歯の検診の頻度は3カ月に1回が推奨! その理由と検診内容や費用など
この度の新型コロナウィルスに罹患された方々、並びに感染拡大による影響を受けている方々に、心よりお見舞い申し上げます。当院では患者さまとスタッフの安全確保を実施しています。
<当院の感染拡大防止について>
- 手洗い・アルコール消毒・うがいの徹底
- ドアの開放、空調を強めに設定する 等、定期的に室内換気を行っております
- 次亜塩素酸水を使用し、空間除菌を行っております
- 感染リスクの高い来院者さまへの受診の自粛のご依頼、又はご予約日の変更のお願いをしております
ご理解とご協力賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
国民皆保険制度がある日本では、病院という場所は心身に何か不都合が起きて初めていく場所です。しかし、こと歯科に関してはこの考えは捨てなければなりません。
歯は一度削ると二度ともとに戻らないうえに、現代ではできるだけ生まれ持った自分の歯で食事をすることが全身の健康につながると言われています。
そのため大切なのは、予防歯科。虫歯などのトラブルにならないように、定期健診へいく習慣をつけたいところです。
ここでは予防歯科の1つ「定期健診」と、その頻度や費用について紹介します。
歯の検診でいつまでも自分の歯を! 将来の自分のためにできること
虫歯や歯周病は、自然治癒しません。痛みや歯茎からの出血など不具合があれば歯科で治療を受けますが、日本人の場合、かなり症状が悪化した状態で歯科へ駆け込む人が多いのですね。そうなると、治療には痛みだけでなく時間や費用がかかります。
80歳のときに20本の自分の歯を残そうという運動が世界中で広がっていますが、あれは自分の歯で食事をすることが全身の健康に大きな影響を与えるから。ところが日本のようにトラブルが起きてから歯科へ駆け込むのでは、将来20本もの歯を残せなくなってしまいます。
そのため、数カ月に1度の歯科健診を受け、口のトラブルが起こらないようにすることが大切。虫歯や歯周病にならないように予防し、舌癌などを早期発見・早期治療することで、将来の自分の健康を守りましょう。
歯の検診を受ける頻度とは? 症状別におすすめの頻度は違う
歯の健診が大切なことはわかったけれど、どのくらいの頻度で受けるべきなの? と疑問を持つ人も多いでしょう。
歯科によって考え方は変わりますが、一般的に推奨される歯の検診は3カ月に1回の割合です。ただし、症状によっては頻度が変わることも。
虫歯と歯周病という口の中の2大トラブルについて、説明します。
虫歯の場合
人によって検診を受ける頻度は変わります。
1、虫歯がない人
2、虫歯経験はあるけれどしばらく虫歯になっていない人
3、1年以内に虫歯ができた人
【1の人は半年に1回】
もしも今までにほとんど虫歯になったことがないという人は、半年に1回の頻度で定期健診を受けましょう。
1度も虫歯になったことがないのに半年に1度? と不思議に思うかもしれませんが、口内環境はストレスや服用している薬、生活環境の変化などによって大きく変わります。
特に唾液量が減少すると虫歯になる確率が大きく向上。今まで虫歯はなかった人が、ストレスによる唾液量の減少によってかなりの歯に虫歯ができてしまったケースもあるのです。
半年に1回の定期健診を受けることで、口の中の変化に素早く気づけ、対処が可能になります。
【2の人は3カ月もしくは4カ月に1回】
今までに虫歯になった経験があり、詰め物が口内の数カ所にあるという人は、3カ月もしくは4カ月に1度の検診がおすすめ。
今までの詰め物は経年劣化するため、そこから再度虫歯になることが多いからです。3カ月ないしは4カ月おきに検査と掃除をしてもらえば、新しい虫歯はできにくくなるでしょう。
【3の人は1カ月もしくは2カ月に1回】
そしてこの1年以内に虫歯ができて治療を受けたという人は、経過観察も含め1カ月か2カ月おきに検診を受けると安心です。
実は虫歯になりやすい人がいます。そういう人はどれだけしっかり歯磨きをしていても、なぜか虫歯になってしまうのですね。
歯の質、唾液の量、虫歯菌の量などセルフコントロールが難しい場合には、歯科の手を借りて口内をできるだけ清潔に保ち、トラブルが悪化しないようにしていかなければなりません。
美容院へいく頻度で歯科検診も受ける、そう覚えておくとスケジュールが組みやすいですよ。
【関連記事】虫歯の治療についての記事はこちら
歯の治療は削らない方が良い? 削った方が良い場合や削らない治療内容とは
歯周病の場合
続いて歯周病にかかっている人の場合です。
歯周病の進行度は歯周ポケットの深さなどで判断しますが、自分ではどの程度の深さなのかはわかりませんよね。
もし歯科で定期健診は半年に1回と言われたら、まだ歯周病による汚染はほぼなく健康な歯茎であるということ。今まで通り、しっかり歯磨きをしていきましょう。
そして3カ月もしくは4カ月に1回と言われた人は、歯周ポケットが4mm程度であり、数カ所あると考えられます。
歯周ポケットが4mmになると歯ブラシでは届かず、歯と歯茎の間の溝に細菌が残ってしまいます。これ以上ポケットが深くならないように、3・4カ月に1回の掃除で歯周ポケットを奇麗にしなければなりません。
そして1カ月もしくは2カ月で検診が必要と言われている場合、歯周ポケットは5mm以上となっている可能性が高いでしょう。
5mm以上の深さがあると、嫌気性菌(けんきせいきん)と呼ばれる歯周病菌の中でも強力な菌ができています。この菌は強い悪性ですが、空気に触れることを嫌がります。
そのため高い頻度で歯周ポケットを掃除し、空気を送り込んで活動を抑え、歯周病の悪化を防ぐ必要があるのですね。
【関連記事】歯周病についての記事はこちら
なぜ日本人は歯周病罹患率が高い? 理由4つと予防歯科の大切さを紹介!
トラブルが起きてからでは遅い! 歯科検診の頻度を守るべき理由
歯のトラブルは、起きてからの対処では遅いというのが世界の常識です。日本では痛くなってから、我慢ができなくなってから歯科へいく人が多いのですが、そうなると歯はどんどんなくなってしまいます。
虫歯の治療で1度でも詰め物をすれば、そこへまた菌が入り込んで高い確率で再び虫歯が発生(2次カリエス)。1つの歯の治療を繰り返すうちに最終的には抜歯となり、インプラントや差し歯などが必要となるでしょう。
そのため、とにかくトラブルを起こさないことが大切。トラブルが起きないようにプロによる清掃や検査をするのが、定期健診です。
これまでに、定期健診を受ける頻度は3カ月に1回を推奨、最低でも半年に1回と述べました。その理由は次の2つです。
- ・口内トラブルの進行が比較的早いから
- ・予防処置も受けられるから
虫歯も歯周病も、口の中にいる膨大な数の細菌が食べかすなどにくっついて増殖・活動を活発化させた結果です。
歯についた汚れに細菌がとりついてできるのは歯垢で、その歯垢が硬い歯石に変わるのは2日~14日程度のこと。歯石になってしまえば歯ブラシでは除去できず、菌の数もどんどん増えていきます。
歯石は歯科で専門の機械を使って取り除きますが、歯石が多くの歯に付着している可能性が高くなるのが3カ月程度と言われているのですね。
掃除がしやすく、これ以上悪化しないように細菌の働きにストップをかけるタイミングとしてベストなのが、3カ月程度なのです。
また、虫歯の有無を検査したり歯周病の進行を止められたりできる定期健診は、口内環境を整えるのでトラブルの予防処置にもなります。
いつまでも健康な口内を保つため、できることは毎日の歯ブラシやフロスを使った清掃、そして歯科での定期健診です。
歯科検診の内容
では歯科検診の内容をみていきましょう。歯科によって順番が違うことはありますが、概ね以下の内容です。
- ・歯周病の検査
- ・虫歯の検査
- ・歯石の除去
- ・歯のクリーニング
歯のぐらつきがないか、痛みはないか、口内炎や口角炎はないかなど一連のチェックをし、歯を専用の機械を使って隅々まで掃除していきます。終われば着色(ステイン)を奇麗にするクリーニングもしてくれますよ。
歯科検診にかかる費用
定期健診は保険適用で3000円程度。虫歯ができていた場合にはその深さをはかるためレントゲンを撮ることもあり、そういった場合や自費治療を追加する場合はもう少し費用が上がるでしょう。
とはいえ、1回3000円程度と考えて3カ月に1回通った場合、年間で12000円程度です。
美容院や整体に比べると安いうえに、自分の健康に直結するケアができますよ。
定期的に歯科検診を受けよう! 早期発見早期治療で痛みや費用負担も軽くなる!
歯の検診を受けると、定期的に口内環境を整えてくれるうえトラブルを早期発見でき、続く治療が楽になります。もちろん痛みなども少ないですし、治療に通う時間や必要な費用も抑えることが可能。
時間がなくてなかなか歯科へ行けないという人ほど、トラブルが悪化してから駆け込むために時間や治療費がよりかかってしまいます。
毎月美容院や整体、マッサージへいくような感覚で、歯の検診を予定に組み込んでしまいましょう。その方が結果的に痛い思いをせず、つらい時間が減っていきます。