歯垢染色剤で磨き残しをセルフチェック! 歯のトラブルを回避しよう
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ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
毎日ちゃんと歯を磨いているつもりなのに、なぜか虫歯や歯周病になっている……そんな人はたくさんいますよね。
実は磨いたつもりでいても、磨けてないことがほとんど。歯ブラシで磨いて取れる歯垢は、全体の6割程度です。
残りの4割はフロスや歯間ブラシなどを使って取らなければなりませんが、どこに歯垢が残っているか、自分の目では分からないことが多いでしょう。そんなときに役立つのが歯垢染色剤です。
ここでは使えば自分で磨き残しの箇所が分かる薬剤、歯垢染色剤について紹介します。歯垢染色剤の種類やメリット、注意事項などを確認しましょう。
歯垢は口内トラブルの原因! 歯垢染色剤を使って徹底的に除去しよう
口の中、特に歯のトラブルの原因となるのは数億個もいると言われる細菌。その細菌が活発化するのは、食べかすがあるからです。歯垢は食べかすに歯がくっついて塊となったもの。なんと1歯垢1mgに1億以上の細菌が存在しています。
しかし歯垢は見た目によく分からないため、歯磨きをしただけでは取れないことが多いのですね。それを可視化するのが、「歯垢染色剤」です。
歯医者にいったときに液剤を口に含んだら、歯の一部が真っ赤になった経験があるでしょう。あれが歯垢染色剤です。
取れていない歯垢を赤く染め、ここに歯垢があることを知らせてくるのですね。歯垢が分かればそこをしっかりと磨くだけ。歯のトラブルが起こるリスクを減らせますよ。
歯垢染色剤とは? 種類は3つ
先ほど述べたように、歯垢染色剤とは歯についた歯垢を染め出す薬剤。歯垢はもともと歯と同じような白色をしているため、パッとみた感じではよく分かりません。そのため歯垢染色剤を使って染め出すのですね。
では、歯垢染色剤の3つの種類とメリットをみていきましょう。
歯垢染色剤の種類
種類は次の3つがあります。
- ・ジェルタイプ
- ・液体タイプ
- ・錠剤タイプ
【ジェルタイプ】
ジェルタイプは歯ブラシの上に歯磨き粉のようにのせて磨きます。簡単な方法なので初めて歯垢染色剤を使うという人におすすめ。ただし歯ブラシも赤く染まってしまうため、歯垢染色剤専用の歯ブラシを用意するほうがいいかもしれません。
【液体タイプ】
液体タイプは綿棒や歯ブラシに液剤を垂らして歯に塗布して使います。商品によっては軽量カップがついているので、その場合はマウスウォッシュのように口に含んで口中に行きわたらせ吐き出してください。
【錠剤タイプ】
錠剤タイプは錠剤を口の中でかみ砕き、唾液を混ぜるようにして口中に行きわたらせます。難しくはありませんが慣れていないと染まり方に偏りがでてしまうため、少々コツが必要です。
歯垢染色剤を使うメリット
歯垢染色剤の大きなメリットは、現在残っている磨き残し箇所がはっきりと分かること。歯垢をこまかく取り除けるようになるため、虫歯や歯周病の予防ができます。
そしてもう一つ、自分の磨き癖が分かるというメリットがあります。
歯垢染色剤を使うたびに磨けていない箇所がはっきりとしめされるため、二度歯磨きをするという手間をなくすには一度染められた「磨けていない場所」を覚えておき、そこを丁寧に磨くこと。
大体磨けていない場所は同じなので、そこを次から意識して磨くようになりますよ。
ちなみに染色剤は、お菓子などの食品やかまぼこなどの農水産加工品、清涼飲料水にも使われている安全な添加物です。
歯垢が残ったままだとどうなる? リスク4つ
歯垢は歯と似た色をした、白や乳白色をしています。そのため見過ごしやすいのですが、もしも歯垢を残したままだとどうなるでしょうか。
歯垢がある場合のリスク4つを説明します。
- ・虫歯の発生
- ・歯周病の発生
- ・歯の着色
- ・詰め物の変色
虫歯の発生
歯の表面よりも歯間に残った歯垢は虫歯の原因になります。虫歯は虫歯菌が歯の表面を溶かして内側へ侵入し、歯を削ってやがては神経までむしばみ歯を死なせてしまう病気。
放置していても自然治癒はしませんし、歯の内側の血管から菌が入って全身へ回り、他の重大な病気を引き起こすこともあります。
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歯周病の発生
成人した日本人の8割程度がかかっているとされ、日本の国民病と呼ばれているのが歯周病。細菌が歯ぐきの隙間から侵入して炎症を起こしたり、歯を支える土台である骨を溶かしたりする病気です。
歯周病は重度になるまで自覚症状がほとんどないため、なかなか気づけません。気がついたら歯を失いかけているという怖い病気なので、十分に気を付ける必要があります。
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歯の着色
歯の表面にある歯垢がしっかりと取れていないと、歯の着色が多くなります。たとえば日常的に飲むコーヒーや紅茶、ワインなどの色が歯を染め、白く輝く歯でなくしてしまうのですね。
一度ついた着色はなかなか取れず、歯科でホワイトニングをしてもらう必要もでてきます。そのため歯垢を取り、着色しにくくしましょう。
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詰め物の変色
虫歯の治療などで入れている詰め物が変色してしまいます。特に前歯の歯間につめているものは、歯垢が残りやすく変色スピードが他のところより早め。染色剤を使って早めに歯垢を取る対処をしなければ、目立つところが変色してしまいます。
歯垢染色剤の使い方・使用頻度・注意点
では歯垢染色剤の使い方、使用頻度と注意点をみていきましょう。
歯垢染色剤の使い方や流れ
以下、歯垢染色剤の使い方と一連の流れです。
1、いつも通りに歯磨きする
このときは歯磨き粉やフロスなど、いつも使っている歯のケア商品は全部使っていつも通りやってみてください。普段のやり方でどのくらいの歯垢が取れていないか、自分の磨き方の癖を知るために行います。
2、歯垢染色剤で染め出す
先ほど述べたどのタイプでも構いませんので、染色剤を使って磨き残りを染め出します。適量を口の中へ入れて30秒ほどくちゅくちゅしましょう。軽く1回ゆすぎ、口の中を確認。染め出されたところがどこかをみていきます。
3、もう一度歯磨きをする
染め出された箇所を丁寧に磨くつもりで、もう一度歯磨きをします。このとき歯磨き粉は使わず、染められた箇所にしっかり歯ブラシが当たっているかをみてください。
4、もう一度染め出しをする
2回目の歯磨きで染められた部分を奇麗にしたら、口をゆすいでもう一度歯垢染色剤を使います。染め出された部分をまた確認し、歯ブラシやフロスを使って落としていきます。
5、完全に磨けたかを確認する
赤く染まっているところはないかの最終確認です。ここでもまだ残っていたら、歯ブラシの毛先を使って丁寧に磨きましょう。
歯垢染色剤を使う頻度
染色剤を使うメリットで書いた通り、染色剤は自分の歯磨きの癖を発見するためにも使用します。そのためいつも磨けていないところが分かり、そこを奇麗にできれば必要なくなるのですね。
おすすめの使用頻度は最初の頃であれば3日に1回程度。癖が分かり、奇麗に磨けるようになってきたら2週間、3週間ごとに1回の割合の使用で十分です。
癖が分かってからは、たまに磨き残し箇所がないかチェックする程度にしましょう。
歯垢染色剤を使うさいの注意事項
歯垢染色剤は歯垢のみを染めるものですが、たまに唇や液剤がついた口まわりを染めるケースがあります。また服に飛んでしまえばなかなか落ちないので、歯垢染色剤を使うときには首元をタオルなどで覆うか、汚れてもよい服を着ましょう。
唇の他に染まった歯の色もなかなか落ちないケースが多発します。そのため外出予定があるときにはその前に使用するのは避け、翌日に着色が残っていたとしても大丈夫な日を選びましょう。
染色剤の色が残った場合も普通に歯磨きをしているうちに薄くなり、消えていきますので心配ないですよ。
いつでもピカピカの歯に! 歯垢染色剤を便利に使おう
奇麗に歯磨きはしているし、フロスやマウスウォッシュも使っているから完璧! そう自分で思っていても、実際には磨けていないことは多々あります。
歯垢染色剤を使えば一目瞭然。自分の磨き癖も分かるので、ぜひ一度試してみてください。
歯垢を取れば歯のトラブルが起こる可能性は激減します。なお、歯科でも染色剤はやってくれますよ。どんなものか試したいという人は、定期健診などで相談してみましょう。