知覚過敏は治る? セルフでの改善法と歯科での治療法
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キンキンに冷えた飲み物を口にしたときや熱々のお鍋料理をひと口食べたとき、歯がしみて痛い思いをしたことがある方は多いでしょう。知覚過敏と呼ばれるその症状は、日本人の3人に1人が経験したことがあると言われています。
では、知覚過敏はなぜ発生するのでしょうか? そして歯科に行かず、自力で改善する方法はあるのでしょうか。
ここでは、知覚過敏の原因とセルフでの改善法、歯科での治療法などを紹介します。冷たいものを食べると歯がしみるという方は、参考にしてください。
知覚過敏はそのレベルによってさまざまな治し方がある
知覚過敏にもレベルがあり、それに応じてさまざまな治し方があります。
たとえば初期、軽度の知覚過敏であれば、唾液の作用で再石灰化すれば自然治癒も可能です。しかし痛みがひどい場合や歯茎の退縮によるものであれば、きちんと処置しなければいずれ日常生活に差しさわりが出てくるでしょう。
歯がしみるのはつらいのですが、一瞬だけ感じる痛みのため、特に歯科にいくほどでもないと放置している方もいます。しかし、一瞬であっても痛みは痛みです。痛みがあるということは何らかの異常が起こっているということ。知覚過敏も放置しつづければ、歯の神経を抜かなければならないこともあります。
あまり我慢せず、早めに歯科を受診するようにしましょう。
知覚過敏が発生する理由
知覚過敏が発生する主な理由は、以下の6つがあります。
- ・歯肉の退縮
- ・エナメル質のすり減りによる象牙質の露出
- ・歯の破折
- ・歯が溶けることによる象牙質の露出
- ・虫歯治療の影響
- ・ホワイトニングの影響
これらの多くに共通するのは、象牙質が露出してしまうということです。象牙質は歯の表面にあるエナメル質の下にある層で、何等かの刺激を受けると神経に伝わり、痛みが発生します。
たとえば歯肉の退縮は加齢によって歯茎が痩せ、下に下がってしまうこと。普段は歯肉で守られていた象牙質の部分が露出することにより、刺激を感じるようになるのです。また、強くゴシゴシと歯磨きをしたり歯ぎしりをしたりすると、エナメル質がすり減って象牙質が露出します。ほかにも、酸性の食べ物によって歯の表面が溶けて象牙質が出てしまうこともあるのですね。
それらとは少し異なるのが、虫歯治療の影響とホワイトニングの影響です。
虫歯治療ではドリルを使って歯を削るため、神経に多かれ少なかれ負担がかかります。その結果、治療後に知覚過敏が発生するケースがあります。
またホワイトニングでは薬剤を使って漂白するため、その影響によって軽度の知覚過敏が発生することも。この2つの場合は時間の経過で改善することも多いため、様子をみることになるでしょう。
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セルフで行う知覚過敏の改善法
歯科に行く時間がなかなか取れないという方は、自力で行う知覚過敏の改善方法を試してください。
- ・歯磨きを優しくする
- ・知覚過敏用歯磨き粉を使う
- ・キシリトールガムを噛む
- ・フッ素ジェルを塗布する
歯磨きを優しくする
力をいれて歯をこすったために知覚過敏が発生した場合は、歯磨きを優しくすることで症状が改善する可能性があります。これは、唾液による再石灰の作用です。歯の表面を自分で削ることをやめると、唾液中に含まれるカルシウムによってエナメル質が回復します。
そもそも歯磨きに力は不要です。ほうきで床をはくように、あくまでも優しく歯の表面をなでるイメージで歯磨きするようにしましょう。
知覚過敏用歯磨き粉を使う
市販の歯磨き粉にはさまざまな効果を持つものがありますが、知覚過敏用の歯磨き粉も存在します。知覚過敏用の歯磨き粉には硝酸カリウムが配合されていて、露出した象牙質をカバー。使用を続けることで症状緩和が期待できます。
キシリトールガムを噛む
キシリトールガムそのものが知覚過敏を改善するのではなく、これは唾液の分泌を促すために行います。
唾液にはカルシウムやリン酸など、歯の成分であるミネラルが豊富に含まれています。そのため唾液量を増やすことが大切です。
人は「噛む」ことで顎が動き、唾液腺を刺激して唾液分泌を促します。キシリトールガムは虫歯予防効果も期待できるガム。虫歯の可能性が少ない食べ物で唾液量を増やしたいなら最適です。
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フッ素ジェルを塗布する
市販のフッ素ジェルを歯に塗ることも有効です。フッ素は歯の表面のミネラルと結びつき、歯を硬くできます。そのため知覚過敏が軽減するのですね。
歯科で行う知覚過敏の治療法
歯がしみるという症状は、知覚過敏以外にもさまざまな病気が原因になります。そのため、歯がしみたなと思ったら一度は歯科を受診するようにしましょう。
歯科では以下のような治療を行います。
- ・薬剤やコーディング剤で保護する
- ・レーザーを当てる
- ・マウスピースを作る
- ・歯周病の治療
- ・歯の神経を抜く
薬剤やコーディング剤で保護する
歯科で知覚過敏だと診断された場合、選択されることが多いのは「薬の塗布」や「コーディング剤での保護」です。
エナメル質が傷ついて剥がれ、露出して象牙質に刺激が加わることで歯がしみるため、出てしまった象牙質を薬やコーディング剤で覆い、刺激を遮断します。
使う薬は歯科によってさまざまですが、基本的には何度か塗布を繰り返すことで歯を保護するため、通院が必要です。またコーディング剤は一度の施術で露出部分を覆えますが、毎日の歯磨きで削れてしまうため、数カ月で効果を失います。
とはいえ、その間に再石灰がすすんでいれば、薬剤もコーディング剤も不要となるでしょう。
レーザーを当てる
レーザーを歯に当てることで、知覚過敏の症状を軽減できます。
これは、露出した象牙質にレーザーを当てると歯の表面が硬くなり、刺激が象牙細管に伝わらないようにできるためです。
注意点としては保険適用されない場合があるということ。健康保険を使うつもりでレーザー治療を受けたら実は自由診療で高額請求をされた、などということがないように、必ず歯科医に相談してから受けるようにしてください。
マウスピースを作る
知覚過敏が起こる原因の大きなひとつに「歯ぎしり」があります。歯ぎしりが原因でエナメル質が削られて知覚過敏になっている場合、当然まずは歯ぎしりを軽減させなくてはなりません。
そこで登場するのがマウスピース(ナイトガード)です。これを夜眠るときに歯にはめておくと、上下の歯のクッションとなって歯の表面が削れないようにできます。また、マウスピースをはめることで歯ぎしり自体を改善する効果も見込めるため、歯科で自分に合ったものを作成してもらいましょう。
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歯周病の治療
歯周病が原因で歯肉が下がることもあります。その場合は歯周病の治療が必要です。歯垢や歯石を専用の機械を使って徹底的に除去し、歯とその周囲を清掃、健康な歯茎に戻すようにします。
ただし、歯石を取ったらその下に隠れていた象牙質が露出するというのもよくあるケースです。そのため、歯周病の治療と同時に薬の塗布やマウスピースの使用といった知覚過敏の治療も行います。
歯の神経を抜く
前述のような知覚過敏の治療を行い、結果として痛みが取れなかった場合には「歯の神経を抜く」こともあります。歯の神経はできるだけ残す方がよいため、これは他の治療では改善の見込みがない場合の最終手段と考えてください。
歯の神経を抜くと、その歯は死にます。それ以後、歯が黒く変色したりもろくなったり歯周病や虫歯などの進行が早まったりといったデメリットがあるため、歯科では極力歯の神経を残そうとするのです。
知覚過敏は放置禁止! 歯科医に相談しよう
知覚過敏は冷たい飲み物や熱い食べ物などで歯がしみる現象です。痛みは一瞬で普段の生活にはほぼ影響がないため、歯科を受診せずそのまま放置する方も多いでしょう。
しかし、知覚過敏と似たような症状に虫歯や歯周病などがあるため、知覚過敏であるかどうかの判断をしてもらうためにも早めに歯科を受診してください。
知覚過敏は軽度であれば力を入れず歯磨きすることや、知覚過敏用の歯磨き粉の使用で改善します。しかし、深刻な場合は歯の神経を抜くこともあると知っておきましょう。
どんな場合でも痛みがあるなら放置は厳禁です。歯科を予約し、診察を受けてください。