鼻呼吸と口呼吸の違いとは? 口呼吸のデメリット7つを紹介
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呼吸は人が生きるうえで必要不可欠なもの。本来呼吸をする器官は「鼻」ですが、さまざまな事情から口で呼吸してしまう人がいます。しかし口は呼吸をするための専門部位ではないため、口呼吸にはさまざまなデメリットが発生するのです。
ここでは鼻呼吸と口呼吸の違い、口呼吸のデメリットや鼻呼吸へ戻す対応策などを紹介します。現在口呼吸で悩んでいるという方は、参考にしてください。
口呼吸はリスクが高い! できるだけ鼻呼吸を意識しよう
人から口呼吸を指摘されたことがある方は、注意しなければなりません。自覚なく口呼吸をしているとさまざまなリスクにさらされるからです。
そのため、口で呼吸しているなと気づいたら鼻呼吸に戻すべく努力してみましょう。口を閉じ、少々呼吸が苦しくても鼻呼吸をして鼻の機能を活性化させることが必要です。
どの部位・器官でもそうですが、使われないところは筋肉が衰え正しく役割を果たせません。
怪我や病気によって鼻が使えないという方以外は、できるだけ意識して鼻で呼吸をしましょう。そして鼻などに何らかの問題があって口呼吸になっている場合には、専門の病院を受診して改善できるようにしてみてくださいね。
鼻呼吸と口呼吸の違いとは? 本来呼吸は鼻でするもの
では鼻呼吸と口呼吸の違いは何があるでしょうか?
呼吸は本来、鼻でするものです。鼻で呼吸をすると鼻毛や粘膜、粘膜にある線毛によって、空気中の汚れを取り除きます。たとえば空気中に混ざっているごみやほこり、花粉、ウイルス、菌などが体内へ入らないようにするのですね。
鼻毛や鼻の粘膜に生えている線毛によってこれら有害な物質は集められ、たんとして外へ排出したり飲み込んで胃液によって溶かしたりします。この働きによって、奇麗な空気を肺へ送っているのです。
また空気が一度鼻腔を通ることにより外からの冷たい空気は温められ、湿度を含んだ空気になって体内を循環。肺が乾燥しないので、臓器の役割をスムーズに実行できます。
動物は本来、呼吸は鼻でしかしません。犬や猫といった動物も、基本的には鼻でしか呼吸ができないのです。しかし人は進化の過程で、声を出すために喉のところで気道と食道がつながってしまいました。そのため、鼻だけでなく口からも呼吸ができるようになったのです。
たとえば運動時など、体内に大量の酸素を取り入れる必要があるときには口呼吸が便利です。しかし安静にしているときにも口で呼吸をしているのであれば、これは病的な状態であると判断されます。
そこで口で呼吸をしている状態を口呼吸と呼んで鼻呼吸とは区別し、口呼吸によるデメリット改善のために対応することが重要です。
口呼吸のデメリット7つ
では、口呼吸をすることによるデメリット、以下7つを紹介します。
- ・呼吸器系の病気のリスクが上がる
- ・歯の着色を起こしやすい
- ・口内トラブルを起こしやすい
- ・歯並びが悪化する
- ・顔つきが老けやすい
- ・集中力が低下する
- ・アレルギー性病気のリスクが上がる
呼吸器系の病気のリスクが上がる
口呼吸をすると鼻の粘膜のように加湿することがなく、冷えて乾燥したままで気道へと送られます。乾燥した空気が通り、口内や喉が乾燥。その結果、口内トラブルや喉の炎症など呼吸器系の病気を起こしやすくなります。
歯の着色を起こしやすい
鼻呼吸ができていれば閉じている口も、口呼吸をしていると開きっぱなしです。これは唇が前歯の表面をこする機会が少ないということでもあります。
実は唇が歯の表面に触れることは、着色を軽減するために重要です。つまり口呼吸をしていると唇が前歯に触れず、歯の着色を起こしやすくなります。
口内トラブルを起こしやすい
口内は唾液によって常に湿った状態になっていますが、口呼吸をすることで乾燥してしまいます。口内が乾燥すると、元気になるのはさまざまな細菌。人の口内には数億以上の細菌がいますが、それらが唾液による殺菌効果が減るために活動を活発化させてしまいます。
その結果、虫歯や歯周病といった歯や歯周辺のトラブルが起こりやすくなるのですね。乾燥による口内への影響はとても大きく、虫歯や歯周病だけでなく歯ぐきの炎症や口内炎なども引き起こしてしまいます。
歯並びが悪化する
口呼吸を続けていると歯並びも悪化します。歯並びは、舌が内側から歯を押す力と、頬や唇などが外側から歯を押す力のバランスによって成り立っています。
しかし口呼吸をしていれば、唇が外側から中へと押す力が不足。前歯が出てきやすくなるのです。
顔つきが老けやすい
口呼吸をしていると口元の筋肉はゆるみがちです。鼻呼吸をしている人に比べ、顔や口元の筋肉がたるみ老け顔に見られます。
口をぽかんと開けた顔のままでいるため、ぼーっとしていると思われることも多いでしょう。
集中力が低下する
物事に集中しているとき、人は奥歯などを噛みしめてストレスを発散させています。ところが口呼吸の人はそれができないうえ、口が空いているので乾燥して喉が渇きます。喉の渇きが刺激となって集中力が低下、物事の進みが悪く、さらにストレスが蓄積してしまいます。
アレルギー性病気のリスクが上がる
鼻呼吸では空気中に含まれるアレルゲンを除去できます。
これは鼻の奥にある扁桃リンパ組織という免疫系組織による役割で、病原微生物を排除するからです。しかし口で呼吸をするとここを通らず、病原微生物はそのまま体内へ侵入します。
また口呼吸によって扁桃リンパ組織へ空気が逆流すると、組織の機能が低下します。すると免疫系に異常が生じるため、アトピーなどのアレルギー性疾患リスクが高くなるのです。
口呼吸から鼻呼吸へするためにできること
現在口呼吸をしている人が鼻呼吸に戻すためにできることは、次の4つがあります。
- ・病院を受診する
- ・唇テープなどを利用する
- ・マウスピースを使う
- ・拡大床をする
病院を受診する
鼻炎などを患っていて鼻呼吸が困難である人は、耳鼻咽喉科で治療を受けましょう。アレルギー性鼻炎や蓄膿症などであれば、自力では鼻呼吸ができません。炎症を抑えて鼻腔を開けることが大切です。
また、虫歯が悪化して副鼻腔炎を発生している人もいます。上の歯は鼻腔に近く、炎症が影響しやすい状態です。その場合には歯科を受診し、虫歯の治療をしなければなりません。
唇テーブなどを利用する
鼻の機能的には問題がなくても季節性鼻炎などが原因で無意識に口呼吸をしているという場合には、市販の製品を試してみましょう。
たとえば唇テープです。これは就寝時、唇が開かないようにとめておくテープで、物理的に口を閉じさせ鼻呼吸へ誘導する方法です。
マウスピースを使う
睡眠時無呼吸症候群である人は、睡眠時無呼吸症候群治療用のマウスピースを作りましょう。寝ている間に上下の歯をマウスピースで固定し、口が大きく開かないようにします。
マウスピースに厚みがあるため唇は少々開くのですが、この隙間を少しずつ小さくし、鼻呼吸の割合を大きくするのが目的の1つです。
マウスピースは歯科で作成できますよ。
拡大床をする
子供が口呼吸をしている場合、小学生までの小さな子であれば上顎を広げることで鼻腔を大きくする方法があります。上顎と鼻腔は繋がっているため、上顎に矯正装置をつけて拡大することで鼻の通りをよくします。
矯正の過程で鼻腔を広げる方法のため、歯科に相談してください。
口呼吸はデメリットが多い! 必要なら受診して鼻呼吸へ戻そう
口を使って呼吸すると、有害物質が体内に直接入るうえ、口内や喉が乾燥してさまざまなデメリットを生み出します。口は本来、栄養を摂取するための器官であり、呼吸をするための部位ではありません。
鼻炎など何らかの病気がある場合には専門機関を受診し、改善していきましょう。口呼吸ではなく鼻呼吸ができるようになれば、全身によい影響を与えるようになりますよ。
また無意識に口呼吸をしているという方は、意識して鼻を使うことが大切です。最初は少し苦しくても、使っているうちに筋肉が刺激され楽になってくるはず。意識して鼻呼吸をしてくださいね。