糸ようじは歯ブラシ後のマストアイテム! 上手な使い方や使うべき理由
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糸ようじとは英語でいう「デンタルフロス」のこと。これを毎日歯磨きのあとに使うと、口内トラブルは激減します。
ただし普段から糸ようじを使う習慣がない方は面倒に感じるでしょうし、そもそもどんな種類があってどうやって使うの? という方もいるでしょう。
ここでは糸ようじの種類やそれぞれの正しい使い方、糸ようじを使うことによるメリットなどを紹介します。
できるだけ歯医者には行きたくないという方は、糸ようじを上手に使って口内トラブルを発生させないようにしましょう。
使うと使わないとでは大違い! 糸ようじ(デンタルフロス)は毎日使用しよう
糸ようじ(デンタルフロス)は毎日使った方がよいという意見を聞いたことがありますか?
それは真実です。
普通の歯ブラシで歯磨きをしているだけでは、本人がちゃんと磨いている意識を持っていたとしても、実際に落とせている汚れはなんと6割程度です。
その理由は、食事による汚れは歯と歯の間にたくさんあるから。人の歯は、成人で28本から32本生えます。32本というのは親知らずがある方に限られるため、一般的には28本と認識されていますね。
それぞれに隣あう歯があり、その間を掃除できなければかなりの汚れが残ったままであることはお分かりいただけるでしょう。歯間や歯と歯茎の間にある歯周ポケットをしっかり掃除しなければ、虫歯や歯周病といった口内トラブルは発生しやすくなります。
ところが、歯と歯の間や歯茎の境目にある歯周ポケットには、歯ブラシの毛先は届きません。そのためしっかり磨いているつもりでも、先がとがったもので歯間に触ってみると汚れが出てきてしまうのです。
そこで登場するのが糸ようじです。歯間や歯周ポケットに入り込み、歯にくっついている汚れを削り取ってくれるのですね。
使うと使わないでは、歯の汚れ具合が全く違ってきます。歯ブラシによる歯磨きの後に糸ようじを使うと、6割程度だった清掃度は8割程度にまで改善するのです。
虫歯や歯周病は、痛みが出るのでやはりかかりたくないですよね。歯磨き後には糸ようじを使用する、それを今日からすぐに取り組むようにしてください。
糸ようじの種類は2つ
まず糸ようじ(デンタルフロス)の種類について紹介します。メーカーによって特徴が違う糸ようじがたくさんありますが、大きくわけると種類は次の2つです。
- ・ロールタイプ
- ・ホルダータイプ
【ロールタイプ】
歯科で使われているのがロールタイプ。繊維を束にして細かい糸状にしたもので、適当な長さに切ってから指に巻きつけて使います。
糸にはワックスがついており、歯間に入り込みやすくなっているのが特徴です。内容量が多いため、コストパフォーマンスも高いですよ。
【ホルダータイプ】
いわゆる「糸ようじ」として認識されているのが、このホルダータイプ。持ち手がついていてFの字やYの字の先に糸状の繊維が張られています。
使うごとに交換しなければならないためコストがかかりますが、初めて使う人や子供さんなどには使いやすいでしょう。
糸ようじの上手な使い方
では、上手な糸ようじの使い方をみていきましょう。それぞれのタイプに合わせて紹介します。
ロールタイプの上手な使い方
- ①容器から糸を40cmほど伸ばして取り出し、付属のカッターで切る
- ②切り出した糸を左右の手の中指に巻きつけ、長さを10㎝から15㎝くらいにする
- ③左右の人差し指で糸を引っ張ってぴんと張る
- ④人差し指で糸をコントロールしながら歯間に上からゆっくりと糸を通す
- ⑤前後に小さく動かしながらスライドさせ、歯茎までおろす
- ⑥糸を歯の側面に巻きつけるイメージで歯の表面をこすり上げる
- ⑦隣り合った両方の歯を同様に掃除する
- ⑧終われば片方の指をほどき、ゆっくりと糸を抜き取る
- ⑨すべての歯間で同じことをする
一度歯間を掃除したあとは、指で糸をくって奇麗な糸部分を使いましょう。一度使った糸には汚れと共に大量の細菌がついているので、またそこを使うとその細菌が別の歯にうつってしまいます。
ホルダータイプの上手な使い方
- ①持ち手を聞き手で持ち、歯と歯の間に糸部分を上からゆっくりと挿し入れる
- ②ノコギリを引くイメージで前後に糸を動かしながら、歯茎辺りまでおろしていく
- ③角度を変えて、歯の側面に糸がまきつくようにして動かす
- ④隣り合った歯の側面も同じようにしたら、ゆっくりと糸を上へ引っ張り上げ、歯から抜く
- ⑤すべての歯間で同じことをする
これも原則、1カ所の歯間に1つの糸ようじです。一度使えば細菌が汚れと共に糸に絡まってつくため、もったいなく感じますが1回ずつ交換しましょう。
糸ようじは歯磨きのマストアイテム! その理由4つ
糸ようじを使うことで、歯の清掃度合いを6割程度から8割程度まで引き上げられると述べました。そのほかにも糸ようじを使うべき理由は4つあります。
- ・初期虫歯を発見しやすくなる
- ・歯周病の予防ができる
- ・口臭改善や予防ができる
- ・古い詰め物の早期発見ができる
初期虫歯を発見しやすくなる
糸ようじを使っていると、たまに歯間でひっかかって糸が切れてしまったり抜けなくなってしまったりします。これは初期虫歯がそこにあるよという印であることが多いのですね。
虫歯によって歯の表面に凹凸ができているため、糸がひっかかって切れることがあります。
歯科を受診して虫歯がないか確かめてもらいましょう。早期発見であれば、削らない治療も可能です。
歯周病の予防ができる
糸ようじを使うと歯周病を発見できたり、予防したりなどができます。
糸ようじで歯茎付近を掃除して出血したら、歯周病が進行している可能性が大。細菌の繁殖がそこで進み、歯茎が腫れて出血するのです。
毎日糸ようじでしっかり汚れを取っていれば、出血や腫れが収まってくることもあります。歯周病は最悪の場合歯が抜けてしまう病気なので、予防は大切です。
【関連記事】歯周病についての記事はこちら
歯周病の治療方法や原因とは? 気が付かないまま放置するリスク
口臭改善や予防ができる
歯の汚れを歯垢と呼びますが、これは細菌が食べかすなどに集まって繁殖したものです。歯垢は口臭の原因となるため、歯間の汚れを落とすことは、口臭の予防にもなります。
現在口臭で悩んでいるという方は、歯の汚れがきちんと落ちていないからかもしれません。しっかりと歯間のケアもしましょう。
古い詰め物の早期発見ができる
過去の虫歯の治療で使っている銀歯や歯科用プラスチックは、数年が過ぎれば当然劣化します。特に保険治療での銀歯やプラスチックは「とりあえず機能を回復させる」目的で使われる材料のため、劣化しやすいというデメリットがあるのです。
このような劣化してしまった銀歯などの詰め物があると、糸ようじがひっかかったり切れたりします。詰め物のセメントが溶けていれば、糸ようじを使ったときに詰め物自体が取れてしまうこともあるでしょう。
詰め物の劣化の早期発見ができることも、口内ケアにとっては大切です。
基本は1日3回! 面倒なら最低就寝前の1回!
糸ようじを使うタイミングは、歯磨きのあとです。つまり、食事をして歯磨きをしたら毎回糸ようじを使って歯間の掃除も済ませましょう。
ただし使うことに慣れるまでは、とても面倒くさく感じるもの。外での飲食のあとにそこまでやってられないよという意見もあるでしょう。
その場合には、1日に1回でも構いません。やらないよりははるかによいので、毎日夜寝る前の歯磨きのあとは必ず糸ようじを使って歯間掃除もするようにしてください。
夜中、寝ている間は人の唾液量が減ってしまいます。唾液が減ると口内の殺菌は活動を活発化。そこに食べかすがあれば、より繁殖スピードが速くなります。
そのため、寝る前にはきっちりとした口内掃除が大切です。あらかじめ汚れを落としておけば、殺菌能力がある唾液の分泌量が減っても細菌の繁殖は抑えられ、口内トラブルを軽減できますよ。
【関連記事】唾液が持つ効果についての記事はこちら
唾液が持つ7つの効果とは? 分泌量のチェックや唾液を増やす方法を紹介
歯をしっかり奇麗にするには糸ようじが必須!
糸ようじは慣れるまでは手間がかかりますが、一度やり方がわかればスムーズに使え、簡単に口の中のケアレベルを上げられます。
歯間に詰まった汚れは虫歯や歯周病の原因。できれば毎食後の歯磨きとともに行うことが理想ですが、無理でも夜の歯磨きでは糸ようじを使う習慣をつけましょう。