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口角炎はカンジダ(カビ)菌が原因! 症状・治療法・予防法は?


口角炎はカンジダ(カビ)菌が原因! 症状・治療法・予防法は?

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スタッフ一丸となって、新型コロナウイルスの感染拡大防止に善処致します。
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口の端が切れたようになり、とても痛い口角炎。いつの間にかでき、しばらく耐えていたらまたいつの間にか消えていたというケースが多く、原因や治療法について知らないという方もいるでしょう。

口角炎の原因はカビカンジダと呼ばれる人の口内に常在する菌の一種です

ここではカンジダ菌が原因でできる口角炎の症状や治療法、口内炎など似ている病気との違い、予防法について紹介します。

口角炎によく悩まされるという人は参考にしてください。

口角炎はカンジダ菌が原因! 早く治すには免疫力アップがポイント

口角炎がひどくなるのは、人の口内にいる常在菌・カンジダ菌の影響によるもの。カンジダ菌はカビの一種。普段から口の中にいる菌ではありますが、通常は人間の唾液によって悪影響がないようにされています

ところがさまざまな要因で人の免疫力が下がったとき、菌の力を抑え込めなくなるのですね。結果、カンジダ菌は体内へと入り込んで感染を起こします。

炎症をひどくしているのは菌なのですが、そもそも菌が繁殖するようになったのは免疫力が低下したから。口角炎は多くが自然治癒しますが、それは人の体調がよくなるに合わせて免疫力が回復するからです。

つまり炎症による痛みをどうにかしたければ、まずは体調を整えて免疫力を向上させることが大切。他にもさまざまなケースがあるため治療法もさまざまですが、基本は免疫力を戻すことです。

 

口角炎の症状とは? 似ている病気も合わせてチェック!

口角炎とは、人の口角(上唇と下唇が合わさる口の両端部分)に亀裂が入って炎症が起きることを言います。別名は口角びらん。原因はいくつかありますが、最も多く発症するタイプは口内にいるカンジダ菌による「カンジダ性口角炎」です。

症状は、唇の両端や片側が赤く腫れあがったり、食事などで口を開けると切れて出血したりです。アトピー性皮膚炎の湿疹ができることもあり、痛みがあって見た目がよくありません。

子供や年配者など、免疫力が低い人によくみられます。特に子供では男の子、中高年以降は女性により多く発症しているようです。

そんな口角炎と似ている病気は、「口内炎」と「口唇炎」。それぞれどのような病気かを続けて説明しましょう。

 

口内炎

口内炎は頬の内側や唇の裏側、舌の付け根、歯肉などの粘膜に炎症が起こる病気。口の中の細菌が原因で起こるもの、自分で噛んで怪我をしたところに細菌が入って起こるもの、栄養不足で起こるものとさまざまな種類があります

口内の粘膜が切れたようになって腫れ、食事のときに強い痛みがでることが大きな特徴です。

【関連記事】口内炎についての記事はこちら
口内炎は薬で治らない? 特徴や原因を知って正確に対応しよう

 

口唇炎

口唇炎は何らかの原因で唇が炎症を起こす病気。突然唇が腫れる「口唇腫脹」や、ある物質が唇に接したことで炎症が起きる「接触口唇炎」、唇の皮が剥がれ続ける「離脱性口唇炎」などがあります。

 

それぞれの見分け方

口の内外に細菌が影響して起こる炎症というくくりでは似た病気ですが、原因は同じものも違うものもあります。

口角炎・口内炎・口唇炎の見分け方で簡単なのは、炎症が起きている場所で考えること。口内炎は口の中、口角炎は口の外側の端、口唇炎は唇の上で発症します。

いずれも強い痛みを伴うため、日常生活に影響がでるはず。病院を受診するなど早めに対処することが大切ですよ。

 

口角炎の原因5つ! 何がカンジダ菌を元気にさせているか

口角炎を悪化させるのはカンジダ菌と述べましたが、カンジダ菌が悪さをするようになるそもそもの原因は次の5つです。順番にみていきましょう。

  • ・免疫力低下
  • ・唾液量の減少
  • ・口のまわりを舐めることによる乾燥
  • ・薬剤による口腔環境の変化
  • ・栄養不足

 

免疫力低下

人は自然治癒能力を持っていますが、それが「免疫」と呼ばれるものこの免疫力はストレスを受けたり寝不足であったり暴飲暴食をしたりすると、通常のレベルを維持できなくなります

成人の口の中にいる細菌は常時1000億個を超えるとも言われていますが、普段は免疫力でその活動を抑えているのですね。いわば菌と共存している状態です。しかし免疫力が下がれば菌の活動は活発化し、体内に侵入して悪さを働きます。

人の口の端は構造的に唾液が溜まりやすく、唾液の消化酵素によって乾燥しやすい場所。乾燥で表面が裂けたりかさぶたになったりしやすいため、免疫力が低下するとそこから菌が入り込んで炎症を起こします。

 

唾液量の減少

カンジダ菌が存在するのは、人の粘膜の表面です。通常は口内に十分な唾液があるため、菌が粘膜に張り付いても体内に入ることはできません。しかしストレスを受けるなどが原因で唾液の分泌が減ってしまえば、カンジダ菌は粘膜のバリアーを破って体内へ侵入します

 

口のまわりを舐めることによる乾燥

特に口角炎ができやすい人は、口のまわりを舐める癖がある人です

前述したように、唾には消化酵素があります。そのため舐めた瞬間は潤ったように感じても、実際には肌の油分が減り皮膚は乾燥してしまうのですね。粘膜は乾燥に弱いので、潤いがなくなると簡単に亀裂が入ります。

 

薬剤による口腔環境の変化

処方されて服用している薬による影響もあります。

糖尿病や肝疾患、免疫制御剤、HIV感染症、副腎皮質ステロイド内服などでの治療中は、服用する薬によって細菌のバランスが崩れて口内環境が変化。そのため、炎症が起こりやすくなります。

具体的には、長期にわたって抗生物質を服用しているときに注意が必要です。抗生物質を飲み続けていると薬が効く細菌が少なくなり、薬が効かない細菌が増えだします。カンジダ菌は真菌のため、抗生物質が効きません。口内でどんどんカンジダ菌が増えるので、炎症が起こりやすくなります。

 

栄養不足

栄養不足も大きな原因の1つ。ビタミンB2、B6、そしてB12などの不足によって、口角炎が発症します。ビタミンの他にはミネラルや鉄分の不足が影響する場合も。栄養不足の場合には、しっかりと栄養をとることで徐々に回復していきます

 

カンジダ性口角炎の治療法2つ

カンジダ菌に抵抗し、健やかな口角に戻すためには2つの方法があります。

  • ・抗真菌薬
  • ・抵抗力・免疫力を回復させる

カンジダ菌は真菌のため、抗真菌薬の投与が効果的。皮膚科や内科を受診すれば、「ミコナゾール」や「アンホテンシンB」などが処方されます。この治療薬を使って治していきましょう。

また、免疫力がもとに戻れば自然に口角炎も治癒します。処方薬が原因ではなく免疫力の低下や唾液・栄養の不足であれば、生活習慣を見直すことが大切。また、唾液不足は唾液腺のマッサージなどで改善しますよ

ただし、はっきりした原因がわからず2週間以上痛みが続くようであれば、早めに病院を受診してください。

 

日常生活で注意すべきこと

症状がでてから治療をするのでは、しばらく痛い思いをすることになりますよね。口角炎の予防法についても確認しておきましょう。

普段から注意することは、次の2つです。

  • ・薬を長期的に使用しない
  • ・口内清掃を頑張る

現在何らかの病気のために薬を服用している場合、治療優先のため薬の服用はやめられないでしょう。それでも口角炎がなかなか治らなければ、一度担当医に相談してください。

そうではなく、ちょっとした風邪などでも気軽に抗生物質を飲んでいる人は、他の方法で風邪を治していく必要があります。抗生物質が必要になるような病気は、多くの場合が生活習慣を見直すことで改善・予防が可能です。

食べ物に注意を払い、体を温めて適度に運動をし、夜はしっかり睡眠をとりましょう

また、日ごろの口内清掃を頑張ることも大切。口の中をできるだけ奇麗に保つ努力をすれば、口内菌は増殖しにくくなります

歯磨きは食事の後に毎回行い、デンタルフロスを使って歯間も掃除します。朝起きたときなどにうがいをする習慣を持つだけでも口内は奇麗になりますよ。

 

ストレスに注意! 痛い口角炎を発症させないようにしよう

口の端が切れて腫れあがり、口を開くたびに激痛が走る口角炎。食事が不自由になり見た目にもよくないため、できてしまうと悩む人がたくさんいます。

口の中にいるカンジダ菌が原因のカンジダ性口角炎は、抗真菌薬を使えば治療可能です。しかし普段から健康的な生活習慣を心がけたり、口内清掃をしっかりと行ったりすることも大切ですよ。そしてストレスをたくさんためないようにしましょう。適度なストレスは生活によい刺激を与えますが、過度のストレスは免疫力を下げてしまいます。

食事・睡眠・運動に注意を払い、健康な体を作り上げてくださいね。


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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