なぜ口腔写真を撮るの? 口腔写真を記録する4つの理由
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歯科で治療をするとき、器具などを使って口の中を大きく開け、写真を撮ることがありますよね。あれを口腔写真と呼びますが、なぜ撮るのかをご存じでしょうか。
・ただでさえ痛みがあるのに口を大きく開けるのがつらかった
・口の中の写真を撮られるなんて恥ずかしい
・一度撮っているのに久しぶりに治療にきたらまた撮られた
そのような不満を抱く人もいます。
しかし、口腔写真を撮ることには歯科医だけでなく治療を受ける側にとってもメリットがあるのですね。
ここでは口腔写真を撮る理由、治療を受ける側にとってメリット、写真の内容などを順番に説明します。
口腔写真は歯科治療に必須! 歯科だけでなく本人も現状を把握しよう
口腔写真は、歯科治療において必須なもの。そのため、初診時と久しぶりに治療を受けるときには、必ず撮られるものと考えておいてください。
写真はそのときの状態を、鮮明に記録してくれます。人の目はあまり確実ではなく、見たいものを見ると言われていますよね。あとで写真を見れば、最初は気付かなかった異常を発見することは多いものです。
医師だけでなく、治療を受ける患者本人が写真を見ることによって、自分の口の中がどのようになっているかがわかります。
現状をしっかり把握しなければ、効率的かつ的確な治療ができません。そのため、口内撮影は保険診療上で定められている基本的な検査項目の1つとなっています。
ただし、撮影費用は歯科側が請求しないことがほとんど。初診時の撮影を含め多くの場合は無料で行っている検査なので、ぜひ協力するようにしてくださいね。
口腔写真が必要な理由4つ
ではもう少し詳細に、口腔写真が必要である理由をみていきましょう。以下の4つです。
- ・治療内容の説明をサポートするため
- ・初診時の状態を記録するため
- ・現状を把握するため
- ・治療前と治療後の変化を確認するため
治療内容の説明をサポートするため
口の中は、自分ではなかなか見られません。鏡の前で大きく口を開けても限界がありますし、真横や斜め上、歯の裏側などは自力では見られない場所です。
そこを写真に撮ることで、現在どのようなトラブルになっているかがハッキリわかります。
口腔写真をみせて「ここが虫歯になっているので、少し削り、詰め物を入れますね」と言えば、歯科医の説明がわかりやすいはず。
これから受ける治療内容の説明をサポートしてくれるのが、口腔写真です。
初診時の状態を記録するため
歯医者へ来る人は、痛みや違和感、腫れなどがあるために来院しますよね。その状況を記録しておくことはとても大切です。
初診時の記録は、一度しかできません。最初に歯科へ来たときの口内の状態がどうであったのか、記録しておくのですね。
また、人は勘違いをすることが多いもの。歯科医と患者本人の思っていることが違うと、後々トラブルへ発展してしまうでしょう。
そのとき口腔写真があれば、一緒にそれを見ながら誤解を解いていけます。
現状を把握するため
現在口の中がどうなっているのかを把握するには、写真に撮ることがベストです。
細かいところは診察時に見落とす可能性がありますが、写真に残していればあとでじっくりと観察できます。写真から読み取った情報をもとにして、治療内容を組み立てるのです。
実際に、歯科医が診察時には気づかなかった異変を、写真の確認で気づくこともありますよ。
治療前と治療後の変化を確認するため
治療前の口腔写真を撮っておけば、治療後にそれと見合わせたとき、変化がよくわかります。
たとえば歯茎が腫れあがって出血している場合などでは、治療でこびりついた歯石を奇麗に除去して徹底的に清掃します。すると治療後には腫れが落ち着いていることも多いのですね。
写真を撮っていれば、前後での変化を確認しやすくなります。
口腔写真は患者にとってもメリットが大きい
口腔写真を撮るメリットがあるのは、歯科医だけではありません。患者本人にとっても、以下3つのような大きなメリットがあります。
- ・治療やセルフケアのモチベーションになる
- ・子供に歯磨きへ向き合わせられる
- ・納得して治療を受けられる
治療やセルフケアのモチベーションになる
歯科治療を受けるうえで、大切なことはモチベーションの維持です。
まだ初期の虫歯が1つや2つ見つかる程度であれば、治療は簡単なうえに時間もお金もさほどかかりません。しかし虫歯や歯周病が進行していたり、噛み合わせに問題があったりする場合などは、治療には長い時間がかかります。
たとえば矯正治療であれば、年単位で通院し続けなければなりません。
そんなとき終わりの見えない治療に疲れてしまい、痛みがないからと通院を止めてしまう方がいます。
そこで必要なのが「治療を受けるモチベーション」。モチベーションの維持には目に見えて分かる変化が効果的です。
口腔写真があれば、治療開始前の自分の口内状態がわかります。ビフォーアフターを比べれば改善がわかり、治療を続けようという気力がわいてくるでしょう。
子供に歯磨きへ向き合わせられる
また、子供に歯磨きをさせたいときにも口腔写真はとても有効です。
子供も自分ではしっかり磨いているつもりなのに、「磨けていないよ」と親や歯科医に注意されると面白くないもの。歯磨きをする気もなくなってしまうかもしれません。
しかし、写真を見せて「ここに歯石や食べかすがあるね」と説明をすれば、子供本人が自分の目で確認できます。
つまり自分でも「磨けていない」事実がわかるのですね。磨けていない場所も一緒に確認できるので、そこからは意識して磨けるようになるはず。
毎日のセルフケアをきちんとすれば、口内トラブルの予防に大きく役立ちますよ。
納得して治療を受けられる
治療は、本人が納得して受けることが一番大切。しかし口の中は自分で見えないため、本当にこの治療が必要なの?と不安に思ってしまう方も多いのです。
本人が「これは必要な治療なのだ」と納得するためには、治療する歯科医によるわかりやすい説明が必要。そして、それを叶えるのが口腔写真です。
人は自分が見えない口の中で何かをされるということに、本能的に恐怖を覚えます。しかし口腔写真で歯科医が具体的に治療内容の説明ができれば、わからないことによる不安や恐怖は減少します。
また、治療のビフォーアフター写真を見せてもらえれば、状態が改善しているかどうかは一目瞭然です。
歯茎の腫れが治まっていたり歯の表面が白くなっていたりすれば、治療して良かったと心から思えるでしょう。そうなれば、歯科に対して恐怖を持っていた方の気持ちも楽になりますよ。
口腔写真で撮る内容
受診するクリニックによって口腔写真の枚数やアングルは違います。しかし5枚程度の撮影が一般的でしょう。
内容は、次の通りです。
- ・噛んだ状態での正面
- ・口を開けた上顎の歯列
- ・口を開けた下顎の歯列
- ・噛んだ状態の左側
- ・噛んだ状態の右側
以上5枚の写真があれば、口の中のことが隈なく観察可能です。
チェックする内容は、上下噛み合わせの関係、歯並びの状態、歯茎の状態、歯垢の量、小帯(しょうたい)の付着異常(※)、歯の色、歯の形などです。
※小帯の付着異常・・・大人も子供も持っている、歯茎から伸びている「すじ」のこと。舌や上唇、下唇の内側から伸びるすじが歯茎の下の方についている場合、トラブルが起きやすくなる。
また、虫歯や歯周病、沈没歯などの場合には、その部位だけの写真を撮ったりアングルを多くしたりして治療に役立てます。
口腔写真で自分の口の中を見てみよう!
歯科で口腔写真を撮るのは、現状を把握して間違いない治療計画をしっかりと立てるため。また、治療を受ける本人に内容をわかりやすく説明するためでもあります。
口腔写真を撮る作業は少々つらいかもしれませんが、質の高い治療を受けるためには必要です。しばらく辛抱して、写真を撮ってもらいましょう。
また、自分で写真を見て、現在の口の中がどうなっているか確認してみてくださいね。自分で意識してケアを行うためにも、どのような場所でどのようなトラブルが発生しているか、知ることがおすすめですよ。