口角炎が治らない原因は? 口角炎の原因と対処法を解説
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口の端がビリッと破けて、痛い思いをすることってありますよね。しばらく触らないようにして治りかけていたのに、ついうっかり大口を開けてしまって傷口が開いてしまうことも。
口の端っこが破けたり、ただれたり湿疹が発生したりすることを「口角炎」と呼びます。口角に炎症が起こった状態です。
この口角炎、なかなか治らない、再発が頻繁に起こるという方は、日常生活のケアや行動を見直す必要があります。
今回は、口角炎が治らない原因や治療方法について解説していきましょう。
口の端が切れて痛い! 口角炎とは口の端に起こる炎症
口の端は「口角」と言います。そこに炎症が起こってひび割れたりただれたり破れたりする状態が、口角炎です。唇にも同じようなものが発生しますが、それは口唇炎と呼びます。
口角炎や口唇炎は、体調が悪くなったときに発生することが多いため、体調のバロメーターとも言えます。
放置していても自然に治ることが多いため、あまり重要視しない方が多いのですが、できるだけ皮膚科を受診することがおすすめです。
特に繰り返すタイプや数週間経っても治らないタイプは、感染症や全身疾患による口周辺に出る初期症状の可能性があります。
治療方法が適切でなければ、治らないだけでなく症状が悪化することも。面倒臭がらず皮膚科を受診して、適切な処置を受けるようにしましょう。
口角炎と口唇ヘルペスの違い
口角炎や口唇炎と似たような病気に「口唇ヘルペス」があります。
見た目は似ていますが、原因や症状は異なるため、ここで紹介しておきますね。
口角炎(口唇炎)は、炎症です。原因は乾燥や栄養不足、菌による感染によって発生します。人にはうつりません。
一方、口唇ヘルペスはウィルス感染によって発生する感染症です。感染した人の唾液や皮膚が接触することによって、人にうつります。
口角炎の代表的な原因
口角炎の代表的な原因は、以下の4つがあります。
- ・乾燥
- ・刺激
- ・栄養素の不足
- ・細菌感染
気候が原因の、日焼け・舌で舐める・よだれなどによる乾燥で炎症が起こります。特に冬場は乾燥しがちなので、保湿に気を付けましょう。子どもは舌で口の周りをよく舐めるため、口角炎を繰り返しやすい傾向があります。
また、化粧品などの刺激や栄養不足・睡眠不足などによる免疫力の低下も大きな原因です。さらに、細菌感染によっても発生します。
感染は保湿することで症状がよくなりますし、刺激は刺激物を突き止め使用をやめることで口角が回復します。
しかし、栄養不足と細菌感染はきちんとした対応をしないと繰り返すため、次で詳しく内容を説明しますね。
栄養素の不足による口角炎
偏った食生活による栄養不足で、さまざまな症状が発生します。口角炎は特に、ビタミンの不足が原因で発生しやすい症状です。毎日の食生活の見直しを行いましょう。
- ・ビタミンB2の不足
- ・ビタミンB6の不足
ビタミンB2の不足
ビタミンB2は、体内のエネルギー代謝、そして細胞の成長と再生に関与する重要な栄養素です。レバーやうなぎ、納豆、きな粉、チーズ、アーモンドなどに多く含まれます。
ビタミンB2が不足すると、皮膚や粘膜、口角の乾燥が進むようになり、傷やひび割れが起きやすくなります。
また、ビタミンB2は赤血球のヘモグロビン合成にも必要な成分で、不足すると細胞に酸素が十分供給されません。その結果、口内外の組織の健康に影響を与え、口角炎が発生しやすくなります。
ビタミンB6の不足
ビタミンB6は免疫機能を正常に保つために必要な栄養素のひとつです。不足すると細菌や真菌に感染するリスクが高まります。
ビタミンB6は、かつおやさば、ししとう、ブロッコリー、玄米などに多く含まれます。
細菌感染による口角炎
繰り返す口角炎の原因で最も多いのは、細菌感染によるものです。子どもは黄色ブドウ球菌が多く、大人はカンジダ菌が多くなります。
- ・黄色ブドウ球菌
- ・カンジダ菌
ビタミンを摂取したり軟膏を塗ったりしても症状が良くならない場合は、菌に感染しているためであると考えられます。そのため、菌に対する正しい治療を行わねばなりません。
黄色ブドウ球菌
黄色ブドウ球菌は人間の皮膚の表面に常に存在する常在菌のひとつです。特に多いのは、鼻やのどの粘膜ですね。
常在菌は通常、人体に害を及ぼすことはありません。しかし免疫力が低下してしまったり、傷口ができてしまったりすると、感染症を引き起こすことがあります。
治療方法は抗生物質による抗菌です。殺菌するのではなく、服用することによって細菌の増殖を邪魔するといった方法で、本人が持つ治癒力で治していきます。
カンジダ菌
カンジダ菌も常在菌のひとつなので、もともと人間の体内に存在しています。皮膚や消化管、口内によくいる菌ですね。
黄色ブドウ球菌と同じく、健康な人の体内ではカンジダ菌がいてもなんら影響を受けませんが、免疫力が低下していると症状が発生することがあります。
カンジダ菌に感染するということは、正しくは「真菌感染」です。そのため、抗真菌薬による治療が必要です。抗生物質を使うことによって真菌が育成できないようにして、症状を軽くしていきます。
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口角炎はカンジダ(カビ)菌が原因! 症状・治療法・予防法は?
口角炎の再発防止・予防のための方法
再発防止・予防のために、以下の事柄を見直してみましょう。
- ・日頃のケア
- ・生活習慣の改善
- ・栄養摂取
日頃のケア
口角炎を予防するには、日ごろのケアが欠かせません。
口元を清潔に保ち、唇や口の周囲を乾燥から守りましょう。保湿のためにはリップクリームだけでなく、肌全般に使えるワセリンもおすすめです。
また、毎朝の洗顔時に口角あたりもしっかり洗うこと、唇を舐めないようにすることも大切です。
生活習慣の改善
免疫力が低下する原因の多くは、生活習慣があります。規則正しい生活を意識し、睡眠時間の確保や運動習慣を身に着けるなどに取り組みましょう。
- ・食事は決まった時間に取るようにする
- ・睡眠時間は7時間以上を確保する
- ・適度な運動を行う
朝ごはんを抜く方はたくさんいらっしゃいますが、朝食は睡眠中に失った栄養を補給する大事な食事です。量は少なくても構いませんので、フルーツでもヨーグルトでも、何かを口にしてください。
多忙で運動する時間を取りにくいという方は、まずは歩くことから始めてみましょう。車や自転車、エスカレーター、エレベーターなどをなるべく使わないようにすることで、歩行による全身運動が可能です。
栄養摂取
口角炎の予防には、前述したビタミンB2やB6だけでなく、以下の栄養素も意識的に摂取するようにしてください。
- ・鉄分
- ・亜鉛
- ・ビタミンC
鉄分は免疫力を高めるため、亜鉛は細胞の修復を助けるため、ビタミンCは免疫力をサポートするためにそれぞれ必要です。
どうしても食事からの摂取が難しいという方はサプリメントも利用できますが、栄養素はできるだけ食事からの摂取が基本です。1日30品目を食べることを目指し、バランスの良い食事をとるようにしましょう。
繰り返す口角炎には適切な対処をしよう!
口の端っこが炎症を起こしてしまうと、しばらく痛みに苦しむことに。できるだけ発生しないようにしたいですよね。
細菌感染などさまざまな原因がありますが、細菌感染の場合には抗菌薬による治療が必要です。対処を間違えているといつまでも治らず痛みが続いてしまうため、なかなか治らないなと思ったら早めに皮膚科を受診してください。
そして免疫力を低下させないよう、食生活や睡眠時間などを見直し、必要な栄養素が不足しないように注意を払いましょう。