差し歯が痛い原因とは? 自分でできる対処法・歯科で受ける治療法
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ちゃんと治療は完了したはずなのに差し歯が痛い……。そんなときは不安になりますよね。口内に痛みがあるなら、何らかの異常があるということ。早めに歯科へいき対応しなくてはなりません。
ここでは、差し歯が痛いときに考えられる原因や対処法について紹介します。
差し歯が痛いときはまずは冷やそう! 改善しなければ歯科へ
差し歯のところが痛い! そうなったら、まずは冷やしてください。
痛みは何らかの原因によって血液が患部にたまり、神経を圧迫することで発生します。冷やせば血流が抑制され、痛みは多少マシになるでしょう。
ただし、差し歯部分やその周辺には何らかのトラブルが起こっていると考えるのが正解です。冷やしてみても痛みがなかなか引かないようであれば、やはり早めに歯科医に相談してください。
歯が痛む原因にはさまざまなものがあります。差し歯部分は自分の歯と人工物が混ざっているため、トラブルが起こりやすいもの。治療が必要な場合に放置すれば、よりひどいことになります。日常生活に支障がでるほど強く痛みが出てくる前に、歯科を受診してくださいね。
差し歯が痛い! 考えられる原因6つ
では、差し歯が痛む原因について、考えられるもの6つをみていきましょう。
- ・二次カリエスが発生している
- ・歯根の先に膿が出ている
- ・歯根が割れている
- ・歯周病が進行している
- ・噛み合わせが合っていない
- ・差し歯の寿命がきた
二次カリエスが発生している
二次カリエスとは、一度治療した虫歯のあとが再び虫歯になること。差し歯に隙間があればそこから細菌が侵入し、差し歯の下部分で虫歯が再発するのです。二次カリエスによって細菌が残っていた神経まで届いている場合、強い痛みがあります。
差し歯治療をする前に神経を取っていない歯であれば、二次カリエスを疑ってみましょう。
【関連記事】二次カリエスについての記事はこちら
二次カリエスは虫歯の再発! 発生の原因や予防方法とは?
歯根の先に膿が出ている
歯の根まで細菌が侵入すると、そこで繁殖して膨れ上がった細菌が根の先へと漏れ出します。そうなると歯の根の外側で膿がたまる「歯根嚢胞(しこんのうほう)」が発生。
歯根嚢胞ができれば歯が浮いた感じがしたり、噛むと痛みがでたりします。初期では自覚症状がないのですが、やがて歯ぐきが腫れたり膿のようなものが出始めたりするでしょう。膿をだす切開術が必要なケースもあります。
歯根が割れている
差し歯治療をした歯は、歯の根が割れやすくなります。
特に神経を抜いている歯であれば栄養が行き届かず弾力を失うため、根が割れやすくなるでしょう。金属製の土台が入っている場合も同様です。金属の硬さで歯の根に負担がかかり、割れてしまいます。
これを歯根破折(しこんはせつ)といい、痛み・腫れなどの症状が出現。状態によっては割れた部分を接着しますが、完全に割れていれば抜歯となります。
歯周病が進行している
差し歯周辺が歯周病になると、歯ぐきが炎症を起こして腫れます。これが原因で歯の根が揺れたり痛みが出たりすることも。差し歯がグラグラと揺れ始めたら要注意です。
歯周病の治療をして、これ以上悪化しないように対処しなければなりません。
【関連記事】歯周病についての記事はこちら
歯周病の治療方法や原因とは? 気が付かないまま放置するリスク
噛み合わせが合っていない
噛み合わせが合っていない場合にも、差し歯の周辺が腫れたり痛みをともなったりします。これは噛み合わせが悪くて差し歯に過剰な負担がかかるから。
差し歯だけでなく支えている歯ぐきにもダメージが蓄積し、腫れや痛みを引き起こします。
差し歯の寿命がきた
銀歯や入れ歯、差し歯などはすべて寿命があります。長年装着している差し歯が痛んだり揺れたりする場合には、その差し歯が寿命を迎えているのかもしれません。
差し歯は素材によって寿命が違います。
【保険適用素材の差し歯】
保険を使って差し歯治療をした場合には、使う素材は金属や歯科用プラスチックであるレジンなど。これらの寿命は7年〜10年程度です。
【保険適用外素材の差し歯】
自費治療で入れる差し歯の材料は、セラミックが代表的です。こちらの寿命は一般的には10年程度と言われていますが、口内環境がよければ20年ほど持つケースもあります。
もしも10年以上使っている差し歯であれば、作り替えを検討してみてくださいね。
差し歯が痛いときの対応方法・自分でする対処法4つ
痛みがあれば不快ですよね。まずは自分で差し歯の痛みをマシにする方法を試しましょう。
以下の4つの方法があります。
- ・患部を冷やす
- ・薬を服用する
- ・刺激を与えないようにする
- ・歯磨きをする
患部を冷やす
差し歯でなくとも歯が痛いなと思ったら、患部を冷やすことが最初の対処法。血流を抑制し、神経への圧迫を緩和しましょう。
冷たくしたタオルを当てる、痛みがある部分に氷を当ててみるなどしてください。
薬を服用する
痛みで眠れない、仕事が手につかないといった場合には、市販の鎮痛剤も有効です。鎮痛剤を服用し、安静にしていましょう。
イソジンなどうがい薬でこまめに口内を消毒することも良いといわれています。
刺激を与えないようにする
刺激を与えないようにすることも大切です。たとえば肉など硬い食物をそこで噛まないようにする、食いしばらないようにするなどです。
熱いものを食べる、お風呂に入って体を温める、激しい運動をするなども控える方がよいでしょう。歯の神経に圧迫を与えたり血流がよくなったりするようなことをすれば、痛みが出やすくなります。
歯磨きをする
差し歯と土台の間に隙間が空いている場合などには、隙間に食べかすが入って圧迫、痛みが出ていることもあります。そのような場合には丁寧な歯磨きが有効。決して力を入れず、ゆっくりと優しく磨いてください。
差し歯が痛いときの対応方法・歯科でする治療方法4つ
やはり痛みを根本から治すなら、歯科で治療を受けましょう。痛みの原因によって次の4つの治療があります。
- ・歯根治療
- ・歯根の割れを固定する
- ・噛み合わせを調節する
- ・歯周病の治療
歯根治療
歯の神経を残して差し歯治療をしていた場合、二次カリエスが発生しているなら根管治療を行います。これは歯根の治療のことで、根の中をきれいに掃除して除菌、薬を詰める治療です。
細菌をしっかり排除できれば痛みや腫れは落ち着いてきます。そのうえで、再度差し歯を嵌める治療を行うのです。
歯根の割れを固定する
歯の根が割れている場合には、発生した亀裂を接着剤などで固定します。割れによる影響がなくなれば痛みも改善するでしょう。
ただし亀裂の状態とか割れ方がよくないとかの場合には、抜歯せざるを得ないことも。そうなれば治療時間は長引きます。
噛み合わせを調節する
噛み合わせが原因となっている場合には、調節して差し歯の痛みを取り除きます。正しい噛み合わせで噛むことになれば、差し歯周辺の負担が緩和されるために痛みが改善するでしょう。
ちなみに噛み合わせの悪さはアゴの痛みや肩こり、頭痛にも影響します。できるだけ正しい噛み合わせになるように、歯科検診を受けてくださいね。
歯周病の治療
歯周病が進行して差し歯周辺に痛みが出ている場合には、定期的に検診を受けての治療が必要です。
歯科でプロによる歯垢の除去をしてもらい、少しずつ口内環境をよくしていきます。歯周病の治療には時間がかかりますが、根気よく対応することが大切です。歯周病は放置すれば歯の下の骨を溶かし、歯を失う結果になってしまいます。必ず治療を継続し、口内環境をよくしていきましょう。
差し歯が痛いときは病気が隠れていることも! 歯科へ相談しよう
差し歯が痛いとき、そこには何かトラブルが隠れています。虫歯の再発や歯周病の進行といった細菌が原因のトラブルや、歯の根が割れていたり折れていたりすることもあるでしょう。
いずれにせよいつかは歯科を受診しなければならないため、早めに歯科へいきましょう。放置していれば細菌はますます繁殖し、膿がたまることも。骨まで細菌が影響し始めれば、痛みも強烈になります。
差し歯を入れた歯科へいき、診察を受けてください。早めの対処が将来の口内環境を守り、長く自分の歯を残せますよ。