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歯磨きにフッ素をプラス! 虫歯予防のための効果と正しい活用法


歯磨きにフッ素をプラス! 虫歯予防のための効果と正しい活用法

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毎日の歯磨きでは多くの方が歯磨き粉を使っていますよね。その歯磨き粉の中には、有効成分としてフッ素が配合されていることが多々あります。そして、歯科では子供の虫歯対策でフッ素を塗布すると聞いたことがある方も多いでしょう。

ではフッ素とはどんなものか、ご存じでしょうか?

この記事では、フッ素にはどのような効果があるか、使用に当たっての年齢別使用量や最適なフッ素濃度などについて、順番に紹介します。効果的な使い方を知り、ぜひ歯の健康維持に役立ててくださいね。

歯磨き後のフッ素は虫歯予防&進行防止効果あり!

フッ素とは天然の元素で、魚介類や肉、牛乳、塩などを始めとするほとんどの食品に含まれている成分です。わたし達人間の歯を虫歯から守る働きがあるため、歯科でもよく使われています。特に見聞きするのは、まだ歯の弱い子供の乳歯への塗布でしょう。

フッ素は濃度が高ければ高いほど効果が強くなります。国際標準基準でフッ素濃度の上限は1500ppmと決められていますが、日本の歯磨き粉に含有しているフッ素濃度の上限は、2023年の1月に1500ppmまで上がりました。これにより、さらに虫歯予防効果が期待できるようになったのです。

ちなみにフッ素は、500ppmの上昇で虫歯の予防効果が6%上昇すると言われています。今使っている歯磨き粉にどの程度のフッ素が含まれているのか、ぜひ一度確かめてみてください。

参考:厚生労働省e-ヘルスネット「フッ化物配合歯磨剤

 

フッ素入りの歯磨き粉は何がよい? 効果は3つ

では、フッ素の具体的な効果をみていきましょう。以下の3つが代表的なメリットです。

  • ・歯質を強くする
  • ・歯の再石灰化を促す
  • ・口内細菌の働きを弱める

 

歯質を強くする

フッ素が歯のエナメル質に働きかけることで歯質が強くなり、虫歯菌が出す酸に負けない強い歯へと変わっていきます

人の歯の表面にある硬いエナメル質は、主にリン酸カルシウムの一種である「ハイドロキシアパタイト」という成分でできています。このハイドロキシアパタイトは酸に弱く、虫歯菌(ミュータンス菌)が出す酸に溶かされることで虫歯になるのですね。

しかし、ここにフッ素を塗布すると、ハイドロキシアパタイトは酸に強い「フルオロアパタイト」に変化します。歯が強くなり虫歯への抵抗力が高まります。

 

歯の再石灰化を促す

歯の表面は、溶ける「脱灰」と修復する「再石灰化」が繰り返されています。

まず、食事によって口内が酸性に傾き、口内細菌の出す酸によっても歯の表面が溶かされます。しかしその後、唾液によって口内は中性に戻され、唾液の中に含まれるミネラルが歯の表面にくっついてまた固まるのです。このとき虫歯菌により、歯質の表層が破壊されて穴が開くのが虫歯ですね。

ここにフッ素があると、歯の近くに存在するフッ素がカルシウムやリン酸などを引き寄せるため、再石灰化がスムーズに行われます

 

口内細菌の働きを弱める

フッ素には口内にいる虫歯菌の働きを弱める効果もあります。虫歯菌が酸を作り出すには「エノラーゼ」という酵素が必要ですが、フッ素はそのエノラーゼの活動を阻害する働きを持ちます。

その結果、虫歯菌はうまく酸を作り出せず、歯を溶かせなくなるのです。

 

フッ素入り歯磨き粉は年齢に合わせて濃度と使用量で選ぼう

フッ素を過剰に体内に取り込むと、急性中毒か慢性中毒を引き起こす恐れがあります。その症状は下痢や嘔吐、悪心などの症状が一般的です。

そのため中には、フッ素を歯に塗布することや歯磨き粉に含まれることで不安に感じる方がいらっしゃるかもしれません。しかし、中毒になるのはあくまでも過剰に体内に取り込んだ場合です

歯磨き粉であれば、歯の表面にフッ素を作用させるだけです。副作用が発生する恐れはありませんので、安心して使いましょう。多目に口内に残したり子どもが飲み込んでしまった場合でも、1〜2回であれば特に心配はありません。

では、年齢別にフッ素濃度と最適な使用量を紹介します。

 

歯が生えてから2歳

歯が生え始めたころの子供から2歳の幼児までは、濃度が900〜1,000ppm、使用量は歯ブラシの上に1〜2mm程度(米粒程度)です。1日2回の使用で、うち1回は就寝前の歯磨きに使いましょう。

親が子供の歯をフッ素入り歯磨き粉で磨き、うがいは少量の水で1回、もしくはティッシュで拭くのでも構いません。

 

3~5歳

3〜5歳では、フッ素濃度は900〜1,000ppm、使用量は歯ブラシの上に5mm以下(グリーンピース程度)です。こちらも同じく就寝前を含め1日2回。うがいをするなら少量の水で行いましょう。

注意点としては、子供が舐めると良くないため、子供の手の届かないところにフッ素入り歯磨き粉を仕舞うようにすることです。

 

6~成人・高齢者

6歳以上は大人も同じで、フッ素濃度は1,400〜1,500ppmのもの、使用量は歯ブラシの上に1.5㎝〜2㎝(歯ブラシ全体)程度です。

同じく就寝前を含め1日2回の使用とし、うがいをするなら少量の水で行ってください。

 

フッ素入り歯磨き粉を使うときのポイント

フッ素入り歯磨き粉を使うときには、以下2つのポイントを意識するようにしましょう。少しでも口内にフッ素を残すため、できることです。

  • ・長く磨けばよいというものではない
  • ・就寝前に使う

 

ポイント①長く磨けばよいというものではない

歯磨きは3分間行うことが良いと、よく言いますよね。フッ素入り歯磨き粉を使うさいにも、歯磨きは2〜3分間のブラッシングを基本としましょう。1本ずつの歯を丁寧に磨く気持ちでブラシを使ってください。

ただし中には、長く磨けばよりきれいになると考える方もいるようです。実のところ、歯磨きは長くすればよいというものではありません。特にフッ素入り歯磨き粉を使う場合は、歯磨き中に分泌される唾液によってフッ素濃度が低下してしまうことが考えられます。さらに長く磨いていると吐き出す回数も増えるため、フッ素が口内で残りにくくなってしまうのですね。

歯茎のマッサージや歯垢の除去など、長い歯磨きには良い面もあります。しかしフッ素の効果を得たい場合は、長くても3分程度のブラッシングに止めておきましょう

 

ポイント②就寝前に使う

フッ素入り歯磨き粉は就寝前の使用でより効果が期待できます。

寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、口内細菌が活発に活動できる時間です。しかしそこにフッ素塗布した歯があれば、細菌の働きも抑制できるのですね。さらに寝ている間は飲食をしないため、口内のフッ素が減る心配もありません。

面倒でなければ毎食後にフッ素入り歯磨き粉を使う方がよいですが、大人でそれが難しい場合には、せめて就寝前の歯磨きでは必ず使うようにしましょう。

 

フッ素入りの歯磨き粉で歯を強く! 子供から大人までおすすめ

フッ素塗布と聞くと乳幼児というイメージを持つ方も多いのですが、フッ素は子供だけでなく大人にも有効です。

親が歯磨きをコントロールしている子供に比べ、不規則な食生活やストレス、治療済みの歯の二次カリエスなどにより、むしろ大人の方が虫歯になるリスクは高いと言えるでしょう。ぜひ大人も一緒にフッ素入り歯磨き粉を使ってください。

もちろん歯科でもフッ素塗布は可能ですし、歯科のフッ素濃度は高いために効果は抜群! 興味があるようでしたら、担当歯科医に相談してみてくださいね。


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監修・執筆

ハピネス歯科クリニックの院長、大久保 圭

ハピネス歯科クリニック 院長 大久保 圭

秋田市の歯医者。出身地:北海道。出身大学:岩手医科大学歯学部。 ハピネス歯科クリニックでは、歯の悩みが何もない健康を保っていただくために、予防歯科を特に大切に考えています。 本ブログを通して、あなたの健康づくりに役立つ質の高い情報発信を心がけています。

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