前歯の差し歯は寿命が短い? その理由と長持ちさせるコツ
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前歯は人からよく見えるところ。そのため、急いでなんとかしたいと考える方が多いでしょう。保険治療では歯科用プラスチックを使いますが、数年後に着色や破損で後悔する声がよくあります。
では、前歯の差し歯の寿命はどのくらいあるのでしょうか?
ここでは前歯の差し歯について、大体の寿命や交換した方がよい理由、長持ちさせるためのコツ、そして差し歯交換のタイミングなどを紹介します。
急ぐあまり適当に判断するのではなく、後々のことも考えて治療内容を選ぶようにしてくださいね。
前歯の差し歯は短命だが人によっては長持ちすることもある
前歯の差し歯は案外寿命が短いもの。状況や素材にもよりますが、見た目が気になるようになるのは3年ほどという場合があります。
とはいえ、反対に十数年以上綺麗な外観のままで保っている方もいるのです。もちろんそれほど長くもつことは稀な話ですが、口内環境が良く差し歯のメンテナンスをしっかりしていれば、耐用年数を超えて使うことは可能となります。
口を開けたときに真っ先に目に入る前歯ですから、できるだけ綺麗に保っておきたいですよね。
差し歯をできるだけ長持ちさせるため自分にできることをやり、気になることがあればすぐに歯科へ相談にいきましょう。
前歯の差し歯の寿命はどのくらい?
前歯の差し歯は、素材によって寿命が変わります。
たとえば、保険診療で使うレジンと呼ばれる歯科用プラスチックの場合は、約7年〜10年が耐用年数です。そして自費治療で使うセラミックでは、約10年〜20年もつと言われています。
しかし、歯科用プラスチックのレジンは、水を吸う性質があるのですね。そのため唾液などで経年劣化して、治療後3年程度で黄色く変色してくるでしょう。つまり、機能に問題がなくとも見た目が気になりだすのは、差し歯をしてから4年前後と考えてください。
一方、自費治療で使うセラミックは吸水性がなく、劣化しにくい素材です。特別なことがない限り、耐用年数までは綺麗なままで使える可能性が高いでしょう。
【関連記事】差し歯治療についての記事はこちら
差し歯治療におすすめなのは? 保険治療のプラスチックと自費治療のセラミック
前歯の差し歯はどうして寿命が短いの? その理由6つ
では、なぜ前歯の差し歯は寿命が短いのか、その理由を6つ説明します。
- ・差し歯をする歯に神経がない
- ・差し歯の土台が金属
- ・差し歯周辺や土台が歯周病
- ・歯ぎしりがある
- ・差し歯がブリッジの土台になっている
- ・保険診療での差し歯
差し歯をする歯に神経がない
差し歯とは、自分の歯の根っこが残っていて、上の部分が折れたり虫歯になって失ったりした場合に、土台を立てて歯の形をした被せものをつける治療です。
つまり、歯の神経が残ったままでも残っていなくても差し歯は可能となります。
しかし差し歯をする歯に神経がない場合は栄養が行き届かないため、その歯根は水分が抜けて折れやすい状態になるのですね。差し歯治療を受けると噛む機能は戻るため、食事のたびに歯根に負荷がかかります。その結果、神経がある歯の差し歯に比べ、神経がない歯の差し歯は早く折れてしまうのです。
差し歯の土台が金属
土台に金属を使うと自然の歯よりも土台が硬くなってしまい、歯が割れやすくなります。差し歯に負荷がかかってしまうため、噛み合わせのバランスが悪い方や、噛み方に癖がある方は特に注意が必要です。
程度によりますが、歯根にヒビが入ると最悪の場合は抜歯が必要となります。
差し歯周辺や土台が歯周病
差し歯やその周辺の歯が歯周病になっている場合、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けだします。その結果、差し歯がぐらついたり抜けたりするのです。
歯周病はかなり進行しないと自覚症状がない病気。そのため気づきにくく、手遅れになってしまったというケースがあります。
歯ぎしりがある
飲食のさい、上の歯と下の歯が触れ合っているのは、通常1日に20分前後と言われています。
しかし、歯ぎしりや食いしばりがある方の場合、歯と歯が強い力で触れ合う時間は1時間以上にもなるのです。負荷が強いため劣化も早まり、差し歯が欠けたり歯が揺れたりしてしまいます。
差し歯がブリッジの土台になっている
ブリッジとは、歯がなくなった場所に人工の歯をつける方法の1つ。両隣りの歯に金属の輪をひっかけ、橋をかけるように歯を作る治療です。
このブリッジの土台となっている歯が差し歯であれば、噛み合わせの負担に耐えられません。負荷が強くなりすぎてしまい、歯が揺れたり割れたりします。
保険診療での差し歯
保険診療での差し歯は、金属の枠に歯科用プラスチック(レジン)を張り付けたもの。前述した通り、このレジンは吸水性があり、つけて3年から4年ほどで表面が変色してしまいます。
他の歯が白いのにそこだけ黄色くなるため、見た目が目立ってしまうのですね。
また、土台に金属を使っているので、唾液で金属が徐々に溶かされて流出。歯茎の色が黒くなることもあります。
前歯の差し歯を長持ちさせるためすべきこと
差し歯には保険を使えますが、それでも短期間での交換やそのための通院はなかなか大変です。
前歯の差し歯をできるだけ長持ちさせるためには、以下4つのことに気を付けましょう。
- ・丁寧に口内ケアをする
- ・歯科で定期健診を受ける
- ・嚙み合わせを調節する
- ・マウスピースを作る
丁寧に口内ケアをする
天然の歯でも、差し歯やブリッジ、インプラントでも怖いのが、歯周病です。
歯周病になれば、差し歯の交換、再治療までの期間が早まる恐れがあります。そのため必要なのは、毎日の丁寧な口腔ケア。
歯磨きを正しく、食後のたびに行いましょう。歯ブラシで磨いたあとは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯周ポケットや歯間の歯垢を徹底的に取ります。
清掃レベルを上げることによって、歯周病感染のリスクは軽減可能です。
ちなみに、多くの人は子供のころに見よう見真似で歯磨きの仕方を学びます。そのため、案外「正しい歯磨き」の仕方を知りません。歯科では歯磨き指導も行っていますので、一度受けてみてくださいね。
歯科で定期健診を受ける
3、4カ月に一度、最低でも半年に一度は歯科の定期健診を受診しましょう。
歯には、プロによる機械操作でしか取れない歯石があります。また、総合的に口の中の状態やかみ合わせをチェックしてもらうことで、トラブルを小さなうちに発見、治療が可能です。
差し歯の状態もその都度確認してもらい、状態を整えていきましょう。
嚙み合わせを調節する
歯科で何らかの治療を受けずとも、噛み合わせは日々変わるもの。さらに歯科治療を受けていれば、当然噛み合わせは変化します。少しずつずれて、特定の歯に負担がかかるようになるのです。
差し歯にとっても噛み合わせの悪化は大きな影響を持つので、定期的に歯科で調節してもらいましょう。
マウスピースを作る
歯ぎしりが強い人は、寝ている間の歯ぎしりを阻止できるよう、マウスピースを着用してください。
マウスピースは歯科で歯型を取って、オーダーメイドで作ります。市販商品もありますが、購入はおすすめしません。自分に合わないと顎や歯により負担がかかり、顎関節症などになってしまう恐れがあります。
歯ぎしりも差し歯にとって悪影響です。担当の歯科医に相談してくださいね。
前歯の差し歯を交換するタイミング
前歯の差し歯を交換するタイミングは、以下の通りです。
- ・プラスチックが変色したとき
- ・歯茎が黒ずんだとき
- ・差し歯が折れたとき
- ・何度も差し歯が取れるとき
プラスチックが黄色く変色したり、歯茎が黒くなったりするのは前述した通りです。差し歯そのものはまだ使えますが、前歯という位置を考えると見た目によくありません。
また、差し歯が折れたときには口内をケガする恐れもあるため、早めに歯科を受診してくださいね。
そして何度も差し歯が取れるときも、交換のタイミングです。
差し歯は土台と接着剤で固定されています。しかし経年劣化で接着力が落ち、外れてしまうようになるのです。もし食事の間に外れてしまい、それを飲み込んでしまうと困りますよね。
短期間に数回でも取れるようであれば、交換のタイミングであると考え歯科を受診してください。
前歯の差し歯は寿命が短い! 適度な交換が必要
前歯にした差し歯は、案外寿命が短いものです。特に保険診療で使うプラスチックは、入れて3年ほどで変色する可能性があります。前歯という位置で一つだけ黄色い歯があったり、歯茎が黒ずんだりするのは困りものですよね。
そのため、前歯の差し歯は寿命が短いものと考えて、適度に交換することをおすすめします。
または、保険診療でなく自費診療にし、セラミックの差し歯にすることも検討してみてください。プラスチックに比べ、セラミックは見た目も耐久性も大きく長持ちします。
前歯は目立つ歯です。数年後に後悔しないように、日ごろから丁寧なケアを心がけてくださいね。