と睡眠が必要。特に睡眠はとても大切です。
就寝前には湯舟に使って体を温め、ストレッチなどで血行を良くしてからベッドに入るようにしてください。良質な睡眠をとると、成長ホルモンが分泌されて怪我などの回復が早まります。
市販薬
口内炎のための市販薬は、塗るタイプ・貼るタイプ・飲むタイプ・スプレータイプがあります。それぞれにはビタミン類や抗炎症成分が配合されており、傷口を刺激から守って有効成分を浸透させ治していきます。炎症がひどいときにはステロイドが入っている薬が有効ですよ。
口内炎を治すキーワードは清潔・休養・栄養
できてしまったしつこい口内炎を治すためには、なによりも清潔・休養・栄養を大切にすべきです。口の中は細菌だらけ。疲れ切って体力がない状態で口の中に傷口があれば、悪化は当然のことです。まずは傷口に注意しながらうがいや歯ブラシをしっかりと行いましょう。そして栄養バランスの取れた食事、良質な睡眠が必要です。
普段から頻繁に口内炎ができるという方は、1度口内環境を確認することがおすすめ。歯科に相談してみてくださいね。
そして対応しているにも関わらずそれでも治りが遅い場合には、大きな病気が隠れている可能性があります。早めに病院を受診しましょう。
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