銀歯はしみることがある? 銀歯がしみる原因と対処法
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入れた銀歯が正常な状態であるときは、外からの刺激でしみたり違和感があったりはしません。そのため、虫歯治療で入れた銀歯が「しみる」場合には、何等かの異常が発生していると考えられます。
では、どんな異常があって銀歯がしみるのでしょうか?
ここでは、治療後すぐの銀歯や時間が経っている場合の銀歯がしみるときの原因、そして対処法について紹介します。
歯科での治療後に銀歯がしみる場合がある
歯科で虫歯の治療を受けたあとに入れた銀歯がしみることは、実際にはよくあります。
これにはさまざまな原因があるのですが、近年「銀歯がしみる」症状が増えつつあるのは、昔と違って「神経をできるだけ残す」治療がすすめられているからです。
昔は治療後の痛みを取るためと安易に歯の神経まで取ってしまうケースが多々ありました。しかし、神経を失った歯はもろくなり、最終的に抜けてしまうまでの時間が短くなります。そのため現代ではできるだけ歯と歯の神経を残す治療が世界的にすすめられており、それに伴って、治療後に痛みを感じるケースが増えているのですね。
ただし、歯がしみればさらに治療が必要な場合もあります。そのため、銀歯がしみたらその発生がいつかによっては、早めに歯科に行かなければなりません。たとえば今まで問題がなかった銀歯が治療後数年してからしみだした場合には、銀歯の下で虫歯が広がっていることも考えられます。
銀歯がしみるのはなぜ? 治療後すぐ・時間が経っている場合のそれぞれの原因
では、銀歯がしみる原因を詳しくみていきましょう。治療後すぐにしみたのか、治療から時間が経っていてしみたのかによって少し違うため、それぞれについて紹介します。
治療後すぐに銀歯がしみる場合
治療したばかり、装着したばかりの銀歯がしみる場合は、以下の4つが原因として考えられます。
- ・神経過敏
- ・金属による熱伝導
- ・神経の衰弱
- ・噛み合わせが合わない
神経過敏
虫歯の治療は歯やその神経にとって、かなりの負担を与えます。そのため、治療後に神経が過敏になり、普段なら拾わない刺激にも反応してしまうことがあるのです。
この場合の治療方法は特にありません。神経が落ち着くのを待つしかないため、2週間〜3週間程度は様子をみてください。時間の経過によって象牙質が形成され、痛みがなくなるはずです。
金属による熱伝導
銀歯は金属なため、熱伝導に優れています。つまり歯に被せた金属が食べ物などの熱を伝えやすいために、銀歯を入れる前に比べて神経が刺激を受けやすくなっているのですね。この金属による熱伝導は、銀歯がしみる最たる原因です。
この場合にも特に治療法はなく、神経が回復して刺激に強くなるのを待つほかありません。しばらく様子をみてください。
神経の衰弱
治療による刺激や知覚過敏による刺激などが続くと、神経は弱ってしまいます。
前述したように現代の歯科治療ではできるだけ神経を残すようにしますが、治療後にも弱った神経が回復しない場合には、根管治療が必要です。
日常生活もままならないといったほどに痛みがある場合は、すぐに歯科を受診しましょう。耐えられなくはないといった場合は1カ月ほど様子を見て、痛みが徐々に引いているなら様子見を続けることがおすすめです。
噛み合わせが合わない
入れた銀歯の大きさや高さが合っていないときにも、しみることがあります。
歯の噛み合わせは非常にシビアなもの。たった1mmずれているだけでも、違和感が出ます。治療で使った銀歯の厚みで高さが変わると噛み合わせが変化し、痛みやしみが出てくることがあるのです。
高さが合っていないと感じる場合には我慢せず、歯科医に相談してください。
治療後かなり時間が経ってから銀歯がしみる場合
続いては、治療してから時間が経っている場合の主な原因です。
- ・二次カリエス
- ・知覚過敏
- ・歯ぎしりや食いしばり
二次カリエス
二次カリエスとは、一度治療した歯が再度虫歯になること。多くの場合、唾液と経年劣化によって銀歯が溶けた場所から細菌が侵入し、銀歯の下の歯に感染して発症します。
銀歯があるため見た目に変化がなく、痛みなどの自覚症状が出て初めて虫歯になったことがわかるので、かなり進行しているケースが多いのですね。
銀歯を外し、中の歯の虫歯治療をして再度新しい銀歯や他の素材で蓋をします。
知覚過敏
知覚過敏は、歯茎が下がって象牙質が露出したり、歯を強く磨きすぎてエナメル質が剥げてしまったときに起こります。熱いものや冷たいものを食べると、歯がしみるのですね。
知覚過敏の原因は歯周病で、歯周病は歯垢が溜まることで発症します。歯垢は銀歯と歯の間に溜まりやすく、また磨きにくいために銀歯が入っている歯は歯周病になりやすいもの。つまり、銀歯を入れた歯は歯周病による知覚過敏でしみやすい状況になるのです。
歯ぎしりや食いしばり
無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている方は、その度に60〜100㎏ほどの力が歯や顎にかかります。そのため銀歯がこすれて損傷すると、力がかかる都度歯の神経も刺激。しみたり痛みが出たりします。
銀歯がしみる場合の対処法
銀歯がしみる場合の歯科での対応は、以下の4つが代表的な方法です。
- ・神経を取る
- ・セラミックに素材を変える
- ・噛み合わせ調節やマウスピースの着用
- ・歯周病予防
神経を取る
痛みがひどく中々緩和されない場合には、根管治療で歯の神経を取ります。神経を取れば痛みを感じることはなくなるため、影響がでていた日常生活もよくなるでしょう。
ただし神経を抜くと歯はとてももろくなり、欠けたり黒っぽく変色してしまったりするなどデメリットもたくさんあります。神経を抜くかどうかは、担当の歯科医と相談するようにしてくださいね。
セラミックに素材を変える
熱を伝えやすい銀歯の素材を、セラミックへ変えるという方法もあります。
セラミックは陶器の一種です。自然な白さを持ち、耐久性も高く、金属アレルギーになるリスクもありません。歯が劣化するスピードを抑えることもできるため、とても優秀な歯に代わる素材です。
しかしながら、保険治療では使えない素材であるため、費用は高額というデメリットがあります。
【関連記事】治療素材のセラミックについての記事はこちら
歯のセラミックとは? 歯科医師がセラミックをおすすめする理由
噛み合わせ調節やマウスピースの着用
歯ぎしりや食いしばりは、銀歯だけでなく他の歯や顎にとってもかなりの負担となります。そのため、知覚過敏用の歯磨き粉を使ったり歯周病の治療をすすめることはもちろんですが、歯と顎を守るためにもマウスピースを着用しましょう。
特に夜眠っているときは、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしがちです。無意識の場合は噛みしめる力がより強くなることも考えられるため、マウスピースは寝ている間に着用して歯を守ります。
マウスピースにはさまざまな種類があるので、自分が持つトラブルに対して有効なマウスピースは歯科で制作してもらってください。市販のマウスピースは形がぴったりとはまらず、返って歯や顎を悪くすることが多く、おすすめしません。
【関連記事】マウスピースについての記事はこちら
寝る時のマウスピースって? 効果・メリットとデメリット・作り方などを紹介
歯周病予防
歯周病は自覚症状が出にくいため、気が付いたら進行しているやっかいな病気です。歯科で歯垢を徹底的に除去し、殺菌してもらいましょう。必要であれば歯磨きのやり方の指導を受け、毎日のセルフケアで歯周病の悪化を食い止めなければなりません。
特に銀歯が入っている歯は汚れが溜まりやすいため、毎日の歯磨きをしっかり行うことが大切です。
銀歯がしみたらできるだけ早く歯科を受診しよう
銀歯がしみたら、いつ痛みが出たのかである程度のリスクを判断できます。
もしも虫歯治療をしたすぐ後から痛みがある場合には、治療による刺激で神経が敏感になっていることが多いため、数日から2週間程度は様子をみましょう。ただし日常生活に影響が出るほど痛みが出るようなら、すぐに歯科を受診してください。
そして何年も前に治療した歯の銀歯がしみる場合には、歯科検診を申し込みましょう。銀歯の下で二次カリエスが発生していないか、歯周病が進行していないかなどを判断してもらうことが大切です。
いずれにせよ、痛みはトラブルや異常がある証拠。少しでも銀歯がしみたら、早めに歯科を予約することをおすすめします。