二次カリエスは虫歯の再発! 発生の原因や予防方法とは?
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一度きちんと虫歯治療をして銀歯を入れてもらったから、もう大丈夫! そう安心する人が多いのですが、実は詰め物や被せ物で歯に蓋をしても安心はできません。
一度治療した歯が再び虫歯になることを、二次カリエスといいます。虫歯レベルが深い二次カリエスであれば、治療を繰り返していくうちに最終的には歯がなくなってしまうことも。そのため、二次カリエスはできるだけ予防しなければなりません。
ここでは二次カリエスとは何か、発生の原因や発見方法、そして予防方法などを紹介します。大切な歯を失わないために、できることをして二次カリエスを防ぎましょう。
二次カリエスを防ぐには? 清掃と生活習慣の見直しを
一度虫歯になった歯は治療し、殺菌したうえで削ったところを人工物によって蓋をします。ところがそこにさまざまな原因で菌が入り込み、銀歯の下で虫歯が再発。それを「二次カリエス」と呼びます。
二次カリエスには次で説明する複数の発生原因がありますが、そもそもは菌の活動が原因です。口内には常時数億の菌が存在しており、それらから歯を守るには清掃と生活習慣の見直しが大切。
毎日しっかりと正しい方法で歯磨きをし、食事時間は守る・間食は控える・ダラダラと食べないといった習慣にすることが重要です。
歯を失わずいつまでも自分の歯で食事ができるように、今の自分ができることをして歯を守っていきましょう。
二次カリエスはどうして発生する?
では、二次カリエスの発生原因について以下の3つを紹介します。
- ・清掃が甘い
- ・詰め物や被せ物の劣化
- ・虫歯の取り残し
清掃が甘い
銀歯やセラミックなどの補綴物(ほてつぶつ)は人工物のため、当然虫歯にはなりません。しかしその奥にある歯は天然物なので、菌が侵入すればまた虫歯になります。
毎日の歯磨きが甘いと食べ残しに口内菌がつき、活動を活発化。虫歯菌がどんどん増殖します。
もともと一度でも虫歯になったことがある場所は、磨き残しが多いところです。そのため、清掃が甘いとすぐに菌が増殖して歯を溶かし始めるのですね。
歯磨きのあとにはデンタルフロスや歯間ブラシを使って清掃レベルを上げ、洗口液で除菌をしましょう。
詰め物や被せ物の劣化
詰め物や被せ物の劣化も、二次カリエス発生を発生させる大きな要因です。
人のアゴは、その人の体重分程度の力があると言われています。たとえば体重60㎏の人なら食べ物を噛むときの力も60㎏程度。それだけ大きな力が食事のたびに歯にかかるので、金属で作られている詰め物・被せ物であってもやはり使っているうちに変形します。
また、詰め物や被せ物は本物の歯とセメントでくっつけているだけ。そのためこのセメント部分が経年劣化で溶けだし、歯との間に隙間ができてしまうのですね。
変形や劣化などでできた隙間から菌が侵入し、歯を溶かしていきます。
虫歯の取り残し
最初の虫歯治療がうまくいかず、虫歯が取り残しであった場合にも、二次カリエスは発生します。
深く進行した虫歯を完全に取り除くことは難しく、熟練の歯科医であっても成功する確率は80%程度です。人の歯の根部分はいくつも枝分かれしているうえに曲がりくねっており、とても細いため掃除が困難。もちろん薬剤を詰め込みますが、時間が経つと菌が再び活発に活動を始める場合もあります。
虫歯が取り残されていたり薬剤が不十分であったりした場合、二次カリエスは高い確率で起こるでしょう。
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二次カリエスの発見方法2つ
続いては二次カリエスの発見方法2つです。
- ・日頃から鏡でチェックする
- ・食事のときなどにしみるかどうかを確認する
虫歯が進行して痛みがでればはっきりとトラブルがわかるでしょう。しかしすでに一度根管治療をして神経を抜いている歯であれば、痛みはなかなか出てきません。
普段から歯に関心を持ち、セルフチェックをしていきましょう。
日頃から鏡でチェックする
これは鏡で見えるところに限られますが、詰め物が銀ではなくレジンであった場合には、色の変化で二次カリエスに気付くことがあります。
虫歯が周辺で発生していれば、レジンが茶色く変色。もしくは黒くなっている箇所があれば間違いなく虫歯なので、痛みなどがなくとも歯科を受診しましょう。
食事のときなどにしみるかどうかを確認する
二次カリエスの場合、補綴物があるために見ただけではわからず、自覚症状もなかなか出ません。しかし食事のときなどに冷たいものがしみれば、補綴物の下の歯が虫歯になっている可能性が高いでしょう。
冷たいものがしみる、その時点で歯科を受診すれば、まだ神経がある歯は根管治療をせずに済むかもしれません。補綴物を外して歯を削り虫歯を取る治療で済む可能性が高いのですね。
歯は神経をとると途端に弱くなってしまいます。そのため、二次カリエスでもできるだけ早く気づいて治療を受けることが大切。冷たいものがしみるかどうか、食事のときにセルフチェックをしてくださいね。
二次カリエスの予防方法4つ
一度でも虫歯になった歯は二次カリエスが発生しやすいもの。とはいえ、治療を繰り返せばいつか歯を失ってしまいます。
では二次カリエスを予防するためにはどうすればいいのでしょうか?
予防方法は、次の4つです。
- ・徹底的な歯垢除去
- ・フッ素入り歯磨き粉を使う
- ・劣化しにくい素材を選ぶ
- ・歯科の定期健診を受ける
徹底的な歯垢除去
歯垢は細菌の塊。これをなくせば二次カリエスが発生する可能性は格段に低くなります。
毎日の歯磨きはもちろんのこと、歯磨きのあとはデンタルフロスや歯間ブラシをつかい、歯ブラシでは届かない場所の歯垢を落としていきましょう。
とくに治療箇所は詰め物や被せ物によって段差があります。その段差に汚れが溜まりやすいため、治療箇所はよりしっかり磨いてください。
フッ素入り歯磨き粉を使う
フッ素には歯を強くして虫歯になりにくくする効果があります。歯科へ行けば歯にフッ素塗布をしてもらえますが、最近では市販のデンタルケア商品にもフッ素配合のものが増えてきました。
たとえばフッ素入りの歯磨き粉や洗口液などを使えば、自宅でもフッ素効果を得られますよ。
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劣化しにくい素材を選ぶ
虫歯治療に使う補綴物を、そもそも劣化しにくい素材にすることも重要な二次カリエスの予防方法です。
たとえば健康保険を使って行う虫歯治療では、レジンや銀歯が一般的に使われる素材。しかしこれらは歯垢が付きやすく、歯との接着レベルも高くありません。
しかしセラミック素材であれば劣化しにくいうえに歯によくくっつき、隙間が空きにくいという特徴があります。ただしセラミック治療は健康保険を使えない自由治療で、高い費用が必要です。
どの素材を使って治療するかは、予算も含め、担当の歯科医に相談してみましょう。
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歯科の定期健診を受ける
3カ月や4カ月に一度、歯科の定期健診を受けることも大切です。受診の頻度が高ければプロによるクリーニングで歯垢がない状態をキープしやすいうえ、トラブルがあっても初期に発見してすぐに治療ができます。
早期発見早期治療が最も歯を失わずに済む方法です。
何もトラブルがない口内を維持するためにも、歯科の定期健診を受けてくださいね。
歯を失うリスクがある二次カリエス! 慎重に予防しよう
二次カリエスとは、銀歯などの下で再び虫歯が発生すること。一度治療しているため詰め物や被せ物があり、通常の歯に比べてトラブルの発見が遅れるというデメリットがあります。
治療を繰り返していけば、その歯はいずれ失ってしまうでしょう。歯を失わないためには、二次カリエスにならないように予防すること、もしなっても早めに発見できるように自分で気を付けておくことが大切です。
正しい歯磨きをしてフロスや歯間ブラシでダブルケアをし、定期的に歯科でクリーニングや診察を受けましょう。
二次カリエスを予防できれば、歯を失う可能性を低くできます。将来の健康のためにも、しっかり歯を守ってくださいね。