歯にひびが入る原因とは? 状態別に治療法を解説
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何気なく見た鏡の中で、歯にひびが入っているのを発見したら驚きますよね。歯は人体の中で最も硬いものですが、さまざまな理由でひびが入ります。
ひびが入っていても痛みなどの症状がない場合、しばらく様子を見ようと放置する方が多いかもしれませんが、できるだけ早めに歯科を受診しましょう。
この記事では歯のひび割れについて解説します。歯がひび割れを起こす原因や歯科での診断方法、ひび割れの状態別の治療方法などを説明しますので、ぜひ参考にしてください。
歯のひび割れは放置厳禁! すぐ歯科を受診しよう
歯にひびが入ったことがわかっても、違和感や痛みなどの症状がない場合もあります。しかし放置はしないようにしてください。歯科を受診し、診察を受けましょう。
前提として、歯に入ったひびは自然治癒しません。
そしてひびが入った歯を放置した結果、エナメル質の下にある象牙質が露出してしまうと、簡単に細菌に感染して虫歯になります。また、ひびがエナメル質の表面であったとしても、そこに汚れが溜まることで虫歯リスクは増えます。
さらに本来は露出していない象牙質や神経が露出すると、少々の刺激でも強い痛みが出ます。そうなると食事が取れないだけでなく眠ることも難しくなり、日常生活にも支障が出てしまうでしょう。
そうなる前にできるだけ早く時間を作って、歯科を受診してくださいね。
歯にひびが入ったときに見られる症状
以下のような症状が出ていたら、歯にひびが入っている可能性が高くなります。目視でひびを確認できない場合でも、何らかの異常を発見したときには歯科を受診しましょう。
- ・歯や歯茎に痛みや腫れがある
- ・噛むと痛みがある
- ・歯茎から出血している
- ・歯がぐらぐらと揺れている
特に歯の根の部分にひびが入っている場合は、目での確認はできません。自分で気が付かないことが多く、痛みや腫れ、歯の揺れで通院して発覚することが一般的です。
歯がひび割れる原因
歯がひび割れる原因で、代表的なものを紹介します。
- ・加齢
- ・歯ぎしりや食いしばり
- ・外傷
- ・噛み合わせ
加齢
人体は、年を重ねるごとにすべての部分が衰えてきます。それは人体で最も硬い歯も同じことで、40代後半ころから、加齢による歯のひび割れが確認できるようになります。
経年劣化であるため、歯を使わなければひび割れは起こりません。しかし食事をしないわけにはいかないため、これは仕方がないことです。
歯ぎしりや食いしばり
過度のストレスや緊張、癖などで、歯ぎしりや食いしばりをしている方は、歯がすり減ったりひびが入ったりしやすくなります。
特に夜間、寝ている間に食いしばりをしている方は、100㎏以上の力が歯にかかることに。長期間続くことで口内がボロボロになるうえ、顎関節症や頭痛、慢性的な肩こりなどさまざまなつらい症状が出てきます。
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外傷
転倒で口元を打ったり、交通事故やスポーツなどで衝撃を受けたりした場合、歯にひびが入ることがあります。
前述したように歯の表面を覆っているエナメル質は人体で最も硬い部分ですが、突発的な衝撃には弱いという特徴を持っています。
噛み合わせ
噛み合わせが悪い場合も、歯にひびが入りやすくなります。それは、本来正しい噛み合わせであれば複数の歯に分散されるはずの力が、1本の歯に集中してしまうことがあるためです。
また、虫歯治療による被せものが影響して噛み合わせが変わってしまうことも、歯に力がかかりやすくなる原因となります。
歯科医での歯のひび割れ診断方法
自分で鏡を見た際にはひびが確認できなくても、違和感がある場合はどうすればよいでしょうか。
歯科を受診するとまず、目視で歯のひび割れ含むさまざまな口内状態を確認します。しかし他に原因が見つからず、ひびが入っているかもしれないと歯科医が判断した場合、以下のような方法で診断します。
【レントゲンやCT撮影】
目でひびが確認できない場合は、レントゲン撮影やCT撮影をします。
【染め出し】
染色液でひびに色をつけて発見する方法です。被せものがある場合は一度外し、内部を確認します。
【マイクロスコープ】
染色液でも目視ではわかりにくい場合は、マイクロスコープを併用することもあります。被せものなどを外して根管治療をし、再度ひびの確認を行います。
【抜歯しないと判明しないひびもある】
上記すべてを実施してもわからないケースでは、抜歯をしてはじめてひびが確認できることもあります。歯のひびの検査は非常に難しいため、口内の確認や歯周ポケットの検査をしながら根気よく進めていかなくてはなりません。
歯がひび割れした際の状態別治療法
では、ひびが入った状態別に、治療方法を確認しましょう。
- ・エナメル質のひび割れ
- ・象牙質のひび割れ
- ・神経まで達したひび割れ
- ・歯の破折
- ・神経がない歯の場合
エナメル質のひび割れ
歯の表面であるエナメル質のひび割れの場合、経過観察に留める場合が多いでしょう。
ひび割れの原因が歯ぎしりや食いしばりだと判断できたら、これ以上悪化しないようにマウスピースを作り、就寝時にはめる治療を開始します。また、噛み合わせに問題がある場合は、矯正治療も選択肢に入ります。
マウスピース治療は保険適用で5,000円程度です。歯科矯正は自由診療になるため、方法や矯正する範囲によって異なりますが、100万円程度の費用がかかることが多いでしょう。
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象牙質のひび割れ
エナメル質の下にある象牙質までひびが達していると、少しの刺激でも痛みを感じる状態です。歯科用レジンでひびを埋めたり、歯の神経を取って根管を洗浄・消毒する治療が必要なケースもあります。
通常、保険適用できる場合の費用は数千円です。詰め物で修復できるケースでは、1回の治療で終了できることもあります。
神経まで達したひび割れ
何もしない状態で強い痛みが発生します。歯の神経を取って洗浄・消毒する根管治療が必要です。
歯の破折
歯の根が折れている場合には、歯肉や顎の骨に炎症が発生します。痛みも出るため、多くの場合は抜歯になるでしょう。ただし、歯冠部分が折れている場合には、根管治療で歯を残せることもあります。
神経がない歯の場合
すでに神経がない歯にひびが入った場合は、通常、痛みはありません。しかし、炎症が歯の根に拡大した場合には根の先端に膿瘍を作り、激しい痛みが出ることがあります。痛みが出ると根管治療が必要です。
抜歯の場合は、差し歯やブリッジ、部分入れ歯、インプラントなどの人工歯を入れる必要がでてきます。
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歯のひび割れは無症状のことも! 違和感があれば歯科に相談しよう
歯のひびは自分で気づくことはあまりありません。一見なんともないのに歯茎や歯に痛みや腫れがある、出血している、歯が揺れているといった場合には、必ず歯科を受診するようにしてください。
また、歯にひびが入ると抜歯しかないと勘違いされる方もいますが、状態によって治療方法は異なります。初期で小さいものであれば簡単な処置で済むケースも多いため、できるだけ早めに受診することが大切です。
食べ物は左右均等に噛む、ストレスを溜めすぎない、生活習慣を改善するなどに気を付けることで、歯への悪影響は減少できます。口内状態は全身の健康の要でもあるため、普段から歯に対して意識を持つようにしてくださいね。