歯医者から見たフロスとは? 実はフロスが超主役級である5つの理由
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
子供のころは気にしなかったけれど、今は口臭や歯の汚れ、虫歯、歯周病の進行が気になる…。そう悩んでいる方はたくさんいるでしょう。
歯医者では、口内ケアは歯ブラシとデンタルフロス(以下フロス)の併用を推奨しています。実際に歯科関係者はほぼ全員がフロスを使用していますが、その理由をご存じでしょうか。
ここでは歯医者がフロスの使用を推奨する理由を紹介していきます。フロスの基本情報やメリットなどを説明しますので、口内ケアの参考にしてください。
歯医者は必ず行う! 口内ケア必需品のフロスとは?
フロスとは、日本語でいう「糸ようじ」ですね。1本の太い糸に見えますが、実は極細繊維を束ねて糸状にしたものです。歯ブラシでは届かない歯と歯の間、狭い隙間にも入りこむことができ、汚れや歯垢をしっかりと取り除きます。
オーラルケアの必需品としてヨーロッパでは一般的となっている口内ケアアイテムですが、日本でも認知されだしていますね。特に歯科関係者は、必ず使用していると思って間違いなし。その理由は、歯垢除去の割合がぐんと高まるからです。歯ブラシのみでの歯垢除去率は約6割ですが、フロスを使うとこの割合が約8割まで向上します。
虫歯や歯周病の予防に効果が抜群なため、歯のプロたちは使用していますし、患者さんにもおすすめするのです。
歯医者がフロスをすすめる理由・メリット5つ
歯医者関係者はほぼ必ず使っていると言われるフロス、どんなメリットがあるでしょうか?フロスをおすすめする理由を5つ紹介します。
- 歯垢除去率が約8割まで上がる
- トラブルの早期発見につながる
- 詰め物などの不具合が見つけやすい
- 歯周病の確認
- 口臭の軽減・予防
1.歯垢除去率が約8割まで上がる
お口の中のケアは、歯ブラシによるブラッシングが基本です。しかしきっちり3分間ブラッシングをしたとしても、ブラシが入りにくい歯間についた汚れは落とせないことが多いのですね。それをフロスで取ることにより、歯ブラシだけでは約6割だった歯垢除去率を約8割にまで上げることができます。
2.トラブルの早期発見につながる
フロスを使ったとき、フロスがひっかかってうまく抜けなかったり糸が切れたりすることがあります。抜き取ったフロスの糸に何らかの異変がある場所は、歯周病や虫歯になっている可能性が高いところ。まだ自覚症状がない初期に、フロスの異常でトラブルを発見できます。毎回この場所でフロスが切れるなどがわかったら、歯科検診を受けましょう。
3.詰め物などの不具合が見つけやすい
歯の詰め物やかぶせ物は、経年劣化します。外れたり浮いたりすることがありますが、フロスを使えばそうなる前に不具合に気付けます。フロスを使って糸が切れたりひっかかったりする場合、かぶせ物が外れかけている場合がほとんど。詰め物・かぶせ物に異常があればそこから虫歯菌が侵入してしまいます。フロスを使ってかぶせ物などに不具合がないか、意識的に確認しましょう。
4.歯周病の確認
自覚症状がないまま、多くの人がかかっていると言われている歯周病。放置すると歯を失う危険性がありますが、歯周病発見のきっかけとなることが多いのは歯茎からの出血です。フロスを使って歯茎から出血すれば、歯周病が進行している可能性も。また、使用済みのフロスを匂って悪臭がした場合にも歯周病が疑われます。早期に発見して治療を始めれば、歯を守れます。
5.口臭の軽減・予防
歯間には、歯垢と食べかすが残っています。もし使用後のフロスの匂いを確認して悪臭があれば、歯と歯の隙間に残っている食べかすなどが口臭の原因となっている可能性が高いでしょう。口臭に悩んでいる方は、しっかりとフロスを使って掃除をしてください。それだけで口臭が軽減することがあります。
フロスの種類と使い方
今までフロスを使ったことがない方は、どういうものかわからない方もいるでしょう。まずはどんな種類のものがあり、どうやって使うのかを紹介します。
フロスの種類
フロスには大きく分けて以下2つの種類があります。
- ・ホルダー(取手付き)タイプ
- ・ロールタイプ
ホルダータイプは、プラスチックの持ち手に糸がセットされている商品。糸の長さ調節などの必要がないため使いやすく、フロス初心者におすすめです。しかし、毎日使っていくことを考えたら少々割高。
ロールタイプは大量に巻かれてケースに入っている商品で、毎回糸を自分で切り指に巻いて使います。ワックス付きとワックスなしがあり、初心者はワックス付きが使いやすいでしょう。経済的ですので、フロスに慣れたらこちらがおすすめです。
フロスの基本的な使い方
フロスは本来、歯垢を取るものです。しかし歯間の詰まりものを取って満足して終わってしまう方も多くいます。せっかく手間をかけるのですから、正しい使い方で歯のケアしていきましょう。
1.ホルダータイプフロスの使い方
歯の隙間に差し込み、前後に優しく動かします。左右の歯の表面をこするように動かしたら、力を込めずに抜き出しましょう。
ホルダータイプのフロスは、ロールタイプに比べて糸が太いものが多くなっています。そのため、歯と歯の隙間から慎重に抜いてください。無理にひっぱると歯に負担がかかってしまいます。
2.ロールタイプフロスの使い方
フロスを40cm程度出して切り、両手で持ちます。両手の中指にフロスの端を数回まきつけ、10㎝程度の長さにしておきましょう。
歯の間に差し込むときには、人差し指の腹をつかって糸を引っ張る力を調整します。糸を「く」の字にし、歯の表面についた歯垢をこそげとりましょう。
詰め物にひっかかるとき、歯間が狭いときには無理に抜き取らず、指に巻いた糸をほどいてゆっくりと抜き取るようにしてください。
1つの歯の処理が済んで他の歯のケアにうつるときには、指に巻いた糸をほどいて新しいところを使うようにしましょう。処理済みのフロスには目に見えませんが、雑菌がついています。
左右の指に巻き付けるのではなく、端をくくって輪にして使う方法もあります。作った輪っかを人差し指を使って伸ばし、2cmくらいを保ちながら使ったら回す、使ったら回すと繰り返します。
フロス使用で生まれるQ&Aを紹介!
フロスを使いだすといろんな疑問が生まれてきます。ここでまとめてQ&Aを紹介しましょう。
Q1.フロスは何度も使える?
もったいないと感じるかもしれませんが、フロスは1回ずつ使い捨てにしましょう。商品によっては洗って何度か繰り返し使えるものもありますが、基本的には使用した箇所には雑菌がついているため、1回ずつ新しいものに変えてください。
Q2.フロスを使って歯茎から出血したら?
歯茎が腫れて血がたまっている場合、フロスの刺激で出血することがあります。多くは数日後には出血は止まりますが、もし2週間以上出血が続くようなら歯科を受診しましょう。歯周病が進行している可能性があります。
Q3.フロスはスムーズに抜ければOKなの?
フロスがスムーズに抜けるということは、歯と歯の間に隙間があるということ。見た目にさほど歯間がなくとも、隙間があるので食べかすなどが詰まりやすくなります。当然、歯垢もたまりやすいということです。フロスの抜き差しがスムーズにいく場合、ここは虫歯になりやすい場所なのだなという認識を持ち、丁寧なケアを心掛けてください。
Q4.フロスは毎回使うべき?
フロスを使う習慣がない方にとっては、大変面倒くさい作業ですよね。虫歯ができやすい方などはやはり食事毎の歯ブラシ+フロスをおすすめしますが、どうしても面倒だという方は1日1回でも構いません。しかしその1回は、夜ご飯のあと、眠る前にするようにしてください。就寝中が最も細菌が口の中で活動します。眠る前に歯垢や食べかすを取ることで、トラブルの発生を大きく抑えられます。
歯医者おすすめ! フロスで口内ケアを徹底的に!
フロスは細い繊維を束にして糸状にしたもの。これを使って歯と歯の間の食べかす、歯の表面についた歯垢をこそげ落とすことができます。
歯の清掃は歯ブラシが基本ですが、狭い歯と歯の間は歯ブラシでもなかなか汚れがとれません。そんなときに活躍するのがフロスです。口内清掃は、歯ブラシとフロスを併用して行いましょう。
虫歯・歯周病予防のみならず、かぶせ物の不具合や口臭予防などメリットはたくさん。最低でも1日に1回は、フロスを使ってケアをしてくださいね。