子供の虫歯予防は親の務め! 将来への影響や予防策を紹介
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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- ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
愛おしい大切なお子さまには、いつも笑顔でいて欲しいものです。離乳食を経て食事が始まると心配なのは虫歯ですよね。
- ・乳歯は虫歯になるの?
- ・子供が虫歯になったらどんな影響がある?
- ・どうやったら子供の虫歯を予防できる?
子供が痛みで苦しまないように、親としてできることをしっかりと行ってくださいね。
子供の虫歯は親の責任! しっかりと予防していこう
虫歯は、「たかが虫歯」とは言えません。自然治癒することはありませんし、全身への悪影響を及ぼしてしまうからです。子供の虫歯は100%親の責任です。子供はまだ自分で口の中の清掃ができないので、親の生活習慣などから影響を受け、小さいときから虫歯があるかないかが決まってしまうのです。
1度虫歯菌に侵入されてしまうと、その後は一生、菌との攻防戦となります。そうならないように、子供のうちから親がしっかりと虫歯予防をしていきましょう。
子供は虫歯になりやすい? その原因とは
虫歯は、歯の表面についた歯垢(プラーク)に、ミュータンス菌が住み着いて活動を始めることが原因です。菌は歯の表面を溶かし、内側へ穴を空けます。
子供の歯は大人の歯と比べ、歯の表面にあるエナメル質が柔らかく傷つきやすくなっています。そのため、大人に比べると虫歯の進行が早いのですね。
さらに子供は自力で歯磨きができなかったり、痛みや違和感を伝えることが難しかったりします。結果、気が付かないうちに虫歯が進行してしまっているのです。
虫歯になりやすい歯は成長段階で変わる
実は、成長段階に応じて虫歯ができやすい歯は変化します。たとえば0歳から2歳くらいまでであれば、虫歯となりやすいのは前歯の間や付け根です。前歯、特に上の歯であれば唾液がたまりにくいため、細菌を洗い流す頻度が少なくなります。
そして3歳を過ぎた辺りから、奥歯の溝や、歯の間が虫歯になりやすくなります。普通に食べ物を摂取できるようになり、食べ物が詰まりやすくなることが原因です。
さらに6歳前後は6歳臼歯(きゅうし)と呼ばれる奥歯が虫歯になりやすくなります。6歳臼歯は永久歯ですが、歯ブラシが届きにくいことで磨き残しが増えていきます。
親が仕上げ磨きをするときには、虫歯になりやすい場所を特に丁寧に磨くようにしていきましょう。
子供の虫歯が将来に与える影響は?
虫歯になるのは仕方ないでしょ、と気軽に考えていたら、その子の将来に大きな影響を与えてしまうかもしれません。では虫歯になると子供の将来にどのような影響があるでしょうか? 以下の4点を説明していきます。
- ・トラウマを作る
- ・永久歯も虫歯になりやすくなる
- ・歯並びが悪化する
- ・アゴの発達に影響がある
トラウマを作る
虫歯になれば、痛みに苦しみますよね。初期虫歯であれば痛みはありませんが、進行して神経にも触るようになってしまうと、夜も眠れないほどの痛みが生じます。子供は一時的な痛みであれば忘れてしまいますし、進行して耐えられなくなってから伝えてくることも多いです。そのため、まずは痛みによるトラウマを生んでしまいます。
さらに、酷くなってしまった状態で歯医者にいけば、長時間の治療に耐えねばなりません。音が大きなドリルや麻酔の注射といった恐ろしい体験も初挑戦でしょう。歯医者に対して恐怖を抱き、後にまた虫歯になってもなかなか言い出せなくなってしまうこともあります。
永久歯も虫歯になりやすくなる
乳歯の段階で虫歯になってしまうと、その後生え変わってくる永久歯も、多くの虫歯菌にさらされてしまいます。
乳歯と違い、永久歯はなくなってしまえば終わりです。永久歯を守るために今以上の口内ケアが必要となり、親も本人も大変な思いをするかもしれません。
歯並びが悪くなる
乳歯のときの虫歯も、最悪の場合は抜歯となります。するとスペースが空いてしまい、周囲の歯が寄ってきます。その結果、後に生える永久歯の場所がなくなって歯並びから外れて生えたりし、歯並びがガタガタになります。
アゴの発達に影響がある
虫歯があれば痛いので、そこで噛むのを自然と避けますよね。その結果、片側だけで物を噛むようになってしまい、アゴの成長が遅れる可能性があります。噛み癖はなかなか直りませんので、大人になるにつれて筋肉の付き方にも影響し、顔がゆがんでしまうこともあります。
子供の虫歯を予防! 親が気を付けるべき生活習慣5つ!
では、親としてできることは何でしょうか? 子供の虫歯を予防するため、気を付けるべき生活習慣は以下の5つです。
- ・夜の歯磨きは完璧にする
- ・3歳までは口移しやキスは禁止
- ・食事の時間は守る
- ・よく噛ませる
- ・飲み物に気を付ける
夜の歯磨きは完璧にする
虫歯菌は、夜寝ている間に活動が活発になります。眠っている間は唾液の分泌が昼間の10分の1程度と少なくなるため、菌が活動しやすいです。食事をしたら歯磨きをすることが大切で、特に大事なのは夜の歯磨きです。
子供に歯磨きをさせたあと、夜は必ず親御さんが仕上げ磨きをしてください。前歯の裏、奥歯の周囲など、子供が自分で磨きにくいところを集中して磨きましょう。
3歳までは口移しやキスは禁止
可愛くて仕方ない子供には、ついスキンシップをしたくなるものですよね。しかし、虫歯菌である「ミュータンス菌」は自然発生しませんし、遺伝でもありません。人から人に感染していく菌です。
子供に虫歯菌を移しているのは、実は周囲の大人です。大人が使っている箸を使って子供に食べさせたり、可愛さ故にキスをしてしまったり、そんなことから虫歯菌はうつってしまいます。
人の口内の環境は、2歳から3歳までの間に決まるそうです。この間に虫歯菌が定着しなければ、大人になっても虫歯にはならないと言われています。そのため、3歳頃までは次のことに注意してください。
- ・口移しで食べさせない
- ・大人と同じコップや水筒、ペットボトルで飲まない
- ・歯ブラシの共有はしない
- ・箸、スプーン、フォークなどの共有も控える
「虫歯菌はうつる」と理解していれば、自然にできることも多いですよ。
食事の時間を守る
人は食事をしたあと、口内が酸性になります。その間は歯の表面が溶けつつあるので虫歯菌が活動しやすくなりますが、唾液によってやがて中性へと戻ります。
つまりダラダラと物を食べていると、酸性に傾く時間が長くなるのです。口の中で酸性状態が続けば歯が溶けて虫歯になりやすくなるため、食事やおやつなどは時間を決め、それを守るようにしてください。
よく噛ませる
虫歯菌は、唾液が少なくなると活動が活発になります。つまり予防のためには、唾液をしっかりと出すことが大切。食べ物をよく噛んで食べると、それだけで唾液の分泌を促します。
現代では柔らかい食べ物が多く、人はあまり物を噛まなくなっているそうです。できるだけ食事内容を考えて、大人も子供もよく噛むようにしていきましょう。
飲み物に気を付ける
子供の飲み物は特に気を付けましょう。甘いジュースは喜びますが、そればかり与えては糖の摂り過ぎになって虫歯や肥満を誘発します。
汗をかくときについ飲ませがちなのが、スポーツドリンク。しかしスポーツドリンクは、糖分がたっぷり入っています。子供の歯はもろく溶けやすいので、口内を酸性に傾けるうえに糖が多いスポーツドリンクはおすすめしません。ノンカフェインですっきりとする、水もしくは麦茶を飲ませましょう。
トラウマを作る前に定期的に歯医者に行く
歯科は虫歯の治療をするだけのところではありません。子供に虫歯ができる前に、定期的に歯科へ連れていきましょう。検診を受けて口内の異常を調べ、早めに対処してもらえば痛みもありません。
歯科では、「フッ素塗布」「シーラント処置」「歯磨き指導」「歯並びのチェック」などを行ってくれます。いずれも虫歯予防のため、引いては全身の健康のためですので、定期的に受けることがおすすめです。
万が一虫歯になっても、歯科が怖いところではないと既に知っていれば、治療がやりやすくなりますよ。
子供を虫歯にさせないために! 親がすべきことはいろいろある
小さな子供が痛みで苦しむ姿は誰も見たくありませんよね。子供の虫歯は歯がもろいため進行が早く、すぐに悪化してしまいます。普段から家庭で取り組める予防策を紹介しましたので、継続して行ってください。
虫歯菌をできるだけシャットアウトできれば、子供の将来の歯科トラブルを軽減できます。また虫歯がなくても小さな頃から歯科を受診することは、大きなメリットがあります。乳歯が生えてきたら、歯科の定期健診を検討してくださいね。