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妊婦さんは歯周病に要注意! 歯周病を放置するリスクや予防・対処法を紹介


妊婦さんは歯周病に要注意! 歯周病を放置するリスクや予防・対処法を紹介

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新しい生命を授かった母体は、さまざまな変化にさらされます。心身共に大きな変化を迎えることになりますが、その中でも特に気を付けたいのが歯周病です

妊婦さんは歯周病になりやすくなるのですね。そして歯周病は、お腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼします。そのため、しっかり対策したうえで、できる限りの対応が必要です。

ここでは妊婦さんがかかりやすい妊娠歯肉炎やなりやすい原因、妊婦さんがかかる歯周病の特徴、具体的なリスクや予防方法などを紹介します。

妊婦さんは歯周病にかかりやすい! 妊娠性歯肉炎とは?

歯周病は、日本人の国民病と呼ばれるほどに罹患率の高い口内の病気。口内の細菌に感染することによって、歯肉や歯根膜、歯槽骨などが破壊されてしまう恐ろしい病気です。

歯周病には炎症が歯肉にとどまっている「歯肉炎」と、歯の根や顎の骨まで被害が広がってしまう歯周炎の2つがあります。歯肉炎を放置すると歯周炎になるため、歯肉炎のレベルで対処することが大切です。

その中でも妊婦さんがかかりやすいのが歯肉炎。妊娠性歯肉炎と呼ばれています。

  • ・歯がグラグラする
  • ・口がねばねばする
  • ・歯茎から出血する

以上のような症状が出ていたら、歯周病だと思って間違いありません。

歯周病が進むと骨が溶けて歯が抜け落ちるだけでなく、お腹の赤ちゃんや出産にも影響することも
。そのため、妊娠を目指している女性や妊娠がわかった女性はぜひ歯周病の検査・治療をしに歯科を受診してくださいね。

 

妊婦さんが歯周病になりやすい原因

では、妊婦さんがなぜ歯周病になりやすいのかをみていきましょう。以下の3つが代表的な理由です。

  • ・悪阻によるセルフケアの困難さ
  • ・妊娠中の食生活の変化による酸性の口内環境
  • ・ホルモンの分泌が活発化

 

悪阻によるセルフケアの困難さ

妊娠中に襲われる悪阻(つわり)は、人によって千差万別です。中には悪阻などまったくなかったという方もいますが、多くの場合は大なり小なり悪阻があるもの。ニオイに敏感になり、えづきやすくなり、口に何か入れると吐き気をもよおす人もいます。

悪阻が軽い、もしくはなければ普通に食事ができますし、歯磨きもいつも通りできるでしょう。しかし悪阻が重い人になると、水を飲むだけでも吐いてしまうのですね。その場合は食事も満足にできないため、もちろん歯磨きもできません。

悪阻によって歯磨きをする回数が著しく減り、その期間に磨き残しが増えるために歯周病にかかります

 

妊娠中の食生活の変化による酸性の口内環境

妊娠中は酸っぱい食べ物を欲しがる妊婦さんが多いですよね。吐き気がする中で食べやすいものを食べようとするため、酸性の食事が増えがちです。

しかし、口内が酸性に傾くと、歯の表面が溶けやすくなるため口内細菌が活発化します。つまり、虫歯になりやすいのですね。虫歯ができればその周囲にはさらに汚れがつきやすくなり、汚れが増えると歯茎も細菌に感染、炎症を起こします。

 

ホルモンの分泌が活発化

また、妊娠中に分泌が増える女性ホルモンも関係しています。

妊娠中は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが多くなるのですが、これらのホルモンを一部の歯周病菌が栄養源にしているのです。

つまり、普段なら耐えうる少量の汚れでも細菌が感染力を増すため、炎症が簡単に起きます。

 

妊娠中の歯周病の特徴3つ

妊娠中にかかる歯周病には以下3つの特徴があります。

  • ・全体的に炎症している
  • ・妊娠初期に発生しやすい
  • ・妊娠性エプーリスがある

 

全体的に炎症している

全体的に歯茎が赤く、ぶよぶよしているのが特徴です。歯間の歯茎がぷっくりと膨らんで、歯磨きなどの刺激で簡単に出血します。

鏡をみて上下の前歯の歯茎周辺が赤く膨らんでいたら、妊娠性歯肉炎だと判断し、歯科を受診してください。

 

妊娠初期に発生しやすい

妊娠初期にかかりやすいと言われています。歯磨きができる程度の悪阻であれば、食後に丁寧に歯磨きすることで炎症は改善していくでしょう。

 

妊娠性エプーリスがある

妊娠性エプーリスは上の歯間や前歯など、特定の部位がぷっくりと腫れあがる歯肉炎のことです。妊婦の0.5%〜1.2%にみられますが、出産後に自然治癒することもあるため、妊娠中に無理やり治療をする必要はありません。

ただし、炎症がどんどん大きくなったり痛みや出血がひどかったりするときには、早めに歯科を受診しましょう。

 

妊婦さんの歯周病が持つ具体的なリスクを確認しよう

では、妊婦さんが歯周病を持つことでどんなリスクがあるでしょうか。歯周病は母体だけでなく、赤ちゃんや出産にも悪影響がある病気です。リスクを認識し、できることから対処していきましょう。

  • ・早産が引き起こされる可能性がある
  • ・低体重児になる可能性がある

 

早産が引き起こされる可能性がある

通常、出産が近くなると母体ではプロスタグランジンという物質が子宮内で分泌されます。このプロスタグランジンは分娩を促す役割をもつもの。つまり、プロスタグランジンが分泌されることで脳が出産体勢に入るのですね。

ところが、歯周病によって炎症が広がると、それを抑えるためにプロスタグランジンが作られてしまいます。まだ分娩時期ではないにもかかわらず、分娩時と同じように子宮の収縮が開始、早産が引き起こされてしまうのです

 

低体重児になる可能性がある

また、1996年に行われたアメリカの研究では、母体が歯周病にかかっている場合は通常の出産よりも低体重児になる確率が7倍高いという結果が出ています

早期低体重児出産とは、妊娠37週未満で体重2,500g以下の新生児のこと。通常の周期で出産となった赤ちゃんに比べ、さまざまなことが難しくなります。

参考:鹿児島大学リポジトリ「歯周病が早産・低体重児出産に与える影響に関する包括的研究

 

妊婦さんにおすすめの歯周病予防方法

では、妊婦さんにおすすめの歯周病予防方法を紹介します。

前述したように、悪阻や体調は千差万別です。つらい方は無理をせず、自分が取り入れられるものだけでもOKですので、少しずつトライしてみてくださいね。

  • ・体調がよいときには歯磨きを丁寧にする
  • ・ガムを噛む
  • ・水分をしっかりとる
  • ・歯科でクリーニングを受ける

 

体調がよいときには歯磨きを丁寧にする

悪阻がひどい方は一日中横になってもしんどいもの。とはいえ、若干気分がマシ、今ならちょっとは動けるというときもあるでしょう。そのような瞬間を狙って、丁寧に歯磨きをするようにしましょう。

歯ブラシを口に入れるだけで気持ち悪くなるという方は、子供用のヘッドが小さな歯ブラシを試してみてください。また薬剤のニオイがきついという方は、無理に歯磨き粉をつける必要はありません。何もつけずにゆっくり優しく磨きましょう。

 

ガムを噛む

ガムを噛めるのであれば、キシリトールガムを噛むことがおすすめです。

ガムを噛むと顎がよく動き唾液腺が刺激されます。唾液がたくさん出れば、口内清掃にも殺菌にも役に立ちますよ。また、脳にも刺激がいきストレス発散効果も期待できます。

注意点としては、ガムを噛むときはできるだけキシリトール含有率が高いものを選びましょう。キシリトール率が高ければ、虫歯の原因になりません。歯科でもガムを販売しているところがあるので、一度使ってみてくださいね。

【関連記事】キシリトールガムについての記事はこちら
キシリトールガムで虫歯が治る? キシリトールの効果とその範囲

 

水分をしっかりとる

口内の乾燥は、口内細菌の活動を活発化させます。細菌が繁殖しやすくなるため、こまめに水分を口に含んでください。

ただしこのとき、糖類を含むジュースや炭酸飲料などは避けましょう。できればお水やルイボスティー、麦茶のようにカフェインが含まれていない飲み物がおすすめです。

 

歯科でクリーニングを受ける

妊娠中でなくとも、歯磨きだけではすべての汚れを落とせません。通常、歯磨きだけで落ちるのは6割の汚れだけと言われています。

そのため、歯科のクリーニングや定期健診を受けることがおすすめです。悪阻でなかなか行けないという場合は、悪阻がおさまる妊娠中期がねらい目。歯垢をすっきりと取ってもらうことで、自分の歯だけでなく子供へのリスクも軽減できますよ。

 

妊娠中は歯周病になりやすくなる! 慎重に口内ケアをしよう

妊娠中は、誰でも歯周病など口内トラブルが発生しやすくなります。とはいえ虫歯と違い、歯周病は胎児や出産にも悪影響を及ぼすもの。できる対処をし、健やかな口内環境を守る必要があります。

悪阻がひどい時期には歯磨きも無理をせず、治まってきたなと感じたら歯科を受診してください。プロによるクリーニングを受け、確実に対応していきましょう。

当院はマタニティ歯科を大切に考えています。何かお困りや不安がありましたら、遠慮なくご相談ください。

【参考記事】当院のマタニティ歯科についての記事はこちら
未来のお母さんに必ず知っておいてほしいこと


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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