歯肉炎は自分で治せる? 5つのセルフケアを紹介
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歯磨きすると出血する、もしくは歯茎が真っ赤に腫れあがっているというときは、歯肉炎を疑いましょう。歯肉炎は細菌が体内に入り込んだときの、体の反応で起こるもの。レベルとしてはまだ軽症なので、この時点でしっかりと対応することが大切です。
ここでは歯肉炎の詳細や歯周病との違い、セルフケア方法と歯科での治療方法などについて紹介します。
歯肉炎は誰もが経験するもの。自分での対応方法を知っておき、早めに対応してくださいね。
歯肉炎は自宅で治療可能! 大切なのは正しい口内ケア
歯肉炎は、歯周病になる一歩手前の状態です。
例としてあげるなら、蚊に噛まれたときの状態がイメージしやすいでしょう。蚊に噛まれるとかゆみがでて、皮膚が腫れあがった状態になりますよね。あれは毒素が体内に入ったため、免疫が抵抗しているときに起こる反応です。
歯肉炎もまさに同じで、口内の細菌が歯茎の周囲にあって侵入し、免疫が抵抗して起こります。歯茎の腫れは体が出す最初の抵抗のサインであるため、無視はせずにしっかりと対処していきましょう。
大切なのは、正しい口内ケアです。歯磨きとフロス、歯間ブラシを使って口の中を掃除し、減菌に努めてください。歯肉炎の時点で正しく対応できれば、恐ろしい歯周病になることを防げますよ。
歯肉炎とは? その原因と歯周病との違い
歯肉炎とは、歯肉に炎症が起きた状態を指します。
口の中にいる億を超える菌が繁殖し、歯茎の中に侵入することで炎症が発生。その炎症によって出血や口臭といった症状がでます。
歯肉炎になるのは、多くの場合歯垢が原因です。歯垢はプラークとも呼ばれますが、細菌が集まって塊になったものを指します。
食事による歯の汚れがきちんと取れていないと、そこに細菌が集まり増殖。24時間が経つと、細菌はネバネバとした粘液を出して歯垢へと変化します。このとき、体は歯茎に白血球やリンパ球を集め、細菌との戦争を開始するのです。これが炎症ですね。
歯肉炎は、細菌と免疫の戦いです。
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歯肉炎が進むと歯周病になる
疲れがたまっている・病中病後・悪性の細菌・歯垢が多いなどのときは、免疫力が細菌に負けて歯周病へと悪化します。
歯周病になると歯肉の炎症は歯槽骨まで進行。放置すれば骨をどんどん溶かしてしまい、やがて歯が抜けてしまいます。
若いときは体力があるため免疫力も強く、多くの場合、歯肉炎のままで維持可能です。しかし30代になると加齢とともに歯周病になってしまう人が増えてしまいます。
ちなみに歯周病は日本人の国民病と呼ばれ、なんと成人の約8割がかかっている病気です。
早めにきちんと対応しなければ、60代で歯がすべてなくなってしまう恐れもあります。いつまでも健康でいるためには自分の歯で物を噛めることが大切。早めの対応が重要ですよ。
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なぜ日本人は歯周病罹患率が高い? 理由4つと予防歯科の大切さを紹介!
歯肉炎を自分で直す方法5つ
あ、これは歯肉炎だ! そう気づいたら、まずは自分でケアしてみましょう。
方法は以下の5つです。
- ・正しい口内清掃をする
- ・甘いものを控える
- ・歯磨き粉のサポートを受ける
- ・鼻で呼吸する
- ・免疫力を高める
正しい口内清掃をする
歯肉炎になるのは多くの場合、歯垢が原因。つまり、歯の清掃がしっかりできていれば発生しにくいわけです。
歯ブラシを使った歯磨きでは、その清掃率は実のところ約6割程度と言われています。半分近くの汚れは取れていません。
そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯ブラシでは入り込めない溝や歯と歯の間を掃除しましょう。フロスや歯間ブラシを使えば、清掃率は約8割までアップします。
また正しい歯磨き方法で行うことも大切。力は入れず、歯の表面に向かって垂直に歯ブラシの毛先がつくようにしてくださいね。
甘いものを控える
口内にいる細菌が好むのは、特に甘いものです。砂糖を使っているものはなるべく控える、それは健康にも良い影響があります。
特にスポーツドリンクなど、砂糖が大量に入っている飲み物をちびちび飲むことはやめましょう。人は食物を摂ったあとは唾液によって洗い流しますが、頻繁に飲んでいると追いつかず、細菌が活発化してしまいます。
歯磨き粉のサポートを受ける
市販の歯磨き粉の中には、歯肉炎に効果ありとうたった商品がたくさん販売されています。
歯肉炎用の歯磨き粉には炎症を抑える成分が含まれているため、それを使って磨いたあとはすすぎを少なめにしましょう。
鼻で呼吸する
もし口呼吸をしているのであれば、意識して鼻呼吸へと変えてください。
歯茎だけでなく、口の中の粘膜は唾液によって細菌や外的刺激から守られています。ところが口呼吸をすると空気が入り込むため、口内は乾燥して守りが薄くなってしまうのです。
また、口呼吸は外の埃や花粉、細菌なども運び込んでしまいます。感染症にもなりやすくなるため、口は閉じて鼻呼吸をするようにしましょう。
免疫力を高める
健康を維持するために、免疫力は最も重要なもの。体中で言えることですが、特に億を超える数の細菌がいる口内では、常に免疫が細菌と戦っています。
そのため、生活習慣を整えて適度に運動し、免疫力を高める努力をしましょう。
歯科での歯肉炎の治療内容
歯茎から出血や口臭が気になる人は、歯科を受診してください。歯科での歯肉炎の治療内容は、次の2つです。
- ・口内清掃と歯磨き指導
- ・投薬
歯肉炎の原因となる歯垢を取るため、プロが徹底的に口内を掃除します。そして普段から歯垢ができないようにするために、歯磨き指導を受けましょう。歯科衛生士が丁寧に歯磨き方法を教えてくれますよ。
さらに、最近では専用の薬を使った治療をしています。
・ジスロマック・・・歯周病の原因菌に対して抗菌力を発揮する薬、抗生剤
・ハリゾンシロップ・・・マウスウォッシュや歯磨き粉のように使うことで、歯茎全体の細菌の増殖・活動を抑える薬
以上のような薬で減菌してから、口内環境を整えて改善していきます。
こんな歯肉炎には注意! 歯科を受診しよう
基本的に歯肉炎は軽症のため、自宅でのセルフケアでも改善可能です。しかし、中には次の5つのように注意が必要なケースもあります。
- ・薬物性歯肉炎
- ・妊娠性歯肉炎
- ・急性ヘルペス性歯肉炎
- ・急性壊死性潰瘍性歯肉炎
- ・慢性剥離性歯肉炎
薬物性歯肉炎
何らかの薬の副作用で歯茎が炎症を起こすケースです。例としては、てんかんの薬や高血圧の薬、自己免疫の病気での薬などが該当します。
薬をやめると病気が悪化する恐れがあるため、歯肉炎がひどい場合には担当医への相談が必要です。
妊娠性歯肉炎
妊娠中はホルモンバランスが崩れるため、歯肉炎や歯周病になりやすいもの。さらに悪阻によって歯磨きが思うようにできない方もおり、歯肉炎が悪化しがちです。
妊娠前や妊娠がわかった時点で歯科を受診し、歯肉炎が重症化する要因となる埋伏歯を抜歯するなどの対応をしておかねばなりません。
急性ヘルペス性歯肉炎
ヘルペスウイルスに感染した結果、引き起こされる歯肉炎です。特に赤ちゃんに多く発生します。
風邪と同じような症状が出たうえに、口内炎が多数発生。とてもつらい状態になってしまいます。
病院で治療してもらいましょう。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、歯肉辺縁部に壊死性の潰瘍を伴う歯肉炎ができる病気です。原因は免疫力の低下。そして、特に日ごろ歯の清掃状態が悪い人に起こります。
歯科では抗生物質や痛み止めが処方されます。
慢性剥離性歯肉炎
生理不順や閉経後の女性に多く見られるのが、慢性剥離性歯肉炎です。
歯茎の表面の皮がはがれ落ち、痛みがあるうえに出血します。水疱が出来る人もいるでしょう。
歯ブラシが亜祟っただけでも痛みがあり、対応が難しい病気です。完治も難しく、再発を繰り返します。
歯肉炎は自宅でじっくりケアしよう
通常、歯肉炎は原因となる歯垢を取り除けば、徐々に改善していきます。そのためには食事に注意が必要です。
間食はしない・砂糖は少なめにする・決まった時間に食べる・ダラダラ食べはしないなどを習慣づけましょう。そしてもちろん、丁寧な口内清掃が大切です。
歯茎が腫れあがり歯磨きで出血しても、慌てて歯科に飛び込む必要はありません。まずはじっくり自宅でケアをしてみてくださいね。