予防歯科は子供にとって非常に大切! その理由4つと具体的にすべきこと
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
子供が虫歯になって痛みに苦しむ、それは親にとってもさまざまな苦痛の始まりとなりますよね。痛がる子を見るのはつらいですし、歯医者に連れていくのも一苦労、連れて行っても子供は恐怖と痛みで号泣…。そうならないためにも、大切なのは「予防歯科」です。
予防歯科とは、あらかじめ口内環境を適切に管理し、虫歯や歯周病にならないようにすること。ここでは子供に予防歯科が大切な理由4つと、具体的な内容や家庭ですべきことなどを紹介していきます。
子供の予防歯科は大事! 歯科と家庭二人三脚で乗り越えよう
虫歯や歯周病にならないために予防が大切なのは大人も子供も同じですが、むしろ比重で言えば、子供の予防歯科の方が大事です。幼いときからしっかりとケアをしておけば無駄な苦しみがなくて済みますし、親もいろいろと助かることが多いですよね。歯の健康は全身の健康とつながっています。虫歯になってから歯医者に駆け込むのではなく、虫歯にならないようにケアしていきましょう。
ただし、「しっかりやらなきゃ!」と思い詰める必要はありません。最初から完璧を求めると必ず無理が出ますし、うまくいかないときに自分や子供を責めてしまうことになりかねません。子供の予防歯科は、プロである歯科と家庭が二人三脚で取り組むことが大切です。プロからのアドバイスを貰い、親子でしっかりと口の健康を守っていきましょう。
子供の予防歯科が大事な理由4つ
ではなぜ子供の予防歯科が大事なのでしょうか?大きな理由は、次の4つです。
- ・虫歯になりにくい健康な口内になる
- ・歯医者に対する恐怖が軽減する
- ・歯並びなども確認できる
- ・子供自身に歯の予防意識がつく
虫歯になりにくい健康な口内になる
最も大きなメリット、予防歯科が大事な理由は、虫歯ができにくい口内になることです。小さな頃から歯科で点検・予防処置を受けていれば、ちょっとした異常にすぐに気が付くことができます。また、歯ブラシのやり方などを学ぶため、これからの人生で虫歯になりにくい健康な口内を維持しやすくなります。
歯医者に対する恐怖が軽減する
虫歯になってから歯医者に駆け込むと、大きな恐怖が生まれるのが一般的。大人が痛いところを触ろうとする、口の中に機械を入れられる、体を抑えられるといった恐怖が沸き起こり、子供は全力で拒否します。一度恐怖が植え付けられてしまうとそれを取り除くのは難しく、それ以降に虫歯ができても親に言わず悪化するまで我慢してしまうことになりかねません。
しかし、幼少時から定期的に歯医者に通っていれば話は別。医師や歯科衛生士さんとの楽しい会話で信頼が生まれるうえ、予防作業は痛みがほぼない処置なので怖さもありません。口の中に機械を入れられることにも徐々に慣れていけます。歯医者=怖い場所ではなくなるため、もしも治療の必要が出ても抵抗感なく通院できます。
歯並びなども確認できる
歯科検診では虫歯や歯周病の有無だけでなく、永久歯がしっかりと生えているか、歯並びに問題はないかなども見てもらえます。もし歯並びに問題があったときには早めに矯正の相談もできますし、少しずつケアしていくことで矯正装置をつけずとも歯並びが良くなる可能性も大です。
子供自身に歯の予防意識がつく
幼い頃から歯ブラシを手にし、歯科衛生士さんに教えてもらって歯磨きの練習をしていると、やはり自然と「自分の歯を大切にしよう」という意識が湧いてきます。子供の頃から習慣になっていれば歯科に通うことや毎日の歯磨きも苦痛ではありませんので、すんなりと子供自身に虫歯予防の意識をつけることができますよ。
子供の予防歯科が大事な根拠は?
子供のうちに予防歯科を徹底すべきと考える根拠は、「子供のうちに虫歯になりやすい時期が2回くる」からです。
最初に虫歯になりやすい時期は、「乳歯列期」。生後半年くらいに乳歯が生え始めてから、乳歯が全て揃う3歳までの間です。特に1歳から2歳半までの間は、感染の窓が開く時期ともいわれます。それまでに比べて虫歯菌へのリスクが大きくなるときなのですね。
さらに6歳ごろには最初の永久歯が生え、永久歯と乳歯が混合する時期「混合歯列期」があります。最初の永久歯は虫歯になりやすいことで知られています。そのため、この時期にしっかりと予防をしておくことでそれ以降は虫歯になりにくい健康的な口内環境が手に入ります。
歯科医院で行う子供の予防歯科
歯医者では具体的に、どんなことをするのでしょうか?また多くの親が悩むのは、特にこれといった不安がない今、予防のために歯科に連れていくなら何歳くらいから?ということでしょう。順番に説明していきますね。
歯科で行うことは具体的に何?
予防歯科の内容は、大人の定期健診とほとんど変わりません。つまり痛みを感じるような処置はほぼないということですので、安心してお子さんを連れていきましょう。
内容は以下の通りです。
歯の検診
口の中の状況を歯科医と歯科衛生士が確認。虫歯の有無や歯茎の状態、歯並びが大丈夫かなどを確認する。
レントゲン撮影
乳歯の下に永久歯がちゃんとあるか、さらに隠れた虫歯がないかどうかなど、レントゲン撮影で確認。
染め出し
自分ではしっかりと磨いているつもりでも、実際には磨き残しは多いもの。赤い染料が磨き残し部分を染めるので、どれだけ磨けていないかの確認ができる。
歯磨き指導
染め出し部分を確認し、歯磨きのやり方を指導する。子供に実際に歯ブラシを持たせて具体的に教えていく。
口内掃除
歯磨きでは落とし切れていない歯垢などを、プロの手で取っていく。
フッ素塗布
健康な歯にフッ素塗布をする。フッ化物には歯の再石灰化を促す作用があり、虫歯菌の活動を抑えることができる。
シーラント処置
シーラントは樹脂のことで、奥歯などの深い溝をこれで埋め、虫歯を予防する処置。特に歯磨きが上手に行えない子供には有効。
何歳から歯医者に通わせればいい?
おすすめするのは2歳になってから。乳歯も生えていますし、フッ素塗布なども可能な年齢で、人見知りも終わっている子が多いでしょう。
虫歯が出来始めるのは、「歯が生え始めるころ」。つまり、0歳からリスクはあります。とはいえ、0歳ごろの赤ちゃんは唾液が多いため虫歯にはほぼなりません。では、いつ頃から歯医者に通わせられるか、といえば、2歳から3歳程度になってからです。
2歳から3歳頃には、虫歯を発見したあとに簡単な治療を徐々に始めていきます。3歳を過ぎて歯医者と会話ができるようになってきたら、麻酔を使用するなど治療の段階はぐっと進みますよ。
自宅で行う子供の予防歯科
歯医者に全てを任せていては、なかなか虫歯ゼロをキープすることはできません。次の2つなど、家でできる子供の虫歯予防もしっかりと行っていきましょう。
・親による仕上げ磨きはできるだけ長く行う
・食事やおやつの時間は固定し短時間で済ませる
親による仕上げ磨きはできるだけ長く行う
親は、特に寝る前の仕上げ磨きは必ず行ってください。1日1回でもきちんと磨けていれば、さほど心配することはありません。そして、できるだけ長く仕上げ磨きをする期間を持ちましょう。
最近は子供の虫歯が減ってきています。しかしそれも、親が仕上げ磨きをしているうちだけ。小学校高学年にもなればはみがきは自分でして終わりになる子供が多いですし、親が仕上げをするといえば嫌がる子も出てくるでしょう。
しかし、親の監視がなくなると虫歯は一気に増えます。やはり親が口の中をチェックすることはとても大切。お互いに歯を見せあうなどを幼少時から行って抵抗感を少なくさせ、できるだけ長く仕上げ磨きもしくはチェックをしていきましょう。
食事やおやつの時間は固定し短時間で済ませる
食事をとると、口の中は酸性に傾いて歯の表面がやわくなります。しばらく経てば唾液で中性に戻りますが、それまで歯は非常に弱い状態。酸や菌の攻撃を受けてしまいがちです。
そのため、食事時間やおやつの時間はできるだけ固定し、ダラダラ食べはさせずに短時間で食事を済ませるようにしましょう。よく噛むことは大切ですが、食物が口内に入っている時間が長ければ長いほど、歯には厳しい環境になります。
特に子供にとって危険なのは、飴を舐めたりジュースをちびちび飲むといった行為。常に口の中に甘いものがあることで、歯の表面が溶けやすくなり菌の活動が増えますよ。
歯科と親がタッグを組んで行おう! 予防歯科で子供の歯を守る
幼少時から歯医者へ通うことはメリットが多く、子供のためになります。しかし親が一人で頑張るとか歯医者だけが努力するとかではダメで、両者がタッグを組むことが大切。最初は大人が子供の歯を守り、子供に予防歯科の大切さを感じさせましょう。すると、子供は自分でも歯を大切にするようになりますよ。