歯磨きで歯茎から血が出る! その原因や対処法などを詳しく紹介
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<当院の感染拡大防止について>
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- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
歯磨きをしていたら、口をすすいだときに血が混じっていてぎょっとした、という経験がありませんか?
歯茎から血が出ている場合、注意が必要です。
歯磨きのときだけだから別に良いだろうと放置している方は、今すぐその考えを捨ててください。通常、よほど力を入れないと、歯磨きで歯茎から血が出ることはありません。
- ・なぜ歯茎から血が出るんだろう?
- ・どんな原因がある?
- ・どう対処すればいい?
歯茎から血が出る原因は5つある!
歯茎から血が出る原因は、代表的なもので以下の5つがあります。
- ・歯周病
- ・ホルモンバランスの変化
- ・歯磨きのやり方
- ・ドライマウス
- ・噛み合わせ
この内、最も原因として多いのは「歯周病」です。歯周病は歯周病菌という細菌が原因でかかる口内の病気で、放置しておくと大変なことになります。
ホルモンバランスの変化は、たとえば妊娠や更年期障害などでホルモンバランスが著しく変化するときに、歯茎から出血しやすくなります。特に女性は、女性ホルモンが増えている時期は歯周病の症状が出やすいもの。
そして、歯磨きのやり方が間違っている場合にも歯茎から血が出ることがあります。力を入れてゴシゴシと磨いているという自覚がある方は注意しましょう。
また、口内が乾燥しているドライマウスの方も、唾液の分泌量が減少するため歯の汚れが取れにくくなり、歯茎が腫れて出血を起こすことがあります。ドライマウスの原因は、ストレスや喫煙などの生活習慣、薬の副作用などがあるため、禁煙するなど1つずつ対処していかなければなりません。
噛み合わせの悪さも出血の原因になります。歯ぎしりがひどい方や噛み合わせが悪い方は、歯が揺れて歯茎が炎症を起こしてしまいます。歯医者で噛み合わせの治療をし、マウスピースをはめるなどの対処をしましょう。
以上であげた「ホルモンバランスの変化」「歯磨きのやり方」「ドライマウス」「噛み合わせ」は、既に罹っている歯周病を悪化させる原因にもなります。歯茎から出血した時点で歯周病を疑い、他の原因についても対処していくことが大切です。
特に気を付けたいのは歯周病
では、歯茎から血が出る多くの原因である歯周病を見ていきましょう。
歯周病は世界でも罹患(りかん)者が多い病気として知られており、日本でも約8割の方が程度の差はあっても歯周病患者であると言われています。
歯周病は歯についた汚れが原因で細菌が繁殖し、骨が溶けて歯が抜け落ちたり全身にばい菌が回って大きな病気を引き起こしたりします。そのため、汚れから繁殖した細菌が歯茎に侵入してこないように、白血球が集まります。白血球が歯茎に集まると炎症が起きて歯茎が赤く腫れ、そこを歯ブラシでこすった結果血が出るのです。
歯を磨いたときに出血に気付いたけれど、特に痛みがないからさほど気にしていないという方は多いでしょう。しかしすでに歯周病にかかっている可能性が高いので、痛みがなくても対応を始めなければなりません。
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歯周病の進み方
軽度の歯周病は、歯と歯茎の間にある溝(歯肉溝)に歯垢(プラーク)がたまり、炎症を起こします。この時点ではまだ歯周病の影響は歯茎だけですので、しっかりと対処をすれば健康な歯茎に戻せます。
歯茎の炎症が悪化すると、歯周炎にうつります。歯周炎になると歯周ポケットが深くなっていき、歯石がたまりやすくなります。さらに歯周病菌によって歯槽(しそう)骨が溶け出すとともに、歯茎が下がりだします。歯周ポケットの中に歯垢がたまりだせば、これはもう歯ブラシでは取れません。
そして歯槽骨がさらに溶けると、歯が浮くような感覚になります。痛みも感じますし、膿が出てくる場合もあります。歯茎は下がって歯が長くなり、歯並びにも影響してきます。
重度になれば歯槽骨が大きく溶け、もはや歯ではうまくものが噛めません。口臭も強く出て痛みもあり、抜歯するしかなくなります。
歯周病の治療方法
歯周病かなと思ったら、できるだけ早く歯医者を受診しましょう。歯医者での歯周病の治療は、次の3つが基本治療となっています。
- ・歯垢や歯石の除去
- ・噛み合わせの調節
- ・歯根の表面を滑らかにする
歯周組織の状態を改善し、口内の掃除をしやすくするのですね。しかしそれでも改善が難しい状態まで歯周病が進んでいれば、細菌に合わせた抗生物質の投薬や、外科的手術で歯周ポケットを減少させたりします。
歯茎から血が出たらやるべきこと
最も避けるべきは、歯茎から血が出ているのに何もアクションを起こさず放置することです。血が出ていると気が付いたその日から気を付けるべきこと、やるべきことを紹介しましょう。
- ・歯磨きを習慣づける
- ・歯磨き粉を選ぶ
- ・歯ブラシの硬さに気を付ける
- ・口内ケアグッズを利用する
歯磨きを習慣づける
歯磨きを習慣づけ、きっちりと口内清掃をすることが一番大切です。歯医者にいって治療を行っていても、自分で毎日のケアを怠っていれば歯周病は改善されません。
基本は、毎食後の歯磨きを忘れずにすることです。万が一毎食後のケアが難しい場合でも、就寝前の歯磨きだけは必ずするようにしてください。歯周病菌は寝ている間に動きを活発にします。昼寝でも同じことですが、寝る前には歯磨きをしましょう。
歯磨き粉を選ぶ
歯磨き粉もしっかりと歯を磨くためには重要なポイントです。
泡立ちのよい歯磨き粉を使っている方は、泡立ちが多いためにしっかり磨けていると思い込んでしまうことが多いようです。歯磨き粉を選ぶ際には泡立ちが少なく、殺菌力が高い商品を選ぶようにしましょう。
泡立ちが少ないと長時間歯磨きができますし、殺菌力が高ければ歯周病菌の活動を抑えて出血が止まるのも早くなります。
また、研磨剤が含まれている歯磨き粉を使っている方は、歯の表面を削り知覚過敏を起こすことも。歯周病で歯茎から血が出る方も刺激はなるべく控えるべきですので、研磨剤が入っていない歯磨き粉がおすすめです。
歯ブラシの硬さに気を付ける
汚れがよく取れる気がするとか、擦れが気持ち良いからと硬い歯ブラシを使っていませんか? 歯茎が腫れて出血しやすいときには硬い毛では歯茎を傷つけやすいため、「普通」もしくは「柔らかい」歯ブラシを使ってください。柔らかい毛では物足りずについ強く磨いてしまうという方は、普通をすすめます。
ホウキで床を掃除するときには、穂先を使って撫でるようにはくことが一般的ですよね。歯磨きもホウキ掃除と同じです。ごしごしと強く擦るのではなく、毛先を使ってあまり力を入れずに磨いてください。
口内ケアグッズを利用する
普通に歯ブラシをするだけでは、歯を隅々まで奇麗にすることはなかなか難しいですよね。そのため、「歯間ブラシ」や「フロス」といった口内ケアグッズも利用しましょう。
歯垢がたまりやすい歯の間は、フロスや歯間ブラシが活躍します。サイズや大きさもいろいろなものが販売されていますので、使いやすいものを見つけてくださいね。
歯医者と二人三脚でケアしていくのが正解
歯茎から血が出ていることに気が付いたら、できるだけ早く歯医者にいきましょう。歯茎からの出血の原因であることが多い歯周病は、虫歯と同じで自然治癒することはありません。
歯医者で自力では落とせない歯石などを取って噛み合わせを調節し、毎日の歯磨きで口の中をできるだけ清潔に保つことが大切です。軽度の内に歯医者と二人三脚で対応をしていけば、再び健康な歯茎に戻すことは可能です。
歯茎から血が出る!歯周病が原因なら早めの対処を
歯茎から出血しても特に痛くはない場合、面倒なのもあって放置しがちですよね。しかし出血の原因が歯周病であった場合、早めの対処が大切です。
歯周病は自然治癒せず、放置して悪化すれば歯を失います。さらに血管から全身に回って大きな病気を引き起こすこともあります。時間を作って歯医者にいき、現状を確認してください。
人間は食べることで命をつなぎます。食べるためには健康な歯が必要ですので、口の中のトラブルは全身の健康にも影響が大きいのです。血が出ていれば放置せず、できることから始めてくださいね。