口臭の原因! 舌苔の正しい取り方と日ごろの対策方法
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
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ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
もしかして自分の息は臭いかも? そんな風に思うとき、多くの方はまず歯磨きをします。それは間違っていませんが、ついでに舌のチェックをしてみましょう。あなたの舌には、白っぽい汚れがついていませんか?
舌の汚れは舌苔(ぜったい)といいます。ここでは舌苔について、その正体や発生の原因、簡単な取り方などを紹介していきます。口臭に悩んでいる方は参考にしてくださいね。
舌苔は舌の汚れや細菌の塊! きちんと取れば口臭予防に!
舌苔の正体は、舌表面に溜まった食べかすなどのゴミや細菌の集合体。白く苔のように見えることから舌苔(ぜったい)と呼ばれています。
人の口臭の原因は、「歯周病」「舌の汚れ」そして「つば(唾液)が少ない」の3つが大きな原因。口臭は口の中のカスに細菌がついて腐敗し、そのときに生まれるガスです。つまり口臭を気にするのであれば、歯磨きだけでなく舌表面のケアもきちんとする必要があるということ。
口の中に住む細菌の数は、常時300種類以上にもなります。しっかりと歯磨きをする方でも1000~2000の細菌が存在しているそうです。舌の表面に入り込んだ食べかすや新陳代謝ではがれた粘膜細胞などにその細胞がひっつき、腐敗臭を出すのですね。
そのため、毎日の歯磨きと同じく舌表面のケアもしっかり行うことがおすすめ。毎日ケアしていけば、やがて口臭は改善していきます。
舌苔が原因で口臭に?! 舌苔はどうしてできる?
舌苔は、食べかすや古い粘膜などに細菌がくっついてできたもの。しかし赤ちゃんにはありませんし、子供や成人でも人によって程度は違います。
ではなぜ舌苔ができるのでしょうか。以下5点の理由を紹介します。
- ・掃除不足
- ・唾液分泌の減少
- ・口呼吸
- ・舌の運動機能の低下
- ・服薬の影響
掃除不足
先ほど述べたように、舌苔を作るのは食べかす・古くなってはがれた粘膜や細胞・細菌です。舌表面の細かな突起に入り込み、隙間に少しずつ溜まっていきます。毎日の歯磨きやうがいなどで口の中の掃除が行き届いないと、ゴミは流されることがありません。その結果、舌苔が形成されやすくなります。
唾液分泌の減少
人の唾液は口の中の粘膜全体を覆って保湿や保護をする役割がありますが、口内の汚れや細菌を洗い流す役割もあります。
ところが人はストレスを感じると唾液が少なくなり、口の中で細菌が増えてしまうのですね。緊張すると口が臭くなるというのは、緊張してストレスを感じると唾液が少なくなって細菌が増えるから。細菌が増えれば舌苔もどんどん形成されていきます。
口呼吸
人は鼻呼吸が基本ですが、さまざまな原因で口呼吸をしている方もいます。口呼吸をすれば空気が入るために口の中が乾いてしまい、やはり細菌が増えます。結果、舌苔ができてしまいます。
舌の運動機能の低下
舌をあまり動かさないと、舌苔はできやすくなります。朝一番が最も口臭が強いのは、寝ている間は舌の活動量が減り、唾液分泌も少なくなるから。唾液がないと舌表面に汚れがたまりやすくなります。そのため高齢者やうつ病などひきこもって人と話さず全身の運動が少なくなりがちな人々は、舌苔ができやすい状態です。
服薬の影響
長期間抗生物質なステロイド剤を飲み続けていると、舌苔の原因となるケースもあります。これは薬によって口の中にいる細菌の種類が変ってしまうから。カビ菌のカンジダ菌が増えてしまい、菌が舌表面を覆うようにして舌苔になります。
注意が必要な舌苔もある
舌苔には、正常なタイプと注意が必要なタイプがあります。
舌苔そのものは普通に生活をしていれば多かれ少なかれできるのが当たり前の存在。決して危険ではなく、治療が必要な病気や症状でもありません。
正常な舌苔は、舌全体の表面に薄く広がっているタイプ。舌のピンク色がうっすらとでていれば、健康な舌と判断されるでしょう。
しかし稀に、白く分厚い舌苔・黒い毛が生えたように見える舌苔・舌の一部が青くなっている舌苔などがあります。
これらは細菌が固まりに変化したものやいろんな種類のカビ。唾液などとともに少しずつ飲み込むと、体力のない高齢者などであれば体に菌が入ってしまい不調が出やすくなります。病院での掃除・治療対象となりますので、発見したら歯科を受診してください。
実は簡単! 舌苔の取り方と普段からできる舌苔対策
舌苔ができることは普通の現象ですが、やはりあるよりはない方がいいです。特に口臭に悩む方はしっかり掃除していきましょう。
次の2つは舌苔のケア方法です。
- ・舌磨き
- ・舌ケアのタブレットやキャンディを舐める
舌磨き
歯磨きのように、毎日舌も磨きましょう。
ここで使うのは歯ブラシではなく、舌専用の舌ブラシです。歯ブラシは硬い歯用に作られているので、柔らかい舌を磨くには硬すぎます。舌表面を傷付けるとさらに舌苔が増える結果になるため、必ず舌用のブラシを用意しましょう。
磨き方は以下の順番で行ってください。
- 1)鏡の前で口を開け、舌を長く前に突き出す
- 2)水で濡らした舌ブラシをできるだけ奥へ入れ、前に向かってなでるように動かす
- 3)1回動かしたらブラシを水洗いしてうがいをする
- 4)再び奥から手前にブラシで優しくなでる
- 5)2)~4)までを、ブラシに汚れがつかなくなるまで繰り返す
力を入れてゴシゴシこすらないようにしましょう。前後にこすると汚れが喉の奥へいき飲み込んでしまう恐れがあるので、必ず奥から手前へ動かしてくださいね。舌苔がついていない場所をこする必要はありません。
舌ブラシは1回づつ水洗いをし、舌にのせるときは奇麗なブラシにしましょう。歯磨き粉は使わず直接舌を磨きます。
舌ブラシの頻度は1日1回、朝起きたときがベストタイミング。舌炎など舌に傷があるときは、刺激となるため舌磨きは行わないでください。
舌ケアのタブレットやキャンディを舐める
仕事中などで歯ブラシや舌磨きができない場合など、おすすめは舌のケア専用のタブレットやキャンディです。口の中にいる細菌にあわせて作られた商品で、舐めてとかすことで舌の表面に成分が長時間とどまります。
普段からできる舌苔対策
日ごろからできる舌苔対策を見ていきましょう。舌苔ができる過程から考えて、たとえば次のような対策が有効です。
- ・咀嚼回数を増やす
- ・舌の体操
咀嚼回数を増やす
舌苔ができる原因で上げた、唾液分泌の減少。これをカバーする方法が、食事中の咀嚼回数を増やすことです。よく噛めば顎にも良い影響があるうえ、唾液がたくさん出て舌苔もできにくくなります。
ガムなどを噛むことでも唾液分泌は増えていくので手軽に取り入れましょう。ガムを噛む場合は、キシリトール製品など虫歯になりにくいガムがおすすめです。
舌の体操
舌の運動機能が低下すると、カスや細菌も移動がないため舌苔ができやすくなります。普段から舌の運動を行って意識的に舌を動かすようにしましょう。
簡単にできる舌の運動の方法です。
- 1)口の中で舌を動かし、上下左右の頬の内側を力を入れて舌で押す
- 2)その後大きく舌を回して頬の内側を一周させる
- 3)舌は左右両方回転させる
- 4)口を開け、舌を前へぐーっと伸ばす
- 5)一度舌の力を抜く
- 6)再び舌を前へぐーっと伸ばす
- 7)力を抜く
これを毎日1セット行うだけでも、舌苔の量はかなり違ってきますよ。ちなみに舌の運動では表情筋が動くため、ほうれい線などを気にする女性にもおすすめです。
舌苔は口臭原因になる!きちんとケアをして清潔な口内へ
気になる口臭の原因は、歯周病・舌苔・唾液の少なさと言われています。歯周病も舌苔も、口の中をしっかりと掃除できていれば悪化しません。歯磨きは1日3回、舌磨きは1日1回きちんと行いましょう。さらに食事中はできるだけよく噛むようにすれば、唾液の量が増えて舌に汚れが付きにくくなりますよ。
これらをしばらく続けて効果を感じなければ、口臭の原因は何かの病気かもしれません。1度歯科や内科を受診し、医師に相談してみてくださいね。