歯ぐきにできものが現れたら? 考えられる正体とその原因・治療方法を紹介
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健康な歯ぐきはピンク色をしていて、腫れや痛みがない状態です。しかしそこに白色や赤色を帯びたできものを発見すると、正体が気になり、不安にもなりますよね。
歯ぐきのできものは、痛みがある場合、ない場合、どんどん大きくなる場合とさまざまです。できものの正体によっては、すぐに治療が必要なものもあります。
ここでは、歯ぐきのできもので考えられる正体やそれぞれの原因、そして放置するとどうなるのか、各治療法について紹介します。
歯ぐきにできものが現れたら歯科を受診しよう!
ある日、歯ぐきにできものをみつけたらどうすればいいでしょうか?すべきことは「すぐに歯科の予約を取る」です。
できものの正体は、その症状によってある程度は推測できます。たとえば一般的な口内炎なら白くて丸く痛みがあり、しばらくは食事がつらいでしょう。しかし特に歯科を受診する必要はなく、さほど恐れる必要もありません。
とは言え、中には大きな病気が隠れていることもあるのです。そのため、痛みがあってもなくても、腫れていても腫れていなくても、念のため歯科を受診することをおすすめします。
多くの方は、歯ぐきのできものに痛みがなくて特に日常生活に支障がない場合、よくわからないけれどその内に治るだろうと放置しがちです。しかし、それが深刻な病気につながることもあります。
口内炎でも2週間以上続くのであれば、何かおかしいと思って歯科での治療を考えてください。できものには必ず理由があります。放置せず、早めの対処を心がけましょう。
歯ぐきにできもの? その正体で考えられるもの4つ
では、歯ぐきにできるもので考えられる正体を4つ紹介します。
- ・フィステル
- ・口内炎
- ・腫瘍
- ・全身疾患に関係するもの
それぞれの原因と、放置するとどうなるかをみていきましょう。
フィステル
フィステルはサイナストラクトや瘻孔(ろうこう)と呼ばれることもある、膿が溜まって膨らんだもの。歯の根の位置にでき、小さな穴が開いた白いニキビのような外見です。虫歯や外傷などによって歯の神経が死んでしまったり、歯根の治療が不十分であったりした場合にできます。
細菌感染によって発生した膿が歯の根の先に溜まり、出口をもとめて膨れ上がるのですね。
溜まった膿が完全に出ると膨らみはなくなり、再度膿が溜まればまた膨らみます。膿は臭く、フィステルができている間は口臭もきついものになるでしょう。
多くの場合痛みはありませんが、炎症が強いケースでは触ると痛みを感じることがあります。自然治癒はしません。
原因と放置するとどうなるか
フィステルができる原因は主に次の4つです。
- ・虫歯
- ・根管治療
- ・歯根破折
- ・外傷
いずれも、結果的に口内細菌が歯の神経まで達することが問題です。歯髄が細菌に感染することにより、フィステルが形成されます。
細菌によって膿が出て、それが徐々に溜まって歯根や歯を支えている骨を圧迫、吸収します。すると体は膿を外に出そうと反応をし、フィステルを作るのですね。
放置すれば周辺の歯にも影響し、他の歯の根を溶かしたり神経を死なせたりします。さらに行き場がない膿は血管に入り、血液によって全身を移動。心臓病やアレルギーなどの原因にもなってしまいます。
口内炎
口内炎は、口内にできた炎症の総称です。特に歯ぐきにできる口内炎のことを、歯肉炎と呼びます。
白くて丸く、真ん中が切れた傷のように見えます。口内炎の種類は次の3つ。アフタ性口内炎、カタル性口内炎、ウイルス性口内炎です。
- ・アフタ性口内炎・・・日常的な疲れやストレスによる免疫力の低下で発症する
- ・カタル性口内炎・・・入れ歯や外的衝撃などによる物理的な刺激による傷で発症する
- ・ウイルス性口内炎・・・口内ウイルスが原因で発症する
このうち、多くの場合はアフタ性口内炎です。生活習慣の見直しやストレスの発散、休息によって自然治癒します。
痛みは強く、食事のときに調味料や熱いものがしみて、しばらくつらい思いをするでしょう。塗り薬や飲み薬が販売されているので、それを使えば治りを早くできます。
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歯茎の口内炎が痛い! 種類・原因・つらい痛みを解消する方法
原因と放置するとどうなるか
それぞれの口内炎には原因がありますが、いずれも自己免疫が下がったところにできた傷に、細菌が入って起こした炎症です。そのためもっとも大切なことは、自己免疫を上げること。
睡眠時間をしっかりと取り、バランスの良い食事をとって、丁寧に口内ケアをしましょう。
放置しても2週間程度で改善しますが、1カ月以上同じ状態が続いたりどんどん大きくなったりしているという場合には、早めに歯科医に相談してください。
腫瘍
めったにありませんが、歯ぐきのできものが腫瘍であることも。腫瘍とは、過剰に増殖した組織の塊を指します。良性と悪性があり、悪性が「がん」と呼ばれるものですね。
歯ぐきにできる腫瘍は、良性なら乳頭腫が多く、悪性なら歯肉がん(扁平上皮癌)が考えられます。いずれにせよ、すぐに病院を受診しなくてはなりません。
見た目は口内炎のようでもありますが、口内炎と違ってできものと歯ぐきの境目が不明瞭でぼやけています。また、表面がただれているようにも見えるでしょう。
痛みはないか、触ると痛いといった程度。自然治癒はしません。
原因と放置するとどうなるか
原因はさまざまです。遺伝・慢性的な刺激・タバコ・アルコール・金属による接触性アレルギー・免疫異常・化学的刺激などが挙げられます。
歯ぐきのできものとしては、緊急度は「とても高い」です。最悪の場合、命にもかかわる病気ですので、すぐに病院を受診してください。専門の治療をするところは口腔外科になりますが、通っている歯科を受診すれば紹介状を書いてくれるはずです。
全身疾患に関係するもの
全身疾患が隠れており、その症状の1つとして歯ぐきにできものを作る病気があります。たとえばウイルスによるヘルペス性歯肉口内炎や、自己免疫疾患による天疱瘡(てんぽうそう)などです。
それぞれに見た目や痛みの有無は違いますが、多くの場合、強い痛みを伴うでしょう。発熱や全身の倦怠感を伴うこともあるため、早めに病院を受診してください。
自然治癒はしません。悪化する前に、投薬などの治療が必要です。
原因と放置するとどうなるか
天疱瘡の原因は不明ですが、ヘルペス性口内炎は免疫力の低下が原因です。疲れがたまると再発しやすいため、日常生活の見直しが必要となります。
歯ぐきのできものの治療法は?
では、簡単にそれぞれの治療法を紹介します。特に腫瘍や全身疾患に関するものは、少しでも早く対応することが大切です。必ず時間を作って病院を受診してくださいね。
なお、口内炎は自然治癒が可能なため、ここでは省きます。
フィステルの治療法
フィステルができていたら、歯科で根管治療や抜歯が必要です。根管治療は歯の根に入った細菌を取り除く治療で、汚れをできるだけ取ったあとに薬を詰める処置をします。
原因が歯の根が割れたことによる場合、歯を残すことはできません。抜歯をして殺菌、消毒をし、差し歯やインプラントなどの治療へ進みます。
腫瘍の治療法
歯ぐきのできものが腫瘍である場合、治療法としては、切除・放射線治療・化学療法があります。
切除は主要部分を切り取ること。有効で確実な方法ですが、切り取る範囲が大きくなるため見た目の回復術も必要です。
放射線治療は見た目に変化を及ぼさない治療法です。腫瘍に放射線をあて、なくしていきます。
化学療法は薬を用いた治療です。抗がん剤の服用は副作用が出るため、心身に大きな負担がかかります。
全身疾患に関係するものの治療法
全身疾患が原因での歯ぐきのできものは、口腔外科や内科での投薬が主な治療方法です。免疫抑制薬や抗菌薬、抗ウイルス薬などを服用します。
歯ぐきにできものが現れたらとにかく歯科へ!
できものが歯茎にあれば、何等かの原因で細菌が悪さをしていると考えましょう。放置すれば悪化し、ものによっては全身の健康に悪影響をもたらす可能性があります。そのため、できものをみつけたら、痛みの有無にかかわらず歯科を受診することを検討しましょう。
早めの対応が、将来の自分を救いますよ。