虫歯が原因で副鼻腔炎になる? 治療方法と予防方法
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鼻の調子がずっと悪く、何度も副鼻腔炎を繰り返しているという場合、もしかしたら原因は歯にあるかもしれません。
上顎と副鼻腔はとても近い位置にあるため、お互いに細菌が侵入し合うことがあります。したがって、そもそも歯が原因であれば耳鼻咽喉科に行って薬をもらっても根本的解決にはならず、何度も炎症を繰り返す羽目になるのですね。
ここでは副鼻腔炎と虫歯の関係について紹介します。歯が原因で副鼻腔炎になった場合どうすればいいのか、確認していきましょう。
副鼻腔炎は虫歯が原因でなる? 両者は密接な関係にある
副鼻腔とは鼻の中の小さな空洞のこと。そこは上顎と近いため、なんらかの細菌に感染したときに鼻と口がお互いに影響しあうことがあります。
鼻の細菌が歯に影響することもあれば、歯の細菌が鼻に影響することもあるのです。お互いのトラブルが影響し合った場合、どちらが原因かをしっかり見極められないと、いつまでも根本的解決ができなくなります。
そのため、もしもなかなか副鼻腔炎が治らないといった場合には、歯科を受診してみましょう。原因が歯にあるなら、歯の治療が必須です。
副鼻腔炎と虫歯の原因
副鼻腔炎は副鼻腔で炎症が起こったことを指しますが、歯科が原因であれば「歯性上顎洞炎」と呼ばれています。どこから見るかによって、病名が変わってくるのですね。ただ、同じ病気を指しているため、この記事では副鼻腔炎と呼びます。
では、副鼻腔炎と虫歯の原因、症状をそれぞれみていきましょう。
副鼻腔炎の原因と症状
副鼻腔炎は鼻の穴にウィルスや細菌が侵入し、膿がたまる病気です。風邪による鼻炎が悪化して発生することが多いため、一般的には耳鼻咽喉科で治療を受けます。しかし虫歯が原因で発生することもあり、その場合は歯科で歯の治療をしなければなりません。
虫歯の放置や歯の神経の自然死による腐敗、歯周ポケットが大きいことなどが原因として挙げられます。
症状は以下の通りです。
- ・口や鼻から膿の匂いがする
- ・鼻が詰まって呼吸ができない
- ・顔面(特に鼻や目周辺)に圧迫感がある
- ・上下に体が動いたときに鼻辺りが痛む
- ・頭痛
- ・上の奥歯が腫れて痛む
虫歯の原因と症状
虫歯は口内にいる数億の細菌が食べかすを餌にして繁殖し、歯に侵入、組織が感染する病気です。自覚症状が出てくるときにはかなり進行しており、歯の汚染部分を削る必要があります。
虫歯の症状は進行レベルによって違いますが、自覚症状は次の通りです。
- ・歯の痛み
- ・歯茎の腫れ
- ・飲食物がしみる
- ・口臭
虫歯が進行すると副鼻腔炎になる理由
虫歯菌が歯の根まで到達したら、出口を探して歯の根の先に膿の袋を作ります。下の歯であれば歯茎に穴を開けて膿を排出しますが、虫歯が上の歯であった場合は副鼻腔まで侵入し、感染を広げていくのです。
これは特に、歯根部が副鼻腔に突き抜けている方によく発生します。
虫歯が原因の副鼻腔炎の治療方法
虫歯が原因の場合、歯を治さないことには副鼻腔炎が何度も繰り返します。そのため歯科で虫歯治療をしなければなりませんが、多くの場合、同時に耳鼻咽喉科での抗生物質治療も並行して行います。
歯科を受診してからの流れは以下の通りです。
- ・原因の歯を特定する
- ・虫歯の治療を行う
原因の歯を特定する
まずは副鼻腔炎を引き起こしている原因の歯を特定しなければなりません。一度も虫歯になったことがない歯であれば見た瞬間に判断できることも、過去に虫歯の治療済みで銀歯が被せてある歯なら、見ただけではわからないこともあります。
レントゲンやCTなどを行って、炎症の広がりを確認。急性化しているのであれば抗生物質の投与が必要です。強い痛みがあるときに歯の根の治療をすると、痛みがさらにひどくなったり化膿したりするからですね。
抗生物質は炎症が治まるまで、2〜4週間程度にわたって飲み続ける必要があります。
虫歯の治療を行う
抗生物質で痛みがなくなってきたら、歯の治療の開始です。虫歯の場合は歯の根の治療を行いますが、改善できないと判断したときには抜歯になります。
抜歯は最終手段ですが、これによって感染源がなくなるために副鼻腔炎は多くの場合に改善可能です。
抜歯をしたあとは、副鼻腔に残っている膿の洗浄です。通常、抜歯でできた穴から行います。何等かの原因があって副鼻腔と鼻の通りが悪ければ、入院しての手術が必要となるケースもあるでしょう。
【関連記事】歯の根の治療についての記事はこちら
歯医者で受ける歯の根っこの治療とは? 時間と手間がかかる理由・期間・痛みなどを解説
虫歯が原因の副鼻腔炎はどう予防する?
虫歯が原因となる副鼻腔炎の予防方法は、虫歯の予防方法と同じです。つまり、歯に侵入した細菌が副鼻腔まで到達しなければいいわけなので、まず大切なのは口腔ケアとなります。
次の3つをしっかり行い、口内と鼻の粘膜を守っていきましょう。
- ・正しい歯磨きをする
- ・口内殺菌をする
- ・歯科の定期健診を受ける
正しい歯磨きをする
歯についた食べかすをきちんと取り除けていれば、虫歯にも歯周病にもなることはありません。そのため、歯磨きは最も大切で基本的な必須項目です。
歯磨きさえ正しくできていれば、口内トラブルに煩わされることはほとんどないでしょう。
ただし、生まれてから一度も「正しい歯磨きの仕方」を教えてもらっていないという方もたくさんいます。正しい歯磨きの方法は歯科でも指導していますので、ぜひ関心を持つようにしてくださいね。
【正しい歯磨きの仕方】
- ①歯ブラシはペンを持つように軽く握る
- ②歯の表面に対しては垂直に、歯と歯茎の境目には45℃くらいの角度をつけて、ほうきで床をはくようなイメージで撫でさする
- ③ブラシの先を細かく動かし、一本ずつ磨く意識を持つ
- ④歯の裏側も一本ずつ丁寧に磨く
歯磨き粉を使用しても構いませんが、歯磨き粉で泡が立つと磨けていなくても磨いたつもりになってしまいます。そのため最初は歯磨き粉なしでやってみましょう。
また、歯ブラシではどれだけ丁寧に磨いても、落ちる汚れは全体の約6割程度にしかなりません。ブラシでは歯間まで入らず、きちんと磨けないからですね。
歯ブラシの後は歯間ブラシやフロスを使い、歯間からも食べかすを追い出しましょう。
口内殺菌をする
歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスなどで歯と歯の周辺を掃除したら、マウスウォッシュを使って口内全体を殺菌することが大切です。
人は寝ている間、口内を清潔に保つ役割がある唾液の分泌が減少します。就寝中は口内にいる細菌の活動が活発になるため、少しでもその活動を抑える必要があるのです。
子どもでも使えるアルコール不使用で低刺激のマウスウォッシュが販売されているので、家族で使い、寝る前の口内殺菌をしてください。
歯科の定期健診を受ける
毎日しっかり口内ケアをしていても、やはり細菌の巣である歯石はできてしまうもの。歯石は歯ブラシなどでは取れないため、歯科を受診して専用の機械で粉砕する必要があります。
その機会が、歯科の定期健診です。
おすすめは3カ月毎に1回、長くても半年に1回の頻度で歯科の定期健診を受けましょう。定期健診では、歯石除去を含む歯の掃除、舌や歯茎などの状態確認、歯の着色除去、かみ合わせの確認などを行います。
数カ月に1度受けることで、虫歯を初期で発見し治療できるほか、歯周病の進行を抑え、変化する歯並びに対してアプローチができるのです。
痛い思いをせずに済むよう、治療に時間とお金をかけずに済むように、毎年2回以上は歯科検診を受けるようにしてくださいね。
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治ったと思ったらまたすぐに副鼻腔炎になった!そんなときは、鼻が原因ではないのかもと疑ってみましょう。抗生物質は炎症症状を抑えてはくれますが、根本的解決にはなりません。もし原因が歯であれば、歯の治療が必要です。
副鼻腔炎でなおかつ歯も痛いといった場合だけでなく、なかなか副鼻腔炎が治らないというときにも、歯科を受診してください。虫歯や歯周病がひどく進行している場合があります。歯をしっかり治し、鼻・頭・口などの痛みや腫れから解放されましょう。