歯の仮歯はなぜ必要なの? 仮歯が持つ役割と取れたときの対処法を紹介
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歯科で虫歯の治療を受けているとき、冠を作っている間に仮の歯を入れますよね。実はこの仮歯、とても大切な意味があるとご存じでしょうか?
もしも何かの拍子に仮歯が取れてしまったら、保存して早めに歯科へいきましょう。
今回は、歯科で入れる仮歯について紹介します。仮歯が必要な理由、仮歯を入れている間に気を付けること、取れてしまったときの対処法などを、順番に確認していきましょう。
仮歯には大切な役割がある!? もし外れたら支給歯科へ
仮歯は虫歯や矯正などで削った歯に対し、正式な被せものができるまで被せるものです。使われる素材は歯科用プラスチックのレジンというもの。仮歯はあくまでも「一時的な蓋」ですが、さまざまな役割があります。
セメントではなく歯科専用の接着剤を使用するため、取り外しが簡単です。通常、2週間程度で本番の被せものが出来上がるので、それまでこの仮歯を使って歯をガードします。
そのため、仮歯が取れてしまうと大変です。もしも仮歯が取れてしまったら、別に構わないだろうと放置するのではなく、できるだけ早く歯科を受診してくださいね。
仮歯が必要な理由5つ
ではまず、仮歯がなぜ必要なのかについて、以下5つの理由を紹介します。
- ・刺激から守るため
- ・歯の動きを防止するため
- ・食事に支障がないようにするため
- ・審美性を維持するため
- ・被せものを評価するため
刺激から守るため
仮歯を付けることで、治療中の歯を外部の刺激から守っています。
歯の治療中は歯の内部がむき出しになります。歯ブラシや温熱刺激などを直接受けることになるため、まだ神経を残している歯であれば耐え難い痛みに襲われるでしょう。とても普通のようには日常生活を送れません。
また、神経が死んでいる歯であれば大丈夫かと言えば、そうでもないのですね。神経がなくなった歯は栄養や水分が行き渡らず、もろくなっています。そのため、仮歯がなければ他の部分が欠けてしまったり、虫歯菌が増殖してしまったりするのです。
歯の動きを防止するため
歯は少しずつですが、常に動きます。歯がないスペースがあれば周囲の歯が広さを求めて動き、スペースを埋めようとしてしまうのです。そのため、本番の被せものが入るスペースを確保するため、仮歯を入れておきます。
食事に支障がないようにするため
仮歯は十分頑丈なものだとは言えませんが、仮歯があれば治療前と大きく変わらずに食事が可能です。噛むものに気を付ける必要はありますが、治療中の歯を気にすることによる食事中のストレスが軽減できます。
審美性を維持するため
特に前歯の治療中であれば、仮歯があるかどうかで見た目に大きな違いが生まれます。
口を開けたときに前歯の一部が細く小さくなっていると、全体の印象が悪くなりがち。一瞬違和感を覚えると、人はついついそれを理解しようとじっと見てしまいますよね。
口元を気にして人前で話せない、笑えないといった状態になると、社会生活が送りにくくなります。見た目を維持するため、仮歯は大切です。
被せものを評価するため
仮歯を入れることで、本番の被せものができる前に形態として問題がないかどうかが確認できます。形は悪くないか、清掃のしやすさはどうか、歯茎に負担がかからないかなどを確認するため、仮歯を使うのです。
仮歯期間中に注意すべきこと
仮歯が入っている間、注意すべきことをみていきましょう。以下の4つに気をつけなければなりません。
- ・食べ物は配慮する
- ・こまめにケアをする
- ・歯間ブラシやデンタルフロスを無理して使わない
- ・長期間使えるものではないと理解する
食べ物は配慮する
前述したように、仮歯は歯科専用の接着剤でくっつけられており、取り外しが簡単です。そのため、キャラメルやガムなど粘着性の高い食べ物では仮歯が取れてしまう可能性が高くなります。
仮歯が入っている間は、粘着性の高い食べ物はやめておきましょう。もしも食べ物に仮歯がくっついてそのまま飲み込んでしまうと大変です。
さらに、おせんべいや硬いステーキなどは、さほど丈夫ではない仮歯が破損してしまうかもしれません。仮歯が欠けると舌や口内の粘膜を傷つけるリスクもあるため、取れない・欠けないように食べ物は配慮するようにしてください。
こまめにケアをする
仮歯だからといって、清掃をきちんとせずとも大丈夫なわけではありません。多くの場合、本番の被せものができるまで2週間近くかかりますが、その間に清掃をきちんとしていないと、別に虫歯ができたり歯周病が発症したりといった口内トラブルを招きます。
また、歯科用プラスチックであるレジンはキメが粗く、色素沈着しやすいという特徴があるもの。そのため清掃で手を抜くと、着色汚れが目立つようになることがあります。
とは言え、力を入れてゴシゴシこするようなことはやめましょう。柔らかく歯ブラシを持ち、軽く表面を撫でるようなイメージで歯磨きをしてくださいね。
歯間ブラシやデンタルフロスを無理して使わない
基本的に、毎日の歯磨きでは歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯間までもきちんと掃除する必要があります。しかし、仮歯が入っているときはブラシやフロスが引っかかってしまうことがあるため、無理して使わないようにしましょう。
歯間ブラシはいつも使っているものよりワンサイズ小さくし、フロスは毎回横から糸を引き抜くようにしてください。無理に歯間に押し込んでしまうと歯肉を傷つけたり、仮歯が破損したりする恐れがあります。
長期間使えるものではないと理解する
仮歯を入れて快適であると、もうこのままでいいかな、などと思ってしまうことがあります。しかし、仮歯はあくまでも一時的な歯であると理解してください。
前述したように、自然の歯や本番の被せものに比べ、仮歯は頑丈ではありません。また本番の被せものはセメントでくっつけますが仮歯は接着剤でくっつけているため、いずれは外れてしまいます。
自分の口に馴染んでいるように思っても、長期間放置した結果外れてしまえば治療もやり直しになるかもしれません。時間を作り、必ずしっかりとした被せものと交換しにいきましょう。
仮歯が取れたときの対処法
では最後に、仮歯が取れてしまったときの対処法について紹介します。大切なことは「取れた仮歯は捨てない」ことと「至急歯科を受診する」ことです。
仮歯は捨てない
何らかの拍子で仮歯が取れてしまったら、その仮歯は捨てないようにしましょう。仮歯が再利用できる場合は、歯科で再びそれを装着してもらいます。
小さいものなので、歯科にいくまでなくさないようにジップロックや小物入れに入れておくことがおすすめです。
では、もしも出先で前歯の仮歯が取れてしまった場合は、どうすればいいでしょうか?そのままでは見た目の違和感から、口を開けたくないと思う方もいるでしょう。
そのときは入れ歯接着剤などを薬局で購入し、応急処置として仮歯を付けなおしてください。ここでの注意点は瞬間接着剤などを使わないことです。あくまでも応急処置であるため、ガチガチに固めないようにしましょう。
至急歯科を受診する
仮歯が取れたらすぐに歯科へいきましょう。予約をとっていなくても、一度電話を入れてすぐに向かうことが大切です。
仮歯が取れたままで放置すると、被せものの土台となる歯がむき出しの状態が続くため、痛みなどが出るだけでなく状態が悪化する恐れがあります。本番の被せものが入らなくなることもあるため、早めに仮歯を入れ直して形をキープしなければなりません。
歯の仮歯には役割がある
歯の仮歯は一時的な蓋ですが、それ以外にもさまざまな役割がある大切なものです。仮歯が取れてしまった際にもしも痛みがなかったとしても、そのままで放置はしないようにしましょう。
また、仮歯期間中に何度も取れるようならしっかりくっつくように調整してもらう必要があります。困ったことが起こったら、自分で判断せずに歯科に電話するようにしてくださいね。