歯周病のにおいに本人は気づきにくい? 強烈なにおいの原因と対策方法6つ
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口臭はなぜか、自分ではわからないものですよね。会話をしていて「この人、口が臭い」と思っても、話している本人は臭いに気付いていないことがほとんどです。
多くの口臭は歯磨きで改善されますが、中には歯磨きをするだけでは改善されない口臭も。その代表的なものが、歯周病のにおいです。
歯周病は日本人の国民病と呼ばれるほどに罹患率が高い病気。自分は関係ないとは言えません。
ここでは歯周病のにおいやその原因、対策方法などを紹介します。口臭について悩んでいる方は、参考にしてください。
歯周病はにおう? 早めに対応すべき歯周病のにおいとは
口臭の原因はさまざまなものがありますが、多くは歯周病が原因です。
歯周病によるにおいは強烈であると有名ですが、なぜか本人は気づきにくいもの。しかし口のにおいで人間関係が壊れてしまうこともあるため、もしかしてと思ったら早めの対処が必要です。
歯周病による口臭は、歯ぐきの溝の中で繁殖した歯周病原菌によって発生するガス。主成分は硫化水素やメチルメルカプタンなどです。よくたとえられるのは、おならや大便、魚や卵の腐ったにおいなどがあります。
対面で話す人には間違いなく不快感を与えるので、他人事と思わずにしっかりと対策していきましょう。
歯周病のにおいは自分では気づきにくい
歯周病のにおいは強烈であるにもかかわらず、他の口臭と同じくやはり本人は気づきにくいものです。それはなぜでしょうか?
考えられるのは、自分ではにおいに慣れてしまっているからです。口の中から出る臭いは顔周辺に常に漂っていますよね。その匂いをずっと本人は嗅いでいるため、鼻が慣れてしまうのでしょう。
もしも何年間も歯科へ行っていないとか、鏡でみたら歯石がたくさん歯についているとかの方は、口臭が発生している可能性が高くなります。
自分ではにおいに気付きにくいうえに、人はにおいを指摘しにくいものです。そのため、できるだけ早めに歯科を受診してください。
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歯周病の治療方法や原因とは? 気が付かないまま放置するリスク
歯周病になるとにおう理由2つ
では、なぜ歯周病になると強烈なにおいが発生するのか、その理由2つをみていきましょう。
- ・歯周病菌によるもの
- ・溜まった膿によるもの
歯周病菌によるもの
歯周病の原因菌は、歯周病菌です。この細菌は歯垢や食べかすなどを餌にし、繁殖していきます。人間が食べ物を摂取して排泄するように、菌も餌を食べたあとはメチルメルカプタンという成分を生産、それが歯周病のにおいです。
においが強烈になるのは、食べかすなどが歯周ポケットの中で発酵するため。歯周ポケットは歯ブラシでは届かないことが多く、毎日磨いていてもケアが難しい場所です。
食べかすや歯垢が発酵し、腐った卵やタマネギ、魚のようなにおいになっていきます。
溜まった膿によるもの
また、歯周病が進行して歯ぐきの中や根の先などに溜まった膿も、それ自体がにおいを持っています。膿の中には細菌や細胞の死骸が含まれているため、悪臭を生みだすのですね。
その膿が歯周ポケットの中からあふれ出れば、口内ににおいが充満、口を開くことで息と一緒に外へ流れでます。
歯周病によるにおいへの対策6つ
歯周病のにおいへの対策は、次の6つがあります。できることからトライしてくださいね。
- ・歯科で治療を受ける
- ・最低でも1日2回は口内清掃をする
- ・正しい歯磨きをする
- ・フロスなど補助アイテムを使う
- ・洗口液を使う
- ・歯科の定期健診を受ける
歯科で治療を受ける
歯周病は一度かかってしまうと自然治癒しません。しかも進行すると歯が抜け落ちてしまう怖い病気です。さらに虫歯に比べて治療時間がかかるので、できるだけ早く歯科を受診しましょう。
歯周病の治療は徹底的な口内清掃と歯磨き指導が主な内容です。専用の機械を使って歯周ポケット内を洗浄しますが、歯周病が進行している場合には抜歯もあり得ます。腐ってしまった歯を抜いて、周囲にある膿の袋を取り除かなくてはなりません。
歯周病の治療は時間がかかってもやるべき大切なことです。人生の最後まで自分の歯を使って食事ができ、口臭が軽減できますよ。時間を作って歯科へ行きましょう。
歯科での治療費は治療する歯の本数によって変わります。歯周病レベルが初期から中期であれば、健康保険の適用で数千円でしょう。ただし重度の場合には外科的手術が必要になることもあり、その場合は数万円かかることもあります。
最低でも1日2回は口内清掃をする
本来は、食事のたびに歯磨きをするのが正しいことです。しかしそれが難しいのであれば、せめて朝食後と夕食後の2回は必ず歯磨きをしましょう。
特に大切なのは夕食後、就寝前の歯磨きです。
寝ている間は唾液の分泌が減るため、歯や歯の周辺は細菌による侵食を受けやすい状態になります。そのとき歯磨きをしておらず歯に食べかすなどがついていれば、細菌の活動は活発化。繁殖速度が速まってしまうでしょう。
寝る前には必ず歯磨きをする、それを習慣づけてください。また、昼食後など時間や歯磨きをする環境にない場合でも、歯磨きガムなどを利用するとよいですね。
正しい歯磨きをする
正しい歯磨きをすることはもちろん重要です。歯周病は自然治癒しませんが、細菌の餌となる食べかす量が減れば進行・繁殖は抑制できます。
普段の歯磨きでは取れていない汚れが多いからこそ、歯周病になっているのです。歯ブラシは毛先が柔らかいものを選び、歯の表面にまっすぐ当てて撫でるように使いましょう。ゴシゴシこすると歯の表面が削れ、知覚過敏になってしまうことがあります。
歯磨きに力は不要です。優しく丁寧に磨いてくださいね。
【関連記事】正しい歯磨きについての記事はこちら
歯の正しい磨き方とは? 磨くときのポイントや部分別に気を付けること
フロスなど補助アイテムを使う
歯磨きだけで取れる口内の汚れは、なんと6割程度です。自分はしっかり磨いたつもりでも、実際には歯の汚れは半分近く残っているのですね。
それを8割程度まで奇麗にしてくれるのが、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助アイテムです。歯ブラシは広い面を磨くのには向いていますが、歯周ポケットや歯間には歯ブラシの毛先は入れません。
歯ブラシで磨いたあとにデンタルフロスや歯間ブラシを使い、食べかすをできるだけ取りましょう。
洗口液を使う
歯磨き、フロスなどで歯と周辺の汚れを取ったあとは、洗口液も使いましょう。洗口液には殺菌作用が入っているため、夜間の口内で殺菌が繁殖するのを抑えてくれます。
人は寝ているときに唾液分泌が減り、口内が乾燥ぎみに。そのため細菌が活動しやすくなってしまいます。眠る前に洗口液で口内を洗い流しておけば、潤いが続くうえに殺菌作用が効果を発揮して細菌を抑制できるのですね。
口臭抑制やホワイトニング効果など、さまざまな洗口液が販売されています。お気に入りのものをみつけてください。
歯科の定期健診を受ける
どれだけ自分でしっかりと磨いていても、やはり歯石はついてしまいます。そのため、最低でも年に2回は歯科で定期健診を受けましょう。
歯科では専用の道具を使って歯石を除去し、口内全体の状態や環境を調べてくれます。磨き方が足りないと判断されれば、歯磨き指導も実施。正しい歯磨きについても練習できますよ。
歯科検診は異常のない口内でも半年に一回、歯周病が発見されれば3カ月か4カ月に1回の割合で受診しましょう。歯石はできてしまえば歯ブラシでは取れません。定期的に歯科に通い、除去することが大切です。
もしかして口が臭い? そう感じたら歯周病を疑おう
歯周病は日本人の成人で約8割がかかり、日本の国民病とも呼ばれています。そして、歯周病によるにおいは呼吸と共に外へ流れ、周囲の人を悩ませるもの。自分が歯周病にかかっている自覚がなければ、余計に口臭には気づかないでしょう。
少しでも違和感があったり家族などににおいを指摘されたりすれば、歯科を受診してください。歯周病は治療に時間がかかります。少しずつ改善しながら、口臭対策をしていくしかありません。
自分ができることといえば、丁寧な歯磨きとフロスや洗口液の使用など。簡単なものから取り入れてくださいね。