歯の表面に黒い点を見つけたら? 黒い点の原因・見分け方・治療法を確認!
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ある日鏡をのぞいたら、歯に黒い点を発見した!
そのようなとき、多くの人は「虫歯になった」と考えます。
ところが、歯の表面に黒い点があっても虫歯とは限りません。
ここでは歯の表面にでてくる黒い点について紹介します。気になる原因が何かわかれば、焦って対処を間違うこともありませんよね。
見分け方や歯科での治療法なども説明するので、参考にしてください。
歯の表面にある黒い点は虫歯とは限らない! 慌てず対応しよう
自分の歯の表面に黒い点を発見したら、慌ててしまう人は多いでしょう。この黒い点、現在痛みがないとしても虫歯の可能性がありますが、それ以外にも着色や歯石というケースがあります。
虫歯であれば、できるだけ早く歯科へいき治療を受けてください。着色や歯石も歯科で対処できます。しかし歯科での治療以外にも日常生活で対応すべきこともありますよね。
虫歯・着色・歯石のすべては、毎日の歯ブラシなど口内ケアをしっかりと行えば防げる現象です。
これからも黒い点が見つかるたびに人目につくと恥ずかしい思いをしたり、虫歯になってしまったと焦ったりしないで済むように、一度毎日の口内ケアを見直してみましょう。
歯に黒い点を発見! 考えられる3つの正体
既に述べましたが、歯の表面にできる黒い点の正体は次の3つが考えられます。
- ・虫歯
- ・着色
- ・歯石
歯の黒点①虫歯
虫歯は口のトラブルでとても多い病気。口の中にいる虫歯菌によって歯が溶かされ削られ、歯の表面に黒い穴が開きます。
黒い点があっても痛みがない場合、初期の虫歯かもしれません。初期虫歯であれば、黒い点がよく発見されるのは奥歯の噛み合わせの部分か歯茎の境目あたり。痛みなどの自覚症状はまだないため、自分で気づくことはまれでしょう。
もしも黒い点が見えるうえに痛みもある場合、歯の中で虫歯が広がっている可能性があります。表面上は点であっても歯の中で虫歯が大きく進行している恐れがあるため、歯科でレントゲンを撮って歯の中を確認しなければなりません。
歯の黒点②着色
歯の表面に飲食物やたばこなどで汚れがつき、色がしみつく現象を着色(ステイン)と呼びます。着色の多くは境目がはっきりしませんが、中には点に見えるものがあるのですね。
歯の表面はザラザラしているため汚れがつくと落ちにくく、飲食物などによって色がついてしまいます。落ちていないところに汚れがさらにつくと色部分が広がっていき、見た目にもよくありません。
着色が原因であれば、黒い点は歯ブラシで磨き残しが多い歯茎と歯の境目あたりに見られます。
歯の黒点③歯石
歯石は歯の汚れに細菌がとりついて増殖し、石のように硬くなったもの。簡単にいえば菌の塊です。これができる際に血がまざると色が変り、黒い点に見える場合があります。
歯茎からの血は歯周病が原因で起こることが多いもの。つまり、歯石が原因で黒い点ができているときには、歯周病が進行していると考えられます。
歯周病は日本の成人で約8割がかかっていると言われる国民病。放置しているといずれ歯を支える骨が溶け、歯が抜け落ちてしまうこわい病気です。よって歯石を取ると同時に歯周病の治療も行わなければなりません。
歯にある黒い点の見分け方や検査方法
歯の表面にできる黒い点の種類についてわかったら、次は見分け方と検査方法を確認しましょう。
虫歯・着色・歯石の見分け方
【虫歯の場合】
虫歯が原因の黒い点であれば、できることが多い場所は歯の噛み合わせ面です。点というより黒っぽい線で見えることもあり、周囲が凹んでいたり穴が開いていたりするなら虫歯と考えてよいでしょう。
見た目は点でも中で大きく進行しているケースがあります。
【着色の場合】
着色が原因の黒い点は、歯の裏側や歯並びの悪いところにできやすくなっています。要するに歯ブラシが届きにくい場所ですね。
特徴としては、ブラッシングをすればある程度奇麗になること、痛み・しみなどがまったくないこと、しばらく放置しても点は広がらないことなど。それらに当てはまるときは着色が疑われます。
【歯石の場合】
歯石は歯についた汚れに細菌がくっついて増殖し、石のように硬くなったもの。この歯石ができる際に歯茎から出血があると、通常は乳白色の歯石が黒く変色します。
歯茎からの出血は、その大半が歯周病が原因です。そのため黒い点が歯石であった場合、歯周病がかなり進行していると判断できます。
歯の根元に黒い点がこびりついていたり歯茎から出血があったりする場合は、歯石が黒くなっていることを疑ってください。
歯科での検査方法
歯科へいけば、黒い点の正体を検査で判断してくれます。レーザー光とレントゲンを使った検査です。
ダイアグノデントというレーザー光の機械を使って虫歯の深さを測り、虫歯であるかそうでないかの判断をします。
そしてレントゲンですね。大きなレントゲンで進行した虫歯や神経の状態を確認し、小さなレントゲンで歯間の虫歯や虫歯から神経までの距離を確認します。
このようにレーザー光やレントゲンを使って総合的に判断しますが、もし黒い点の正体が虫歯だとわかってもすべての歯を削るわけではありません。
歯はできるだけ削らない方がよいため、初期虫歯であれば削らない治療を行っていきます。
黒い点を発見したら歯科へ! それぞれの治療法
黒い点を歯の表面に発見したら、その正体が何であれ歯のトラブルであることは間違いありません。できるだけ早く歯科を受診しましょう。
では、歯科での治療法を紹介します。
虫歯の場合
虫歯であると判断されたら、まずは初期虫歯か進行している虫歯かの判断をレントゲンで行います。
【初期虫歯】
初期虫歯は基本的に削る治療は行いません。虫歯ができる口内環境であることを考慮し、口の中の環境改善を行って歯の強化を目指します。
具体的には、口内掃除と歯へのフッ素塗布。フッ素を塗ることで再石灰化を促します。定期的に歯科を受診するようにして虫歯の変化を見守り、万が一虫歯が悪化するようなら治療段階を進めていきます。
【進行している虫歯】
虫歯が進行している場合、その部分を削って奇麗にし、薬を詰めて被せ物をします。もし神経にまで虫歯が達しているのであれば、根幹治療と呼ばれる神経の治療が必要です。
【関連記事】虫歯の治療についての記事はこちら
虫歯の治療はどうやる? 進行別に治療内容を紹介
着色の場合
着色は歯ブラシでは取り除けないものがあるため、歯科で専用の機械を使って汚れを取り除いていきます。
さらに患者本人が希望すれば、ホワイトニングを施すことも。ホワイトニングは病気の治療ではないので健康保険は使えませんが、魅力的な口元にするために施術を受ける人が年々増えています。
歯科でのホワイトニングはホワイトニング効果がある歯磨き粉を使って行うセルフケアよりも、はっきりと歯を白くして表面をつるつるにします。
種類は2つあり、歯科で受ける「オフィスホワイトニング」と自宅で行う「ホームホワイトニング」です。
ホワイトニングを行えば歯に色がつきにくくなるので、着色を真剣に悩んでいる方は歯科で相談してみてくださいね。
【関連記事】ホワイトニングについての記事はこちら
歯医者で歯を白くする方法は? それぞれのメリット・デメリットや費用相場を紹介
歯石の場合
歯垢が歯石へと進行してしまえば、歯ブラシではもう落とせません。そのため、歯科でスケーラーと呼ばれる専用の器具を使って取り除いていきます。
歯石が黒く変色している場合には歯周病がかなり進行している可能性が大。一度歯茎を切り、中に溜まっている黒い歯石を取る手術を行うこともありますよ。
歯の黒い点は歯のトラブル! 早期対処で問題をなくそう
歯の表面に黒い点を発見したら、できるだけ早く歯科を受診しましょう。正体が虫歯であるとは限りませんが、いずれにしても歯のトラブルが発生しています。着色の場合も歯科での判断を受けると安心ですし、あまりに着色が強い場合はホワイトニングを受けることも可能です。
虫歯は早期治療が大切。歯を失わないためにはできるだけ削らないことが重要なので、早期発見早期治療を目指しましょう。
おすすめしたいのは、歯科の定期健診を受けることです。できれば半年に1回、もっとよいのは3カ月に1回程度の受診。歯科で検診を受けていれば、その分トラブルに早く気づいて対処が可能です。
歯の健康を守ることは全身の健康につながります。ぜひ定期的に検診を受け、口内環境をよくしていきましょう。