寝る時のマウスピースって? 効果・メリットとデメリット・作り方などを紹介
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朝起きた時に顎が疲れている、ちょっと集中したあとに歯が痛い、虫歯ではないのに歯が痛む…。そんな時には「歯ぎしり・食いしばり」を疑いましょう。
歯ぎしりや食いしばりは、放置していると歯が欠けたり顎の病気になったりと影響が大きい動作です。有効とされているのは、寝てる間に口にはめるマウスピース。
ここでは寝る時のマウスピースが有効な理由、マウスピースのメリットとデメリット、種類や費用について紹介していきます。
寝る時にはマウスピースが効果的! 歯や顎を保護しよう
歯ぎしりや食いしばりをする方は、寝る時にはマウスピースをはめると症状が軽減されます。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスなどが原因で強く歯と歯をすり合わせたり噛み合わせたりすること。非常に強い力が歯や顎にかかるため、さまざまな不快症状を引き起こします。
ストレスや噛み合わせの悪さなど根本的な原因に対応するのはもちろんのこと、まずは強い力から歯や顎を守らなくてはなりません。そこで活躍するのがマウスピース。特に意識がない寝ている間の歯ぎしりや食いしばりから自分を守るため、早めに手に入れて装着しましょう。
マウスピースやナイトガードとは?種類は6つ
ではまず、マウスピースやナイトガードと呼ばれる製品について説明します。
マウスピースやナイトガードは一般的には同じもので、口の中に装着して歯や舌、顎などを守ります。形状は似ていても柔らかいものや硬いものがあり、効果は種類によって大きく違います。
種類は以下の6つ。それぞれの症状に合わせて使用します。
- ・ナイトガード・・・睡眠時に使用する歯ぎしり対策
- ・顎(がく)関節スプリント・・・顎関節症などを持つ方むけ
- ・スリープスプリント・・・いびきの軽減のために使用
- ・スポーツマウスピース・・・スポーツ時の顎部保護のために使用
- ・矯正用マウスピース・・・歯科矯正で使用
- ・保定用マウスピース・・・矯正終了後に後戻り防止で使用
このうち、今回説明する「寝る時に使用して歯ぎしりから口内を守る」タイプはナイトガード。同じく睡眠時に装着するマウスピースには顎関節スプリントやスリープスプリントがありますが、目的も効果も違う製品です。
症状に合わせたマウスピースをはめないと、逆に症状を悪化させてしまうこともあります。マウスピースをはめたら顎や歯の痛みがひどくなったという方は、そもそも目的が違うマウスピースをしている可能性が大。すみやかに担当の歯科医に相談しましょう。
寝る時にマウスピースが良いワケは? 4つのメリット・3つのデメリット
続いてマウスピースをつけると効果的な理由、メリットとデメリットについて見ていきましょう。
歯ぎしりや食いしばりは歯同士をこすり合わせたり噛みしめたりする行為。歯と歯がくっつく時に強い力が生まれるため問題が起きます。
マウスピースは歯と歯の間に挟まれ、歯同士が直接影響しないようにできる製品。物理的に歯ぎしりや食いしばりの邪魔をして、不快な諸症状が起きないようにします。
メリットは4つ、デメリットは3つです。次から説明をしていきますね。
【関連記事】睡眠時の歯ぎしりについての記事はこちら
睡眠中の歯ぎしりは健康リスク大! すぐに取り組みたい歯ぎしり対策3選
マウスピースのメリット4つ
マウスピースを寝る時にはめるメリットは、以下の4つです。
- ・歯のすり減り防止
- ・歯ぎしりの力を分散
- ・歯の位置の改善
- ・顎関節を負担から守る
1、歯のすり減り防止
マウスピースを歯にはめることで、歯ぎしりや食いしばりによる歯のすり減りを防止します。
歯ぎしりや食いしばりで歯にかかる負荷は自分の体重の2~5倍と言われています。凄まじい力が歯にかかるので、毎日繰り返されると歯は段々削れ、欠けていきます。
しかしマウスピースをしていれば、本来なら歯が削れていくところを身代わりになってくれます。
マウスピースが少しずつ削れていくことが確認できれば、歯ぎしりや食いしばりの自覚がない方でも治療をしようと考えが変えるはずです。
2、歯ぎしりの力を分散
歯ぎしりはどうしても食いしばりやすい奥歯に集中しますが、マウスピースをはめるとその力を歯列全体に分散できます。
1本の歯にかかる負担を和らげることができるため、歯が折れたり欠けたりする可能性が減ります。虫歯治療の詰め物なども歯ぎしりが原因で欠けたり取れたりするので、その防止にも役立ちますよ。
3、歯の位置の改善
歯ぎしりや食いしばりの原因の1つには、噛み合わせの不具合があります。噛み合わせが良くないと、食事がしにくいというだけでなく全身の歪みにまでつながってしまいます。歪みが悪化すれば顎の不調や頭痛、肩こりなどつらい症状が次々とでてくるため、矯正をすすめられます。
マウスピースはその人が持つ本来の噛み合わせになるように調節が可能。毎日睡眠時につけると長時間矯正していることと同様になり、噛み合わせの微妙なズレを正せます。
4、顎関節を負担から守る
強い力で噛みしめると悪影響があるのは、歯と歯茎だけでなく顎も同様です。噛みしめている時は顎にも力が入っている状態。そのまま過ごしていると、顎の筋肉が緊張しっぱなしとなるため顎関節に圧力がかかり歪んできます。
その結果、口が思うように開けられなくなったり、口の開閉時に痛みがでたり「ガッコン」といった大きな音がなるようになります。
マウスピースのデメリット3つ
デメリットは以下の3つです。
- ・装着時の違和感
- ・朝の顎の痛みや音のひどさ
- ・コストがかかる
1、装着時の違和感
マウスピースの装着時には違和感がある方が多いです。さらに寝る時につけるため、口の中の違和感から眠りにくくなったという方もいます。
人間は慣れる生き物ですから使用していくうちにマウスピースの感覚にも慣れてきますが、最初はつらいと感じるかもしれません。
2、朝の顎の痛みや音のひどさ
今までの歯ぎしりや食いしばりによって噛み合わせが微妙にズレている方は、普段とは違う位置で歯がマウスピースによって固定されます。そのため、起床時に顎などに痛みやだるさを感じることがあります。
すでに顎関節症を起こしている方は、正しい噛み合わせの位置で歯を固定されることで顎に違和感が出やすいです。その結果、目覚めたときに無意識に顎の位置を戻そうとして大きな音をたてることも。音や痛みに驚いてマウスピースを使わなくなってしまう方もいます。
対処法としては、寝る前や起床時に顎関節あたりをマッサージする、歯科に相談してマウスピースの高さを調節してもらうなどがあります。
3、コストがかかる
マウスピースは治療に使うので、健康保険が使えます。とはいえオーダーメイドになるため費用は高めで、1つ4,000~5,000程度。
さらに人によって耐用年数は違いますが、早い方だと1年程度でマウスピースに穴が開いたり割れてしまったりします。その度に作り直す必要があるので、人によってはコストがかかってしまいます。
一般的な耐用年数は2~3年。まだ割れていない場合でも、3年たてばかなり削れて噛み合わせにも影響がでてきます。作り直しを検討してください。
マウスピースは歯科で作ろう!
マウスピースは市販のものと歯科で作るオーダーメイドのものがあります。
おすすめなのは歯科で作るオーダーメイド。なぜなら、市販のマウスピースは万人用に作られた柔らかいもので自分の歯にぴったりと合わず、利用した結果症状が悪化する可能性が高いからです。
症状が悪化すれば、結局その商品は無駄になります。歯科での治療が必要となるため、最初からきちんと自分用に設計されたマウスピースを作りましょう。
歯科でのマウスピースの作り方は以下の通り。
- ①型取りをする
- ②機械で樹脂の圧接をする
- ③余分な部分を切り取る
- ④本人の口にはめて状態確認、微調整を行う
用途によって硬いものから柔らかいものまであり、歯科医が目的に沿ったものを作ります。オーダーメイドであれば少々コストはかかりますが、後々症状を悪化させないためにも歯科で作ってもらいましょう。
寝る時にマウスピースをはめて歯や顎の負担を軽減!
歯ぎしりや食いしばりが原因で出るつらい諸症状に悩んでいる方は、歯科に相談してマウスピースを作ってもらいましょう。自分の歯型にぴったり合ったマウスピースをはめて寝ると、睡眠中の強烈な歯ぎしりや食いしばりから歯や歯茎・顎周辺を守れます。
最初は違和感も強くほどほどにコストがかかりますが、違和感には割とすぐに慣れるはず。マウスピースをつけると寝ている間に微妙な噛み合わせのズレも矯正でき、口全体を大きな力から守ってくれます。デメリットよりもメリットの方が大きいため、マウスピースがおすすめです。