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歯周ポケット内の歯石は除去必須! 正しいケアと代表的予防策を紹介


歯周ポケット内の歯石は除去必須! 正しいケアと代表的予防策を紹介

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歯周病は日本人の国民病と呼ばれるほどに罹患率が高いお口の病気ですが、その原因は、歯垢や歯石に含まれる口内細菌です。そのため、歯周病予防には歯垢や歯石の除去が必要ですが、これが歯周ポケットと呼ばれる溝に入ってしまうと、自力では中々取れません。

この記事では、歯周ポケットとはどのようなものか、歯周ポケットの深さによる歯周病の進行レベル、歯周ポケットを回復させるための一般的な治療内容や進行している場合の治療内容、自分でするケア方法などを紹介します。

歯周ポケットは歯周病の進行度合いを示す溝

歯周ポケットは歯と歯茎の間にある溝のことで、健康な人でも持っています

溝の深さはプローブと呼ばれる器具で測定しますが、健康な歯茎の深さは1〜3mm程度です。ただし、4mm以上の歯周ポケットがあっても、日常的なケアと歯科での治療をすれば改善できます

歯周ポケットが深くなる一般的な原因は、歯垢(プラーク)と歯石の蓄積です。

歯垢は歯ブラシで取れますが、除去し損ねたものは石のように硬くなって歯垢になります。そして歯垢は歯周ポケットの内側にくっつき、どんどん奥に侵入することで歯周ポケットを深くするのです。

歯周ポケット内の歯石を放置していると、歯茎の腫れや出血がなくなりません。知らない内に歯を支えている骨が溶け、歯が動きだすようになるでしょう。

歯周病が悪化して歯が抜けてしまうと、差し歯やインプラントといった処置が必要になります。

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歯石によって影響する!歯周ポケットの進行レベル

では、歯石が溜まることで深くなる歯周ポケットのレベルについてみていきましょう。測定機器のプローブで測るレベルは以下の3つがあります。

  • ・~3mm
  • ・4~5mm
  • ・6mm以上

 

1~3mm

歯周ポケットの深さが3mm以下の場合、健康な歯茎であると判断されます。現状は歯茎に異常は見られません。

 

4~5mm

計測で4mm以上5mm以下と出ると、軽度の歯周病と判断されます。歯茎の腫れ、出血があり、口臭が発生したり冷たいものがしみたりといった自覚症状も出てきます。

歯周ポケットが深くなったことによって、歯が長く見える方もいるでしょう。この状態で歯茎が回復できるよう、治療を始める必要があります。

 

6mm以上

溝が6mm以上の場合、重度の歯周病と判断されます。歯が伸びて長く見え、膿が出てきたり歯がぐらぐらと揺れていたりします。きつい口臭も出てくるため、早急な処置が必要です。

深くなってしまった歯周ポケットは適切な治療によって回復可能ですが、それぞれの状態によって治療方法は異なります。

 

歯周ポケットの一般的な治療手順と方法

では、歯周ポケットの一般的な治療手順とその方法を見ていきましょう。歯科を受診すると、次の順番で進みます。

  • ①歯周病検査と診断
  • ②歯周の基本的治療
  • ③基本治療で回復できない場合は歯周の外科処置

 

歯周病検査と診断

現状がどのようになっているか、歯周ポケットの検査、歯の動揺検査、レントゲン検査、CT検査などをします。

 

歯周の基本的治療

歯周ポケットの状況と歯周病の進行度合いがわかったら、基本的治療に入ります。歯科での歯周病に対する基本的治療は、次の2つです。

  • ・スケーリングとルートプレーニング
  • ・歯磨き指導

 

スケーリングとルートプレーニング

スケーリングとは「スケーラー」と呼ばれる器具を使い、歯の表面や歯周ポケットの中にくっついた歯垢や歯石を取り除く処置です。クリニックによっては、超音波がでるタイプの器具を使うこともあります。

スケーリングで歯石を除去したあとにするのが、ルートプレーニングという治療です。

ルートプレーニングでは専用器具を使い、口内細菌に汚染された歯の根の表面を削って滑らかにします。歯石はざらざらしたところにつきやすいため、これをすることで再び歯石がつくのを予防し、歯茎が歯の根の表面にくっつきやすくできます。

 

歯磨き指導

まず、染め出しをして磨き残しが目に見えてわかるようにします。その後、歯科医や歯科衛生士によって正しい歯磨きの方法を学びます。

正しい歯磨きの方法は、案外教えてもらったことがないものですよね。歯科で方法を教えてもらうことで、口内清掃のレベルを上げていきましょう。

 

歯周の外科処置

歯周の基本的治療をしても歯周ポケットの深さが回復できない場合、次のような処置で歯茎を回復させます。

  • ・歯周外科治療(フラップ手術)
  • ・歯周組織再生治療(エムドゲイン法・GTR)

 

歯周外科治療(フラップ手術)

歯周外科治療は、メスで歯茎を切開して歯根面を出し、奥まで入り込んだ歯垢や歯石を除去する方法です。通常、歯周ポケットが6mm以上あると深いところの歯石は除去できませんので、この方法をとります。

歯石除去後は歯茎を元通りに戻して縫い、1週間ほどで抜歯します。

 

歯周組織再生治療(エムドゲイン法・GTR)

歯周組織再生治療は、歯茎や歯槽骨を歯周組織再生誘導材で再生させる治療です。方法としては、以下の2つがあります。

 

【エムドゲイン法】

エムドゲインゲルと呼ばれるスウェーデンの企業が開発した特殊なタンパク質を、歯周病で破壊された部分に塗り、歯周組織の再生を促す方法です。

 

【GTR(歯周組織再生誘導法)】

メンブレンという人工膜を使い、歯周病菌に破壊された部分を覆って、組織の再生を促す方法です。

 

歯周ポケットのセルフケアでできること

歯周病が悪化しないようにするには、とにもかくにも口内清掃を徹底して行うことが大切です。毎日のセルフケアで口内細菌を抑制し、全身の健康を守りましょう。

 

歯ブラシの見直し

しっかり磨きたいと考え、歯ブラシで硬い毛先を選ぶ方もいるでしょう。しかしながら、歯磨きに力は不要です。むしろ柔らかい毛先で丁寧にマッサージをするくらいの方が歯茎を傷めません。

そのため、まずすべきことは歯ブラシの見直しです。硬さは「柔らかめ」か「ふつう」を選びましょう。また、歯ブラシの交換目安時期は約1カ月程度。毛先が外へ向けて乱れだしたら、交換のタイミングです。

 

正しい歯磨き

毎日の歯磨きは口内清掃の基本です。食後3回、特に眠る前の歯磨きは正しく確実に行いましょう。

【正しい歯磨きで大切なこと】

  • ・ペンを持つ方法で歯ブラシを持つ
  • ・歯ブラシの毛先は歯の表面に垂直に当てる
  • ・1本ずつ磨くつもりで20回ほど柔らかくこする
  • ・歯と歯茎の境目は45度ほど斜めに毛先を傾ける

1回の歯磨きに5分ほどかけましょう。歯茎や歯の表面が傷むため決して力を入れず、柔らかく撫でるようにこすってくださいね。

 

歯間ブラシやフロスを使う

歯ブラシのみでは歯間の歯垢がスムーズに取れません。歯磨きの後には歯間ブラシやデンタルフロスを必ず使い、こびりついている歯垢を削り落としましょう

全て終わったら、洗口液(マウスウォッシュ)で殺菌することも忘れずに。

 

歯周ポケットに歯石が溜まらないようにしよう! 毎日のケアが大切

食べかすなどに口内細菌がくっつくと、歯垢になります。この時点ではまだ歯ブラシで除去可能なため、毎日の口内清掃がとても大切です。

そして歯石になってしまったら、もう歯ブラシでは取れません。歯周ポケットの奥へ入り込まないように、歯科で定期健診を受けてクリーニングしてもらってください。

歯周ポケットに歯石がたまると、歯周病がどんどん進行します。大切な歯を失わないためにも、歯周ポケットの深さを意識するようにしてみましょう。


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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