大人になっても永久歯が生えてこない!? 考えられる原因と対処法
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いつか生え変わるだろうと思っていたのに未だに乳歯の歯がある、もしくは、乳歯は抜けたのに永久歯が生えてこないという方がいます。
反対側の歯は全部永久歯なのに、これはどうして?
生えてこないと何かマズイことがある?
そう心配する方のために、ここでは大人なのに永久歯が生えてこない原因やリスク、対処法を紹介します。
大人なのに永久歯が生えない? 歯科で確認しよう
もしも、既に大人だという自覚があるのにまだ永久歯が生えていないという方は、早めに歯科を受診しましょう。
永久歯がないだけでは特に痛みや不快感はないかもしれません。しかし、歯は繊細なバランスでお互いを支え、正しく並ぶようになっています。
歯がなければ歯並びが崩れ、その結果、噛み合わせが悪くなることに。噛み合わせが悪くなると食物がしっかり噛めないことで顎の関節や筋肉を痛めたり、すりつぶされないまま飲み込まれた食物で胃腸に負担をかけたりします。
また、歯を磨きにくくなるため汚れが残りやすくなってしまい、口内の細菌が繁殖。虫歯や歯周病などの口内トラブルが発生しやすくなるでしょう。
すると、最終的には全身の健康に影響し始めるのです。
そのため、できるだけ早く永久歯が生えない原因を探り、対処してもらわねばなりません。
永久歯が生えていないのはそもそもないからなのか、それとも他に原因があるのか、まずはそこから調べてもらいましょう。
大人なのに永久歯がない! 考えられる状態4つ
まずは永久歯が今ないことについて、考えられる理由4つを紹介します。
- ・乳歯の根が溶けない
- ・埋伏歯になっている
- ・癒合歯(ゆごうし)になっている
- ・元々永久歯がない
乳歯の根が溶けない
通常は、生え変わりの時期になると乳歯の根を溶かして抜けさせ、その後に永久歯が生えてきます。しかし、なんらかの原因で乳歯の根が溶けない場合があるのですね。
歯が自然に抜けるためには、根が溶けなくてはなりません。でなければ、下に埋まっている次の歯はそのままになります。
この場合は乳歯のままで大人になるため「大人乳歯」と呼ばれます。ただし、乳歯は永久歯よりもろく虫歯になりやすいため、永久歯があるなら生え変わらせなければなりません。
そのため、歯科では乳歯を抜歯して永久歯が生えるようにします。
埋伏歯になっている
乳歯はきちんと抜けたのに、その後で永久歯が生えてこないという方は、埋伏歯が考えられます。
埋伏歯はその漢字の通りに埋まっている歯のこと。存在してはいますが、永久歯が顎の骨や歯茎の中で止まっている状態です。
原因は、顎の小ささや歯の大きさ、遺伝、そして先天的な異常などがあります。
たとえば顎が小さいと、先に生えている他の歯で場所が埋まり、永久歯が生える場所がなくて頭を出せません。歯が大きい場合にも同じです。
そういった場合には、矯正器具で他の歯を動かして永久歯の場所を作るケースもあります。
癒合歯(ゆごうし)になっている
癒合歯は、2つの歯がくっついている状態のこと。見えている上部分だけではなく、根も2つがくっついています。
歯は1つの冠に対して、根は2本です。ところが稀に、乳歯の根が溶けるときに1本の根しか溶けない場合があります。
すると、待機している永久歯の根とくっついてしまうのですね。
この場合も乳歯が邪魔で永久歯は生えてこれないため、今ある歯を抜くという対応になります。
元々永久歯がない
生まれつき、永久歯がない人もいます。このケースでは乳歯の根を溶かす歯がないため、乳歯は抜けずそのままです。
しかし、乳歯はもろく弱い歯。
そのまま乳歯を大切にして使う人もいますが、乳歯を抜歯して矯正で他の歯を動かし、永久歯の欠損を埋める人もいます。
歯の有無は、歯科のレントゲン撮影で確認してくださいね。
永久歯がないことによるリスク
では、永久歯がないことによるリスクはどんなものがあるでしょうか?
次の2つをみていきましょう。
- ・歯並びが乱れる
- ・虫歯や歯周病になりやすい
歯並びが乱れる
前述したように、永久歯がないことによって歯並びが乱れます。
歯は隣同士で支え合って正しい位置に並ぶため、1本でも欠けていると広い空間へと動き出してしまいます。
また乳歯が残っている場合でも、乳歯と永久歯では大きさも質も違うので、歯の高さが変わり隙間や凹凸ができるのですね。
歯並びが乱れると、悪い影響を受けるのは見た目だけではありません。歯に隙間ができることで発音しにくくなったり、歯がまっすぐに立たずに口内の粘膜を傷付けたりするようになります。
噛み合わせが悪くなるため食事をしっかり噛むことも難しくなるでしょう。その結果、顔の形が歪んだり顎関節症を発症することもあります。
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虫歯や歯周病になりやすい
永久歯が生えてこず乳歯が残っている場合、虫歯リスクが増えます。それは、乳歯が永久歯よりももろくて柔らかいからですね。しっかりとケアしなければ、すぐに虫歯になってしまいます。
また、乳歯は抜けたけれど永久歯が生えてこない場合には、歯並びが乱れることで歯磨きがきちんとできなくなります。汚れが溜まれば口内細菌が活動を活発にし、虫歯だけでなく歯周病にもなるリスクが増加。歯茎から出血したり口臭が出たりするため、精神的にもつらいことになるでしょう。
永久歯が生えてこないときの対処法
永久歯が生えてこないときには、歯科で以下のような対処を行います。
- ・レントゲン撮影をする
- ・乳歯を抜く
- ・歯茎を切る
- ・矯正器具で引っ張り出す
レントゲン撮影をする
歯科ではまずレントゲンを撮り、永久歯があるのかないのかを確認します。
なければ欠損であるため乳歯があればそれを使い、なければ差し歯やインプラント挿入といった対応が必要です。
レントゲンに永久歯がうつっていれば、永久歯が生えるように処置していくことになります。
乳歯を抜く
歯茎や顎の中には永久歯があるのに生えていない場合、まずは邪魔な歯を抜いてしまいます。通常、上にあった歯がなくなれば次の歯が生えてくるので、それをケアしながら見守るのですね。
しかし他の歯が場所を取っているなどで生える場所がなければ、矯正で他の歯を動かすことも考えなければなりません。
歯茎を切る
歯茎を切って、永久歯の頭を出す方法です。
乳歯がなくなって時間が経っても、永久歯がなかなか出てこないことがあります。これは、何らかの原因で通常より早く乳歯が抜けてしまった場合によくあること。乳歯が抜けるのが早いと、歯茎の表面が硬くなるのですね。
通常より硬くなってしまった歯茎は、永久歯では破れません。
そのため歯茎を切り、下に隠れている永久歯の頭を引っ張り出します。
矯正器具で引っ張り出す
永久歯が顎の骨の中で止まってしまっているような場合には、矯正器具を使って永久歯を引っ張り出す処置をします。
この処置を受けることが多いのは、犬歯や下顎の親知らずです。
一般的に犬歯と呼ばれる「糸切り歯」は、歯の中でも最後に生えてきます。そのため、顎が小さかったり他の歯が大きかったりすると、犬歯が生える場所がありません。結果的に骨の中で止まってしまっているのですね。
親知らずも同じで、犬歯を含めて歯が出そろったあとに生えるため、生える時期になると既に場所がなかったということがよくあります。
その場合に、矯正器具をひっかけて引っ張り出すのです。他の歯にも同じく矯正器具をかけてずらしていき、生えてくる場所を確保しなければなりません。
永久歯は大切なもの! 生えてこなければ歯科を受診しよう
永久歯はとても大切なもの。乳歯よりも頑丈で大きく、それぞれの歯に役割があります。そのため、1本でも欠けていれば歯全体のバランスが崩れてしまうのです。
もしも永久歯の姿が見えないなと思ったら、早めに歯科を受診し、原因を探ってください。
すぐに対応できれば、それだけ治療に時間やお金がかかりません。痛みなどもないでしょう。しかし放置していれば、口内すべてのバランスが崩れ出します。
歯並びの崩れは全身の健康へ影響します。その原因とならないように、生えていない永久歯があれば担当の歯科医に相談してくださいね。