副鼻腔炎で歯が痛すぎる! 症状の特徴や痛みを軽減する方法を紹介
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風邪や花粉症などで体調を崩したとき、歯が数本まとめて痛くなることがありませんか? 強い痛みがあってもこの歯が痛いとはっきり特定できない場合は、虫歯などではなく副鼻腔炎が原因かもしれません。
ここでは副鼻腔炎による歯痛について紹介します。
通常の歯痛との違いや歯が痛くてつらいときの対処法などを紹介するので、花粉症を持っていたり鼻の粘膜が弱かったりするという方は参考にしてください。
副鼻腔炎で歯が痛い! 原因は鼻の場合も歯の場合もある
歯痛には歯痛にはさまざまな原因がありますが、そもそも歯が悪くないというケースもあります。その1つが、副鼻腔炎による歯痛です。
副鼻腔炎は鼻から顔中に広がる細い粘膜の管が、ウイルスなどにより炎症を起こす病気。鼻は口と近い器官のため、副鼻腔の中で起きた炎症がほど近い上顎の歯の神経を刺激するのですね。
ただし稀ではありますが、歯のトラブルによって副鼻腔炎が起こるケースも存在します。
副鼻腔炎は耳鼻咽喉科が専門ですが、歯が原因で副鼻腔炎を起こしている場合もあるため、歯痛があればまずは歯科を受診しましょう。
そもそも副鼻腔炎とは? 副鼻腔炎が原因での歯痛の特徴5つ
まずは副鼻腔炎について紹介します。
副鼻腔は目や頬骨の後ろ、そして額などにある4つの空洞のこと。鼻から吸い込んだ空気がここを通るときに湿らせ、温めて体内へ送り込む役割があります。
また、副鼻腔内にある粘膜や小さな繊毛が、空気中のウイルスやバクテリアなどを除去。体内へ入るのを防いでいます。
ここに何らかの原因で炎症が起こるのが副鼻腔炎です。多くは鼻に侵入したウイルスや花粉が原因ですが、稀に歯から細菌が侵入してきて発症することもあります。
副鼻腔が炎症を起こすと粘膜が膨れ上がって鼻呼吸ができなくなり、歯痛の他にも頭痛や顔面痛など多くの不快な症状をもたらします。
次の5つは、副鼻腔炎によってでてくる歯の痛みの特徴です。
- ・歯の痛みや浮きを感じる
- ・上顎の奥歯が痛む
- ・複数の歯が痛む
- ・左右どちらかに症状が出る
- ・多くは神経を持つ歯に痛みが出る
順番に紹介しましょう。
歯の痛みや浮きを感じる
副鼻腔炎になると、歯が痛んだり浮いたりするような感じがあります。
炎症によって歯の根の先や神経が圧迫されると、耐えがたい激痛が起こることも。これは副鼻腔炎が改善されると治まりますが、強い歯痛のため虫歯と間違われることが多いのです。
また、何かを噛んだときにのみ歯痛が出るのも特徴です。
上顎の奥歯が痛む
上顎が鼻に近いため、副鼻腔炎が起こると上顎の奥歯が痛みます。
上顎の奥歯の根は副鼻腔に入り込んでいることが多く、副鼻腔炎になると炎症が根の先から歯の神経に伝わるのですね。
複数の歯が痛む
虫歯であれば一本の歯が痛くなったりしみたりします。しかし副鼻腔炎が原因の場合には、複数の歯が痛みを感じるという特徴があります。
原因は、炎症が起こる副鼻腔に根が接している歯が数本あるから。奥歯全体に影響が及ぶことが多いでしょう。
左右どちらかに症状が出る
副鼻腔炎は左右両方に起きますが、歯痛が出るのは急性化した左右のどちらかであることが一般的。ただし稀に左右同時に歯痛が出ることもあります。
多くは神経を持つ歯に痛みが出る
すでに神経がない歯は影響を受けにくく、神経を持つ歯に痛みが出やすいのも特徴です。
普通の状態のときに起こる歯痛は神経が生きている歯ですが、噛んだときに起こる歯痛は神経の有無にかかわらず発生します。
副鼻腔炎による歯痛と他の歯痛との違い2つ
歯が痛いけど、この原因は虫歯なのか副鼻腔炎なのかがわからないときは、次の2つの違いに注目してみましょう。
- ・冷たいものや熱いものがしみるか
- ・自分で痛い歯を特定できるか
冷たいものや熱いものがしみるか
虫歯や知覚過敏の場合、冷たいものや熱いものに触れたときに一時的に痛みが出ます。しかし副鼻腔炎が原因の場合には、多くは歯の神経が圧迫されることによる痛みです。そのため飲食物の温度はさほど影響がありません。
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自分で痛い歯を特定できるか
また、この歯が痛いと自分で特定できる場合には、虫歯である可能性が高いでしょう。副鼻腔炎が原因であれば一本だけが痛むことは少なく、大抵の場合2、3本の歯や全体的に痛みがあるという状態になります。
自分でできる副鼻腔炎による歯痛を軽減する方法4つ
では歯医者や耳鼻咽喉科へすぐには行けないとき、自分で痛みを軽減できる方法はあるでしょうか?
副鼻腔炎が原因の歯痛は、以下の4つを試してみてください。
- ・睡眠や水分をしっかりとる
- ・香辛料をとる
- ・鼻うがいをする
- ・冷やす
睡眠や水分をしっかりとる
副鼻腔炎は風邪だけでなく花粉症などによっても発症します。しかし風邪が原因だった場合、睡眠をしっかりとることがとても重要です。
睡眠中は体を自己回復しています。免疫がウイルスと戦い、鼻呼吸ができるように回復するためには十分な睡眠は不可欠です。
体をあたためて眠り、体力や免疫力を回復させましょう。副鼻腔炎が原因の歯痛なら、これだけで軽減する可能性があります。
香辛料をとる
カレーなどを代表するスパイス、香辛料は、体を温めるだけでなく副鼻腔の粘膜や舌の知覚神経を刺激する働きがあります。そのため、熱くて辛いものを食べると鼻水が出てきた経験がある人も多いでしょう。
香辛料が入ったものを食べて鼻の粘膜を刺激し、鼻水を出すようにしてください。
辛いものや香辛料が苦手という方は、薄荷やペパーミントでも効果を得られますよ。
鼻うがいをする
副鼻腔炎を治すためには、ウイルスを追い出す必要があります。それに効果的なのが「鼻うがい」です。鼻の一方から水や薬剤を流し入れ、口を開いて出します。
初めての方は喉へ流れてしまったりむせてしまったりすることがありますが、慣れれば痛みもなく、鼻腔をすっきりと洗い流せて大変効果的。病院へいかず自力で副鼻腔炎を治したい方には必須ですよ。
今は市販の鼻うがい液が販売されています。刺激が少ない薬剤で専用の容器もあり、初心者でも取り組みやすいため、ぜひ挑戦してください。
冷やす
歯痛が出るのは炎症によって膨らんだ粘膜が、歯の神経を圧迫しているところ。ここを冷やせば神経が鈍り、一次的ではありますが痛みを軽減できます。
氷と水を入れたビニール袋などを顔にあててみてください。痛みで夜も眠れないという方は、市販の鎮痛剤を一緒に試しましょう。
歯が原因で副鼻腔炎が発症しているときにすべきこと
まれに起こる歯が原因の副鼻腔炎の発症は、耳鼻咽喉科で抗生物質を処方してもらっても根本である歯を治さないことには解決しません。
歯が原因で副鼻腔炎になるのは、虫歯や歯根嚢胞(しこんのうほう)、重度の歯周病、歯の破折などによるもの。当然歯とその周辺にもさまざまな影響が出ている状態なので、日常生活にも支障がでていると考えられます。そのため、できるだけ早めに歯科の受診が必要です。
歯が原因で副鼻腔炎になる確率は20%程度ですが、放置すれば口内もめちゃくちゃになります。まずは歯科を受診し、抗生物質の服用で炎症を改善しながら歯の治療も受けましょう。
虫歯は削って詰め物をし、歯周病であれば徹底的な歯や歯ぐきの清掃をして、必要があれば歯の根の治療をします。治療が進んで細菌が副鼻腔に入らなくできれば、抜歯せずに済む場合も多いですよ。
副鼻腔炎による歯痛は早めの受診が吉!
歯が痛すぎる! そう思ったら、まずは痛む歯を特定できるか考えてみましょう。それができない、全体的に上顎の奥歯が痛いと感じる場合には、副鼻腔炎が原因であると考えられます。
副鼻腔炎を治療するのは耳鼻咽喉科です。しかし歯が原因で副鼻腔炎になっているケースもあるため、まずは歯科の受診が妥当でしょう。必要なら歯の治療もしてもらい、抗生物質で副鼻腔炎を治していきます。歯が原因であればしっかり治療しないと、またすぐに副鼻腔炎が発生してしまいますよ。
いずれにせよ強い歯痛がでがちな副鼻腔炎です。できるだけ早く歯科や耳鼻咽喉科を受診してください。