子供の虫歯予防は親子で取り組もう! 予防方法や歯磨きを嫌がらせないコツ
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子供が虫歯になってしまうと、親は大変なショックですよね。小さい子供を歯医者へ連れていくのは大変ですし、「痛みや治療がトラウマになったらどうしよう...」などと考えて、暗くなってしまいます。
やはり肝心なのは虫歯予防! しかし子供だけに任せておいてはいけませんし、親だけが頑張っても仕方ありません。歯磨きを嫌がる子供に、どんな対応をすればいいでしょうか?
ここでは子供が虫歯になったときに受ける治療内容、普段からできる虫歯予防の方法や、親子で一緒に取り組むためのコツなどを紹介していきます。
成人するまでは子供の虫歯は親の責任
極論を言えば、子供が成人するまでの虫歯は親の責任です。たとえ中高校生といった自分のことは自分でできる年齢になっていても、子供の健康を気にするのであれば虫歯の有無も気にしましょう。
虫歯は放置しても自然治癒しません。さらにひどく悪化すれば抜歯、最悪の場合には全身の健康にも悪影響を及ぼします。
人はもともと虫歯菌を持っていません。子供が虫歯になるということは、多くの場合、親が口の中に虫歯菌が入るきっかけを作ったからです。
子供の健康な歯を守るためには、幼児のときからの「習慣」が大切。一度歯への取り組み方を見直し、親子で虫歯予防に取り組んでいきましょう。
子供の虫歯を発見!段階に応じた治療方法は?
虫歯はそのレベルに応じて、歯科で治療されます。ここでは初期・中期・後期・末期にレベルを分けて治療内容を説明しましょう。
初期虫歯(C1)
虫歯の初期状態は、歯の表面に茶色や黒色の小さな穴が見られます。このレベルでは自然に備わった自己修復作用では太刀打ちできないので、歯科医による治療が必要です。削ってその穴を埋めるという治療内容ですが、歯を削ったときの痛みはほぼありません。
機械で歯の表面を削り、レジンという詰め物に特殊な光を当てて硬化させます。大がかりな治療でなく、通常1回の治療で終わりです。
中期虫歯(C2)
中期まで進行すると虫歯は象牙質まで達しており、冷たいものが歯にしみるなど自覚症状が出てきます。削って埋めるという治療内容は初期と同じですが、歯の詰め物やかぶせ物を別に作って穴を埋める、大掛かりな治療です。治療中に痛みもあり、必要に応じて麻酔を使用します。
後期虫歯(C3)
このレベルになると、象牙質の内側にある歯髄(神経)にまで虫歯が達しています。本人にも激しい歯痛があり、食事がつらく夜も眠れない状態。一刻も早い治療が必要です。
歯を大きく削り、歯髄を取り出します。いわゆる「歯の神経を取る」状態ですね。歯髄を取ると歯には栄養がいかなくなり、もろくなって変色します。麻酔を使ってから歯を削り、歯型をとって詰め物やかぶせ物を作成。痛みがあるうえに治療期間が長いため、誰でもストレスを感じる治療です。
末期虫歯(C4)
虫歯の末期状態には歯の頭部分が溶けてしまい、歯髄(神経)が壊死します。ここまで悪化すると本人はあまり痛みを感じませんが、虫歯の進行は続きますので治療は必要です。
このレベルでは抜歯をするのが一般的。虫歯が永久歯である場合には、抜歯後はブリッジや部分入れ歯での対処となります。
子供のうちに虫歯になるデメリット
子供のときに虫歯になると、のちのちまで影響があります。たとえば、痛みや歯科治療の恐怖によるトラウマ。ドリルの音や歯を削られる感覚は誰しも恐ろしいものですし、動かないように体を押さえつけられることも子供には恐怖です。
また口内で虫歯菌が増えるため、乳歯だけでなく永久歯も虫歯になりやすくなります。痛む歯では噛まなくなるため、左右で差が出てアゴの発達に影響が出たり、歯並びが悪くなってしまったりする可能性も高いです。
やはり、できるだけ虫歯にならないように予防していくことが大切ですね。
子供の虫歯予防:普段からできる4つのこと
虫歯予防には歯磨きが一番。しかし歯磨きを泣いて嫌がる子供もおり、疲労困ぱいする親御さんも多いですよね。ここでは歯磨きの他に、日々の習慣でできる子供の虫歯予防策を紹介します。
- ・ダラダラ食べさせない
- ・親の唾液が子供の口内へ入らないようにする
- ・寝かしつけ授乳はやめる
- ・噛む習慣をつけさせる
ダラダラ食べをさせない
人間の口の中は、食物が入ると酸性に傾きます。酸性になると歯の表面が溶けだしますが、食べ終わってしばらくすると口の中の唾液の働きで中和され、中性に戻されます。この中和には通常2時間程度かかりますので、食べ物が口の中にない状態を2,3時間キープすることが大切。つまり、ダラダラ食べでは常に口の中が酸性になってしまい、歯によくありません。
子供に食事やおやつを与えるときには時間をできるだけ守り、ささっと食べ終わらせるようにしましょう。いつも何かを口に入れている状態は、虫歯への近道になります。特に飴は厳禁ですよ。
親の唾液が子供の口内へ入らないようする
もともとなかった虫歯菌が子供の口の中で繁殖するのは、赤ちゃんのころに大人の唾液が口の中に入るからです。
キスなどのスキンシップをせずとも、食事中にお箸やスプーン、コップを共有するだけで虫歯菌はうつります。3歳くらいまでに虫歯菌が定着しなければ、あとは大人になっても虫歯にはなりにくいといわれているため、3歳頃までは食事の際にものを共有しない努力をしてみましょう。
寝かしつけ授乳はやめる
離乳期を過ぎたら、寝かしつけのための授乳は早めにやめましょう。母乳やミルクの成分が歯の表面についたままで眠ることが、虫歯の原因になります。睡眠中はあまり唾液が出ませんので、唾液による中和も期待できず口の中は酸性になったまま。歯磨きのあと眠るまでは、何も口にいれないことが望ましいですよ。
噛む習慣をつけさせる
唾液が十分に出ていれば、虫歯菌の活動を抑えられます。唾液をしっかりと出すためにはとにかくしっかりと物を噛むこと。最近は柔らかい食べ物が多く、子供の噛む力が減っています。適度に硬いものを食べさせ噛む回数を多くし、唾液の分泌量を増やしましょう。
楽しく子供の虫歯予防!親がすべきことは環境の準備
親御さんは子供が虫歯にならないように頑張っていますよね。しかし多くの子供は歯ブラシを嫌がりますし、思うように磨けないとついイライラしてしまっていませんか?
子供にしっかり歯磨きをさせるためには、以下2つのコツがあります。
- ・子供に心の準備をさせる
- ・子供に歯ブラシを選ばせる
子供に心の準備をさせる
子供が歯磨きに対して構えず、「楽しいこと」と思えるように段階を踏んでいきましょう。
子供の乳歯が生えるころには、まず大人に口周辺を触られることに慣れさせ、歯ブラシという道具に触れさせていきます。人に口元を触れられたり口を大きく開けたりすることを遊びながら学ぶと、歯ブラシを口に入れられることも怖がらなくなりますよ。
また、人間も動物ですのでお腹をみせるという行為は不安を感じます。親が仕上げ磨きをするときには寝転がらせることが多いですが、先に寝転んでできる遊びなどでお腹をみせる体勢に慣らしておきましょう。
子供に歯ブラシを選ばせる
歯ブラシは子供が使う分と大人が仕上げ磨きをする分、2本用意してください。そのとき、できるだけ子供本人に歯ブラシを選ばせます。自分で選んだものを使うことを楽しみに感じ、歯磨きに対してやる気が出ます。
子供の虫歯予防には親子で取り組むのが最善
子供の虫歯予防は、親子で楽しく取り組んでいきましょう。楽しめばお互いにストレスがたまらず虫歯予防ができ、気楽に口内の健康を守れますよ。
そのためにおすすめするのは、以下の2つです。
- ・親子でお互いに口内チェックをする
- ・歯科検診で磨き残しを見せてもらう
親子でお互いに口内チェックをする
子供がまだ小さいうちから、親子でお互いの口の中をチェックし合う習慣をつけましょう。子供にとって一方的に自分ばかりが歯磨きをされるのではなく、「お母さん(お父さん)の歯も見てね」とお願いされる経験は嬉しいもの。専門家でなくとも歯や歯茎に異常があれば、ある程度は見るだけでわかります。
「この歯が揺れているね」「ここはちょっと腫れているね」と大人の口の中を見せることで、子供は自分の口の中にも興味を持っていきますよ。
そしてさらに、お互いに歯磨きをしあうことができれば最高です。小学生はともかく中高生にもなれば、そんな触れ合いは難しく感じるかもしれませんね。しかし幼少時から習慣にしておけばそれが当たり前になり、さほど抵抗は感じないでしょう。中高生にもなると自分のことは自分でできますが、大人のチェックがゆるむために何でも雑になりがち。虫歯が発生する可能性もぐんと上がります。
大人と子供がお互いの歯の状態をチェックし合うことができれば、自然と口内ケアにも気を遣うようになりますよ。
歯科検診で磨き残しを見せてもらう
歯磨きもゲーム感覚で行うと楽しさを感じるはず。たまには結果を見せることが、やる気をアップさせる秘訣です。歯医者への定期健診は最低でも半年に1度はいき、磨き残しをチェックする薬剤を塗布してもらってください。
しっかり磨いているつもりでも案外磨けていなかった! ということが実感できます。次の検診では口の中が真っ赤にならないように頑張ろうね、と誘導することも可能ですね。ぜひ利用してみましょう。