ワンタフトブラシのメリットや効果的な使い方は? 歯ブラシと併用して口内清掃をしよう!
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ドラッグストアやスーパーで、毛束が中央にまとまって山型になっている小さな頭の歯ブラシをみたことはありませんか?
それはワンタフトブラシというもので、一本ブラシとも呼ばれています。日本では主流ではありませんが、歯科に力を入れているスウェーデンではメインに使われているデンタルアイテムです。
ワンタフトブラシを知らない方のために、ここではワンタフトブラシとはどのような商品で、どんなメリットがあり、効果的に使うにはどうすればいいかについて紹介します。
毎日のデンタルケアのレベルを上げてくれるワンタフトブラシを使い、歯を隅々まで磨きあげましょう。
ワンタフトブラシで最終仕上げ! 磨き残しをなくそう
ワンタフトブラシは「予防歯科の先進国・スウェーデン」でメインに使われている歯ブラシです。日本で主に使われている長方形のヘッドに3列の毛束が出ている歯ブラシとは違い、毛は中央にまとまって山形に盛り上がっています。
このワンタフトブラシを使うと歯の汚れが効果的に落ちるため、最近は日本でもデンタルケアアイテムとして積極的に取り入れられるようになってきました。
ワンタフトブラシはヘッド部分が小さく、3列歯ブラシに比べると奥歯などの磨きにくい部分にもよく届きます。いつもの歯ブラシでは届かなかった汚れを効果的に取り除けるのですね。
毎日の歯ブラシで取れる汚れは約6割。さらにフロスを使って歯間の汚れを取れば8割程度奇麗にできると言われますが、ワンタフトブラシを使うことでさらに清掃割合がアップします。
歯垢をしっかりと取れれば虫歯や歯周病などのトラブルは起こらず、いつまでも健康な自分の歯で食事ができるはず。自分の歯でものを噛むことは全身によい影響を与えるため、将来の自分のためにもワンタフトブラシで磨き残しをなくしましょう。
ワンタフトブラシは歯ブラシの1種! メリットは?
前述したように、ワンタフトブラシは歯ブラシの1種。呼び方はワンタフトブラシ以外にも「ポイントブラシ」などがあり、薬局やスーパーで手に入りますよ。さまざまなメーカーのものが取り扱われています。
形状は3列歯ブラシと違いますが、使い方はあまり違いません。
ワンタフトブラシのメリットは、ヘッドが小さく口の奥まで届きやすいこと。通常の長方形ヘッドの歯ブラシでは磨きにくい場所をピンポイントで磨けるうえに歯と歯ぐきの境目に入りやすく、歯垢を的確に除去できます。
スウェーデンではワンタフトブラシをメインで使う人もいますが、面積が小さいため歯磨きにとても時間がかかるのですね。
そのため日本では、普段通りに歯磨きをしたあとで補助的にワンタフトブラシを使い、改めて磨きにくい場所の歯垢を取ることを推奨しています。
ワンタフトブラシを使う場所6つ
ワンタフトブラシが特に活躍する場所は、次の6つです。
・奥歯
・親知らず
・インプラント
・歯並びが悪いところ
・ブリッジの下
・矯正器具の周囲
順番にみていきましょう。
奥歯
長方形ヘッドの歯ブラシで奥歯をしっかり磨こうとすると、歯ブラシを入れたとき喉に違和感を覚えて吐き気をもよおす方がいますよね。大きいヘッドは物理的に口の奥まで入れづらく、きちんと奥歯を磨けません。
しかしワンタフトブラシならヘッドが小さいためにするっと奥まで入り、奥歯の歯ぐきとの間などが磨きやすくなります。
親知らず
親知らずの多くは真直ぐに生えず、歯ぐきがデコボコになったり隙間が空いたりして磨き残しが多くなってしまう箇所です。結果的に親知らずの周囲に食べかすが残り、細菌がとりついて感染、炎症を起こすケースがあります。
特に生えきっていない親知らずは、普通に歯磨きをしただけでは全然磨けていないことも珍しくありません。
そんなときにピンポイントで毛先を当てられて細かく動かせるのが、ワンタフトブラシ。苦労なくしっかり食べかすに届いて取り除けます。
インプラント
インプラントは様々な原因から歯がなくなってしまったところに埋める人工の歯。インプラントは人工歯ではありますが、自然の歯と同じく歯周病にかかります(インプラント周囲炎)。
その原因はインプラント周辺の磨き残し。人工歯のため自覚症状が少なく、気が付いたときには歯周病がかなり進行しているケースもたくさんあります。インプラント歯周炎が悪化すれば、最悪の場合インプラントが抜けてしまうことも。
インプラントは大変高価なものですし、手術も必要です。せっかくいれたインプラントが抜けてしまえば、治療からやり直しになってしまいますよね。そのため、磨きやすいワンタフトブラシで細部をしっかり磨かねばなりません。
歯並びが悪いところ
歯が重なっていたり左右に方向が違って生えていたりするところは磨きにくく、どうしても食べかすが残りがち。通常の歯ブラシでは毛先が届かないことも多いのですが、山型にカットされたワンタフトブラシなら磨けます。
ブリッジの下
ブリッジは失った歯の両側を橋のようにつなげて人工歯を装着する治療。歯を失ったところにはインプラントのように人工歯を埋め込んでいるわけではないため、隙間があって食べかすが溜まりやすくなります。そこを掃除しやすいのが、ワンタフトブラシ。
ブリッジは土台の歯が1つでも虫歯になれば3本とも治療が必要となり、すべてやり直しとなります。治療には時間もお金もかかるため、毎日の清掃がとても大切です。
矯正器具の周囲
矯正器具をつけている場合も、インプラントやブリッジと同じく磨き残しが大きな影響を与えてしまいます。特にワイヤーの下は汚れがたまりやすく、矯正装置をつけただけで虫歯リスクが4倍もアップすると言われるほど。
ワンタフトブラシを使うと器具のデコボコ部分にもぴったりとフィットして磨けるため、普通の歯ブラシより汚れがよく落ちますよ。
ワイヤーの下に毛先が入り込むようにして、手前に掻き出すように使いましょう。
ワンタフトブラシの効果的な使い方
ではワンタフトブラシの効果的な使い方を2つ紹介します。
・歯ブラシやフロスと併用する
・歯と歯ぐきの境目をなぞるように使う
歯ブラシやフロスと併用する
普段使っている長方形ヘッドの3列歯ブラシは、面が大きいため歯の表面が磨きやすくなっています。しかし歯間や歯周ポケットなどにはなかなか毛先が届かず、磨いたつもりでも磨き残しが4割あるという結果になるのですね。
場所によって最適なデンタルアイテムは違います。歯間はデンタルフロス、そして歯周ポケットはワンタフトブラシを使い、効率よく汚れを掻き出しましょう。
まずは通常の歯ブラシでいつも通りに磨いたあと、フロスで歯間を奇麗にし、ワンタフトブラシで歯周ポケットや奥歯、歯の裏などの磨きにくいところを磨いてくださいね。
歯と歯ぐきの境目をなぞるように使う
ワンタフトブラシは歯と歯ぐきの境目に毛先を当ててなぞるように使います。山型になっている毛先を歯と歯ぐきの境目に直角に当て、力をいれずに細かく優しく動かしてください。
歯ぐきの上を円形にくるくるとまわすとマッサージもできます。
なお、ワンタフトブラシの持ち方はペングリップと呼ばれる方法で、ボールペンを持つイメージです。手元のコントロールが安定し、細かく動かしやすくなりますよ。
ワンタフトブラシを手に入れて清掃レベルを上げよう!
ワンタフトブラシは小型で細部を磨くことに適した歯ブラシ。スウェーデンではメインに使われていますが、日本においてはフロスや歯間ブラシなどとともに最終仕上げとして使うことが推奨されています。
口内トラブルで歯が抜けてしまって食事のときにしっかり噛めなくなると、全身の健康に大きな影響を与えます。そのすべての原因は、食べかすの付着がしっかりと取れていないから。そのためブラシで取れるまだ柔らかい汚れのうちに、毎日しっかりと磨いて食べかすを取り除いておきましょう。