歯髄炎の進行レベル別症状と痛みを軽減させる方法
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ある日突然、耐えがたいほどの痛みが歯に発生! そんなときは慌てますよね。歯痛は日常生活に大きな影響を及ぼすため、できるだけ早く対応しなければなりません。
歯が痛くて眠れないといったようなときは、歯髄炎を疑いましょう。歯髄炎は自然治癒するものではなく、放置すればどんどん悪化してしまいます。
ここでは歯髄炎とは何か、その原因や進行レベルに合わせた症状、痛みを軽減させる方法と歯科での治療内容について紹介します。
歯髄炎が悪化すれば夜も眠れない! 早めの対処が必要
歯髄とは、歯に通っている神経のこと。多くの血管も通っている、歯の骨髄のようなものです。
歯には根管と呼ばれる管があり、その中を神経が通っています。そこが炎症を起こすのが歯髄炎です。
つまり神経が何らかの原因で刺激を受けているわけですから、悪化すれば常に痛み、夜も眠れない状態になります。そのため、できるだけ早めの対応が必要なのですね。
歯髄炎は自然治癒しません。どんどん進行していけば、最終的には歯の神経が死に、アゴ全体が腫れあがるような状態になってしまいます。
しばらく我慢していればいいなどとは思わず、すぐに歯科を予約してくださいね。
歯髄炎の原因1位は虫歯の放置! その他の原因4つ
では、歯髄炎が発生する原因について説明します。その多くの原因は「虫歯」です。
放置された虫歯が進行して細菌が歯の内部へ入り込み、神経まで汚染したときに炎症が発生、我慢できない痛みが起こります。
さらに、他にも歯髄炎の原因となるケースは以下の4つです。
- ・歯への強い衝撃による外傷
- ・歯の破折
- ・進行した歯周病
- ・度重なる虫歯治療による刺激
【歯髄炎】虫歯以外の原因:歯への強い衝撃による外傷
激しいスポーツなどで歯をぶつけた場合、歯髄が炎症を起こすケースがあります。
歯の歯髄は根の先の一部。そのままアゴの骨の中にある骨髄と繋がっています。そのため歯に強い衝撃を受けたはずみで歯髄と骨髄が切断してしまう場合があるのですね。
切断されたところが炎症を起こし、強烈な痛みが出ます。このケースでは、歯の神経を抜く治療を行わねばなりません。
【歯髄炎】虫歯以外の原因:歯の破折
高い場所から落ちたり激しくぶつかるスポーツをしたりなど、強い衝撃を顔に受けることもあるでしょう。そんなとき、歯が破折する場合があります。
歯が折れると隙間ができ、そこから細菌が入って炎症が発生。歯髄炎になってしまうのですね。
通常神経が生きている歯は頑丈なのですが、食いしばりや歯ぎしりがひどい方も歯が割れるケースがあります。割れたところから口内の細菌が入り込み、神経を汚染して歯髄炎になるのです。
【歯髄炎】虫歯以外の原因:進行した歯周病
歯周病は歯周病菌によって歯の周囲の骨が溶けていき、最終的には歯を失うという怖い病気です。なんと日本人で成人の約8割の人がかかっていると言われる、国民病でもあります。
その歯周病が進行した結果、歯の骨が溶かされて歯の根の先から細菌が侵入し、歯髄炎が発生。この場合には歯の根の一部を切断し、神経を抜く必要があります。
【歯髄炎】虫歯以外の原因:度重なる虫歯治療による刺激
歯の中には複数の管があり、それが歯髄と繋がっています。そのため何度も虫歯になった歯の治療を行うと、管を通じて歯髄がダメージを受けるのですね。
結果、歯髄炎を発症することがあります。
自然に回復する場合もありますが、反対に神経が死んでしまうこともあるため、注意が必要です。
歯髄炎のレベルに応じた症状
歯髄炎の症状は、基本的には「痛み」のみ。しかし進行レベルに応じて痛みの強さや反応するものが違います。
順番にみていきましょう。
歯髄炎のレベル①冷たいものがしみるが普段は平気
比較的初期の歯髄炎は、冷たいものを飲食したときにぴりっとしみたり痛みがあったりする程度です。痛みは数十秒から数分で消えるうえ普段は平気なので、睡眠も食事もさほど問題なくできます。
歯の将来と歯の神経を守るためには、この時点で歯科を受診することが大切です。
歯髄炎のレベル②長時間痛みがあるが自然に治まる
この段階は歯髄充血から進行した、急性単純性歯髄炎の状態です。冷たいもので感じた痛みがしばらく消えず数時間持続することもあります。
時間が経てば自然に治まりますが、飲食など何もしなくても痛みを感じるようになるでしょう。
歯髄炎のレベル③温かいものがしみる
冷たいものだけでなく、温かいものもしみたり痛みがでたりします。何をせずとも脈拍に合わせるようにズキズキと痛み、寝ている間も苦しみます。
このレベルが痛みのピークです。
歯髄炎のレベル④歯髄壊死になり痛みが消える
それでも放置していると、だんだん痛みは軽くなっていき、食べかすが詰まったときだけ痛むような状態になります。
しかしこれは歯の神経が死んだということ。状態としては「歯髄壊死」と呼ばれます。神経が死んでしまったことで痛みを感じなくなり、一見治ったのかと思わせるほどです。
ただし病気はそのまま進んでいくので、放置すれば病状はさらに悪化。やがて歯髄が腐敗する歯髄壊疽になり、強い口臭や腐敗臭が出るようになります。
歯髄炎はセルフケアできる? 痛みを軽減させる方法3つ
歯が痛いけど今は歯科にいけないという方は、どうやって痛みを軽減させればよいでしょうか。
次の3つを試してみましょう。
- ・鎮痛剤を飲む
- ・冷やす
- ・ものを噛まない
【鎮痛剤を飲む】
痛みは我慢すべきではありません。すぐ歯科に行けない夜中であるような場合、まずは市販の鎮痛剤を飲みましょう。
歯医者で処方される鎮痛剤にはロキソプロフェンという成分が入っています。常日頃から同じ成分が含まれている鎮痛剤を家に常備しておくことをおすすめします。
【冷やす】
歯髄炎の痛みは血液の流れによるもの。そのため、痛い場所を冷やすことで血流を少なくし、痛みを軽減させましょう。
冷やしたタオルを頬側にひっつけ、口の内側に氷を入れてみてください。冷たいものでしみるレベルではしばらく苦痛ですが、そのうち痛みがマシになります。
【ものを噛まない】
歯が刺激を感じると痛みます。歯科に行くまでは、できるだけ歯でものを噛まないようにしてみましょう。栄養は高カロリーのゼリーなどで摂取し、できるだけ早く歯科を受診してください。
歯髄炎の治療方法
では、歯科に行って受ける歯髄炎の治療方法を紹介します。
- ・虫歯を治療する
- ・根管治療をする
虫歯を治療する
歯髄炎になる原因の第一位は虫歯。まずは虫歯の治療が必要です。まだ歯髄が細菌に侵されていない場合には、歯髄の保護をしなければなりません。
麻酔をして虫歯を取り除いたあと、菌が歯髄へ入るのを遮断します。
ただし炎症で痛みがひどい場合には麻酔が効きにくいことも。そのため、場合によっては鎮痛剤や抗生物質を使って症状が落ち着いてからの治療となるでしょう。
根管治療をする
根管治療とは、歯の根を取ることを指します。歯は神経を取ることによって「死んだ」状態になりますが、汚染された神経を残しておくことはできません。
根管治療の流れは以下の通りです。
- 歯に麻酔をかける
- 虫歯部分を削り取る
- ラバーダムという器具を歯の周囲に装着して唾液が歯の根の中に入り込まないようにする
- ダイヤモンドのバーを使って歯の神経を取り除く穴を開ける
- 歯の神経の入り口から器具を使って神経を取り出す
- 根の中の消毒を徹底的に行う
- 歯の根がきれいになったら薬を詰める
- 神経を取ってもろくなった歯が割れないように、土台を作ってかぶせる
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歯髄炎は、歯の命ともいえる歯髄が炎症を起こしている状態を言います。痛みが強く出る上に自然治癒はしないため、まだ大丈夫だからと放置しているとどんどん悪化する怖いものです。
知覚過敏のような、冷たいもので歯がしみる原因はいくつかあります。しかし、歯に痛みを感じたらそれは何かのトラブルが起こっている証拠です。放置はせず、痛みが弱い間に歯科を受診しましょう。
80歳のときに20本の自分の歯が残っていることが、将来の健康状態に大きく影響すると言われています。早めの対処で将来残る自分の歯の数を多くしていきましょう。