更年期とドライマウス:原因・症状・そして日々の対処法までを解説
<当院の感染拡大防止について>
手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
スタッフ一丸となって、新型コロナウイルスの感染拡大防止に善処致します。
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
更年期になると、男女共にホルモンの減少によるさまざまな不快症状に悩まされることはよく知られています。しかしその中に、ドライマウスの症状があることはあまり知られていません。
ドライマウスにも、複数の困る症状があります。そのため、更年期に口が乾くことが増えたなと感じたらドライマウスを疑い、症状を軽減できるようにセルフケアをしていきましょう。
この記事では、更年期とドライマウスの関係や、ドライマウスに対してできる日々の対策法、そして医師による治療の内容などについて解説します。
更年期はドライマウスになる? 更年期と口内の渇きの関係
ドライマウスとは、唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥することでさまざまな不快症状が出てくることを指します。そして更年期は45歳から55歳くらいまでに訪れる、ホルモン分泌の減少による諸症状に悩まされる期間のこと。男女ともにありますが、女性の方が急激にホルモン値が下がるため症状がでやすく、一般的に「更年期障がい」として知られているつらい時期に入ります。
女性が閉経に至る移行期間には卵巣の卵子がなくなりかけ、脳の指令に対して卵巣が反応しなくなります。その結果、脳が多量のホルモンを出して卵巣を刺激しようとするのですが、その際に自律神経の司令部がある辺りも影響を受けるため、自律神経が乱れるのですね。
自律神経が乱れることにより、突然ほてりが発生したり汗を大量にだしたり、イライラや不安が起こりやすくなったりします。そして、症状のひとつにあるのがドライマウスです。
【関連記事】ドライマウスについての記事はこちら
ドライマウスとは? ドライマウスの原因・症状・対処法
ドライマウスの主な症状4つ
以下の4つが、ドライマウスの主な症状です。
- ・口臭が出る
- ・虫歯や歯周病になりやすくなる
- ・口内炎ができやすくなる
- ・味覚障がいや食べにくさが出る
口臭が出る
口内は通常、1日に1〜1.5リットルほど出ると言われている唾液で湿った状態です。唾液は食べかすや細菌を洗い流しす働きを持つため、唾液が十分に出ている口内であれば、口内の健康が守りやすくなります。
しかし唾液の分泌が減ると口内が乾いた状態になり、口内細菌が活動を活発化させます。その結果細菌が繁殖し、細菌が活動中に出すガスによって口臭が発生、生ものが腐ったような、強烈なにおいが出てくるようになります。
【関連記事】口臭対策についての記事はこちら
さよなら口臭!正しい歯磨き&ライフスタイルで口臭予防の完全ガイド
虫歯や歯周病になりやすくなる
唾液が減って口内が乾くことで口内細菌の活動が活発化するため、虫歯や歯周病になりやすくなります。小さな虫歯がすぐにできてしまい、歯周病が進行することによる口臭も出てくるようになるのです。
【関連記事】唾液と虫歯の関係についての記事はこちら
唾液と虫歯の関係性は? 唾液の分泌量は多い方がよい
口内炎ができやすくなる
唾液が少なくなると、口内の粘膜を保護する機能が低下します。そのため歯磨きや食事といった軽い刺激でも口内が傷つき、口内炎になりやすくなります。
味覚障がいや食べにくさが出る
唾液が減ると舌が乾いてうまく動かせなくなるため、滑舌が悪くなることも。また、舌の表面にある味を感じる「味蕾(みらい)が乾燥による影響を受け、味を感じ辛くなる場合があります。
さらに唾液が不足することにより、食べ物が飲み込み辛くなることも問題のひとつです。高齢者が喉に食べ物を詰まらせるのも、唾液不足が大きな原因になっています。
更年期のドライマウス:日々の生活でできる対策
ドライマウスかなと感じたら、すぐに何らかの対処を始めましょう。唾液はとても重要で大切なものです。まずは唾液を十分に分泌できるよう、簡単なことから始めてください。
- ・唾液の分泌量を増やす
- ・こまめに水分補給をする
- ・酸っぱいものを食べる
- ・禁煙し飲酒は控える
唾液の分泌量を増やす
何よりも大切なことは、唾液量を十分にすることです。そのためにできることは、以下の3つがあります。
- ・よく噛んで食べる / ガムを噛む
- ・唾液腺をマッサージする
- ・舌を大きく動かす
よく噛んで食べる / ガムを噛む
食べ物は十分に、よく噛んで食べるようにしましょう。ひと口ずつを大切にしてしっかり噛むことで、顎が動いて唾液腺が刺激されます。
また、食事以外のときはガムを噛むことがおすすめです。ガムならお腹が膨れないうえに、顎をしっかり動かせます。ガムの種類は豊富ですが、噛むなら砂糖が入っていないキシリトールガムにしましょう。できるだけ、歯科や薬局で販売しているキシリトール高濃度のガムを手に入れるようにしてください。
唾液腺をマッサージする
唾液腺を刺激することで、唾液の分泌を促せます。
唾液腺は耳の前にある耳下腺、そしてエラの裏側にある顎下腺、前顎の下にある顎下腺のあたりを指の腹で円を描くように抑えてください。わかりやすい場所は前顎の下です。左右の親指で突き上げるように強めに押すと、じわーっと唾液が出てくるのが感じられます。
舌を大きく動かす
舌を大きく動かすことでも唾液腺を刺激できます。舌で口内をぐるーっと押し回し、そのあと「べー」と前に長く出してみましょう。
毎日続けることで唾液分泌を促せるうえに、滑舌もよくなりますよ。
こまめに水分補給をする
口内細菌や食べかすなどを洗い流すことも兼ねて、こまめに水分補給をしてください。飲み込むというイメージよりは、口内を潤すというイメージです。水のペットボトルを用意しておき、短時間で口に含むことを繰り返しましょう。
なお、水分補給はカフェインが含まれていないものがおすすめです。水や麦茶などですね。コーヒーや紅茶、緑茶などは利尿作用があるため、余計に水分不足になる恐れがあります。
酸っぱいものを食べる
酸っぱいものは、考えるだけで唾液がじんわりと出てくるのを感じられますよね。食事でも、梅干しやレモン、酢の物などを一品に加え、唾液分泌を促してください。
そして、食事はとにかくよく噛むことです。素材の味を堪能しましょう。
禁煙し飲酒は控える
タバコは刺激剤であるため、吸うと交感神経に働きかけ、唾液の分泌を減らしてしまいます。また、タバコに含まれているニコチンは口内粘膜を荒らす原因にもなるのです。禁煙するだけでドライマウスは改善する可能性が高くなりますので、すぐに禁煙するようにしてください。
また、飲酒も同じく興奮剤として唾液の分泌を減らしますが、さらに飲酒は体の脱水症状に繋がります。口内や喉の渇きが悪化するため、飲酒は控えるか、アルコールを飲まないようにしましょう。
医師による更年期のドライマウスの検査・治療とは
ドライマウスかなと思ったら、受診すべきは歯科か口腔外科の「口腔乾燥外来」です。ドライマウスは更年期の他にも自己免疫疾患のシェーグレン症候群などが隠れていることもあるため、症状がつらいときには早めに医師の診断を受けるようにしてください。
ドライマウスの検査では、ホルモンや自己免疫機能の状態をみるための「血液検査」、そしてガムを噛んでどれだけ唾液が出たかをみる「ガムテスト」、さらに唾液腺を一部切り取り、顕微鏡で見る「生体検査」などがあります。
治療内容は、人工唾液と呼ばれる薬を1日に数回口内へスプレーしたり、虫歯予防のためのうがい薬を使ったり、口腔保湿剤で口内を保湿したりなどです。
ドライマウスは更年期の症状のひとつ! セルフケアで症状を緩和しよう
更年期障がいにさまざまな症状があることは知られていますが、口の中が乾くドライマウスもそのひとつです。
ドライマウスになると口内トラブルの発生率が上がるうえに、対人関係で問題となる口臭も発生します。しかし、唾液の分泌は自分で刺激できる方法があるため、いろいろと試して改善を試みてみましょう。
もちろん専門家による治療もありますので、症状が辛くてしんどいという方は早めに病院を受診してくださいね。