歯医者から見たフロスとは? 実はフロスが超主役級である5つの理由と種類・使い方・注意点

こんにちは、秋田のハピネス歯科クリニック大久保です。今回はデンタルフロスについて、お話していきますね。
子供のころは気にしなかったけれど、今は口臭や歯の汚れ、虫歯、歯周病の進行が気になる……。そう悩んでいる方はたくさんいるでしょう。
歯医者では、口内ケアは歯ブラシとデンタルフロス(以下フロス)の併用を推奨しています。実際に歯科関係者はほぼ全員がフロスを使用していますが、その理由をご存じでしょうか。
ここでは歯医者がフロスの使用を推奨する理由を紹介していきます。フロスの基本情報や使用するメリット、使い方、注意点、フロスを使うタイミングなどを説明しますので、ぜひ口内ケアの参考にしてください。
歯医者は必ず行う! 口内ケア必需品のフロスとは?
フロス(デンタルフロス)とは、日本語でいう「糸ようじ」ですね。1本の太い糸に見えますが、実は極細繊維を束ねて糸状にしたものです。歯ブラシでは届かない歯と歯の間、狭い隙間にも入りこむことができ、汚れや歯垢をしっかりと取り除きます。
オーラルケアの必需品としてヨーロッパでは一般的となっている口内ケアアイテムですが、日本でも最近は一般的に使用されるようになってきました。特に歯科関係者は、必ず使用しています。その理由は、歯垢除去の割合がぐんと高まるためです。
実は、歯ブラシのみでの歯垢除去率は約6割しかありません。しかし、フロスや歯間ブラシを使うと、この歯垢除去割合が約8割まで向上します。それでも10割には到達していませんが、虫歯や歯周病の予防にはとても効果的です。
そのため、歯のプロたちは毎日必ずフロスを使用していますし、患者さんにもおすすめするのです。
歯医者がフロスをすすめる理由・メリット5つ

歯医者関係者は必ず使っていると言われるフロス、どんなメリットがあるでしょうか?フロスをおすすめする理由を5つ紹介します。
- ・歯垢除去率が約8割まで上がる
- ・トラブルの早期発見につながる
- ・詰め物などの不具合が見つけやすい
- ・歯周病有無の確認ができる
- ・口臭を軽減・予防できる
歯垢除去率が約8割まで上がる
前述した通り、歯ブラシによる口内清掃では、取れる汚れは全体の約6割と言われています。
お口の中のケアは、歯ブラシによるブラッシングが基本であることは変わりません。しかし、毎食後にきっちり3分間ブラッシングをしたとしても、ブラシが入りにくい歯間についた汚れの多くの部分は落とせていないのです。
それをフロスで取ることにより、歯垢除去率を約8割にまで上げられます。
トラブルの早期発見につながる
フロスを使ったとき、フロスがひっかかってうまく抜けなかったり糸が切れたりすることがあります。抜き取ったフロスの糸に何らかの異変がある場所は、実は、歯周病や虫歯になっている可能性が高いところです。
まだ自覚症状がない初期に、フロスの異常でトラブルを発見できます。「毎回この場所でフロスが切れるな」とわかったら、早めに歯科検診を受けましょう。
詰め物などの不具合が見つけやすい
歯の詰め物やかぶせ物は、経年劣化します。外れたり浮いたりすることがありますが、フロスを使えばそうなる前に不具合に気付けます。
フロスを使って糸が切れたりひっかかったりする場合、かぶせ物が外れかけている場合がほとんどです。詰め物・かぶせ物に異常があればそこから虫歯菌が侵入して内部の歯が虫歯になってしまうため、しっかり直さなくてはなりません。
フロスを使ってかぶせ物などに不具合がないか、意識的に確認しましょう。
歯周病有無の確認ができる
自覚症状がないまま、多くの人がかかっていると言われている歯周病は、日本の国民病とも呼ばれています。歯周病は放置すると歯を支えている骨が溶け始め、歯を失う危険性がありますが、発見のきっかけとなることが多いのは歯茎からの出血です。
フロスを使って歯茎から出血すれば、歯周病が進行している可能性もあると考えてくださいね。また、使用済みのフロスを匂って悪臭がした場合にも歯周病が疑われます。早期に発見して治療を始めることで、歯周病から自分の歯を守れます。
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口臭を軽減・予防できる
歯間には、歯ブラシでは取れなかった歯垢と食べかすが残っています。もし使用後のフロスの匂いを確認して悪臭があれば、歯と歯の隙間に残っている食べかすなどが口臭の原因となっている可能性が高いでしょう。
口臭に悩んでいる方は、しっかりとフロスを使って掃除をしてください。それだけで口臭が軽減することがあります。
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フロスの種類・使い方・注意点

今までフロスを使ったことがない方は、どういうものかわからない方もいるでしょう。ここでは、どんな種類のものがあり、どうやって使うのか、そして使用時の注意点などを説明します。
フロスの種類
フロスには大きく分けて以下2つの種類があります。
- ・ホルダー(取手付き)タイプ
- ・ロールタイプ
ホルダータイプは、プラスチックの持ち手に糸がセットされている商品です。糸の長さ調節などの必要がないため使いやすく、フロス初心者におすすめです。しかし、他のフロス商品と比べると少々割高になります。
ロールタイプは大量に巻かれてケースに入っている商品で、毎回糸を自分で切り指に巻いて使います。もしもフロスが歯間でひっかかったりした場合には、一方の指から糸を外すことで歯から引き抜けるため、詰め物や被せ物に影響なく外せます。
ワックス付きとワックスなしがあり、初心者はワックス付きが使いやすいでしょう。経済的ですので、フロスに慣れたらロールタイプがおすすめです。
フロスの基本的な使い方
フロスは本来、歯垢を取るものです。しかしフロスを使う方の中には、歯間の詰まりものを取って満足して終わってしまう方も多くいます。せっかく手間をかけるのですから、正しい使い方ですべての歯をケアしていきましょう。
ホルダータイプフロスの使い方
- 1、歯の隙間の方向に合わせて差し込む。
- 2、前後に優しく動かす。
- 3、左右の歯の表面をこするように動かしたら、力を込めずに抜き出す。
ホルダータイプのフロスは、ロールタイプに比べて糸が太いものが多くなっています。そのため、歯と歯の隙間から慎重に抜いてください。無理にひっぱると歯に負担がかかってしまいます。
ロールタイプフロスの使い方
- 1、フロスを40cm程度出して切り、両手で持つ。
- 2、両手の中指にフロスの端を数回まきつけ、10㎝程度の長さにしておく。
- 3、口を大きく開け、鏡を見ながら歯と歯の間に糸を通す。
- 4、糸を「く」の字にし、歯の表面についた歯垢をこそげ取る。
- 5、指を上げてフロスを歯間から出す。
歯の間に差し込むときには、人差し指の腹をつかって糸を引っ張る力を調整します。
詰め物にひっかかるとき、歯間が狭いときには無理に抜き取らず、指に巻いた糸をほどいてゆっくりと抜き取るようにしてください。
1つの歯の処理が済んで他の歯のケアにうつるときには、指に巻いた糸をほどいて新しいところを使うようにしましょう。目に見えませんが、処理済みのフロスには雑菌がついています。
左右の指に巻き付けるのではなく、端をくくって輪にして使う方法もあります。作った輪っかを人差し指を使って伸ばし、2cmくらいを保ちながら使ったら回す、使ったら回すを繰り返します。
フロスを使う際の注意点
フロスは使い方を誤ると、歯茎を傷つけてしまうことがあります。
使用の際には以下の注意を守りましょう。
- ・力を入れ過ぎない
- ・歯茎の奥に押し込まない
- ・痛みが続いたら歯科を受診する
フロスを歯と歯の間に入れるとき、強く押し込むように使うのは避けましょう。勢いよく差し込むと、歯茎に当たって痛みや出血の原因になることがあります。
フロスは歯と歯の接触点をゆっくりと通過させるように入れ、歯間に入ったら歯の側面に沿って上下に動かします。歯の表面についた歯垢をこするようなイメージで動かすと、汚れを落としやすくなります。
大切なのは、力任せに動かすのではなく、やさしく丁寧に使うことです。
フロスを使い始めたばかりの頃は、歯茎が炎症を起こしている場合に出血することがあります。しかし多くの場合、数日ほどケアを続けるうちに歯茎の状態が改善し、出血は落ち着いてくるはずです。
しかし、痛みや出血が長く続く場合は注意しましょう。歯周病や虫歯、詰め物の不具合などが原因となっている可能性があります。
フロスを使うたびに同じ場所で痛みが出たり、出血が続いたりする場合には、歯科医院で一度診てもらってくださいね。
フロスを使うタイミングと頻度
フロスを使う習慣がない方の中には、「歯磨きの前に使うべき?それとも後?」と迷う方も多いでしょう。
実際には、フロスは歯磨き前でも後でも構いません。どちらでも使用できますが、それぞれにメリットがあります。また、使う頻度についても基本的な目安を知っておくと、日々の口内ケアに取り入れやすくなるため、ここで確認しておきましょう。
フロスは歯磨きの前・歯磨きの後?それぞれのメリット
それぞれのメリットと、現在一般的に推奨されている使用のタイミングは以下の通りです。
【歯磨きの前】
歯磨きの前にフロスを使うと、歯と歯の間に詰まっている食べかすや歯垢を先に取り除けます。
歯間の汚れを取り除いた状態でブラッシングを行うため、歯ブラシや歯磨き粉が歯の表面に行き届きやすくなる点がメリットです。
また、歯間の汚れが先に取れることで、歯ブラシによる清掃効果を高めやすくもなりますよ。
【歯磨きの後】
歯磨きの後にフロスを使う方法は、ブラッシングで落としきれなかった汚れを確認しながら取り除ける点が特徴です。
歯ブラシでは届きにくい歯間部分を最後にフロスで掃除することで、磨き残しを補えるのです。
「歯磨きが終わったあとにもう一度チェックする」という感覚で使う人も多くいらっしゃいます。
【一般的に推奨されるタイミング】
歯科医療の現場では多くの場合、歯磨きの前にフロスを使用する方法がすすめられています。これは、歯間の汚れを先に取り除いておくことで、その後のブラッシングの効果が高まりやすいためです。
ただし、歯磨き前・歯磨き後のどちらであっても「フロスを習慣的に使うこと」が口内ケアにおいて大変重要です。自分が続けやすいタイミングで構いませんので、できるだけ毎日フロスを使用するようにしましょう。
フロスを使う頻度
フロスを使う理想の頻度は、毎食後の歯磨き時に使うことです。歯と歯の間は歯ブラシだけでは汚れが残りやすいため、食後は歯ブラシとともにフロスを使ってきちんと清掃することが理想とされています。
ただし、多忙であったり食事場所の問題だったりで、毎食後は難しいという方もたくさんいらっしゃるでしょう。そんな方は、とにかく1日1回はフロスを使って清掃する習慣をつけることが望ましいです。
食後に使うのが難しい場合は、就寝前のケアとして取り入れてください。
睡眠中は唾液の分泌量が減り、口内の細菌が増えやすい環境になります。そのため、眠る前に歯間の汚れを取り除いておくことで、虫歯や歯周病のリスクを抑えやすくなるのです。
眠る前であれば、お風呂や洗顔など、自分のケアをしやすい環境と時間が確保しやすいですよね。無理なく続けるためにも、まずは1日1回、就寝前のタイミングから始めてみることをおすすめします。
フロス使用で生まれるQ&Aを紹介!

フロスを使いだすといろんな疑問が生まれてきます。ここでまとめてQ&Aを紹介しましょう。
Q1:フロスは何度も使える?
もったいないと感じるかもしれませんが、フロスは1回ずつ使い捨てにしましょう。
商品によっては洗って何度か繰り返し使えるものもありますが、基本的には使用した箇所には雑菌がついているため、1回ずつ新しいものに変えてください。
Q2:フロスを使って歯茎から出血したら?
歯茎が腫れて血がたまっている場合、フロスの刺激で出血することがあります。多くの場合は数日後には出血は止まるため、過度な心配はいりません。ただし、もし2週間以上出血が続くようなら歯科を受診しましょう。歯周病が進行している可能性があります。
Q3:フロスはスムーズに抜ければOKなの?
フロスがスムーズに抜けるということは、歯と歯の間に隙間があるということです。見た目にさほど歯間がなくとも、隙間があるので食べかすなどが詰まりやすくなります。
当然、歯垢もたまりやすいということです。フロスの抜き差しがスムーズにいく場合、ここは虫歯になりやすい場所なのだなという認識を持ち、丁寧なケアを心掛けてください。
Q4:フロスは毎回使うべき?
理想としては毎食後の使用となりますが、元々フロスを使う習慣がない方にとっては、大変面倒くさい作業ですよね。虫歯ができやすい方などはやはり食事毎の歯ブラシ+フロスをおすすめしますが、どうしても面倒だという方は1日1回でも構いません。
しかしその1回は、夜ご飯のあと、眠る前にするようにしてください。前述したように、就寝中が最も細菌が口の中で活動します。眠る前に歯垢や食べかすを取ることで、トラブルの発生を大きく抑えられますよ。
Q5:フロスで銀歯が取れたんだけど?
フロスを使ったときに銀歯やかぶせ物が取れてしまうことがあります。しかし、通常はフロスの力だけで問題のない銀歯が外れることはほとんどありません。もし外れた場合は、詰め物やかぶせ物の接着力が弱くなっていた可能性があります。
たとえば、考えられる原因は以下のようなものです。
- ・接着用セメントの劣化
- ・銀歯の下で虫歯が進行している
- ・歯の欠けや破折
- ・かぶせ物の適合不良
きちんと装着されたかぶせ物は、通常のフロス使用では滅多に外れません。もしフロスで外れてしまった場合は、もともと何らかのトラブルが起きていた可能性があります。
銀歯が取れた場合は、そのまま放置せず歯科を受診しましょう。取れた銀歯があれば捨てずに持参すると、再装着できることもありますよ。
Q6:100円ショップの安いフロスでも効果はある?
100円ショップなどで販売されているフロスでも、歯と歯の間の汚れを取り除くという基本的な役割は同じです。そのため、適切に使用すれば、歯垢の除去には十分役立ちます。
ただし、商品によっては以下のような違いがあると知っておいてください。
- ・糸の切れやすさ
- ・ワックス加工の有無
- ・糸の太さや滑りやすさ
- ・持ち手(ホルダー)の形状
たとえば、歯間が狭い人は細めのワックス付きフロスの方が使いやすい場合があります。また、糸がすぐに切れてしまう場合は別の商品に変えるとよいでしょう。
価格よりも重要なのは、毎日継続して使うこと。自分の歯間サイズに合ったフロスを選び、無理なく続けられるものを使うようにしてくださいね。
歯医者おすすめ! フロスで口内ケアを徹底的に!
フロスは細い繊維を束にして糸状にしたものです。これを歯の表面をこするように使うと、歯と歯の間の食べかすや歯の表面についた歯垢をこそげ落とせます。
歯の清掃は歯ブラシが基本ですが、狭い歯と歯の間は歯ブラシでもなかなか汚れがとれません。そんなときに活躍するのがフロスです。口内清掃は、歯ブラシとフロスを併用して行いましょう。
フロスの使用は虫歯・歯周病予防のみならず、かぶせ物の不具合や口臭予防などメリットがたくさんあります。最低でも1日に1回は、フロスを使ってケアをしてくださいね。
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