子どもの虫歯放置が及ぼすリスク:永久歯への影響と親ができること・すべきこと
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子どもに虫歯ができたとわかったとき「虫歯になったのは乳歯でそのうち永久歯に生え変わるし、治療で子どもが歯科嫌いになると困るからこのままおいておこう」などと考えてはいないでしょうか?
確かに乳歯はいつか永久歯に生え変わりますが、乳歯にできた虫歯を放置すると永久歯も無事ではありません。そのため、子どもの虫歯は放置せず、大人の虫歯と同じように治療する必要があります。
この記事では、子どもの虫歯を放置する危険性や子どもの歯を守るために親ができること・すべきことなどを紹介します。
乳歯の虫歯放置はとても危険! 必ず歯科を受診して
子どもの歯は乳歯だから生え変わるので、虫歯の治療はしなくてよいと考える方がいますが、本当に良いのでしょうか?
結論から言うと、乳歯でも虫歯治療はしなくてはなりません。後から生える永久歯を守るためにも、早い目に歯科を受診し、しっかり治しておく必要があります。
後述しますが、子どもの乳歯は大人の永久歯に比べて虫歯になりやすいものです。そのため、毎日の仕上げ磨きで大人が虫歯の有無を確認することが非常に大切。もしも痛みが発生するまで虫歯を放置すると治療も痛いことになるため、子どもさんにはなかなかつらい日々となってしまいます。
子どもの口内を健康に保つため、日々歯のチェックをしましょう。そして少しでも違和感があれば、すぐに歯科を予約してくださいね。
子どもの歯(乳歯)が虫歯になりやすい理由
子どもの乳歯は永久歯に比べ、柔らかく薄く、もろい歯です。乳歯の場合は歯の一番外側を守るエナメル質が未熟であるため、虫歯菌が出す酸への抵抗性があまり強くありません。
また、乳歯の奥歯は溝が深く、汚れが溜まりやすい構造をしています。親が仕上げ磨きをしていても虫歯になりやすい場所なのですね。
さらに、子どもは痛みを感じる能力も未熟であるため大人に比べて痛みに気付きにくく、痛みが出たときには虫歯がかなり進行しています。つまり、虫歯になりやすい性質であるうえに、虫歯になっても気づきにくいということ。大人よりも歯を失う可能性が高いと考えてください。
子どもの虫歯は放置しない! 乳歯の虫歯を放置する危険性
では、乳歯の虫歯を放置するとどのような危険性があるのでしょうか?以下の3つを解説します。
- ・口内に虫歯菌が増える
- ・口臭が発生する
- ・乳歯の根の先に膿が溜まる
口内に虫歯菌が増える
虫歯を放置すると、口内にいる虫歯菌の数はどんどん増えていきます。今はまだ健康な乳歯も、同じく虫歯に感染する可能性が高まるわけです。気が付いたら口内虫歯だらけだったということにならないよう、虫歯は治療し、口内細菌を抑えなければなりません。
口臭が発生する
虫歯菌が出すガスによって、口臭が発生します。
虫歯になると歯に穴があき、そこに汚れがたまりますが、その汚れは歯ブラシでは届きません。その結果ゴミが発酵し、そこからもくさい匂いが発生します。
乳歯の根の先に膿が溜まる
虫歯を放置すると細菌がどんどん歯の内部へと侵食し、歯の根の先に膿が溜まります。一度根の先に膿ができるとその歯の完治は難しく、治療をしても虫歯が再発する可能性が常にある状態です。
この根の先にできた膿が、永久歯に以下のような悪影響を与えます。
- ・控えている永久歯の方向が異常をきたす
- ・乳歯が早期に抜けてしまう
- ・永久歯のエナメル質に異常が発生する
控えている永久歯の方向が異常をきたす
次に生えてくる永久歯はそのまま生えると細菌感染するため、それを避けようと生える向きを変えます。真っ直ぐに生えるはずの永久歯が曲がって出てくると、口内トラブルの原因となるだけでなく、噛み合わせなどにも影響するため矯正の必要もでてきます。
乳歯が早期に抜けてしまう
通常、健康な乳歯が永久歯に生え変わる際には、永久歯がでてこようと動くことで乳歯の根が吸収されて乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。ところが乳歯の根の先に膿が溜まっていると、永久歯の準備ができていないのに根の吸収が始まることがあるのです。
乳歯が早期に抜けてしまうと、永久歯が生えるスペースを確保するという乳歯の役割を果たせません。永久歯はすぐには生えないため、やっと生えるタイミングが来たころにはスペースがなくなっているという結果になります。
永久歯のエナメル質に異常が発生する
乳歯の根の先に膿が溜まっていると、永久歯のエナメル質がうまく作られず、茶色く変色したり部分的に欠けていたりすることがあります。これは「エナメル質形成不全症」と呼ばれています。
その歯は通常より弱くなるため、膿の影響を受けた永久歯は生まれながらにして虫歯に弱い歯になってしまうのです。
子どもの虫歯は親の責任が大きい! 親ができること・すべきこと
子どもの虫歯ができないよう、親ができることやすべきことにはどんなものがあるのか、以下の4つを順番に解説します。
- ・仕上げ磨きは必ずする
- ・虫歯を見つけたら放置しない
- ・間食の種類や回数を考える
- ・歯科で定期健診を受けさせる
仕上げ磨きは必ずする
子どもが自分で歯磨きをしたあとの、仕上げ磨きは親が必ずするようにしましょう。
誰でも自分の歯がしっかり磨けているかはわかりにくいですが、子どもの歯は目で見ながら磨けるため、汚れを落としやすいはずです。
特に夜、眠る前の仕上げ磨きは徹底するようにしてください。寝ている間は唾液の分泌が減るため、口内細菌は活動しやすくなります。歯磨きで少しでも汚れを落とし、細菌の活動を抑制することが大切です。
虫歯を見つけたら放置しない
前述したように、乳歯は虫歯になりやすく、また進行もしやすいものです。そのため、虫歯を見つけたらすぐに歯科を予約しましょう。軽度であれば子どもに怖い思いや痛い思いをさせずに済むうえに、次に生える永久歯の健康も守れます。
間食の種類や回数を考える
食事やおやつの時間はできるだけ揃え、そのあとに歯磨きをすることが推奨されています。基本的には朝食・昼食・おやつとして間食・夕食の順番ですね。
この間食が多い場合は、それだけ虫歯のリスクが高まるということ。そのため、間食の回数を減らしたり、その内容に気を配ったりしてみてください。
糖分がたっぷり入ったジュースなどは避け、ダラダラと食べさせず短時間で、お腹にたまるものを食べさせましょう。たとえばバナナや小さいおにぎりなどがおすすめです。
歯科で定期健診を受けさせる
年に数回、プロに口内をチェックしてもらうことは、健康を維持するうえでとても大切です。今は「病気になったから病院に行く」のではなく「病気にならないために病院へ行く」時代。予防歯科を習慣にして、口内環境を守りましょう。
特に乳歯から永久歯に変わる際にしっかり見守ってもらうと、矯正が必要な場合でも早めにスタートでき、時間もお金も節約できます。
虫歯などの口内トラブルも早期に治療できるため、子どもが歯科を怖がるリスクも減らせますよ。
子どもの虫歯は甘くみてはいけない! すぐに歯科を受診しよう
子どもの虫歯は大人の虫歯に比べ、進行しやすいと考えてください。もしも歯の根の先に膿が溜まってしまったら、その後に生える永久歯の健康も害されます。
子どもの歯を守るのは、大人の役目です。乳歯に白っぽくなっている箇所があったり穴が開いていることがわかったら、すぐに歯科を受診するようにしましょう。