歯がしみる原因7つとその対処法・治療法
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
- 手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
- ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
虫歯というわけでもなさそうなのに、なぜか歯がしみる……。そんなときは不安になりますよね。歯がしみると食事に集中できませんし、憂鬱になってしまうでしょう。
歯がしみる原因は人によってさまざまです。しかしそこには何らかの異常があると考え、できる対処をしていくことが大切。
ここでは歯がしみる原因とその対処法を紹介します。自分でできることをしても改善しない場合には、早めに時間をとって歯科を受診してくださいね。
歯がしみるのはトラブルが起きている証拠! 歯科医に相談しよう
歯は健康であれば、外部からの衝撃や冷たいもの・熱いものにもさほど反応しません。これは人体の中で最も硬い、エナメル質が歯を覆っているから。
しかしなぜか歯がしみる。そんなときは、何らかのトラブルが起きている証拠です。
トラブルの中には自分で対処できるものと歯科医でなければ対処できないものがあります。まずは歯がしみる原因にはどんなものがあるのかを知り、歯科の予約を取ってください。
歯がしみるというレベルで治療をすれば、本格的な痛みが出ずに済みます。痛みで食事が取れないとか、眠れないとかいった状態にならないようにしていきましょう。
歯がしみる原因7つと対処法・治療内容
では、さまざまな歯がしみる原因をみていきます。ここでは歯がしみたときの代表的な原因である以下7つと、その対処法や治療法を紹介します。
・虫歯
・知覚過敏
・くさび状欠損
・歯周病
・歯の破折
・中心結節の破折
・ホワイトニングの副作用
しみる原因①虫歯
虫歯と聞けば「しみる」より「痛い」というイメージが強いのですが、初期虫歯であればしみることがあります。特に冷たいものを飲んだり食べたりしたときに、じんわりとしみるように感じる方が多いでしょう。
初期虫歯はC0とC1。C0はまだ歯の表面に穴は開いておらず、本人にも自覚症状はありません。C1で歯の表面を覆っているエナメル質に穴が開いた状態となり、自覚症状として「歯がしみる」ようになります。
【対処法・治療法】
歯に穴が開く前であれば、歯磨きをしっかりして口内を洗浄液などで殺菌、食事の時間を定めたり間食を控えたりすると自然治癒も可能です。
しかしC1になると、歯科での治療が必要です。虫歯部分を削って穴を素材で埋めますが、治療は短時間で済み、お金もさほどかかりません。
しみる原因②知覚過敏
虫歯ではないのに歯がしみる原因の多くは、この知覚過敏。正しくは象牙質知覚過敏といい、何らかの刺激に神経が反応して痛みが生じる現象です。
ただししみ方は人によってさまざま。チョコレートなど特定のものを食べたときにしみ、余韻がしばらく残ることもあります。
象牙質知覚過敏が起こるのは、普段は歯肉で覆われている歯の根近くが露出してしまうから。その原因は、歯周病や加齢による歯肉の下垂などです。また、歯磨きの力が強すぎてエナメル質が削れてしまうことや、研磨剤が入った歯磨き粉を使っていること、食いしばりが酷くて歯が削れてしまうことでも起こります。
【対処法・治療法】
象牙質知覚過敏の場合、自分でできることは次の2つ。
・正しい歯磨きをする
・歯周病対策をする
正しい歯磨きで力は不要です。撫でるようなイメージで優しく磨き、歯間ブラシやフロスを使ってしっかり歯垢を落としましょう。
歯周病対策としては、前述したようにフロスなどを使って毎日の歯の清掃レベルを上げることが大切。また定期的に歯科検診を受け、歯科医に歯石をとってもらってください。
市販の歯磨き粉は研磨剤が入っていないものを購入しましょう。研磨剤で歯の表面がこすれるとエナメル質がはげてしまい、知覚過敏につながります。しばらく正しい歯磨きを続けていれば、歯がしみなくなる場合も多いですよ。
しみる原因③くさび状欠損
歯が歯ぐきから出ている部分を歯冠と呼びます。この歯冠の歯ぐきに近い部分が大きくくぼむのが、くさび状欠損。くさび状欠損は歯の周囲なら前後左右どこでもあり得る症状です。
以前は歯の磨きすぎが原因で起こると言われていましたが、最近は「歯ぎしり」が原因とされています。
歯ぎしりが重なることで力が一部に集中、少しずつ歯が砕け、歯ぐきに近い部分だけ大きくくぼむのではないかということですね。
歯の根に近い部分がくぼむことにより、歯の神経に刺激が近くなってしみます。
【対処法・治療法】
くぼんでしまうことで外部からの刺激が神経により近くなっているため、そこを埋める治療をします。
コンポジットレジンは歯科用プラスチック。これを使って穴を埋め、刺激から神経を遠ざけるのです。
自分でできる対処はないため、鏡でみてくぼみがあれば歯科を受診しましょう。
しみる原因④歯周病
歯周病は日本人の成人で約8割がかかると言われている国民病。歯周病にかかると歯を支える骨が減り、歯ぐきも痩せだします。
すると本来は隠れているはずの歯の根が露出するため、外部からの刺激に反応するのですね。
【対処法・治療法】
歯周病の治療は長期間かかるうえ、本人の意識改革も必要です。正しい歯磨きをする、歯科の定期健診を受けてこまめに歯石除去をするなどを継続しなければなりません。
歯周病が改善しても一度痩せてしまった歯肉は元に戻らないため、歯科で知覚過敏用の薬を塗布してもらいましょう。
【関連記事】歯周病についての記事はこちら
歯周病の治療方法や原因とは? 気が付かないまま放置するリスク
しみる原因⑤歯の破折
外部からの衝撃や強い食いしばり、歯ぎしりなどが原因で、歯が一部破折することがあります。そのケースでも、欠けた部分がさまざまなものにしみるでしょう。
【対処法・治療法】
歯科ではレジンや金属などで欠けた部分を覆う治療をします。ただしこれは一部の破折のみ。真っ二つに歯が折れてしまっている場合や亀裂の入り方が悪いと、抜歯や歯の神経を取ることもあります。
しみる原因⑥中心結節の破折
小学生から中学生前後の子供によく起こるのが、中心結節の破折。
前歯から数えて4番目と5番目の歯を小臼歯と呼びますが、ここでよく起こる症状です。
小臼歯には歯の神経から続く出っ張りがあるケースが散見されます。これは食事での噛み合わせで徐々になくなっていくものですが、稀に折れてしまうことも。そのときの破折が軽い程度だと、自覚症状として歯がしみると感じます。
【対処法・治療法】
中心結節が破折した場合、破折部分が歯の先端であるかどうかにかかわらず、神経を取る治療をすることが多いでしょう。
しみる原因⑦ホワイトニングの副作用
ホワイトニングを受けたあとに、歯がしみることがあります。これはホワイトニングで使う薬剤の副作用。そのため、しばらくしみることがあっても経過観察です。
【対処法・治療法】
ホワイトニングは数回に分けて行うため、歯科で受けるオフィスホワイトニングも自宅で行うホームホワイトニングも、一時中断します。
このケースはほとんどが一過性のため、副作用が抜けて歯のしみがなくなればまた再開できますよ。
しみが酷い場合には、歯科で知覚過敏用の薬剤を塗布することもあります。
【関連記事】ホワイトニングについての記事はこちら
歯医者で歯を白くする方法は? それぞれのメリット・デメリットや費用相場を紹介
歯がしみるときに自宅でできる対処法
歯がしみるなあと思ったときは、まず自宅でできる対処法を試しましょう。次の3つを行ってみてください。
・歯磨きのやり方を見直す
・刺激を与えないようにする
・マウスピースを使う
前述したように、間違った歯磨きで歯の表面を削っている人はたくさんいます。
歯ブラシは柔らかいものか普通の硬さのものを選び、ゴシゴシと力を入れず撫でるように優しくこすりましょう。
人は緊張状態のときに歯を食いしばってストレスを発散させます。仕事や勉強中に思わず食いしばっていないか自分で確認してみてください。もし食いしばりに気付いたら、舌の先を上の前歯の裏につけて上下の歯を少し離し、頬の緊張を緩めましょう。
寝ているときの歯ぎしりや食いしばりから歯を守るためには、マウスピースの利用がおすすめ。市販でも販売されていますがそれは利用せず、歯科できちんと自分の口内にあったマウスピースを作ってもらいましょう。市販のものは口に合わず、歯ぎしりなどを悪化させる危険性があります。
【関連記事】歯ぎしりについての記事はこちら
睡眠中の歯ぎしりは健康リスク大! すぐに取り組みたい歯ぎしり対策3選
歯がしみる原因はさまざま! まずは歯科で相談を
歯がしみる原因はさまざまです。人によって症状も違うため、はっきりこれだと判断することは難しいでしょう。
鏡をみて虫歯がないかを確認したら、知覚過敏を疑って対応してみてください。そしてやはりプロに確認してもらうことが大切。歯科の予約をおすすめします。
ちょっとしみるだけと思っていても、大きな病気が隠れている可能性も否定できません。担当の歯科医に相談してくださいね。