歯を重曹で磨くのは大丈夫? メリット・デメリットや歯磨きの方法を紹介
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どの家にも必ずあると言われるほど、料理から掃除まであらゆることに使える便利な商品が、重曹です。この重曹、歯磨きにも使えるのですが、一体どのような効果があるのでしょうか。
何事にも注意点やリスクが存在するため、まずは重曹について知識を得てから利用することが大切です。
ここでは重曹を歯磨きに使うメリットやデメリット、実際に重曹を使うのであればどうするのかについて紹介します。
重曹は歯磨きに使える? リスクを知って上手に使おう
重曹を使って歯磨き粉を作り、歯を磨くことはできます。
しかしながら、まったくリスクがないわけではありません。そのため、使ってから後悔せずに済むよう、まずは重曹について知っておきましょう。
重曹は、正式には炭酸水素ナトリウムといいます。人体に悪影響がなく、そのまま水にながしても生態系に異変をもたらさない物質です。人は料理にも掃除にも重曹を利用しています。
重曹には汚れを落とす強力な作用や、油汚れを中和して取り除く性質があるため、歯の清掃にも使えるでしょう。しかし、そのまま歯磨きに使うとなると、いくつかの注意点があるのですね。
重曹を歯磨き粉として使う前に、必ずリスクも確認するようにしましょう。そしてもし、歯を白くしたいという強い希望がある場合には、重曹ではなく歯科や自宅でのホワイトニングをおすすめします。ホワイトニングについては、担当の歯科医に相談してみてください。
重曹を使って歯磨きをするメリット3つ
重曹を使って歯磨きをするメリットは次の3つです。
- ・着色汚れを落とす
- ・虫歯を予防する
- ・口臭を予防する
着色汚れを落とす
重曹には汚れを強力に落とす作用があります。つまり、歯の汚れをしっかり落とすことにより、白く見えるようになるのですね。
一般的な歯磨き粉にも研磨剤が含まれているものが多いのですが、いずれも重曹に比べるとその力は弱め。歯の着色汚れを落とすことについては、重曹はとても効果があります。
ただし、あくまでも重曹がすることはクリーニングであり、ホワイトニングではありません。歯そのものに作用して漂白するわけではないため、注意が必要です。
虫歯を予防する
重曹は、アルカリ性の物質。酸性になった口内を速やかに中和できます。
通常、食事のあとに人の口内は酸性に傾きます。これは口内に数億以上いる細菌が、食べかすに含まれる糖分に取り付いて酸を作り出すためです。口内が酸性に傾くことによって歯の表面が溶けやすくなり、溶けることで細菌が侵入しやすくなるのですね。その結果が虫歯です。
しかし、食後に重曹で歯磨きをすると口内が中和されます。結果的に歯が溶けだすのを防止できることから、重曹は虫歯を予防すると言われるのです。
口臭を予防する
口臭の原因はさまざまですが、重曹を使えば口内が酸性に傾くことによる口臭を予防できます。アルカリ性の重曹は、口内を中和するからです。
また殺菌作用もあるため、口内にいる細菌の活動を抑制することも期待できます。とはいえ、歯周ポケット内深くに潜む歯周病菌には影響しないため、歯周病菌が原因の口臭は解消できません。
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重曹を使って歯磨きをするデメリット4つ
では続いて、重曹を使って歯磨きをするデメリット、リスクを4つ紹介します。
- ・研磨作用が強くエナメル質が削れる
- ・塩分の過剰摂取
- ・粘膜にダメージを与える
- ・歯石が付着しやすくなる
研磨作用が強くエナメル質が削れる
重曹を使って家の掃除をしたことがある方はよく知ってらっしゃるように、重曹は強力な研磨剤です。油汚れを分解して浮かし、研磨作用で表面を削って奇麗にしています。
そのためその強力な研磨剤によって、歯の表面にある汚れだけでなくエナメル質まで削り落としてしまう恐れがあるのです。特に歯ブラシを使うと、多くの人は歯磨きに力を入れてしまいがち。重曹を使ってこすることで、簡単に歯の表面が剥げてしまいます。
歯の表面が削れると、熱さや冷たさなどの刺激に敏感に反応するようになります。少しの刺激で痛みを感じやすくなるうえ、ぼこぼこの表面ではかえって汚れがつきやすくなる結果に。歯を奇麗にしようとして重曹で磨き、そのために余計に汚れが付くのは本末転倒と言えるでしょう。
塩分の過剰摂取
重曹は炭酸水素ナトリウム、つまり、塩です。したがって、重曹を使えば口内に塩水を入れることと同じになります。
そのため腎臓病があって塩分を控えている方などには、重曹を歯磨き粉として使うことはおすすめできません。うっかり飲み込んでしまえば大変ですし、飲み込まなくとも口内に重曹を含むだけで粘膜から塩分が吸収され、塩分の過剰摂取につながります。
現在は健康な方でも塩分の過剰摂取は危険なため、毎日重曹で歯磨きをすることは止めましょう。
粘膜にダメージを与える
重曹はアルカリ性物質であるため、油分やたんぱく質を分解する作用があります。だからこそ汚れが落としやすくなるのですが、それはつまり、刺激が強いということ。頻繁に重曹歯磨きをしていると、口内の歯茎や喉といった粘膜を刺激し、ダメージを与えるリスクが増えます。
歯石が付着しやすくなる
人の口内は、唾液によって中性にほど近い弱酸性に保たれています。しかし強いアルカリ性である重曹を使うことで、口内がアルカリ性に傾く時間が多発。口内細菌が作り出す「巣」である歯石が形成されやすくなるのです。
歯石ができると歯ブラシでは落とせません。細菌の巣である歯石が多数できてしまえば、虫歯や歯周病になるリスクが増えてしまいます。
重曹での歯磨きのやり方
では、実際に重曹歯磨きはどうするのかをみていきましょう。行動の順番は次の通りです。
- ①歯磨き粉を作る
- ②指につけて歯に塗る
- ③十分にゆすぐ
歯磨き粉を作る
まずは歯磨き粉を重曹で作りましょう。
重曹はスーパーやドラッグストア、100円ショップなどどこでも手に入りますが、気を付ける点は「食用」もしくは「薬用」の重曹を購入することです。
もしも「工業用」と書かれていれば、それはとても純度の高い重曹ということ。掃除に使うものであるため、口内に含むのには適していません。
おすすめは「食用」の重曹です。最も安く純度が低く粒子も細かくないため、歯磨き粉に使えます。
「食用」の重曹を手に入れ、次の順番で歯磨き粉を作りましょう。
- 1、食用の重曹と水を用意する
- 2、手ごろな容器に重曹を大さじ一杯と水を大さじ半分くらい入れ、混ぜる
- 3、マヨネーズよりはサラサラした状態のペーストを作る
水を入れると泡が出て、白い雲のようなものができます。これを歯磨き粉として使用します。硬いなと思ったら、少しずつ水を足していきましょう。
指につけて歯に塗る
前述した通り、重曹には強い研磨作用があります。そのため通常の歯磨きのように歯ブラシにつけてごしごしとこすると、どれだけ力を抜いていても歯の表面が削れる恐れがあります。
したがって、重曹ペーストは指につけて歯の表面を撫でるように塗るイメージで行いましょう。
指にペーストを取り、少しずつ歯に塗って馴染ませます。こすらず全体にペーストを塗り終わったら、そのまま10分放置してください。唾が出てきたら、飲み込まずに吐き出しましょう。
10分後、指を歯茎と歯の境目や歯の表面に置き、くるくると円を描くように撫でます。
十分にゆすぐ
終わったら、しっかり水で口をゆすいでください。口内に重曹が残っていると、前述したように体内へ塩分が吸収されます。
重曹ペーストは塩をなめたときと同じくしょっぱいので、そのしょっぱさが消えるくらいまで口をゆすぎましょう。
重曹歯磨きは効果的! ただし頻度と歯磨きの仕方には注意しよう
重曹には汚れを分解して浮かし、取り除き、削り取り、殺菌する作用があります。歯磨き粉としてもとても優秀なのですが、強いアルカリ性であるため扱いは慎重にしなければなりません。
重曹歯磨きをするなら、頻度は週に一回程度に抑えることがおすすめです。週末の特別ケアといったイメージで、丁寧に利用するようにしましょう。
上手に使えば、歯の汚れをすっきりと落とせますよ。