子供が寝てる時の歯ぎしりが気になる! 子供の歯ぎしりの原因と対策について
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子供が寝ているとき、何の音かと思ったら歯ぎしりだった! え、これって大丈夫なの?! と心配になることがありますよね。子供は日中ケロッとしているし出血があるわけではないけれど、やっぱり心配…。
ここでは多くの方が悩む子供の歯ぎしりについて解説していきます。治療の必要はあるか、治療するならどんな内容か、家庭でできる対策はあるかなど、順番に解説していきますので確認してくださいね。
子供が寝てる時にする歯ぎしりは心配なし! ただし年齢や状態によっては歯科治療が必要
結論から言うと、寝ている時にする子供の歯ぎしりは、多くの場合心配いりません。子供の歯ぎしりは大人が行うのと違い、成長に伴って起こる自然現象だからです。子供が歯ぎしりをする数は全体の約4割。その多くは成長に伴う一時的なもので、時間とともにいずれは収まります。
しかし子供と言っても永久歯が生えそろった頃の児童・学生であれば、少々問題が出てきます。年齢や状態によっては歯科での治療が必要なケースもありますので、親はしっかりと子供の歯ぎしりの状況を確認していきましょう。
治療は不要! 子供が寝てる時の歯ぎしりの原因【幼児編】
では治療は特に必要がない、成長過程における一時的な歯ぎしりについて見ていきましょう。幼児編としていますが、年齢でいえば8カ月程度の赤ちゃんから2歳半くらいまでです。
原因は次の3つが考えられます。
- ・歯の生え始めでかゆみがある
- ・歯並びやあごの位置を調整している
- ・あごの筋肉を鍛えようとしている
いずれも成長に伴っておこる自然な現象なので、音がすごくてもあまり心配することはありません。ただしもし口の中が出血しているようであれば、歯ぎしりで欠けた歯が原因で怪我をしている可能性があります。そのときには歯科を受診しましょう。
では、順番に歯ぎしりの原因を説明していきます。
歯が生え始めてかゆみがある
歯ぎしりが始まるのは生後8カ月ころ、最初の乳歯が生えだすころです。歯の生え始めは口の中に違和感があり、むず痒さを感じるもの。赤ちゃんは無意識に歯ぎしりをし、この痒さを押さえようとします。
歯並びやあごの位置を調整している
またこれから生える歯の位置を調整したり、あごの位置を整えたりするためというのも歯ぎしりの原因です。これは本能的にやっており、歯ぎしりを通して歯やあごを正常な位置に移動させようとしているのですね。
あごの筋肉を鍛えようとしている
歯ぎしりには「ぐっと強く噛みしめる」や「ぎりぎりと上下の歯をこすり合わせる」、そして「カチカチと上下の歯を打合せる」の3つがあります。
子供が寝ている時にこれらを行えば、歯を支えるあごの筋肉が刺激されて発達、鍛えられます。つまりあごの力を強くするために行っているので、音が心配だからと起こしてやめさせるようなことはしない方がいいでしょう。
治療が必要! 子供が寝ている時の歯ぎしりの原因【児童編】
続いて、こちらは治療が必要と判断される子供の歯ぎしりです。乳歯が生えかけてからすべてそろうまでは、先に述べたように自然現象で行う歯ぎしりと考えられます。しかし子供が小学生高学年や中学生になっても同じように続けていれば、これは問題です。以下3つの原因が考えられるため、様子を見て歯科を受診してください。
- ・虫歯からくる歯の違和感
- ・あごの骨が未発達
- ・ストレスの発散
虫歯からくる歯の違和感
虫歯になって歯の表面に穴があきだすと、まだ痛みがなくとも違和感があったり食べ物がひっかかったりします。それらが気になり、つい強く歯をこすり合わせたり食いしばったりしてしまうケースです。
虫歯は自然治癒しませんので、歯科にいって治療してもらう必要があります。ちょっとした違和感の正体が虫歯だったということはよくあるため、治療をすれば歯ぎしりが改善されるはずです。
あごの骨が未発達
幼少時の姿勢や何らかの負荷がかかっていることによりあごの骨が未発達だった場合、歯ぎしりにつながります。あごが未発達であれば影響は大きく、歯が生える隙間がなかったり顎関節症になったり疲れやすくなったりします。子供なのに肩凝りがひどいというケースも、直接の原因はあごである可能性が高いです。
以下のようなことがあれば、それはあごの成長状態が原因かもしれません。歯科へ連れていき相談してみましょう。
- ・歩く姿勢や座る姿勢が悪い
- ・疲れやすい
- ・握力が弱い
- ・手先が鈍い
- ・重心がとれずふらふらする
- ・口を大きくあけると痛みがある
あごに異常があれば筋肉が緊張し、本人は意識せずに歯ぎしりを起こします。
ストレス発散
大人が歯ぎしりを起こす最も多くの原因はストレスの発散。人間はストレスを感じると無意識に歯を噛みしめたりすり合わせたりしてストレスを発散させようとします。しかしストレスが強いと歯ぎしりが習慣になり、いつでも大きな力が歯やあごにかかることに。そうなれば歯もあごも傷めつけられ、歯ぐきから出血したり歯が欠けたりといったことが起こります。
子供でもさまざまなことから強いストレスを受けます。大人はまず子供の様子を観察し、何かに苦しんでいないかを考えてみなければなりません。
子供の歯ぎしりは改善可能!普段の生活での対応方法
まだ子供のうちであれば、十分に改善可能です。歯ぎしりが癖になったままで放置しておくと、全身の緊張がひどくなって別の病気を発症してしまう可能性も出てきます。日ごろからできる対応はしていきましょう。
親が気にしたいのは、以下の3つです。
- ・子供の姿勢に気を付ける
- ・寝ている時の子供の向きを変える
- ・子供の話をよく聞く
子供の姿勢に気をつける
姿勢が前かがみになっていたり背中が丸まっていたら注意してみましょう。意識的にたびたび姿勢を直すようにさせると、いつしか自分でも気を付けるようになります。
とくに注意したいのは、勉強中やテレビの視聴中などに頬杖をつく子供。顔の筋肉が不均等につく原因となり、噛み合わせなどもゆがんで歯ぎしりにつながります。
寝ている時の子供の向きを変える
寝ているときの子供の向きを確認してください。うつぶせ寝や横向きに寝ていませんか? 子供がそうしていたら、上向きでまっすぐに寝かせましょう。うつぶせ寝や横向き寝はあごの位置がずれる原因になります。
子供の話をよく聞く
思春期に入った子供は誰でも、多かれ少なかれ悩みごとがあるものです。習い事や友達関係、学校のことでストレスをためていないでしょうか? 様子が変だなと思ったら時間をとって、じっくりと子供の話を聞いてみてください。ストレスが原因で歯ぎしりをしている場合、癖になりやすいので注意が必要ですよ。
小学校の低学年くらいの子供は、まだ自分の気持ちを上手に言葉にできません。このころはまだスキンシップが必要なので、ストレスがあるかもと思えば抱きしめる、一緒に寝るなどしてみましょう。安心させることが大切です。
歯医者で受ける代表的な対策は?
では子供の歯ぎしりで歯科に行った場合、どのような対策内容となるでしょうか。虫歯が原因の場合は一般的な虫歯治療をしますが、他の原因であった場合に代表的な対策は以下の3つです。
- ・定期的にフッ素塗布を受ける
- ・マウスピースを作る
- ・歯科矯正を受ける
定期的にフッ素塗布を受ける
歯ぎしりをしていると歯が削れてしまいます。薄くなった歯は虫歯菌の侵入を受けやすくなるため、定期的にフッ素塗布を受けると安心です。
強く刺激を受けた歯が虫歯にならないように、注意して経緯を観察しましょう。
マウスピースを作る
歯ぎしりなどの強い力から歯を守るために、寝ている時に口の中にはめるマウスピースがあります。歯科で本人の歯型をとって作ってもらえば、寝ているときの歯ぎしりから歯を守れますよ。保険を使って5,000円くらいが費用目安です。
なお、マウスピースは市販のものもありますが、本人のサイズとあわなければ逆に歯ぎしりが悪化してしまいます。必ず行きつけの歯科で本人専用のマウスピースを作ってもらいましょう。
歯科矯正を受ける
噛み合わせの悪さが原因で歯ぎしりが起こっている場合、歯科矯正をして改善する必要があります。まだ永久歯が生えそろっていない子供であれば、発育を上手に利用してあごの成長のコントロールが可能。矯正をすると永久歯が正しい位置で生えるので、歯ぎしりがなくなるうえにしっかり物を噛めるようになります。結果的に全身の健康によい影響がありますよ。
子供の歯ぎしりはよく観察し定期的に歯科へ通おう
歯が生え始めることから、多くの子供は歯ぎしりをします。それは歯が生えだした違和感やあごを鍛えるため。音が大きいと心配になりますが、成長にともなう一時的なことなので止める必要はありません。
ただし歯が欠けたり口から出血をしたりといったことがあれば、すぐに歯科を受診してください。歯ぎしりは一時的なものですが、癖になってしまうことがあります。心配であれば日ごろからよく観察し、定期的に歯科通ってへ相談してみてくださいね。