つわりがつらい…! 妊娠中の歯磨きと口腔ケアのコツ
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妊娠初期に見られるつわり(悪阻)は、吐き気や嘔吐といった症状が出ることで、妊婦さんは歯磨きもままならない状態になることが多いもの。しかし、歯ブラシを口に入れると気持ち悪くなるからといって、歯磨きをしないでいるわけにはいきません。
人の口内は数億とも言われるさまざまな細菌がいる場所です。さらに妊娠期にはホルモンが影響し、通常よりも虫歯や歯周病になるリスクも増えてしまいます。
そのため、この記事ではつわりに苦しむ妊婦さんがどうやって口内清掃をすればよいかについて、紹介します。できそうなことがひとつでもあれば、ぜひトライして口内環境を守ってくださいね。
つわりで歯磨きがつらい! 妊婦さんのお口の中で起こっていること
妊娠中、女性の体の中では女性ホルモンが急激に増加するため、体が大きく変化します。口内環境においても、以下の4つの変化が見られます。
【唾液の状態が変わる】
妊娠時には女性ホルモンが増えて働き、唾液がネバネバしたものに変わります。本来のサラサラした唾液に比べ、この時期の唾液は自浄作用が低下している状態であるため、食べかすを洗い流したり細菌の活動を抑制したりがしにくくなります。
【歯周病原菌が増えやすくなる】
歯周病原菌の一部は女性ホルモンが大好物!そのため妊娠期には歯周病原菌が活発になります。
【口内が酸性に傾きがち】
つわりの症状のひとつである嘔吐によって口内が胃酸で酸性に傾き、歯が溶けやすくなってしまいます。歯が溶けやすいと虫歯菌が活動しやすいため、虫歯のリスクが増えます。
【食べかすが増えやすい】
一度にたくさん食べられないことが増え、ちょこちょことつまむように食事をするため、口内に細菌の餌である食べかすが増えることになります。
以上のように、普通の体のときに比べて口内トラブルが発生するリスクが高まるのに、つわりがあると歯磨きもできなくなる人が多いという困った状況になります。
つわりで歯磨きができなくなる理由
つわりがあると歯磨きができなくなる理由は以下の3つがあります。
- ・歯ブラシや唾液にえづく
- ・香りに敏感になっている
- ・味覚が変化する
妊娠期はあらゆる刺激に敏感になります。その結果、歯ブラシや自分の唾液にえづいたり、歯磨き粉の匂いに刺激を受けたり、味覚の変化によって今までは大丈夫だった歯磨き粉の味に吐き気をもよおしたりします。
つわりがつらいときの口内ケア方法
では、つわりがひどく、つらいときの口内ケア方法を紹介します。ひとつずつ確認し、自分に合った、大丈夫な方法があるかを試してみてください。
- ・歯ブラシのヘッドを小さくする
- ・小刻みにブラシを動かす
- ・下を向いて磨く
- ・体調がよいときに歯磨きをする
- ・ながら磨きをする
- ・歯磨き粉を変える・使わないようにする
- ・マウスウォッシュを使う
歯ブラシのヘッドを小さくする
いつもの歯ブラシでえづくのであれば、ブラシのヘッドを小さくしてみましょう。市販の歯ブラシには「コンパクトサイズ」や「スリムヘッド」といったもの、また「タフトブラシ」といった毛束になったものもあります。子ども用の歯ブラシも良いですね。
奥歯の根元や頬の内側に歯ブラシが触れるとえづく原因になるため、ヘッドの小さいもので歯の表面と歯と歯茎の境目を優しく撫でるようにしましょう。
小刻みにブラシを動かす
歯ブラシを大きく動かして一気に磨こうとすると、口内に刺激が伝わり唾液も出てくることで気持ち悪くなってしまうことがあります。ゆっくりと小刻みに動かし、歯茎にあまり刺激を与えないようにしてください。
下を向いて磨く
鏡を見ながら歯磨きをすると、唾液とともに歯磨き粉が喉へと流れ込みます。それが刺激となって嘔吐感が増すため、できるだけ下を向き、唾液や歯磨き粉を垂れ流しにしながら歯磨きをしてみましょう。
こまめに唾液を出すのもポイントです。
体調がよいときに歯磨きをする
歯磨きは、毎食後でなくても大丈夫と考えるようにしましょう。食事の直後は口内が酸性に傾くため歯磨きをすると歯の表面が傷つきやすくなるため、むしろ食後すぐの歯磨きはしない方がよいのです。
妊娠中の歯磨きは自分の体調を見て、今は吐き気がない、しんどさがマシといったときにトライしてみることがおすすめです。
ただ、眠る前の歯磨きはできるだけトライしてみてください。就寝中は唾液の分泌が少なくなるため、口内の細菌が活動しやすくなります。歯ブラシは口に入れにくくても自分の指なら大丈夫という方もいますので、その場合は自分の指の腹でも構いません。水で口をゆすぎながらやってみましょう。
ながら磨きをする
何か他のものに気を取られているときは、気持ち悪くなりにくいようです。
歯ブラシを意識せずに済むよう、テレビやタブレットで動画を視聴しながら磨いたり、ベランダに出て外の景色を眺めながら歯磨きをしてみたりと試してください。
歯磨き粉を変える・使わないようにする
妊娠期はどうしても味やにおいに敏感になるため、今までは平気で使えていた歯磨き粉がダメになってしまうことがよくあります。その場合は、歯磨き粉を別のものに変えてみるか、歯磨き粉を使わず水で歯を磨くようにしてみましょう。
歯磨き粉は、妊娠前は苦手だった人でもミント味のものが大丈夫になったという例が複数あります。子ども用の歯磨き粉なら大丈夫という方もいるため、いろいろ試してみるのもよいですね。
マウスウォッシュを使う・うがいをする
どうしても歯ブラシやタフトブラシ、フロス、歯間ブラシといったアイテムを口に入れられない方もいます。そのような方は、マウスウォッシュを使ってみてください。アルコール不使用の、低刺激のものがおすすめです。
それも難しいという方は、水でうがいをするようにしましょう。口内を洗い流すイメージで、気持ち悪くならない程度にうがいをし、口をゆすいでください。
妊娠中に歯科を受診するタイミング
妊娠中は口内トラブルが増えるため、時期を確認して歯科を受診するようにしましょう。
まず、妊娠初期は、切迫流産も起こりやすく、つわりに苦しむ方も多い時期です。歯科治療はなるべく控える方がよいとされますが、歯に我慢できないような痛みがある場合は必ず歯科を受診してください。
そして安定期(妊娠5、6、7か月頃)に入ると、体調が落ち着いてきてつわりも治まりだす方が多くなります。産婦人科から安静を言い渡されていない場合は、歯科で検診を受け、クリーニングをしてもらいましょう。麻酔が必要な虫歯治療や抜歯なども可能な、治療にも適した時期です。
妊娠後期に入るとお腹が大きくなるため、診察台で仰向けになることが負担になってきます。前駆陣痛なども起こる可能性があるため、緊急の場合を除いて治療は控える方がよいでしょう。どうしても痛みがあるなどの場合は、まず産婦人科に相談してから歯科を受診するようにしてください。
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つわり中に少しでも楽に歯磨きができるよう試してみて!
妊娠初期に発生するつわりでは、常に二日酔いのような吐き気に襲われるため、食べ物ですら口に入れると気持ち悪くなるという妊婦さんもいます。そんなときの口内清掃は、本当に困難! しかしながら、妊娠中は普段よりも虫歯や歯周病になりやすいため、口内清掃はできる範囲ですることが大切です。
こちらで紹介した方法を参考に、できることを探ってみてくださいね。そして安定期に入ってつわりが解消されたら、歯科を受診してクリーニングを受けましょう。