舌の位置が歯並びに影響を与える!自分の舌は正しい位置にある?
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舌は、人の口の中で大きな部分を占めるもの。食事のときや話すときに必要となる、筋肉でできた重要な部位です。
この舌に、正しい位置があることをご存じでしょうか?
口を閉じているとき、舌はどこにあってもよいわけではありません。舌がスポットと呼ばれる正しい位置にあってこそ、歯並びによい影響を与えるのです。
ここでは舌の正しい位置や、舌が歯並びに与える影響、癖がついてしまった舌の改善の仕方などを紹介します。
もしも自分の舌が正しい位置になければ、改善するように頑張ることが歯並びにとっても大切ですよ。
舌の位置が歯並びに影響を与える! 正しい位置に舌があるかチェックしよう
人間のアゴや歯は、頬や舌といった筋肉の力に影響を受け、形や歯並びが決まってきます。中でも筋肉の塊である舌の影響は大きなもの。口を閉じているときに舌が正しい位置にない場合、歯並びはどんどん悪くなってしまうのです。
舌の正しい位置を、「スポット」と呼びます。
場所は上顎、前歯の少し後ろ側にあるふくらみ部分です。そこに舌先がきて、舌の広い部分がそのまま上顎に軽く触れている状態が正しい位置。
ここに舌があると上顎が舌に押し上げられ、アゴが大きくなって歯並びが整います。上顎が広がれば後から成長する下顎も同じように広がり、歯が生える場所に余裕ができるため、乱ぐい歯になりにくいのですね。
舌が本来あるべき場所「スポット」にない方は、舌に変な癖がついていると考えられます。筋肉の塊である舌はかなりの力を持っているため、間違った場所を舌で押すことによって歯並びに影響が出るのです。
口を閉じた状態で、現在の自分の舌がどこにあるかチェックしてみましょう。
舌先が上の前歯の少し後ろにあり、上顎に軽く舌の他のところが触れているならOKです。それ以外の方は舌に癖があるため、正しい位置に戻すように努力が必要ということになります。
特に多いのは舌が下の前歯の後ろにある「低位舌」状態の人。このままでは歯並びが悪くなる以外にもさまざまな悪影響が体に出るため、できるだけ早めに訓練をして舌の位置を戻しましょう。
舌の位置の違いで起こる歯並びへの悪影響5つ
では、舌に癖がついてしまい、正しい位置にいない場合に起こる歯並びへの影響をみていきましょう。
- ・ガチャガチャの歯並び
- ・すきっ歯
- ・受け口
- ・出っ歯
- ・開口
ガチャガチャの歯並び
舌が下がっている場合、上顎がきちんと押し広げられずに上顎が極端に狭くなってしまいます。歯の幅が狭い状態で歯が生えてくるため、あちこちに向きがバラバラになっているうえ最後の犬歯は生える場所がなく、八重歯になってしまうことも珍しくありません。
口を開けるのが恥ずかしいと感じるようなガチャガチャの歯並びになっていれば、舌が正しい位置にないことが原因かもしれません。
すきっ歯
歯と歯の間に空間がある状態を、すきっ歯と呼びます。これも舌の位置が下にある場合によくなる歯並びです。
本来は上顎を押し上げて広げる舌が下にあるため、下顎が押し出されて前へと動きます。下顎が押しやられると歯同士に隙間が生まれるため、すきっ歯になるのです。
受け口
受け口は下顎が上顎より前に出ている状態を指します。成長過程で下が低位置にあれば、下の前歯や顎ばかりが成長して受け口になってしまうのです。
受け口は下顎前突症もしくは反対咬合とも呼ばれています。
他の歯並びと違う点は、受け口になると骨格に大きく影響すること。矯正などでは治せず、大きな外科的手術をしないと治療が困難な厄介な症状です。
出っ歯
歯が上顎についていないと、上顎を広げられません。そのうえ、ものを飲み込んだり会話したりするときに無意識に舌を前へ押し出してしまう癖がつくと、出っ歯になってしまいます。
出っ歯とは前歯が前へ飛び出した状態のこと。子供のときにしていた指しゃぶりが原因で発生することもあります。
開口
舌が上でも下でもなく上下の前歯の中間あたりにあると、奥歯をかみ合わせても前歯がかみ合わない「開口」になってしまいます。
舌がいつも歯と歯の間に入り込んでいたら、注意しなければなりません。
舌によって前歯が押し広げられ、上と下の歯がかみ合わない状態になります。
舌の位置を正しくしよう! おすすめトレーニング
舌の癖は自力で治せます。多くの場合、舌の位置が違う原因は舌の筋力不足が原因です。自宅でトレーニングをして、できるだけ舌を正しい位置へ戻しましょう。
- ・スポットを意識して過ごす
- ・あいうべ体操
- ・ポッピング
- ・オープン&クローズ
スポットを意識して過ごす
前述したように、舌は筋肉の塊です。つまり他の部位の筋トレと同じように、正しい位置にあるように意識するだけでもトレーニングになります。
常にスポットを意識し、舌を持ち上げて上顎につけるようにして過ごしてみてください。舌の筋力が低下している人は、これだけでもかなり苦しいはず。しかし続けることによって筋力がついてきます。
あいうべ体操
「あ」「い」「う」を順番に言い、最後に長く舌を前へ伸ばす体操です。
①口を大きく開いて「あー」と声を出す
②口を横へ伸ばして「いー」と声を出す
③口を前へ突き出して「うー」と声を出す
④舌を前へ長く伸ばす
⑤一連の流れを1セットとして毎食後に10セット、1日30回行う
口周辺の筋肉と舌の筋肉を鍛えられます。舌の位置によって口呼吸である人は、鼻呼吸への改善も期待できますよ。
ポッピング
舌を上顎に引っ付けて離すトレーニングです。
①舌先をスポットにつける
②舌全体を強く吸い上げるように上顎にくっつける
③ポンッと音を鳴らしながら舌を離す
④1セット10回として、1日3回行う
コツは1回をゆっくりやることです。舌の筋力をアップさせます。
オープン&クローズ
舌の筋肉を鍛え、正しい位置に固定できるようにするトレーニングです。
①舌の先をスポットにつける
②舌の奥を上顎にべったりとくっつける
③その状態のまま、口を閉じたり開いたりする
④10回を1セットとして3セット繰り返す
移動のときや就寝前など、いつでも気が付いたらやるようにしましょう。
舌が正しい位置にあるメリット
最後に舌が正しい位置にあるメリット4つを確認しましょう。歯並び以外への影響も大きいため、やはり舌の位置が違うのであれば戻す努力はすることがおすすめです。
残りの人生をよりよくするため、舌を鍛えて以下のメリットを手に入れましょう。
- ・歯並びが奇麗になる
- ・鼻呼吸をしやすくなる
- ・唾液分泌で口内が守られやすくなる
- ・発音が明瞭になる
歯並びが奇麗になる
歯は常に動いています。大人になってからも、数カ月もしくは年単位で歯並びは少しずつ変化しているのです。
そのため舌を正しい位置に動かして上顎を広げ、歯並びがよくなるのであれば取り組んでいきましょう。
もう既に大人だから必要ないと考えるのは間違いです。
たとえばせっかく歯の矯正を受けた場合でも、舌が原因でまた乱れてしまう恐れがあります。それではお金も時間も無駄になりますよね。
舌の位置を正しくして、歯並びを美しく改善しましょう。
鼻呼吸をしやすくなる
舌によって気道が圧迫されることがなくなるため、口呼吸が改善され鼻呼吸に戻りやすくなります。
鼻呼吸になれば風邪を引きにくくなるほか、口内も乾かず正しく唾液が分泌されるようになるでしょう。
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唾液分泌で口内が守られやすくなる
唾液が口内を潤していれば、殺菌・粘膜保護・飲み込みの手伝いなどをしてくれます。虫歯や歯周病、口内炎なども起きにくくなるため、トラブル減少が期待できますよ。
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唾液が持つ7つの効果とは? 分泌量のチェックや唾液を増やす方法を紹介
発音が明瞭になる
通常、上顎と舌の大きさはほぼ同じサイズです。ところが舌が正しい位置にないと、上顎が広がらないため狭くなり、タ行など舌をくっつけて弾く発音がしにくくなります。
正しい位置に戻すことで発音も明瞭に改善可能です。
舌の位置は歯並びに影響する! まずは自分でチェックしてみよう
舌が正しい位置にあるのかないかで、歯並びへの影響は大きくなります。口を閉じたときに自分の舌がどこにあるのか、一度確かめてみてください。
大人になっているからといって諦めることはありません。歯は常に動いているため、もし舌が正しい位置にいなければ、これからのためにトレーニングを開始しましょう。