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なぜ根管治療には長い時間がかかるの? 通院回数の目安や治療内容も紹介


なぜ根管治療には長い時間がかかるの? 通院回数の目安や治療内容も紹介

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一度でも歯の根の治療を受けたことがある方は、多くの場合、治療時間が長いと考えるようです。これは実際にその通りで、数カ月もの間、歯科に通院しなければならない方もいらっしゃいます。

ではなぜ根管治療には時間がかかるのでしょうか?

本当にそんなに時間が必要なのか、もっと早く終わらせられるのではないか、そう思う方のために、ここでは根管治療に時間がかかる理由を紹介します

必要な治療回数やその条件、どんな治療をしているのかなども紹介しますので、参考にしてください。

治療時間が長めになる根管治療は歯の根の治療

虫歯がすすんで、歯の根まで細菌に感染してしまったときに行うのが根管治療です。歯の根っこ治療のことですね。神経を取り、根っこまで入ってしまった細菌を除去して薬を詰め、歯としての機能を復活させます。

この根管治療は複雑で、とても手間がかかるものです。慎重に細菌除去を行わなければならないため、通常の虫歯治療よりも時間がかかります。治療を受けたその日にすべてが終わるということは、基本的にはありません。そのため、歯科医に「次は歯の根っこの治療をします」と言われた方は、そこから週に1回、通算で3、4回の通院を覚悟しておいてください。

【関連記事】根管治療についての詳細記事はこちら
歯医者で受ける歯の根っこの治療とは? 時間と手間がかかる理由・期間・痛みなどを解説

 

根管治療に必要な期間とは?

保険診療では、1回の治療に割ける時間がおおよそで決まっています。そのため根管治療のような複雑な内容であれば、1回の治療を30分として、全体で3〜6回程度の通院が必要です。

つまり週に1回の治療と考えると、短くても半月、長ければ2カ月近く歯科に通院しなくてはなりません。

ただし、前歯か奥歯かで歯の根の数が変わるうえ、初めての治療か再治療かによってもかかる時間は異なります。一言で根管治療といっても場所や条件によって必要な時間が変わるため、あくまでも目安としての治療期間は約1カ月ほどと考えましょう

では、必要な治療回数ごとの条件を紹介します。

 

治療が3回までの方

根管治療を受ける方の約90%は、1〜3回の治療回数で終了できます。

根管治療の内容と流れは、大雑把にいうと「歯の神経を取って」「消毒して」「お薬を詰めて」「蓋をする」です。歯の神経の管はひとつの歯に1〜4本ずつあり、その工程をすべての管で行うため、管の数が多いほど時間がかかります。

 

治療が4、5回までの方

根管治療を受ける方の7〜8%は4〜5回の治療回数が必要です。

一度根管治療を受けた方でまだ歯に細菌が残っており、それが悪さをした場合には、歯の根の先に膿が溜まることがあります。そのような場合には一度入れた薬を溶かして除去し、消毒のやり直しをしなければなりません。

根管治療は複雑で難しいため、その成功率は80%と言われています。つまり20%の方は再度治療が必要となるため、より時間がかかるのです。

 

治療が6回以上かかる方

根管治療を受ける方の2〜3%は、治療回数が6回以上必要です。

これはかなり虫歯が悪化しているときで、口の中の細菌が歯だけでなく顎の骨まで広がっている場合が該当します。

また他にも、根管が二股や曲線を描いているなど、複雑な形をしている場合には細菌除去と消毒に手間がかかるために時間が必要です。

 

根管治療に長い時間がかかる理由4つ

では、根管治療に時間をかけざるを得ない理由4つをみていきましょう。

  • ・神経の通り道が枝分かれしている
  • ・根っこの通り道がふさがっている
  • ・根管が多く見落とさないようにしている
  • ・根の先端が曲がっている

 

神経の通り道が枝分かれしている

人の歯の根はそれぞれに個体差があります。たとえば神経の通っている管が先で迷路のように枝分かれになっているケースでは、その小さく細い穴をすべてたどって細菌を除去、薬詰めをしなくてはなりません。

ノートサイズに描かれた迷路でも、すべてをなぞるのには時間がかかりますよね。歯の根はさらに小さく細いものなので、すべてをなぞることが難しいことは理解できると思います。

 

根っこの通り道がふさがっている

中には歯の根の通り道がふさがっている方もいます。神経の通り道である管が硬く、ひっついてふさがれてしまっている場合には、治療に時間が必要です。

どうにもならないときには外科処置で対応することもありますが、まずは通り道を奇麗にできるかどうかを試します。

 

根管が多く見落とさないようにしている

人や部位によって根管の数は違うのですが、あまりに細くて人の目では確認できない根管が隠れている場合があります。

たとえば上の奥歯です。今までの歯科では「上の奥歯の根管は3本である」という知識が一般的でした。しかし、最近の研究で実はもう1本根管があるということが明らかになってきたのです。

その根管に細菌が残っており、それが原因で再治療になっていたケースが多かったのですね。今はCT撮影やマイクロスコープを使うことによって明らかになっているため見落としは減っていますが、取り残しがないように何度も確認するため、治療時間は長くなります。

 

根の先端が曲がっている

また、稀にですが根の先が曲がっているケースもあります。曲がった根っこも目視では見えにくいため、治療が困難で時間がかかることが多いでしょう。

 

根管治療の内容

根管治療の内容を順番に紹介します。

 

①根の中に細菌が入らないようにラバーダムなどを使って保護する

治療をしている歯の根の中に唾液や歯垢が入ってしまうと細菌に感染し、痛みが取れない恐れや再発を繰り返す恐れがあります。

そのため使用するのが、ラバーダムと呼ばれるゴム製のアイテムです。唾液の中にいる細菌が、根の中に入らないように阻止しながら治療を行います。

 

②歯の神経を徹底的に取る

歯の神経が通る管は、人によっても歯によっても本数や太さ、形が違うもの。根管治療でこの内の1本でも見逃してしまうと、いずれ痛みの原因になります。

目安としては、前歯と小臼歯は1〜2本、大臼歯は1〜4本の根管が存在しているため、そのすべてをしっかり消毒しなくてはなりません。

 

③根の中に薬が入りやすいように整える

前述したように、根管の形もいろいろあります。楕円形、三角形、二股状など複雑な形をしているため、小さな入り口から器具を入れて削って整え、消毒しやすくします。

 

④薬をぴったり詰める

根管を消毒したあとに、ガッタパーチャと呼ばれるゴムのような薬をぴったりと隙間なく詰めていきます。

歯の神経がなくなった歯は「死んだもの」と同じで栄養が行き届かず、再感染しやすくなっています。また管の中に空気が入ってしまうと痛みが出るため、薬を緊密に詰め、細菌の住処となる場所をなくすのです。

 

⑤レントゲンで確認する

歯の根に薬を入れたあと、根の先までちゃんと薬が入っているかどうかをレントゲンで確かめます。もしも途中までしか薬が入っていなかったり空気が入っていたりする場合は影が映るため、再度入れ直しです。

 

根管治療中に注意すること

通常、根管治療は週に1回程度の通院が1カ月ほどかかりますが、その間に気を付けるべきことは「治療中の歯で噛まないようにする」ことです

根管治療中は歯の内面がむき出しの状態で、とても弱くなっています。そこを嚙み締めたり食いしばったりすると、仮蓋が取れたり残っている歯が欠けたりすることがあるのですね。

根管治療の間は、できるだけ治療している側では噛まないようにしましょう。歯が欠けたり割れたりしてそこから唾液が侵入すると、唾液に含まれる細菌によって再度感染する恐れがあります。

 

根管治療は時間がかかる! 時間を空けずにきっちりと通って治療を終わらせよう

根管治療は複雑な治療で、かなり慎重に行っても見落としがある場合が存在します。歯の根は入り組んでいたり形が一定ではなかったりするため、治療時間がどうしても長くなるのですね。

そのため、もし担当歯科医に歯の根の治療をしますと言われた場合には、そこから2カ月程度は連続で通えるようにスケジュールの調整をしましょう。根管治療の途中で唾液が入ると細菌感染の原因となるため、あまり時間をあけずに治療することが望まれます。


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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