歯が割れたらすぐに歯科へ! 症状や主な原因・予防法・治療法を紹介
<当院の感染拡大防止について>
手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
スタッフ一丸となって、新型コロナウイルスの感染拡大防止に善処致します。
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
何か違和感があって鏡をのぞいたら、歯が折れていた! そんな経験をすれば誰もが焦りますよね。
歯が折れることを歯牙破折(しがはせつ)と言います。そして歯の見える部分が割れることが歯冠破折(しかんはせつ)、歯の根が割れることが歯根破折(しこんはせつ)です。いずれにせよ大変なことなのですが、冠が割れることに対してはすぐに対応できても、歯の根が割れる歯根破折は簡単には治せません。歯科受診が必須です。
ここでは歯が割れたらどんな状態になり、どんな症状が出るのか、割れる主な原因とその予防法、さらに治療法について紹介します。
歯が割れた!? すぐに歯科を受診しよう
歯に割れを発見したら、できるだけすぐに歯科を受診しましょう。
口内は数億の細菌が常にいる状態です。割れた歯の中に細菌が入り込むと感染して炎症を起こすうえ、歯の根まで割れてしまうと抜歯せざるを得ないことも。
抜歯して歯を失うと歯並びや噛み合わせに影響し、やがて全身の健康にも影響が出てきてしまいます。できるだけ早く時間を作って歯科を受診し、割れを修復、治療しなければなりません。
痛みもないし、これくらいならと放置することは最も避けるべきことです。また、ヒビが入っている状態ということもあるでしょう。もしも歯がはっきり割れていなくても、違和感があれば歯科を受診するようにしてくださいね。
【関連記事】歯がないままで生きるリスクについての記事はこちら
歯がなくても生きていける? 歯がないことによって起こるリスク
歯が割れた状態とは
歯が割れた状態は、家の土台や大黒柱にヒビが入ったのと同じ状態です。そのまま放置していれば、次第にグラグラと揺れ始め、いずれ家そのものが倒れてしまうでしょう。また、前歯が折れた場合には見た目にも影響するうえ、折れたところが口の中の粘膜に刺さり、ケガをすることもあります。
歯も家と同じく、割れた状態を放置していれば大変なことになるのです。自分でできることはほとんどないため、すぐさま歯科を受診しなければなりません。
歯が割れたら起きる症状
歯が割れると次のような症状が起きます。
- ・歯茎が腫れたり膨らんだりする
- ・被せものが外れる
- ・噛むときに痛みや違和感がある
- ・歯の神経を取り除いたはずの歯が急に痛む
- ・食べ物で歯がしみる
- ・歯茎がぐらぐらと揺れる
- ・頭痛がする
いずれも眠れないほどではないかもしれませんが、間違いなく不快な症状です。歯茎の腫れや痛み、歯の揺れなどがあれば、必ず歯科を受診してください。
歯が割れるのはなぜ? 主な原因と予防法
では、歯が割れる主な原因4つと、それぞれの予防法をみていきましょう。
- ・スポーツなどでの外傷
- ・虫歯治療の土台でかかる負荷
- ・治療で歯の神経を取ったことによる脆弱化
- ・歯ぎしりや食いしばり
スポーツなどでの外傷
歯は、激しいスポーツをしてぶつかったり転んだりといった外からの衝撃によって、割れることがあります。この場合に多いのは、前歯が横に割れるケースです。ただし中には、歯が全部抜けてしまうような場合もあるので注意しなければなりません。
事故ならば仕方ありませんが、ぶつかり合うようなスポーツをするさいにはマウスピースをはめ、歯や歯茎、口内を守るようにしましょう。
虫歯治療の土台でかかる負荷
虫歯治療を行ったさいに、歯の土台に金属を使うことで負担が強くなり、歯が割れやすくなります。
金属の土台は硬すぎるために応力が金属先端へ集まって歯が割れたり、噛んでいるときに土台が中で動いてしまい、歯の割れへとつながったりするのです。
予防するには、ファイバー線維の芯と強化プラスチックの土台を作り、歯に密着させる方法があります。これは歯と土台を一体化させ、強化して歯を割れにくくする方法ですね。
治療で歯の神経を取ったことによる脆弱化
虫歯が進行した治療で歯の神経を取っている場合、歯に栄養や水分が行き届かなくなるために弱くなり、割れやすくなります。特に奥歯であればそのリスクは大きいもの。奥歯は噛む力が強く、ものを噛むさいには約60㎏の力が加わるとされています。
予防策としては、きちんと歯を清掃して虫歯にならないこと、万が一虫歯になってしまった場合にはできるだけ神経を残すことなどです。歯は治療すればするほど悪くなるため、しっかり歯磨きして口内トラブルを抑制しましょう。
歯ぎしりや食いしばり
無意識の歯ぎしりや食いしばりで歯に強い力をかけたりすることも、歯が割れやすくなる原因です。割れるだけでなく、他にも歯が削れたり歯周病を引き起こしたり顎関節症になったりなど、多くのデメリットがあります。
歯ぎしりや食いしばりは無意識に行われるもの。そのため意識をするだけでは防げないため、就寝時にはマウスピースを使って歯や歯茎、顎を保護することがおすすめです。マウスピースは歯科で自分に合ったものを作ってもらいましょう。
【関連記事】歯ぎしりが健康に与えるリスクについての記事はこちら
睡眠中の歯ぎしりは健康リスク大! すぐに取り組みたい歯ぎしり対策3選
歯が割れたら行う治療法
歯が割れた場合、歯科ではどんな治療を行うのでしょうか。次の4つの方法が代表的です。
- ・抜髄治療をする
- ・接着剤を使う
- ・抜歯
- ・歯を引き上げる
抜髄治療をする
抜髄治療とは、歯に残っている神経を抜くということです。神経が残っている歯が割れて痛みが強い場合には、細菌に感染した神経を抜かなければなりません。
これは、虫歯が歯の根まで到達してしまったときに行う根管治療と同じです。歯の根の治療の後、改めて差し歯などを作り装着します。
保険適用で5,000円程度ですが、被せものの素材によって追加でかかる費用は変わります。
接着剤を使う
接着剤を使って歯をくっつける方法は、接着保存治療(口内)と接着再植法治療(口外)の2つがあります。
接着保存治療
縦に割れてしまった歯を口の中で接着する治療です。割れが比較的小さい場合に、歯のボリュームや厚さに問題がないなどの条件が揃えば実施されます。
抜歯や抜歯後の固定処置が不要なため、体への負担が軽減できるのが特徴です。
自由診療での治療となり、費用は数万円から15万円程度かかることも。費用は被せる素材によって変動します。
接着再植法治療
割れた歯を一度抜歯して、特殊な接着剤を使って元通りにくっつけて補修し、再度歯茎に戻す治療法です。再植には約1カ月の固定期間が必要ですが、炎症部分をしっかり治療できるうえに口内で接着する保存治療に比べて、予後がよいという特徴があります。
治療は一回で終わりますが、自費治療になるため費用は10万円程度が目安です。スポーツで前歯を横に割った場合などで検討されることが多い治療法ですね。
抜歯
割れが細かいとか歯がもろいといった、どうしようもないと判断された場合は抜歯をします。麻酔をかけて歯を抜いたあと、入れ歯やインプラントなどで抜いた歯を補う治療が必要です。
健康保険の適用で、費用は5,000円程度。その後、差し歯などの血治療費がかかります。
歯を引き上げる
下の歯が割れており、割れた部分が歯茎に重なりつつある場合には、部分矯正で歯を引き上げます。亀裂部分を歯茎より出すことで、細菌感染しないように処置するのです。
亀裂の状態や場所、残っている歯の根の長さによっては、歯の引き上げができない場合もあります。
自由診療のため、費用は高額です。クリニックにもよりますが、調整料を含めた相場は15万円程度。そこから亀裂の治療費もかかります。
歯が割れたら放置は厳禁! 早めに歯科を受診しよう
歯が割れたら何らかの違和感があるはずです。そこから細菌が侵入して感染すると虫歯などのトラブルも発生するうえ、患部が腫れて痛みも強くなってくるでしょう。詰め物が取れたりするなど、その歯でものを噛めなくなります。
そのため、歯が割れたとわかったらすぐに歯科を受診するようにしてください。そして受診するまでは、できるだけ割れた箇所を触ったり舌で抑えたりしないようにすることが大切です。気になって触りたくなると思いますが、刺激を与えると症状が悪化します。
すでに痛みがある場合には市販の鎮痛剤を飲み、歯科受診までを乗り切ってください。
歯が割れたら放置は厳禁です。できるだけ触らず安静にして、一刻も早く歯科へ行くようにしましょう。