睡眠中の歯ぎしりは健康リスク大! すぐに取り組みたい歯ぎしり対策3選
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
- 手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
- ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
自分が歯ぎしりをしているかどうかは、なかなか気づきにくいですよね。多くは家族や恋人、友人からの指摘、歯医者さんの定期健診で気づきます。
しかし、たかが歯ぎしりと考えてはいけません。睡眠中の歯ぎしりは大きな健康リスクを抱えているからです。
- ・歯ぎしりはなぜ悪いの?
- ・どうして睡眠中に歯ぎしりをするの?
- ・自分で出来るケアはある?
そんな悩みを持つ方のために、ここでは睡眠中の歯ぎしりについて紹介していきます。歯ぎしりの種類、引き起こされる健康リスク、そして原因と対策です。周囲の方の安眠、そして自分の健康のためにも、できることをやっていきましょう。
睡眠中の歯ぎしりはすぐに対策を!さまざまな健康リスクがある
寝ている間の歯ぎしりは、多くの健康被害を引き起こしてしまいます。さらに寝室を同じくしている配偶者や家族の安眠を邪魔するため、家族の健康にも影響が出てくることも。そのため、歯ぎしりをしていると気づいたらできるだけ早く対策を取ることが大切です。
自分と周囲の健康を守るため、セルフケアとともに歯医者さんのサポートも受けましょう。
睡眠中の歯ぎしり・主な種類とは?
歯ぎしりは「ギリギリと音を立てる」ものだけではありません。以下3つの種類は、いずれも「歯ぎしり」と呼ばれるものです。
- ・歯のこすり合わせ
- ・歯の噛みしめ
- ・歯を鳴らす
歯をこすり合わせることを「グラインディング」、歯を噛みしめることを「クレンチング」、歯を鳴らすことを「タッピング」と呼び、全部をまとめて「ブラキシズム」と呼びます。ブラキシズムは睡眠中に発生する「病気」ですので、歯ぎしりも病気の一種として捉えてください。
2つ目の「噛みしめ」は「食いしばり」とも呼ばれますね。音が鳴らないため家族も気付きにくく、アゴが痛くなってから歯科検診などで発見されるケースが多いです。
どんな症状があれば睡眠中の歯ぎしりが疑われる?
以下が、歯ぎしりをしているかもと思われる兆候です。
- ・朝目覚めるとアゴが疲れている
- ・首や肩周辺に凝りや痛みを感じることがある
- ・あまり寝たという感じがしない
- ・歯がすり減っていると感じる
1つでも思い当る節があれば、歯科を受診して歯の状態を見てもらいましょう。
子供が歯ぎしりをしている!これは大丈夫?
大人と違い、子供の歯ぎしりは一概には病気とは言えません。たとえば、乳歯が生えるときにする歯ぎしりは、歯やアゴの位置調整やアゴの筋肉を鍛えるために行っています。
また、乳歯から永久歯に生え変わるときに歯ぎしりをしますが、これも成長の過程で生じる自然な行為。あまり心配することはありません。ただし、歯ぎしりが原因で歯が欠ける、歯並びが悪くなることはあるため、定期的に歯科検診は受けさせましょう。
睡眠中に歯ぎしりをするとどんな健康リスクがある?
歯ぎしりで、今日明日にでも体に大変な悪影響があるわけではありません。しかし強い力でギリギリと上下の歯をこすりつけたりするわけですから、当然歯の表面がすり減ったり欠けてしまったりする可能性は高いですよね。
さらに歯ぎしりを軽視したがために長期間放置すると、歯のすり減りや欠損などの他に次の4つのような健康被害が起こってしまいます。
- ・詰め物の破損・欠損
- ・顎(がく)関節症
- ・歯周病
- ・肩や首の痛み
詰め物の破損・欠損
睡眠中の歯ぎしりは、治療済みの歯にある詰め物なども欠ける原因となります。詰め物が欠けると噛み合わせにも影響がありますし、細菌歯の中へ侵入しないように治療のやり直しになります。
顎関節症
歯を強い力で擦り合わせたり噛みしめたりするため、アゴにも強い力がかかります。その結果、アゴの病気「顎関節症」を発症することも。顎関節症は口をあけにくくなったり、アゴの関節がカクカクと音を立てたり、痛みがあったりする病気です。ひどくなると少しでも口を開けると痛みが出て、食事もできなくなってしまいます。
歯周病
歯ぎしりを繰り返すうちに歯が弱り、歯の周辺に隙間ができて歯周病菌が増殖しやすくなります。歯周病は歯を失うリスクを高める他、心臓など循環器系の病気になるリスクまで高まる怖い病気です。
肩や首の痛み
睡眠中に歯ぎしりをしていると、継続して首や肩にも強い力がかかっています。寝ている間に首や肩周辺の筋肉が緊張して硬くなると、朝起きたときには疲れを感じ、肩や首に痛みが出てくるでしょう。噛みしめ、食いしばりをしている場合は、起きたらアゴが疲れて喋ることができなかったという方も珍しくありません。
睡眠中に歯ぎしりが起こる原因4つ
歯ぎしりの原因を見ていきましょう。少し前までは、歯並びが悪いと歯ぎしりをすると考えられていました。しかし現在は、歯並びが直接歯ぎしりの原因にはならないと分かっています。そして今、歯ぎしりの原因だろうと考えられているのは、以下の4つです。
- ・ストレス
- ・飲酒や喫煙
- ・逆流性食道炎
- ・睡眠時無呼吸症候群
原因①ストレス
ストレスは生きていくためにはある程度は必要です。誰でもストレスを感じたら奥歯を噛みしめて解消することがあるため、歯ぎしりがまったくない人の方が稀でしょう。しかし、とても強い力をこめて慢性的に歯ぎしりをしていれば問題です。
原因②飲酒や喫煙
飲酒や喫煙が歯ぎしりにどう影響するのかは、まだ解明されていません。しかし大量に飲酒・喫煙をする人に、歯ぎしりがよく見られます。恐らく飲酒や喫煙によって睡眠の質が低下するからではないでしょうか。
原因③逆流性食道炎のため
ここ最近、歯ぎしりの原因に逆流性食道炎が指摘されています。逆流性食道炎は、寝ころんだときなどに胃液が食道に逆流して胸やけなどを起こす病気。これにかかっている患者さんの多くは、歯ぎしりや食いしばりをします。さらに、逆流性食道炎の治療薬を飲むと歯ぎしりや食いしばりが減ったという結果が出ていますので、何等かの関連があるのでしょう。
原因④睡眠時無呼吸症候群のため
歯ぎしりが睡眠時無呼吸症候群と関係していることも指摘されています。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に複数回一時的に呼吸が止まる症状で、心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。歯ぎしりとの明確な因果関係はわかっていませんが、歯ぎしりのあとに無呼吸状態になるケースが多いそうです。
睡眠中の歯ぎしり対策3選!
では、以下3つの対策を見ていきましょう。
- ・マウスピースをつける
- ・ストレスを上手に発散する
- ・眠りの質を向上させる
マウスピースをつける
ラグビーなどの激しいスポーツをする選手は、試合中に口の中を守るためにマウスピースをしていますよね。歯ぎしりがひどい方も、マウスピースをはめて歯やアゴ、首、肩などに強い力がかかるのを阻止します。
マウスピースは歯医者で作ってもらえます。自分の歯型を取ってオーダーメイドのものを作ってもらいましょう。
マウスピースにも種類がある
マウスピースはさまざまな種類があり、大きくわけると3つ。スポーツ用、ソフトタイプ、ハードタイプです。
歯ぎしりや食いしばりには、スポーツ用マウスピースは適しません。スポーツタイプをナイトガード(夜のマウスピース)として使うことはやめましょう。
ソフトタイプは、軽度の歯ぎしりに対応しています。しかし、持続的な歯ぎしりや強い食いしばりには耐久性が足りません。下手をするとマウスピース事体がストレスとなり、食いしばる力が余計強くなって症状が悪化してしまう可能性があります。
慢性的な歯ぎしりやかなり強い食いしばりには、ハードタイプがおすすめです。耐久性が高く、歯の欠損を防いだり食いしばる力を緩めたりします。
市販のマウスピースの危険性
通信販売やドラッグストアなどでもマウスピースは販売しています。しかし自分の歯型にあわせたものではないため、噛み合わせを正しく調整できず逆効果になる可能性が高いです。アゴの痛みを取ろうとしたのに逆に悪化させケガに繋がるケースが多いので、おすすめしません。
ストレスを上手に発散する
何と言っても過大なストレスは万病のもとです。歌う、日記に書く、体を動かすなどいろんなことを試し、ストレスは溜めずに発散させることを心がけましょう。簡単なことで構いません。晴れた日に裸足で土や草の上を歩くだけでも気分転換になり、ストレスは軽減しますよ。
生活習慣を整えることも、ストレスが蓄積しないコツ。睡眠時間はしっかりと取り、3食できるだけ決まった時間に摂るようにしてください。短時間でも歩いて体を動かしてくださいね。
眠りの質を向上させる
眠りの質が良いと、体はしっかりと回復して心身ともに元気になります。当然、歯ぎしりも軽減するでしょう。
眠る2時間前にはスマートフォンなどを見るのをやめる、軽くストレッチをして血流を良くする、お風呂に入って緊張をほぐす、好きな香りを漂わせてみるなど、眠りの質を良くするようにしてみましょう。
できることから始めよう! 睡眠中の歯ぎしり対策!
歯ぎしりは、自分の健康だけでなく周囲の人の安眠も妨害してしまいます。朝起きたときにアゴや首、肩などに痛みを感じたり、歯科検診などで歯のすり減りが指摘されたりしたら、歯ぎしりをしているサイン。
できる歯ぎしり対策をしていきましょう。将来の健康に大きく影響しますよ。わからないことがある場合は、ぜひ担当の歯科に相談してみてくださいね。