前歯のブリッジ治療! 使う素材や費用目安などを紹介
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歯を失った場合は何らかの手段でその欠損をうめないと、後々さまざまな不都合が生じてしまいます。特に前歯であれば見た目の影響も大きいため、できるだけ早く対応したいですよね。
前歯を失った場合に考えられる対処はインプラントや入れ歯(義歯)、そしてブリッジです。ここでは健康保険を使えるケースもあるブリッジ治療について紹介します。
ブリッジにはどのような素材を使えるのか、その素材のメリットデメリットなども合わせて紹介しますので、参考にしてください。
前歯が欠損! ブリッジ治療は外見と費用のバランスから考えよう
ブリッジとはその名の通り「橋」のように、両隣の歯に渡しながら真ん中の欠損部分に人工歯を入れる方法。自然な見た目で噛む力が大きく回復するため、よく取り入れられる治療法です。
健康保険を使っての治療も可能ですが、素材によっては自費治療になります。そのため、見た目と費用のバランスを考えてブリッジ治療を検討しなければなりません。
前歯はとにかく目立つので、速やかに治療をして見た目的にも機能的にも回復させたいところ。まずは担当の歯科医に相談し、自分にとってベストな治療は何かを考えるようにしてくださいね。
前歯のブリッジ治療とは?
なくなった歯の両隣を土台とし、人工の歯(ダミーの歯)をつなげたもので補佐する治療法です。
ブリッジ治療のメリットは次の5つ。
- ・固定式のため外さなくてよい
- ・装着時に違和感がない
- ・普通に歯磨きができる
- ・自然に噛める
- ・手術不要で体への負担が少ない
ブリッジは一度装着してしまえば入れ歯のように外す必要がないので、口の中で違和感がなく清掃も今まで通りの歯磨きでOK。入れ歯に比べて強いため噛む力も今までとほぼ変わらないうえに、治療期間が短く手術も不要です。
ではデメリットも見て行きましょう。これも代表的なものが5つです。
- ・ない歯の両側の歯を大きく削る必要がある
- ・土台となる両側の歯に負担がかかる
- ・真ん中の人工歯の清掃が難しい
- ・土台歯や人工歯のどれか一部にトラブルが起きると全体の治療が必要
- ・歯がない部分の歯肉が下がってくると、人工歯との間に隙間ができて話しにくくなる
歯がないところは骨や歯肉が下がってくるため、時間が経つにつれて隙間ができたり手術が必要になったりします。また、両側の土台となる歯を削る必要があるうえに負担が強くかかるので、噛み合わせが強い人などは両側の歯の寿命が縮まります。
種類は2つある
ブリッジ治療の種類は「保険内治療」と「自費治療」の2つから選べます。
【保険内治療】
保険を使った治療では、金属の土台にプラスチックを貼り付けたもの(レジン前装冠)を使用します。
費用目安としては、再診料や補綴物維持管理料などを抜いて1万5,000円程度です。
【自費治療】
自費治療は自由診療なので、ブリッジに使う素材の選択肢が増えます。
使う素材はセラミック。内側は銀歯を使って外側をセラミックで美しく仕上げる「陶材焼付鋳造冠(とうざいやきつけちゅうぞうかん・メタルボンド)タイプ」や金属をまったく使わない「オールセラミック(ジルコニア)タイプ」などがあります。
費用目安は陶材焼付鋳造冠タイプで1本8万円前後、オールセラミック(ジルコニア)で1本10万円前後。ただしブリッジは最低でも3本セットになるため、費用相場はこの3倍程度になると覚えておいてくださいね。
またクリニックによって費用や扱う素材が変わるので、まずは担当医に相談しましょう。
【関連記事】セラミック治療についての記事はこちら
歯のセラミックとは? 歯科医師がセラミックをおすすめする理由
前歯のブリッジ治療・使う素材別メリットデメリット
前歯はとても目立ちやすいところのため、人から見えない奥歯であれば頑丈さを一番にするけれど、前歯は素材もしっかり選びたいという人は多いでしょう。
ここでは使う素材別に、前歯のブリッジに使うときのメリットやデメリットを説明します。
保険治療内素材のブリッジにおけるメリット・デメリット
保険治療内ではプラスチック(レジン)を使います。
【メリット】
- ・見た目には白い
- ・しっかり噛める
- ・費用が安い
【デメリット】
- ・経年劣化で変色する
- ・歯茎が黒くなる
- ・一部の破損でも全体の修復が必要
- ・寿命は7年程度
医療用プラスチックは白い色をしているので見た目に大きな違和感はありませんが、中の金属がすけないようにするため透明感を出せず自然な色にはなりません。また、経年劣化があり、使ううち(半年から1年程度)に黄色っぽくなってくるでしょう。内側は金属を使っているので、金属が溶けだして歯茎が黒くなるケースも散見されます。
さらに医療用プラスチックであるレジンはすり減りやすい傾向があり、噛み合わせが強いとすり減ったり欠けたりすることも。噛み合わせが強い自覚がある人は医師と相談しましょう。
気を付けたいのは経年劣化による土台の崩れです。土台となっている両側の歯のどちらか、歯と金属を固定しているセメント部分が溶けて崩れた場合、ブリッジが外れてしまいます。
ただし片方が外れてももう片方がしっかりついていれば、ブリッジとしては崩れずに形を保ったまま。このとき、外れてしまっている方の歯と金属の間に細菌が入り込み、土台の歯の内側で虫歯が進行するケースがあります。
知らない間に虫歯が進行して土台となる歯がダメになると、ブリッジも外さなくてはなりません。そうならないためには、定期健診などで観察と清掃が必要です。
自費治療のブリッジにおけるメリット・デメリット
自費治療で使う素材はセラミック。費用は高額になりますが、より自然で美しい歯が手に入ります。
【メリット】
- ・色が自然で周囲の歯と合わせられる
- ・経年劣化で変色しない
- ・歯としっかりくっつく
- ・汚れがつきにくい
- ・寿命が長い
【デメリット】
- ・費用が高額
費用が高額であるというデメリット以外は、基本的にメリットばかりなのがセラミック素材のブリッジです。
色は自然なうえ本物の歯のような透明感があり、周囲の自分の歯に合わせられます。また、プラスチックのように劣化して変色することはなく、奇麗な色が長期間続きます。
歯に接着剤を塗ってセラミックをくっつけるため、強く噛むことにも耐えられるのですね。セメントのように劣化して溶け出すことがなく、隙間から細菌が侵入して内側で虫歯になることもありません。
また、セラミックは陶器のためとても汚れがつきにくい素材です。歯垢もつきにくく、歯磨きで清掃しやすいので虫歯や歯周病を予防しやすですよ。
セラミックの寿命は長く、一度入れれば他のトラブルがない限りずっと使用できます。ただし土台となる歯が歯周病や虫歯になってしまうと使えなくなるため、定期健診を受けてメンテナンスをしましょう。
歯をさほど削らなくてもよいブリッジ治療法もある
ブリッジ治療を受けるにあたって、懸念があるとすれば「土台となる歯を削る必要がある」ことでしょう。その歯が一度も虫歯になっておらず、健康な歯であればなおさら削るのは嫌ですよね。
ただし現在は研究がすすみ、あまり歯を削らなくても使えるブリッジがあります。その2つを紹介しましょう。
- ・接着性ブリッジ
- ・直接CRブリッジ
接着性ブリッジ
接着性ブリッジは両側の歯を少しだけ削ってブリッジの金属をひっかける方法。なくなった歯に隣接する2本の歯は、エナメル質だけを削って金具を取り付けます。
このブリッジ方法が可能なのは、神経が生きている歯であり、なおかつエナメル質が残っている歯であることが条件。保険も適用されるので、費用もさほど高額にはなりません。
ただし施術を行っている歯科はあまり多くないため、希望する人は事前にクリニックへ問い合わせをしてくださいね。
直接CRブリッジ
隣接する土台の歯を一切削りたくない、という人におすすめなのは直接CRブリッジです。
これは両側の歯に接着するようにして、真ん中の歯がないところに医療用プラスチック(レジン)を盛っていく方法。山のようにプラスチックを重ねていき、最終的に歯の形に整えれば完成です。
プラスチックの塊のため、強く噛めば欠けたり経年劣化で変色したりしますが、何度でも修復が可能。歯を削るわけではないので修復回数が多くなっても問題なしです。
しかし健康保険は使えないため、1度の治療に高額な費用が必要となります。
前歯が欠損したらすぐ歯科へ! 納得する治療法を選ぼう
前歯は笑顔のときなどの見た目をよくするだけでなく、食物を噛みちぎったり咀嚼したりするためにも必要な歯です。
そのため、何らかの出来事で前歯を失ってしまったらすぐに歯科で治療を受けましょう。
前歯を元と同じ見た目に戻すためには、インプラントや入れ歯、ブリッジなどの方法があります。
強く噛めるうえに見た目も割と自然、健康保険を使うことも可能なのがブリッジ。しかしブリッジには自費治療の選択肢もあるので、費用や作用、見た目のバランスを上手にとって納得いく治療を受けるようにしてくださいね。
どのような方法があり、費用はいくらなのか、そのデメリットの内容などを担当の歯科医に確認してから選択すると後悔せずに済みますよ。