前歯の差し歯の寿命は何年? 交換のサインと長持ちさせるための対策

こんにちは、秋田のハピネス歯科クリニック 大久保です。今回は、目立つ場所である前歯の差し歯の寿命についてご説明しますね。
前歯の差し歯は、見た目の美しさと日常生活の快適さを支える大切な治療です。しかし「どれくらい持つの?」「突然取れたらどうしよう」「長持ちさせるには?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
一般的に、前歯の差し歯の寿命は5〜10年ほどが目安といわれます。ただし、素材の種類や歯の残り具合、噛み合わせ、日々のケアなどによって大きく差が出ます。実際には10年以上問題なく使える方がいる一方、早い段階でトラブルが起きてしまうケースもあります。
この記事では、前歯の差し歯の寿命を左右する根本的な原因から、交換が必要になる前に気づくべきサイン、そして大切な歯と差し歯を長く守るための具体的な対策までを歯科医師の視点でわかりやすく解説します。
「自分の差し歯はどれくらい持つのか知りたい」「できるだけ長く使いたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
前歯の差し歯は短命だが人によっては長持ちすることもある

前歯の差し歯は案外寿命が短いもの。一般的には差し歯が「機能する=平均寿命」は7〜15年と言われていますが、状況や素材にも影響され、見た目が気になるようになるのは3年ほどという場合があります。
一方、中には20年近くきれいな外観のままで保っている方もいます。もちろんそれほど長くもつことは稀な話ですが、口内環境が良く差し歯のメンテナンスをしっかりしていれば、耐用年数を超えて使うことは可能なのです。
口を開けたときに真っ先に目に入る前歯ですから、できるだけきれいに保っておきたいですよね。
差し歯をできるだけ長持ちさせるため、自分にできることは積極的にして、気になることがあればすぐに歯科へ相談にいくようにしてくださいね。
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前歯の差し歯の寿命はどのくらい?
差し歯に使用される素材は保険適用か自費診療かによって異なり、それぞれの素材特性が寿命に直結します。
ただし、どの素材であっても「差し歯には必ず寿命がある」という点は共通しています。経年によって接着剤の劣化や土台となる歯の変化が起こり、いつかは交換が必要になる治療だと理解しておくことが大切です。
素材ごとの寿命の違い
| 素材の種類 | 適用区分 | 寿命の目安 | 特徴と劣化の原因 |
|---|---|---|---|
| 硬質レジン前装冠 | 保険 | 5〜7年 | プラスチック(レジン)を金属に貼り付けたもの。吸水性があり、水分や唾液を吸収することで変色や劣化が避けられないため、寿命が短い。 |
| メタルボンドクラウン | 自費 | 8〜10年 | 金属の裏打ちにセラミックを焼き付けたもの。審美性は高いが、金属を使用しているため歯茎の黒ずみ(ブラックマージン)のリスクがある。 |
| オールセラミック | 自費 | 10〜15年 | すべて陶器(セラミック)でできた素材。非吸水性で変色せず、天然歯のような透明感と美しさが長持ちする。プラークが付着しにくい。 |
| ジルコニア | 自費 | 10〜20年 | 人工ダイヤモンドとも呼ばれる高強度な素材。非常に割れにくく、耐久性が最も高い。主に奥歯や噛み合わせの力が強い前歯に使用される。 |
また、2020年代以降は接着技術やCAD/CAM(デジタル補綴)が大きく進歩し、以前より精度の高い差し歯を作れるようになりました。これにより、歯との適合性が向上して細菌が入り込みにくくなり、結果として寿命が伸びやすい傾向もみられます。ただし、噛み合わせ、歯ぎしり、ケア習慣などの個人差が寿命に大きく影響する点は変わりません。
「素材・土台の状態・生活習慣・歯科医院でのメンテナンス」という4つの要素が組み合わさり、差し歯がどれくらい長持ちするかが決まると知っておいてくださいね。
前歯の差し歯が寿命を迎えるサインと放置のリスク

差し歯の寿命が近づくと、必ず何らかのサインが現れます。これらのサインを見逃さず、早期に歯科医院を受診することが、歯根を守るために非常に重要です。
見た目の変化
見た目の変化には以下のようなものがあります。
- ・差し歯が黄色く変色した・くすんできた:特にレジン素材で起こりやすい、寿命が近づいたサインです。
- ・差し歯と歯茎の境目に黒い線が見える(ブラックマージン):土台や被せ物に金属が使われている場合、金属イオンが溶け出して歯茎を黒く染めている状態です。
- ・差し歯と歯の境目に段差や隙間ができた:被せ物の適合が悪くなっている、または歯茎が下がったことが原因で、二次う蝕(虫歯)のリスクが極めて高い状態です。
見た目の変化は「まだ使えるかどうか」を判断するうえでも重要な手がかりです。特に黒いラインや変色は、内部の劣化が進んでいることを示すと考えて差し支えないでしょう。
機能的な問題
機能的な問題には、以下のようなものがあります。
- ・噛むと違和感がある/カチッと当たる感じがする
- ・冷たい物・熱い物でしみる
- ・差し歯がグラつく・動く
- ・食べ物が引っかかる、挟まりやすい
冷たい物や熱い物でしみるのは、内部の歯がダメージを受けている可能性が大きいでしょう。噛み合わせが変化したり、支えている歯の状態が変わると差し歯の不具合として現れますが、放置するとどんどんずれが大きくなり、最終的に差し歯が外れたり痛みが出ることもあります。
内部の問題
外からは見えなくても、差し歯の内部では次のようなトラブルが進んでいることがあります。
- ・歯と差し歯のすき間から虫歯が広がる(2次虫歯)
- ・接着剤(セメント)が劣化して剥がれかけている
- ・土台となる歯が割れている/ヒビがある
- ・根の治療が不十分で炎症が再発している
内部トラブルは見た目の変化が少ないため、気づいたときには症状が進んでいることがあります。定期検診でのチェックがとても大切です。
差し歯の不調を放置するリスク
差し歯は不具合が出ても「見た目がそこまで悪くない」「痛くない」などの理由で、後回しにされやすい治療です。しかし、放置すると次のようなリスクが高まります。
- ・虫歯が進行して歯の神経や根の部分までダメージが及ぶ
- ・差し歯を支える土台の歯が割れて抜歯になる
- ・膿がたまることで痛みや腫れを繰り返す
- ・ドブ臭い口臭が発生する
- ・差し歯の再製作だけでなく根管治療や追加処置が必要で費用が増える
- ・前歯の見た目が急に悪化する(外れる/欠けるなど)
前歯の差し歯は「完全に壊れてから」ではなく、早めの交換が一番負担が少ない治療です。小さな違和感でも早めに受診することが、差し歯と天然歯を守るための何よりの近道です。
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前歯の差し歯はどうして寿命が短いの? その理由6つ

では、なぜ前歯の差し歯は寿命が短いのか、その理由を6つ説明します。
- ・差し歯をする歯に神経がない
- ・差し歯の土台が金属
- ・差し歯周辺や土台が歯周病
- ・歯ぎしりがある
- ・差し歯がブリッジの土台になっている
- ・保険診療での差し歯
差し歯をする歯に神経がない
差し歯をする歯の神経を抜いている場合は、差し歯の寿命は短くなってしまいます。
そもそも差し歯とは、自分の歯の根っこが残っていて、上の部分が折れたり虫歯になって失ったりした場合に、土台を立てて歯の形をした被せものをつける治療です。つまり、歯の神経が残ったままでも残っていなくても「差し歯」はできます。
しかし、差し歯をする歯に神経がない場合は栄養が行き届かないため、その歯根は水分が抜けて折れやすい状態になるのですね。
差し歯治療を受けると噛む機能は戻るため、今まで通りに歯を使うことで食事のたびに歯根に負荷がかかります。その結果、神経がある歯の差し歯に比べ、神経がない歯の差し歯は早く折れてしまうのです。
差し歯の土台が金属
土台に金属を使うと自然の歯よりも土台が硬くなってしまい、歯が割れやすくなります。差し歯に負荷がかかってしまうため、噛み合わせのバランスが悪い方や、噛み方に癖がある方は特に注意が必要です。
程度によりますが、歯根にヒビが入ると最悪の場合は抜歯が必要となります。
差し歯周辺や土台が歯周病
差し歯やその周辺の歯が歯周病になっている場合、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けだします。その結果、差し歯がぐらついたり抜けたりするのです。
歯周病はかなり進行しないと自覚症状がない病気。そのため気づきにくく、手遅れになってしまったというケースがあります。
歯ぎしりがある
飲食のさい、上の歯と下の歯が触れ合っているのは、通常1日に20分前後と言われています。
しかし、歯ぎしりや食いしばりがある方の場合、歯と歯が強い力で触れ合う時間は1時間以上にもなるのです。体重の数倍もの力が歯に加わることになり、負荷が強いため劣化も早まり、差し歯が欠けたり歯が揺れたりしやすくなります。
差し歯がブリッジの土台になっている
ブリッジとは、歯がなくなった場所に人工の歯をつける方法の1つ。両隣りの歯に金属の輪をひっかけ、橋をかけるように歯を作る治療です。
このブリッジの土台となっている歯が差し歯であれば、噛み合わせの負担に耐えられません。負荷が強くなりすぎてしまい、歯が揺れたり割れたりします。
保険診療での差し歯
保険診療での差し歯は、金属の枠に歯科用プラスチック(レジン)を張り付けたものです。前述した通り、このレジンは吸水性があり、つけて3年から4年ほどで表面が変色してしまいます。
他の歯が白いのにそこだけ黄色くなるため、見た目が目立ってしまうのですね。
また、土台に金属を使っているので、唾液で金属が徐々に溶かされて流出。歯茎の色が黒くなることもあります。
前歯の差し歯を長持ちさせるためすべきこと

差し歯には保険を使えますが、それでも短期間での交換やそのための通院はなかなか大変です。
前歯の差し歯をできるだけ長持ちさせるためには、以下5つのことに気を付けましょう。
- ・丁寧に口内ケアをする
- ・歯科で定期健診を受ける
- ・嚙み合わせを調節する
- ・マウスピースを作る
- ・生活習慣を見直す
丁寧に口内ケアをする
天然の歯でも、差し歯やブリッジ、インプラントでも怖いのが、歯周病です。
歯周病になれば、差し歯の交換、再治療までの期間が早まる恐れがあります。そのため必要なのは、毎日の丁寧な口腔ケア、正しい歯磨きです。
歯磨きは食後のたびに丁寧に行いましょう。歯ブラシで磨いたあとは、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯周ポケットや歯間の歯垢を徹底的に取ります。
清掃レベルを上げることによって、歯周病感染のリスクは軽減可能です。
ちなみに、多くの人は子供のころに見よう見真似で歯磨きの仕方を学びます。そのため、案外「正しい歯磨き」の仕方を知りません。歯科では歯磨き指導も行っていますので、一度受けてみてくださいね。
歯科で定期健診を受ける
3、4カ月に一度、最低でも半年に一度は歯科の定期健診を受診しましょう。
歯には、プロによる機械操作でしか取れない歯石があります。また、総合的に口の中の状態やかみ合わせをチェックしてもらうことで、トラブルを小さなうちに発見、治療が可能です。
差し歯の状態もその都度確認してもらい、状態を整えていくことが、差し歯の寿命を延ばすことに繋がります。
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嚙み合わせを調節する
歯科で何らかの治療を受けずとも、噛み合わせは日々変わるもの。さらに歯科治療を受けていれば、当然噛み合わせは変化します。少しずつずれて、特定の歯に負担がかかるようになるのです。
差し歯にとっても噛み合わせの悪化は大きな影響を持つので、定期的に歯科で調節してもらいましょう。
マウスピースを作る
食いしばりや歯ぎしりが強い人は、寝ている間の食いしばり・歯ぎしりを阻止できるよう、マウスピースを着用してください。
マウスピースは歯科で歯型を取って、オーダーメイドで作ります。市販商品もありますが、市販品は万人向けのフルーサイズになっているため購入はおすすめしません。自分に合わないマウスピースを使っていると顎や歯により負担がかかり、顎関節症などになってしまう恐れがあるためです。
重要なのは自分の歯型にピッタリ合ったマウスピースを使うこと。保険を利用して、5,000円ほどで自分専用のマウスピースが作成できます。
マウスピースの利用については、ぜひ早めに担当の歯科医に相談してくださいね。
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寝る時のマウスピースで歯と顎を守ろう! 種類・メリットとデメリット・ケア方法まで解説
生活習慣の見直し
差し歯を長持ちさせるためには、歯の状態だけでなく「生活習慣」も大きく影響します。日々の癖や環境が原因で、差し歯の劣化を早めてしまうことがあるため、以下のポイントを見直すことが大切です。
喫煙:歯ぐきの血流を悪化させる
喫煙は歯ぐきの血流を悪くし、歯周病を進行させやすい習慣です。
前歯の差し歯は土台となる歯や歯ぐきの状態が寿命を左右するため、喫煙者は非喫煙者よりも差し歯の寿命が短くなる傾向があります。
禁煙することで歯ぐきの状態が改善し、差し歯の安定性も維持しやすくなるため、ぜひ禁煙を検討してください。
睡眠の質の低さ:歯ぎしりが悪化する
前述したように、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、差し歯に大きな負担をかける代表的な習慣です。
特にストレスが高いと無意識に力が入り、差し歯の破損・脱離につながるため、睡眠の質を改善することが非常に重要となります。
ストレスの多さ:日中の食いしばりが増える
仕事中・家事中など、日中でも無意識に食いしばっている人は多くいます。これはストレスによる筋緊張が原因で、差し歯の寿命を大きく縮めるリスクがあります。
「上の歯と下の歯は普段は触れない」が正しい状態なので、意識して力を抜く習慣づけが必要です。
歯茎が下がる習慣:舌癖や口呼吸など
舌で前歯を押す癖や口呼吸は、歯列に力をかけ続けるため差し歯の位置ズレや歯ぐきの退縮につながります。歯ぐきが下がると差し歯の境目が露出し、黒いライン・虫歯・審美性低下の原因になってしまいます。
口閉じトレーニングや鼻呼吸の習慣化で改善していく必要があるでしょう。
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舌の位置が歯並びに影響を与える!自分の舌は正しい位置にある?
差し歯に寿命が来たときの治療の選択肢
差し歯が寿命を迎えた場合、「どんな治療になるのか?」は多くの方が不安に感じるポイントです。
ここで、実際の治療内容や通院回数の目安を知っておきましょう。
同じ素材のクラウンに交換
土台の歯や歯茎に問題がなく、単に被せ物(クラウン)の変色や摩耗、軽度の欠損が原因であれば、被せ物のみを新しいものに交換します。
前回と同じ素材を選ぶメリットには、見た目や形のイメージが変わりにくいこと、費用が予測しやすく安心できること、保険診療だと自己負担が抑えられることなどがあります。
クリニックによって価格は異なりますが、以下が費用の目安です。
- ・保険のレジン前装冠:3,000〜10,000円前後(自己負担3割の場合)
- ・自費セラミック:80,000〜150,000円ほど
差し歯の土台に問題がなければ、治療のための通院回数も2〜3回で完了できるでしょう。
素材を変更して交換
保険を使った素材(レジン)から自費の素材(セラミックやジルコニア)に変更する場合は、以下のようなメリットがあります。
- ・見た目が自然で透明感がある
- ・プラークが付着しにくく虫歯・変色を起こしにくい
- ・金属不使用のため金属アレルギーの心配がない
- ・長期的な耐久性に優れている
前歯は笑顔や会話で特に目立つため、素材選びが仕上がりを大きく左右します。
長期の見た目・耐久性を考えると、前歯は特に自費素材を選ぶ方が増えています。
【関連記事】差し歯の素材・セラミックについての詳しい記事はこちら
差し歯治療におすすめなのは? 保険治療のプラスチックと自費治療のセラミック
土台治療が必要なケース
差し歯の内部に問題がある場合、クラウンの交換だけでは不十分なことがあります。以下のような場合は、土台治療が必要です。
- ・虫歯が大きく進行している
- ・金属の土台(メタルコア)が腐食している
- ・歯の内部が炎症を起こしている
- ・根管治療(歯の神経治療)が再び必要になる場合
金属のメタルコアは経年で腐食しやすく、歯根破折を起こすリスクがあるため、最近ではグラスファイバー製の土台(ファイバーコア)が選ばれることが増えています。
抜歯が必要なケース
差し歯を支えている歯そのものがダメージを受けていると、抜歯が選択されることもあります。
抜歯になる主な理由は以下の3つです。
- ・歯根が縦に割れている(歯根破折)
- ・重度の歯周病で歯が支えられなくなっている
- ・根の先に大きな膿がたまっている
一般的な治療の流れは、診断(レントゲン・CT検査)、抜歯、必要に応じて仮歯を作成という順番です。
治癒期間の後に、インプラント・ブリッジ・入れ歯など、最終的に失った歯の機能をどう取り戻すのかの選択に入ります。
特に前歯は見た目を考慮する必要があるため、抜歯後すぐに仮歯を入れて日常生活に支障が出ないように配慮することが一般的です。
前歯の差し歯でよくある質問

では、前歯の差し歯について、よくある質問を7つご紹介しますね。
Q1:前歯の差し歯は取れやすいですか?
A:最近の治療技術では接着力が向上していますが、保険診療の差し歯や、土台の歯がほとんど残っていない場合は取れやすい傾向があります。特に、粘着性の高い食べ物を頻繁に食べる方や、歯ぎしりをする方は、外れるリスクが高まります。
Q2:差し歯の変色は白く戻せますか?
A:残念ながら、差し歯の変色をホワイトニングなどで白く戻すことはできません。これは、保険の差し歯(硬質レジン)がプラスチック素材であり、劣化や吸水による内部的な変色であるためです。見た目を改善するには、新しい差し歯への交換が必要です。
Q3:セラミックは変色しますか?
A:セラミック自体は半永久的に変色しません。陶器と同じ素材で非吸水性であるため、経年による黄ばみや吸水による劣化が起こらないのが最大のメリットです。
ただし、喫煙などによる表面の着色は起こるため、定期的なクリーニングは必要です。
Q4:インプラントの方が長持ちしますか?
A:一般的にインプラントの方が寿命が長いとされています。インプラントは人工歯根が顎の骨に結合するため、土台の歯(歯根)が二次う蝕や破折を起こす心配がありません。
インプラントの平均寿命は15年〜25年とされていますが、適切なメンテナンスで30年以上持つケースも多くあります。ただし、インプラントも歯周病(インプラント周囲炎)には注意が必要です。
Q5:差し歯が取れたときは自分で接着剤を使ってつけてもいいですか?
A:絶対にやめましょう。市販の接着剤などでご自身で差し歯を付けることは、取れた原因(虫歯、土台の破損など)を放置することになり、再治療が不可能になるほど状態を悪化させる可能性があります。取れた差し歯を持参し、すぐに歯科医院を受診してください。
Q6:差し歯を交換する際に痛みはありますか?
A:差し歯の下の歯は神経がないことが多いため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、歯茎に炎症がある場合や、二次う蝕(虫歯)の治療で麻酔が必要な場合もありますが、痛みを伴わないよう配慮して治療を進めますのでご安心ください。
Q7:差し歯の治療費は医療費控除の対象となりますか?
A:はい、対象となります。特に自費診療となるセラミックやジルコニアなどの審美歯科治療も、病気の治療を目的とするものであれば医療費控除の対象になります。領収書を保管して確定申告時に申請することで、税金が戻ってくる可能性があります。
前歯の差し歯は寿命が短い! 適度な交換が必要
前歯にした差し歯は、案外寿命が短いものです。特に保険診療で使うプラスチックは、入れて3年ほどで変色する可能性があります。前歯という位置で一つだけ黄色い歯があったり、歯茎が黒ずんだりするのは困りものですよね。
そのため、前歯の差し歯は寿命が短いものと考えて、適度に交換することをおすすめします。
または、保険診療でなく自費診療にし、セラミックの差し歯にすることも検討してみてください。プラスチックに比べ、セラミックは見た目も耐久性も大きく長持ちします。
前歯は目立つ歯です。数年後に後悔しないように、日ごろから丁寧なケアを心がけてくださいね。







