まずは自分の状態と、必要な治療を知ること

歯医者さんに行く理由は、歯に何らかのお悩みを抱えているからだと思います。では、そのお悩みを解決するために、どのような治療が必要なのかを考えたことはありますか？ まずはご自身の歯の状態を踏まえて、どういう治療内容になるのかを知っておくことが望ましいです。

少々大げさな表現かもしれませんが、歯の健康は歯医者さん選びで決まってしまうと言えるかもしれません。

誰かの「おすすめの歯医者さん」を探す前にご自身と向き合い、歯の悩みをこれからどのようにして解決していくのかをあらかじめ調べておいて損はありません。今の時代、WEB検索でも信憑性や専門性の高い情報へアクセスできます。

 

歯科医師によって得意・不得意がある？

一口に歯医者といっても、診療科目は多岐にわたります。ほとんどの歯科医院で基本的な診療を行うことができますが、先生によって得意・不得意はあるものです。すると同じ症状であっても、医院によって治療方針は異なってきます。

もし、ご自身が何の知識も持たずに歯医者さんを選ぶと、後悔してしまうこともあるかもしれません。例えば、歯を抜かなくてはいけなくなったとき、インプラントを提案する先生もいれば、インプラントを勧めない先生もいます。

「勧められた通りに治療したけど、他の医院では別の選択肢もあった・・・」

こんな風になってしまったら悲しいですよね。患者さまがより良い選択ができるように私たちは説明を尽くします。ですが、治療方針は先生の得意分野に寄ってしまう傾向も否定できない。この背景は知っておいたほうが良いと思います。

ここで一つ「おすすめの歯医者さんとは？」への見解を述べるなら、「自分の歯の悩みを納得のできる形で解決してくれる歯医者さん」と言えるのかなと思います。ご自身の状態、必要な治療、歯科医師によって得意分野があることを知っておかなければ、本当の意味でのいい歯医者さんは選べません。

 

いい歯医者さんの見分け方はある？ 歯科医師の考える「いい歯医者」とは

患者さんが歯科医院を選ぶポイントには、以下のようなものがあると思います。

• ・「自宅（職場）から通いやすい」
• ・「知人や家族が通っている」
• ・「先生やスタッフの対応が丁寧」
• ・「評判がいい」
• ・「新しい、清潔感がある」

こういった理由も大切かもしれませんが、治療に関する部分が特に重要ですよね。

ただ、患者さまは基本的に歯科医療の知識を持っているわけではないので、どうやって歯科医院を選べばいいのか具体的に分からないかもしれません。

そこで、歯科医師の視点による「いい歯医者を見分けるポイント」を見てみたいと思います。

 

現役歯科医師に聞いた「いい歯医者だと思う条件」

出典：本当に｢いい歯医者｣を見分ける5つの条件 | 東洋経済オンライン

TBSテレビ「この差って何ですか」（6月14日＜日＞放送）取材班は、この差を徹底調査。全国174人の現役歯科医に、「いい歯医者だと思う条件」を聞いた。

 

5位：すぐに虫歯を削ろうとしない（22%）

むし歯には、進行具合があります。歯の表面にできる初期段階の虫歯は、削らなくてもブラッシングで対処できます。

むし歯といえば、ひと昔前まで削る治療が当たり前でした。しかし昨今は「できるだけ削らない」「つめものを増やさない」という考えが浸透してきています。もし削らなくてはいけない状態に進行していたとしても、削る歯は極力少なく済む方が望ましいということです。

【関連記事】虫歯を削るか削らないかについての記事はこちら
歯の治療は削らない方が良い？ 削った方が良い場合や削らない治療内容とは

 

4位：治療前に歯科衛生士が口の中を掃除する（30%）

お口の中は菌でいっぱいです。歯科医師による治療の前に衛生士がお口の中をキレイにすることで、ベストな治療にあたることができます。

 

3位：治療のたびに歯の写真を撮影する（38%）

お口の写真を撮ることで、患者さまに分かりやすい説明ができます。ご自身の歯の状態、治療前後の比較のほか、定期的に記録を残しておくことで口腔内の変化を的確に把握することができます。

 

2位：自分が不得意な治療は断る（47%）

患者さまの症状と自分の得意分野を踏まえ、その事実を正確に伝える歯科医は「いい歯医者さん」といえるでしょう。「この治療は、当院よりも◯◯クリニックさんの方が良いですよ」と、他院を紹介してくれる先生は良心的です。

 

1位：初回の診療時間が長い（55%）

患者さまのお悩みを正しく捉えなければ、適切な治療を行うことはできません。そのためには詳しく話を聞かせてもらったり、時間がかかっても状態をしっかりと把握する必要があります。初診に時間がかかるのは、より良い診療をするために大切なのです。

 

自分に合った歯医者さんの選び方

先述した「いい歯医者を見分けるポイント」は、実際に歯科医院へ足を運ぶまで分かりません。できることなら受診する前に「自分の歯の悩みを納得のできる形で解決してくれる歯医者さん」を選びたいですよね。

では次に、自分にあった歯医者さんを選ぶために参考になりそうな情報をまとめてみます。

 

自分の状態と、必要な治療から決める

例えば「白い歯を手に入れたい！」と思ったとき、「歯医者さんでホワイトニングしてもらおう」と考えるのではないでしょうか。

もしこのとき虫歯や歯周病といった歯の不具合があったとしたら、すぐにホワイトニングはできないかもしれません。なぜなら、お口の健康を整える方が先決だからです。

これが「自分の状態を知る」です。

歯科医院のホワイトニングにはオフィスホワイトニングと、ホームホワイトニングと、デュアルホワイトニングがあります。

それぞれメリット・デメリットがありますし、医院によっては対応していないものもあります。

これが「必要な治療を知る」です。

• ・現在の不具合を治すことを考える（自分の状態を知る）
• ・自分が望むホワイトニングの種類を決める（必要な治療を知る）

これがファーストステップです。

 

ホームページを確認する

「秋田市 ホワイトニング」「秋田市 予防歯科」といったように、地域名と自分のお悩みに関するキーワードで検索をします。予約サイトやまとめサイトが引っかかると思いますが、それだけでなく医院のホームページも見ておいたほうがいいでしょう。

先生のプロフィール、医院コンセプト、診療科目、治療方針といった情報に目を通すと、「何が専門なのか」「何を大切にしているのか」が分かると思います。そういった情報と、自分の悩みを照らし合わせて判断することをおすすめします。

また、無理なく通えるエリアであることや、診療スケジュールもポイントです。治療内容によっては、短いスパンでの通院が必要となる場合もあります。

 

おすすめの（＝いい）歯医者さんは自分で決める

おすすめの（＝いい）歯医者さんとは何か？ についてお伝えしました。

一般的な「いい歯医者さん」は何かというと、「親切で、優しくて、すぐに治してくれた」といったイメージを指しているのかもしれません。気持ちは分かりますが、医療を提供する側とは見方が多少異なります。

優しい対応がなくても人一倍熱心な先生もおられるでしょうし、親切や優しさは受け取る方によって異なります。私たちからすると「おすすめの（＝いい）歯医者」というのは簡単には申し上げられないものです。

自分である程度調べて知識を持って選ぶことで、ご自身にとっての「いい歯医者さん」を決められるのかなと思います。