ナイトガードとスプリントの違いを徹底解説! 用途と選び方のポイント
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歯ぎしりや食いしばりで悩んでいる方は、マウスピース治療がよいと見聞きしたことがあるかもしれません。
マウスピース治療とは、マウスピースを歯科で作り、それを歯にはめて眠ることでさまざまな不快症状を改善・緩和する方法です。
マウスピースにはいくつか種類がありますが、インターネット上の記事によってはナイトガードやスプリントと書かれていることもあります。では、これらはどのような違いがあるか、ご存じでしょうか。
そこでこの記事ではマウスピースの種類を紹介し、さらにナイトガードとスプリントはどのような違いがあるのか、特徴や選び方などを解説します。
歯・歯茎・顎・口内を守るためのマウスピースにはさまざまな種類がある
マウスピースは樹脂でできたゴムのようなもので、口内に入れて歯や歯茎、顎、舌などを衝撃や摩擦から守るためにあります。
以下は、マウスピースの種類です。
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- ・自分で作るマウスピース
- ・スポーツ用マウスピース
- ・睡眠時専用マウスピース(ソフトタイプ)
- ・睡眠時専用マウスピース(ハードタイプ)
スポーツ用マウスピース以外のものは、通常、睡眠中に使用します。そのため、一般的に「ナイトガード」と呼ばれていますよ。
自分で作るマウスピース
インターネットのお店などでは、自分で作るタイプのマウスピースを購入できます。
沸騰させたお湯で既成の樹脂プレートを温めて柔らかくし、歯にはめて噛み込むことで形を作る商品です。
歯科にいく必要がなく手軽に作成できますが、専門家である歯科医の噛み合わせ確認ができないため、現在のトラブルをさらに悪化させてしまう可能性が大きくなります。
スポーツ用マウスピース
ボクシングやラグビーなど、顔面に衝撃があるタイプのスポーツをしている人が使うのが「スポーツ用マウスピース」です。
パンチやタックルなどの衝撃から歯を守るため、瞬発的に力をだすときの食いしばりから歯を守るため、そして歯で自分や相手を傷つけないようにするために装着します。
スポーツ用マウスピースはゴム製の柔らかいものが多く、あくまでもスポーツ中につかうためのものです。夜間の歯ぎしりや食いしばりへは適していませんので注意しましょう。
睡眠時専用マウスピース(ソフトタイプ)
睡眠時専用マウスピース(ナイトガード)は、夜間の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守るために使用するものです。
ソフトタイプはスポーツ用マウスピースと同じくゴム製で、歯ぎしりによる歯の表面の摩擦を防止・緩和します。
ただし、食いしばりが強い方にはかえって逆効果のことも。柔らかいので余計に噛み締めてしまい、歯や歯茎、顎の痛みが悪化してしまうのです。作ってみて、痛みや違和感が強い場合は早めに歯科医に相談しましょう。
睡眠時専用マウスピース(ハードタイプ)
ソフトタイプと同じく、夜間の歯ぎしりや食いしばりから歯や顎を守るために使用します。歯科用レジンを固めて作るため耐久性が高く、持続的な夜間の歯ぎしりや食いしばりにも耐えられます。
目的は、歯ぎしりで歯の表面が削られることの防止や、食いしばりの力を緩和して歯や顎の骨を守ることです。
健康保険が使えるため、費用は5,000円ほどで作成できます。
【関連記事】睡眠時のマウスピースについての記事はこちら
寝る時のマウスピースって? 効果・メリットとデメリット・作り方などを紹介
「スプリント」はナイトガードの一種
スプリントとは上下の歯が直接噛み合わないように、間に装着するクッションのようなものを指す言葉です。睡眠時に装着するため、ナイトガードの一種と言えるでしょう。
名前と目的は異なりますが、ものは睡眠時専用のマウスピースとほぼ同じであり、作成方法や材料は大きく違いません。
ではなぜ呼び方が異なるのかという疑問がありますが、実は呼び方には特にルールがないのですね。そのため、歯科医によっては「マウスピース」と呼んだり「スプリント」と呼んだりします。
ナイトガードとスプリントの目的や特徴
では、ナイトガードとスプリントの目的や特徴について、それぞれ解説します。
ナイトガード
ナイトガードの目的は、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりから歯を守ることです。睡眠中はストレス発散の目的もあり、無意識に強くくいしばったり歯と歯を合わせて力まかせにこすったりといった行動を、持続的に何度も行います。
その結果、歯の表面が削れたり歯が歯茎に沈みこんだりするほか、顎の骨に負担がかかって顎関節症をひきおこしたりします。頭痛や肩こりの原因にもなるため、それらを守るためにマウスピースを装着します。
スプリント
スプリントの目的は、すでに発症してしまっている顎関節症の症状の緩和です。
顎関節症は、噛み合わせの悪さや精神的緊張、関節の弱さ、スポーツや楽器演奏などの生活習慣、寝ているときの姿勢などさまざまな原因が複雑に絡み合って発症する病気のこと。治療をせずに放置すると、咀嚼障害や顎の開閉困難、顎の変形などを引き起こしてしまいます。
スプリントの装着により、食事の際に使う筋肉や顎の関節の緊張を和らげます。諸症状が緩和するには通常数カ月から数年の時間がかかりますが、食いしばりによる頭痛や肩こり症状や顎の痛みなどは、多くの場合、かなり早く実感できます。
顎関節症を緩和するスプリントにも、用途に応じて以下の3種類があります。
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- ・スタビライゼーション型スプリント
- ・リポジショニング型スプリント
- ・リキャプチャリング型スプリント
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スタビライゼーション型スプリント
顎関節症のスプリント治療で最も使用されているタイプです。顎の筋肉の緊張をほぐしたり、食いしばりしにくくして悪癖を減少させたりする目的で、利用されます。
リポジショニング型スプリント
顎関節症が進行すると、関節の間にある軟骨が関節から飛び出してしまいます。それが引っかかることで、口を大きく開け辛くなり、無理やり開くと軟骨を飛び越えて顎が開くため、カックンというクリック音がなるようになります。
リポジショニング型スプリントは、そのような関節円板のクリック音がなる症例に対して有効です。
リキャプチャリング型スプリント
顎関節症になった結果開口障害が発生した場合に、リキャプチャリング型スプリントが使用されます。関節の状態が安定するまでは継続しての使用がすすめられます。
ナイトガードを選ぶかスプリントを選ぶかは歯科医との相談が大切
歯科によってナイトガードと言うかスプリントと言うかは異なりますが、いずれにせよ、自分の症状に合ったマウスピースを作成してもらい、装着する必要があります。
まだ顎関節症までは発症していないという方は、ナイトガードがおすすめされることが多いでしょう。食いしばりや歯ぎしりが悪化して顎関節の状態が悪くならないよう、マウスピースでガードします。
一方、すでに顎関節症を持っている方は、スプリント治療を行って顎の関節の負担を減少させる必要があります。スプリント治療では顎関節症の根本的治療にはなりませんが、つらい諸症状を緩和させるには有効です。
スプリントはナイトガードの一種! 正しく使えば顎関節症を軽減できる
スプリントはナイトガードの一種で、多くの場合、睡眠時専用マウスピースのハードタイプと同じものを指します。
歯科用レジンでできた硬いマウスピースで、上の歯もしくは上下一体型になったものを歯にはめて、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりから歯や歯茎、顎などを守ります。
いずれも正しく使うことで口内や顎の痛みなどが軽減しますので、興味がある方はぜひ歯科医に相談してみてくださいね。