歯がボロボロで歯医者に行けない:放置がダメな理由と診察の流れ・治療内容
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
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- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
歯にトラブルが起きているのに放置した結果、ボロボロになってしまった!
そうなってしまうと、痛みがあっても恥ずかしさから余計に歯医者へ行けなくなる人がいます。しかし恥ずかしがっている場合ではありません。歯の健康は全身の健康に影響するため、ただちに歯科へいって治療を受けましょう。
ここでは歯がボロボロになると受ける全身の影響についてや、歯科へ行きにくくしている理由とその対処法、歯科での治療内容などについて紹介します。
歯がボロボロの状態であれば今すぐ歯医者へ!
歯がボロボロで、見た目がひどい。そのような状況のときには、どれだけ恥ずかしくても早急に歯科へ行きましょう。
本人は恥ずかしいかもしれませんが、歯科医は毎日たくさんの人の口内を治療しているプロです。ボロボロの歯をみても特に何かを感じることはありませんし、バカにすることも決してありません。
むしろそのままでいると全身に悪影響が及ぶため、心配して一生懸命治療に励んでくれるはずです。
もしもすでに歯には痛みを感じないということであれば、一刻を争います。今すぐ歯科へ電話をかけ、検診を予約しましょう。
歯の欠損は全身の健康へ悪影響! 歯がないと起こること
歯が虫歯や歯周病にかかってボロボロになってしまうと、通常痛みがひどかったり力が入らなかったりして食物をうまく噛めません。
歯はそのうち抜けてしまい、噛み合わせなどもどんどん悪くなってしまうでしょう。
そうなると影響してくるのが、心身の健康状態です。
人は物を噛むことで脳に血を送り、ストレスを発散して食物からの栄養吸収を助けています。それができなくなった結果引き起こされる主な病気や症状は次の通り。
- ・認知症
- ・肥満や糖尿病
- ・脳梗塞やくも膜下出血
- ・顎関節症
- ・免疫力の低下
歯がないと、認知症発症のリスクがあがってしまいます。歯がほとんどない人は自分の歯が20本以上ある人の認知症発症のリスクに比べ、1.9倍高くなるという愛知県知多半島での調査結果があります。
参照:テーマパーク8020「8020現在歯数と健康寿命」
そして人は噛むことで満腹中枢を刺激し、脳へ「もう食べなくても大丈夫」と判断させます。歯がないと咀嚼せずに飲み込んでしまうため、これが狂ってつい食べ過ぎてしまう結果に。すると肥満や糖尿病を招くのですね。
また、脳血管疾患にもなりやすくなります。脳梗塞やくも膜下出血は命に関わる病気であり、介護となる原因の1位。食べ過ぎによって高血糖や脂質異常などを引き起こし、脳血管疾患へとつながります。
歯は隣同士で支え合っているため、1本失えばそのバランスは崩壊。引き起こすのは噛み合わせの乱れです。それによって虫歯や歯周病が悪化しやすくなり、顎関節症を起こしたうえにさらに歯を失うという悪循環に陥ります。
噛まないことによって、リンパが集まる下顎の周辺の筋肉が減衰。するとリンパの流れが悪くなり、免疫力がどんどん低下します。風邪などにもかかりやすくなってしまうのです。
放置は絶対にダメ! 歯医者へ行きにくくしている理由3つと対処法
歯がボロボロになってしまったとき、なかなか歯科へ行けない理由は多くの場合次の3つです。対処法を紹介しましょう。
- ・恥ずかしい
- ・治療費が高くなる
- ・痛いのが怖い
恥ずかしい
前述したように、恥ずかしい気持を持つことは仕方ないのですが、歯科医は笑ったりバカにしたり怒ったりはしません。
歯科には毎日さまざまな患者さんが訪れて治療を受けています。歯がない人やボロボロの人だって珍しくありません。
恥ずかしいと考えてしまったら、「歯科医はそんなこと気にしない」と自分に言い聞かせてみましょう。
治療費が高くなる
歯がボロボロだから治療費が高くなるだろう、そう考えて足が遠のいている人もいます。確かに重度の歯周病や重度の虫歯で歯を失っていれば、症状が軽い人に比べると治療にお金はかかるかもしれません。
しかし日本では健康保険が使えるため、歯科と相談すればいきなり高額な費用を請求されることはないはず。口内の状態をしっかりと見てみないことには費用目安を出せませんが、心配なら事前に歯科医に相談してください。
放置すればするほど治療費は高く、治療時間は長くなっていきます。早めの対処が肝心ですよ。
痛いのが怖い
痛みが怖くて歯科に行けないという人もいるでしょう。しかし昔と違って現在では、麻酔の注射をするためにも麻酔をします。ほとんど痛みを感じなくて済むように、できるだけ痛みを抑えた治療をしてくれる歯科が増えました。
子供の頃の歯科治療を思い出して痛みに怯えているのであれば、「痛みを抑えた治療をしています」と書いてある歯科へ行ってみてくださいね。
歯がボロボロの人が受ける歯医者での流れや治療とは?
続いて歯科での治療の流れや内容をみていきましょう。どんな風に治療するのかを知っておけば、不安を少なくするのに役立つはずです。
歯医者での流れ
歯科に行けば、まずは口内の環境チェックから始まります。ボロボロになってしまっているということは、口内の細菌の数は膨大になっているはず。唾液検査をしてから以下の順番で対応していきます。
1、口内の掃除
2、治療方針の判断
3、治療開始
4、メンテナンス
歯石や歯垢がこびりついていたり歯ぐきに腫れや出血があったりすれば、治療はやりにくくなります。そのためまずは口内掃除から。歯石除去をして歯の治療をしやすく整えるのです。
歯が残せないほど虫歯や歯周病が進行していると認められた場合、抜歯になります。物を噛める歯は残し、細菌を取り除く治療開始です。
多くの場合、重度の虫歯か重度の歯周病にかかっています。そのため治療は長引くことを覚悟しましょう。目安として、半年程度かかると思っていてください。
治療がすめば、二度と同じ状態にならないようにメンテナンスを3カ月に1度程度の頻度で行います。
歯医者での治療
歯がボロボロになっている場合、多くは重度の虫歯か重度の歯周病が疑われます。それぞれの治療内容を説明しましょう。
【重度の歯周病の場合】
歯周病の場合、軽度でも重度でも必須なのが「プラークコントロール」、つまり歯石・歯垢の除去です。細菌の塊である歯石を取り除き、口内の細菌の数を減らしていきます。
ただし歯周病によってアゴの骨が溶かされるまで進行している場合には、歯ぐきや骨を回復させる治療が必要。歯ぐきの再生治療や骨の再生治療などを行います。
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【重度の虫歯の場合】
重度の虫歯は、歯科ではC3やC4と表現されます。このレベルではもし歯を少しでも残せるのであれば根管治療が必要。歯の根から神経を取り出し、徹底的に殺菌して詰め物をし蓋をして機能回復をはかります。
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【歯がない・抜歯した場合】
治療技術は進歩していますが、どんな歯でも残せるわけではありません。
歯が抜け落ちてしまっていたり抜歯を選択したりした場合には、インプラント・ブリッジ・入れ歯などで咀嚼機能の回復をはかります。
- ・インプラント・・・歯がない部分のアゴの骨に人工歯根を埋め込む治療法
- ・ブリッジ・・・なくなった歯の両隣の歯を削り支えとし、連結した人工歯を橋(ブリッジ)のようにかける治療法
- ・入れ歯・・・歯ぐきや隣の歯を支えにして人工歯を装着する治療法
それぞれにメリット・デメリットがあり、保険が使えるかどうかも違います。担当歯科医としっかり相談しましょう。
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見た目はひどくボロボロになってしまっているけれど、恥ずかしさや多忙さで歯科へ行けないというかた。大切なのはこれからの健康です。プライドや歯科への恐怖を乗り越えて、すぐに歯科での診察を受けるようにしましょう。
痛みが怖いかたは診察で最初に恐怖を話す、治療費が気になるかたは治療前に医師に相談する、それが大切です。
歯の健康はいずれ全身へ大きな影響を与えます。取り返しがつかない大きな病気に発展してしまう前に、口内環境を整えて明るい毎日を取り戻しましょう。