親知らずの抜歯から完治までは5つのことに気を付けよう
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抜歯は誰にとっても怖いもの。特に大きな穴が開く親知らずの抜歯は、抜いたあとのことを考えて不安になってしまう方も多いのではないでしょうか。
他の歯を抜いたあとは、噛む機能を回復させるため、差し歯や入れ歯、インプラントなどが入ります。しかし親知らずは抜いたらそれで終わり。穴はどのくらいで塞がれるのか、気になりますよね。
ここでは親知らずの抜歯後、完治までにかかる流れや時間、注意すべきことなどについて紹介します。
親知らずの完治までは約1カ月から半年! 焦らず慎重にケアしよう
親知らずを抜歯すると、完治までには時間がかかります。人や抜歯の状態によっても違いますが、早ければ1カ月半、遅ければ半年程度です。
その間も当然食事はしますし、日々の歯磨きなどもありますよね。穴がふさがれていない状態での食事や歯磨きなどを心配するのは当然です。
結論としては、焦っても仕方ないので、注意事項を守りながら慎重にケアしていくしかありません。
問題があれば担当の歯科医にすぐ相談すると決めて、ゆっくりと傷を治していきましょう。
そもそもなぜ親知らずを抜歯する必要があるのかについては、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】親知らずを抜くべきかどうかのケース別紹介についての記事はこちら
親知らずは抜くべき? 抜いた方がよいケースと抜かない方がよいケースを紹介
親知らず抜歯の治療から完治までの流れ
では、親知らずの抜歯が決まってから治療を開始し、完治するまでの流れについてみていきましょう。
- ・治療開始前
- ・抜歯後当日
- ・抜歯後約4日
- ・抜歯後約1週間
- ・抜歯後約1カ月
- ・抜歯後約3カ月
治療開始
どの歯であっても、抜歯には痛みが伴います。抜歯そのものは麻酔をかけるため痛みは感じませんが、麻酔が切れたあとに強く痛む方もいるのですね。
その痛みをより少なくするため、抜歯前には以下2つのことに気を付けておきましょう。
【口の中を清潔にする】
人の口内には常時億を超える細菌がいます。この細菌が抜歯の傷口に入り込んで炎症を起こさないように、あらかじめ少しでも数を減らしておくことが大切です。
術後の腫れを減らすために、歯磨きはしっかりしておきましょう。歯ブラシで磨いたあとはデンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュを使ってより丁寧にケアしてくださいね。
歯磨きをしっかりすれば、歯茎に適度な刺激が与えられて歯茎が引き締まります。傷の治りが早くなりますよ。
【寝不足は解消しておく】
寝不足になると人は抵抗力・免疫力が低下します。そうすると傷口から入った細菌との戦いに負け、術後の腫れが酷くなるかもしれません。
抜歯前には疲れを残していないように、しっかり睡眠を取っておきましょう。
抜歯後当日
麻酔をかけて抜歯します。
抜歯すると、歯茎にできた穴は血液で充満します。血液には傷ついた組織を修復する材料がたくさん入っており、細菌感染を防ぐ役割も持っています。
抜歯後約1時間で作られるのが血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊。これがかさぶたの役割を果たします。
ただし、血餅はあくまでも少し固まりかけた血液。そのため穴を清潔にしようとうがいなどをすると、簡単に取れてしまいます。術後は気になっても口を強くゆすがないようにしましょう。
抜歯後約4日
術後3〜4日程度で、穴の周辺の歯茎から再生が始まります。
しかしまだ穴はふさがっていないため、気になるからと舌や歯ブラシで触らないようにしましょう。
抜歯後約1週間
1週間経つと、血栓(血で穴をふさいでいた)が肉芽組織(にくげそしき)へと変化。肉芽組織は血餅よりも丈夫なもので、簡単には取れない「蓋」です。
肉芽組織ができるまでの1週間は、傷口をできるだけ刺激しないように安静に過ごしましょう。
抜歯後約1カ月
1カ月経つと、肉芽組織が変化して骨へと変わり出します。こうなると歯茎が硬い骨で覆われ、食事のときの食べかすが穴に詰まることもなくなるでしょう。
ただし、この時点ではまだ「穴が開いている感覚」があるという方もたくさんいます。
抜歯後約3カ月
抜歯後3カ月が経つと、骨や歯茎が完全に回復し、穴は埋まります。
進行した歯周病がない方であれば、緩やかな起伏を持つ歯茎になっているはずです。
親知らずが難症例の場合は役半年かかる
親知らずが斜めに生えておらず、歯周病や虫歯などのトラブルもない人であれば、歯茎の切開を行わないため約1カ月で完治します。
しかし親知らずは多くの場合、斜めに生えたり埋没していたり、歯周病・虫歯などのトラブルを起こしているもの。その場合には、人によって完治は約3カ月から半年程度かかるのですね。
特に進行した歯周病にかかっている方であれば、歯周ポケットは相当深くなっているはず。歯を支えている骨も溶けてしまっている恐れがあり、回復には相当な時間がかかります。
ただ単純な抜歯が難しい方は、歯茎を切開したり骨を削ったりするケースも。穴が大きいため、回復までの時間とともに治療費もかかります。
親知らず抜歯後に守るべきこと5つ
抜歯が完了してから完治までの間には、本人が気を付けて守るべきことがあります。
- ・抜歯当日と服薬中は禁酒する
- ・激しい運動とお風呂は2~3日控える
- ・抜歯後1週間は禁煙
- ・歯ブラシや舌で患部に触らない
- ・うがいを控える
- ・硬いものや刺激物は食べない
抜歯当日と服薬中は禁酒する
抜歯当日と服薬中は、お酒を控えましょう。
お酒を飲むと血流が良くなるため出血がひどくなります。
また、痛み止めはアルコールとの併用は厳禁。人によっては蕁麻疹がでるなどの強い反応があるので、お酒は飲まないようにしてください。
激しい運動とお風呂は2~3日控える
激しい運動や入浴でも血液の循環が良くなります。その結果、血が止まりにくくなるうえ、痛みも増してしまうでしょう。
術後2、3日はあまり活発な活動はせず、安静にしてお過ごしください。
抜歯当日の入浴は禁止。2日程度はシャワーで済ませましょう。
抜歯後1週間は禁煙
歯茎が回復するためには血液が必要です。しかしタバコを吸うと、血管が収縮するため完治が悪くなってしまいます。
1週間程度はできるだけ節煙、禁煙するようにしてください。
歯ブラシや舌で患部に触らない
穴が気になってしまうのは仕方ないのですが、歯ブラシや舌で患部に触らないようにしましょう。
抜歯後に縫う場合は、糸でゆるく縫うのが一般的です。歯ブラシや舌が糸に触れると取れてしまい、完治が遅くなるので気を付けましょう。
うがいを控える
患部が気になってついついうがいをしたくなりますが、前述したように、かさぶた代わりの血餅はすぐに取れてしまいます。
強くうがいをしないようにしましょう。
硬いものや刺激物は食べない
しっかり噛まないと食べられないものや香辛料をたくさん使った料理などは、傷口の刺激になります。できる限り避けましょう。
目安は約1週間。それ以降は丈夫な蓋ができているため、気にせずに食事ができるはずです。
親知らずの抜歯をすすめる理由3つ
本来なら歯はできるだけ抜けないようにするのですが、親知らずだけは別。その代表的な理由は3つあります。
- ・トラブルが起きやすいから
- ・歯並びに悪影響があるから
- ・顎の骨折原因になり得るから
トラブルが起きやすいから
親知らずは一番奥に生えてくる歯。それまでなかった存在のため歯ブラシで磨くことを忘れやすく、また、真っ直ぐに生えることが少ないためきちんと清掃できません。
その結果、虫歯や歯周病などのトラブルが起きやすくなります。
歯周病が悪化すれば骨が溶けるため、周辺の歯にも影響が大きいもの。また歯周病や虫歯になると、きつい口臭が発生します。
歯並びに悪影響があるから
親知らずは上下ともにまっすぐ生えてくるわけではありません。生える時期も違います。
そのため、噛み合わせが変化してしまう恐れがあるのですね。
上下でかみ合わせる歯がない場合、歯はだんだんと伸び、歯肉を傷付けたりアゴの運動に悪影響を及ぼしたりします。
顎の骨折原因になり得るから
親知らずが深く根を張っている場合、外から強い力が加わると、アゴが骨折する恐れがあります。
親知らず抜歯の完治には時間が必要と知っておこう
親知らずを抜歯すると、完治までは大体3カ月程度かかります。人によって違いますが、多くの場合は何らかのトラブルが発生して抜歯となるため、完治までに時間がかかると覚えておいてくださいね。
毎日のケアで口の中を観察しましょう。
何のトラブルもない場合、抜歯せず経過観察となることもあります。親知らずが生えてきたなとわかったら、歯科で相談することがおすすめですよ。